『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』:2018、日本

宇宙世紀0079年。プライマリースクールに通うリタ・ベルナルはスクールバスを飛び出し、崖に向かって走った。先生が戻るよう叫ぶが、ミシェルは振り返ろうともしなかった。同級生のヨナ・バシュタとミシェル・アベスカは、急いでミシェルの後を追い掛けた。リタは崖で立ち止まり、追って来た2人の腕を掴んだ。するとヨナとミシェルの脳内に、コロニー落としの映像が飛び込んできた。驚くヨナたちに、リタは今からコロニー落としが起きること、決して止められないことを教えた。
宇宙世紀0097年、ニューホンコン。ミシェルはルオ・ウーミンの養子となり、ルオ商会の特別顧問を務めている。彼女は占いを次々に的中させ、ルオからの信頼を得ている。彼女は地球連邦軍参謀本部のマウリ・レホ中将と面会し、資料の提供を承知させた。ミシェルは秘書のブリック・テクラートから、ユニコーンガンダムに関する説明を受ける。ミシェル、ヨナ、リタの3人はコロニー落としを事前に察知して町を救い、当時は「奇蹟の子供たち」として大きく報じられた。
マーサ・ビスト・カーバインが北米コロラドの山岳地帯で連邦軍部隊に護送されていると、ミシェルがモビルスーツ部隊を率いて襲撃した。ヨナはディジェに搭乗し、後方支援の任務を担当していた。ミシェルはマーサの身柄を確保し、新しい人生を与えると約束した。それと引き換えに、彼女はユニコーンガンダム3号機のフェネクスに関する情報を提供するよう要求した。ヨナはリタから「奇蹟の子供は1人しかいない。3人とも生き残るには、こうするしかない」と言われた時を思い出し、「嘘つき」と呟いた。
数週間後、サイド4近傍の暗礁宙域。シェザール隊のイアゴ・ハーカナ隊長は副隊長のフランソンや隊員のアマージャ&タマン&デラオ&パベルを率いて、フェネクスと交戦していた。ミシェルはシェザール隊に散開を指示し、ナラティブガンダムに乗るヨナを差し向けた。ヨナはサイコ・キャプチャーでフェネクスの捕獲を試みるが、なかなか成功しない。ミシェルはハイメガ・キャノンの使用を命令するが、ヨナは従わなかった。
ヨナはフェネクスに向かい、「リタなんだろ。話を聞いてくれ」と呼び掛けた。フェネクスから反応は無かったが、ヨナやミシェルの脳内には幼少期のリタの「魂って本当にあると思うの。それは何度だって生まれ変われる。もし生まれ変われるなら鳥になりたいな」という声が響いた。ヨナたちが驚いていると、フェネクスは逃亡した。サイド3のジオン共和国では、ミネバ・ラオ・ザビが外務大臣のモナハン・バハロと交信していた。モナハンはミネバは袖付きの残党を動かして連邦の作戦に介入しようとする目論みを批判され、戦争を避けるための高度な政治的判断だと説明した。
交信を終えたミネバは、すぐにスベロア・ジンネマンを呼び寄せた。一方、モナハンは自分の説明でミネバが納得しないと確信しており、ゾルタン・アッカネンに警告するよう秘書に指示した。巡洋艦ダマスカスのアバーエフ艦長はナラティブガンダムの勝手な介入をイアゴに責められ、「実験中の新装備を持って来たから受領してくれと言われた」と話した。フェネクスを捕獲する「不死鳥狩り」は、参謀本部が直轄する機密任務だ。イアゴはアバーエフから、アナハイム・エレクトロニクス社に委託されたルオ商会がナラティブガンダムの実験運用を担当することを聞かされた。
サイコ・スーツを着用していたヨナはナラティブガンダムを降り、疲労困憊で連れ出された。イアゴはヨナを探ろうとするが、ブリックに阻止された。イアゴは盗聴器を仕掛け、ヨナとミシェルの会話を聞く。ミシェルはヨナに平手打ちを浴びせ、フェネクスを逃がしたことを批判した。ヨナが「あのまま追い込めば撃墜される可能性があった」と主張すると、ミシェルは「彼女はもう人間じゃないのよ。私はその力を手に入れたい。その権利はある」と述べた。
クワトロ・バジーナがダカールの連邦議会で演説した宇宙世紀0087年。ヨナ、ミシェル、リタは親を亡くして戦災孤児となり、オーガスタ研究所に引き取られていた。ルオ商会のステファニー・ルオは施設長のエスコラ・ゲッダと面会し、父が奇蹟の子供を引き取りたがっていることを告げる。ステファニーは父が強化人間ではなく本物のニュータイプを欲しがっていることを語り、「1人で結構。本物は1人。後の2人は力を投影されただけ」と言う。そして彼女は、無益な研究で廃人化する前に本物を見つけ出すよう要求した。ミシェルは研究で正気を失う子供の姿を見て怯え、「逃げないと殺される」と漏らした。
宇宙世紀0097年。ジオン共和国のゾルタン・アッカネンは、部隊の副官であるエリク・ユーゴからフェネクスに関する情報を聞いていた。フェネクスは1年半前の実験中に暴走事故を起こし、消息不明となった。しかしミネバのラプラス宣言直後、再び姿を現した。ゾルタンの部隊は不死鳥狩りの任務を受けており、サイコ・モニターでフェネクスの位置を補足できる利点があった。しかしミシェルがダマスカスにサイコ・モニターを導入したことで、連邦軍も同等の立場となった。
ミシェルはブリックから「今ならまだ止められます」と進言され、「やるわ。クズグズしてたらお姉さまがどんな横槍を入れて来るか」と述べた。サイコ・モニターがサイド6を示したため、シナンジュ・スタインに搭乗するゾルタンは部隊を率いて出撃した。ダマスカスも同じ情報を得るが、サイド6では戦闘が許されないのでアバーエフはシェザール隊に待機するよう命じた。しかしミシェルの指示を受けてルオ商会の名前を出すと、簡単に入ることが許された。
学園都市メーティスに入ったシェザール隊は、フェネクスの反応を捉えた。ヨナは制止を無視し、勝手に行動する。しかしフェネクスの姿は無く、ゾルタンと遭遇した。ゾルタンはコロニー内であることを全く考慮せず、いきなり攻撃を仕掛けた。彼の勝手な行動にエリクは腹を立て、「赤い彗星の失敗作が」と吐き捨てた。ヨナはコロニー内なので力を抑制しながら戦い、ゾルタンに追い込まれてしまう。しかしフェネクスがナラティブのサイコフレームに共鳴し、その場に駆け付けた。
ゾルタンはフェネクスに襲い掛かるが、力の差を見せ付けられる。彼は母艦のグルトップに連絡を入れ、「アレを使う。船をコロニーに近付けろ」と部下に命じた。ヨナはフェネクスに向かい、リタへの謝罪の言葉を口にする。しかしナラティブは彼の意思を無視し、サイコ・キャプチャーでフェネクスを襲う。ナラティブにはNT-D(ニュータイプ・デストロイヤー)が搭載されており、パイロットはシステムの一部に過ぎなかった。NT-Dはパイロットの意思に関係なく、本物のニュータイプを襲うように出来ているのだ。ミシェルはフェネクスがコロニー内なら反撃できないと考え、おびき寄せるためにシェザール隊を利用したのだった。
ゾルタンはセカンドネオ・ジオングを出現させるが、ナラティブのサイコ・ウェーブに引き寄せられる。驚くミシェルに、ブリックはヨナからNT-Dより強い力が発せられていることを伝える。ヨナとミシェルは、リタと海辺で話した時の出来事を思い出した。それは戦災孤児となった後、すっかり景色の変わってしまった学校を尋ねた帰りの出来事だった。思い出に浸ったミシェルは目に涙を浮かべ、ブリックがアバーエフに船の後退を指示しようとすると「このままよ」と告げた。
ヨナ、ミシェル、リタは研究所から脱走を図った時、すぐに捕まった。エスコラは本物を見つけ出すため、「助かるのは本物の1人だけ。後の2人は全身を切り刻まれる」という嘘を吹き込もうと目論んだ。それを知ったミシェルは、ヨナに「助かるのは1人だけ」と嘘を話す。彼女は「リタは絶対に名乗り出ない。私たちが証言すればリタは助かる」と言い、難色を示すヨナを半ば強引に説き伏せた。ヨナが本物はリタだと証言した後、ミシェルはエスコラと面会した。彼女は事実を知っていると指摘し、自分をルオ商会に送るよう要求した。彼女は自分が助かるためにリタを利用し、ヨナを欺いたのだ。
その時の出来事を思い出したヨナは怒りを燃やし、ナラティブはセカンドネオ・ジオングと合体する。しかしリタの声が優しく諭し、ヨナは正気を取り戻した。ナラティブはフェネクスに導かれ、セカンドネオ・ジオングから離脱した。ゾルタンの部隊は撤退し、フェネクスはナラティブの前から一瞬で飛び去った。ミシェルはアバーエフから、隠している計画に関する詳細な説明を要求された。ミシェルはクルーの前で、サイコフレームに魂を集めて時を操る力を引き出そうとしていることを語った。
エリクはモナハンと密かに通信し、「この件でジオン共和国の名前が出るのはマズい」と告げられる。モナハンは計画を中止し、セカンドネオ・ジオングを放棄するよう命じた。そもそもセカンドネオ・ジオングはジオン共和国の所有ではなく、ミシェルがルオ商会を通じて横流しした物だった。彼女は袖付きとナラティブを対決させ、フェネクスをおびき寄せるためにセカンドネオ・ジオングを引き渡したのだ。それを知ったアバーエフが激昂すると、ブリックが「フェネクスを手に入れれば、人は死を克服できる。サイコフレームに魂を移す方法が判明すれば、人はもう死を恐れる必要は無い」と主張した。
モナハンはエリクに、「地球連邦軍の艦隊がグルトップを沈める」と話す。彼は袖付きの残党がジオンのシンパを巻き込んで起こした事件として処理する考えを明かし、すぐに脱出するよう指示した。その会話を聞いていたゾルタンは、エリクを射殺した。彼はシナンジュ・スタインとセカンドネオ・ジオングを合体させて出撃し、連邦軍艦隊に襲い掛かった。彼はモビルスーツ部隊を次々に沈め、ヘリウム3のガスタンクを圧縮して大爆発を起こした。ヨナは「手伝って」というリタの声を聞き、ナラティブガンダムで出撃する…。

監督は吉沢俊一、企画はサンライズ、原作は矢立肇&富野由悠季『機動戦士ガンダム』より、脚本は福井晴敏、アソシエイトプロデューサーは廣岡祐次、エグゼクティブプロデューサーは浅沼誠、プロデューサーは小形尚弘、演出は吉沢俊一&原英和&児谷直樹、コンテは吉沢俊一&寺岡巌&寺田和男&橋本裕之、キャラクター原案は高橋久美子、アニメーションキャラクターデザインは金世俊、メカニカルデザインはカトキハジメ&小松英司、設定考証は小倉信也、キャラクター総作画監督は金世俊、メカ総作画監督は小松英司、キャラクター作画監督は菱沼義仁&渡部貴喜&片山みゆき&齋藤卓也&橋本淳稔&中本尚&土器手司、メカ作画監督は高瀬健一&城前龍治、色彩設計は すずきたかこ、色指定・検査は黒目綾子&岡本ひろみ&田尻佳奈子、美術監督はアトリエ・ムサ 丸山由紀子&峯田佳実、撮影監督は脇顯太焉A特殊効果ディレクターは谷口久美子、CGディレクターは藤江智洋、編集はジェイ・フィルム 今井大介、音響監督は木村絵理子、音楽は澤野弘之、音楽プロデューサーは山田智子&外村敬一、主題歌「narrative」はSawanoHiroyuki[nZk]:LiSA。
声の出演は榎木淳弥、村中知、松浦愛弓、梅原裕一郎、中村文徳、横溝菜帆、内山昂輝、藤村歩、手塚秀彰、下野紘、小山力也、古川慎、中井和哉、山路和弘、遠藤綾、てらそままさき、星野貴紀、佐藤せつじ、駒田航、荒井勇樹、島田岳洋、塩田朋子、夏樹リオ、広瀬彰勇、きそひろこ、辻井健吾、山岸治雄、玉野井直樹、中村章吾、枝元萌、露崎亘、蒔村拓哉、片山公輔、佐治和也、越後屋コースケ、高橋大輔、大津愛理、清水はる香、米本早希、和多田美咲、綾見有紀、福西勝也ら。


アニメ版『機動戦士ガンダムUC』以降の出来事を様々なメディアで展開する「UC NexT 0100」シリーズの第1弾。
これまで『ガンダム Gのレコンギスタ』『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に演出で参加していた吉沢俊一が、初監督を務めている。
脚本は『UC』の原作小説やアニメ版のストーリー構成を手掛けた福井晴敏。
ヨナの声を榎木淳弥、ミシェルを村中知、リタを松浦愛弓、ゾルタンを梅原裕一郎、ブリックを古川慎、イアゴを中井和哉、アバーエフを山路和弘、エリクを遠藤綾が担当している。
『UC』からはバナージ役の内山昂輝、ミネバ役の藤村歩、ジンネマン役の手塚秀彰、タクヤ役の下野紘、フラスト役の小山力也、マーサ役の塩田朋子が続投。映画『機動戦士ZガンダムII −恋人たち−』から、ステファニー役の夏樹リオが参加している。 クワトロの演説シーンでは池田秀一の声が流れるが、これは新録ではなくTV版『Zガンダム』からの流用。

『機動戦士ガンダムUC』からガッツリと話が繋がっているので、事前に見ておく必要がある。
しかも『UC』は宇宙世紀シリーズの流れを組んでいることが重要であり、だから『ガンダム』『Zガンダム』『ガンダムZZ』は見ておくことが望ましい。
つまり、この映画は宇宙世紀シリーズにドップリと浸かっていることが求められるのだ。
ここから始めて「ガンダム」に触れる人は稀だろうが、『SEED』を見てるとか『THE ORIGIN』を見てるってことでは全く話にならない。

そして、もちろん「一見さんでも大丈夫」なんてことも、口が裂けても言えない。
一見さんが絶対に付いていけないことは保証する。既存のキャラの紹介も、世界観の説明も、全く無いからね。専門用語がバンバン飛び交うけど、誰も意味を教えてくれないからね。
しかも厄介なことに、「宇宙世紀シリーズにドップリと浸かっていれば話に付いていける」とも言い切れないのだ。
理由は簡単で、用意した情報量に大して尺が見合っていないからだ。
本来ならTVシリーズじゃないとキツいぐらいの内容を、1本の映画、しかも本編85分ぐらいの枠内に詰め込んでいるので、慌ただしいし説明不足が甚だしいのだ。

時間的に厳しいからと言って、分かりやすさを優先した構成になっているわけではない。
例えば、モナハンが「ソルタンに警告を」と秘書に命じた直後のシーンでゾルタンを登場させれば、キャラ紹介として分かりやすくなっただろう。
しかし実際はそうじゃないし、後からゾルタンが登場しても、しばらくは彼の名前が出て来ない。だから、そいつがゾルタンであることは、しばらく分からないのだ。
それだけでなく、そいつの立場や相関図も分かりにくくなっている。

セカンドネオ・ジオングが出現した時、「ナラティブのサイコ・ウェーブに引き寄せられている」という解説が入る。
でも映像を見ている限り、ナラティブがセカンドネオ・ジオングに引き寄せられているんだよね。
どうやら「ナラティブがサイコミュ・ジャックを仕掛けている」ってことらしいんだけど、分かりにくいよ。
っていうか、別に「ナラティブがセカンドネオ・ジオングに引き寄せられている」ってことでもいいし。それでも「ゾルタンではなくヨナを選んだ」というのは成立するからね。

ゾルタンが「アレを使う」と言った時点では、「アレ」が何なのかは分からない。
後でセカンドネオ・ジオングが出現し、それが「アレ」だったことは分かる。ただ、セカンドネオ・ジオングの登場としては、唐突にしか感じないのよね。
何しろ「ジオング」なので、ジオンの最終兵器として使いたかったのなら、それは全く反対しない。ただ、せっかくのジオングなんだし、もうちょっと前フリが欲しい。
ただ、それが出来ないぐらい、まるで時間が足りていないんだよね。

この作品って、「ガンダム」シリーズとしても、「UC NexT 0100」シリーズとしても、サンライズとしては大切にすべきコンテツンのはず。
それなのに、なんでこんなに雑で中途半端な作品として送り出すことを良しとしてしまったのか。
「TVシリーズやDVDより稼げる」ってことで映画という媒体を選んだのなら、それは別にいいよ。
ただ、映画として作るにしても、前後編の2部作とかで良かったんじゃないか。絶対にオタクは食い付くんだから、黒字が出るのは、ほぼ間違いないんだし。

ミシェルはアバーエフから計画の説明を求められると、「人は死ねば魂というエネルギー体になる。サイコミュは時に、そのエネルギーを集めて物理的な力に変える。ニュータイプとは、魂から発する未知のエネルギーを操り、現実に働き掛ける。ニュータイプの素養があるパイロットとの感応が進めば、サイコフレームは魂が集うフィールドに繋がり、時をも操る力を引き出す媒体となる」などと語る。それは、ほぼオカルトと言ってもいいような説明だ。
この作品の前日譚である『機動戦士ガンダムUC』もオカルト色の濃い作品で、そこが私は好きになれなかった。
そりゃあ無印ガンダムの頃から、ニュータイプの描写に関しては超常現象っぽい部分があった。ただし、せいぜい「第六感」とか「テレパシー」とか、その程度に留めていた。
そして富野由悠季はニュータイプについて、そんなに細かい定義を説明してこなかった。
それは賢明な判断だと思う。そこを掘り下げたら作品のジャンルが変化し、おかしいな方向へ迷走する恐れがあるからだ。

ところが福井晴敏は、ニュータイプの概念を詳しく設定し、キッチリと説明しようと考えた。そのせいで、さらにオカルト色が濃くなってしまった。
そこを幾ら「死ねばエネルギー体になって云々」と前述したように詳しく説明したところで、リアリティーが生じるわけではない。トンデモ度数が増えるだけだ。
「ガンダム」シリーズは多くの作品が生み出され、様々な解釈で描かれてきたが、ここまでオカルトの色が濃くなると「これってガンダムなのか」とコレジャナイ感を抱いてしまう。
こういう映画を作ると、もう宇宙世紀シリーズ自体がオカルト作品みたいな印象になっちゃうんじゃないかと思っちゃうし。

「人は肉体を離れても魂というエネルギー体として生き続けられる」といった説明は、ホントに余計なことをしちゃってくれてるなあと感じるんだよね。
そりゃあ無印ガンダムの頃から、「死者が主人公を勇気付ける」とか「死者が主人公の背中を押す」とか、前述した説明を思わせる描写はあったよ。
でも、そこはフワッとさせておけばいいのよ。
なんでもかんでも言葉で具体化することが、必ずしも良い結果を招くとは限らないのよ。

前半とラスト近くに1度ずつ、ミネバが登場する。そして映画の最後にはバナージが1シーンだけ登場する。この2人は『UC』のメインを張っていたキャラクターだ。
『UC』を見ていた人に限定されるが、その2人の登場シーン、特に最後の最後に顔を見せるバナージの登場シーンが、この映画で最も気持ちの上がる箇所になっている。
なので、「その後のバナージとミネバの物語」を描いた方が良かったんじゃないかと思ったりするんだよね。
そうなると完全に「一見さんお断り」の作品になっちゃうけど、どうせ本作品だって新参者にしてみれば同じようなモンでしょ。

(観賞日:2020年8月30日)

 

*ポンコツ映画愛護協会