『GONIN サーガ』:2015、日本

1995年5月、五誠会系大越組の事務所が襲撃され、組長の大越康正や若頭の久松茂ら全員が殺害された。その時、久松の息子である勇人と大越の息子である大輔は、巨大ディスコ「バーズ」で遊んでいた。五誠会初代会長の孫である式根誠司は、アイドルの菊池麻美を連れて店に来ていた。麻美に好意を寄せている勇人や大輔たちに対して、誠司は高慢な態度を取った。そこへ事件の知らせが届き、勇人と大輔は誠司や警護役の松浦たちと共に新宿中央病院へ急行した。康正や茂たちの死体は、屋外で雨ざらしになっていた。
2000年5月、勇人と大輔は命日に病院前で会った。大輔は五誠会系松浦組の組長となった松浦のボディーガードを務め、たまに誠司の警護を担当することもあった。勇人は大輔から、母の安恵が月命日になると事務所へ押し掛けたり誠司をストーキングしたりしていることを聞かされた。安恵は1995年の事件で病院へ駆け付けた時も、夫を侮辱した誠司に掴み掛かろうとして松浦に止められていた。誠司の父である二代目組長の隆誠は久松を破門扱いにして、退職金や慰謝料も用意しなかった。
大輔は大越組を再興し、いずれは勇人と2人で天下を取ろうと考えていた。2人が遺体の置かれていた場所に花を手向けていると、病院の中から見つめている森澤慶一の姿があった。大輔も勇人も、慶一とは面識が無かった。慶一は意識不明で入院している氷頭要の病室へ行き、「父を撃ったのは誰ですか。意識を取り戻して証言して下さい」と訴え掛けた。大越組の襲撃事件に関わった人間の内、生き残ったのは氷頭だけだった。
2014年。誠司は地震の影響を受けたバーズに婚約者の百合香を連れて行き、解体してアミューズメントビルを建てる計画を明かした。彼は百合香に、そのビルで結婚記念ダンスパーティーを開催すると話す。「父も、父の関係者も呼ばない。襲名披露じゃないんだから」と口にした誠司は、慌てて取り繕った。彼は百合香に、自分がヤクザであることを隠していた。そこへ麻美が現れ、誠司に悪態をついて絡んだ。誠司のボディーガードをしている大輔が慌てて駆け付け、「すいません、止めたんですが」と釈明した。
麻美が「強請りのネタ、返してくんない?」と詰め寄ると、誠司は大輔に百合香を連れ出すよう頼んだ。誠司は麻美を暴行するが、拳銃を突き付けられる。そこへ大輔が舞い戻り、麻美を制止した。百合香が見ているのに気付いた誠司は、「元タレントが、いつまでもアイドル気取りで金をせびりに来て困ってるんだよね」と適当な嘘をついた。誠司が百合香を連れて立ち去ると、麻美は大輔に「三代目は大越組を再興させる気なんて無い」と教えた。
麻美は大輔に「共犯者として何でもやるから、松浦の事務所から命のカタを奪い返して」と持ち掛けた。借金のカタに取られたプリクラ手帳を取り返してほしいのだと、彼女は語った。それから麻美は、誠司の隠し金庫について大輔に話す。事務所の顧問弁護士である皆藤渉は法律相談所を開設していたが、その奥にはヤミ金の受付があった。麻美は誠司にレイプされてビデオを撮影され、脅されて彼の情婦になっていた。大輔は麻美から誘惑されるが、勇人のことを思い浮かべ、深い関係になることは無かった。
慶一は富田という偽名を使い、フリーのルポライターと称して安恵が営むバーへ赴いた。慶一は19年前の事件について取材を申し込むが、悪く書かれると思い込んだ安恵は荒っぽく追い払った。19年前の事件が起きた時、慶一の父親は警官として現場へ駆け付け、何者かの発砲を受けて命を落としていた。慶一は氷頭の病室を訪れ、父を殺した犯人が分からない無念を吐露した。彼が涙をこぼしていると、氷頭が一時的に意識を取り戻して腕を掴んだ。
慶一が再びバーを訪れると、安恵は穏やかな態度で迎え入れた。彼女は慶一が事件の詳細を知っていると感じ、情報の提供を求めた。慶一は調べた資料を安恵に見せ、自分が入手した事件の概要を語った。そこには推測も含まれていたが、安恵は夫が康正を守って命を落としたと確信して喜んだ。慶一は看護婦から、氷頭は撃たれてからの記憶が全く無いと聞かされる。看護婦は慶一に、氷頭が醤油で文字を書いたというナプキンを見せられた。そこには「仇」という漢字が書かれていた。
安恵は勇人に茂が隠していた拳銃4丁があることを打ち明け、ヤミ金強奪を持ち掛けた。勇人が「無理だよ、すぐにバレる」と告げると、彼女は「冗談だよ」と笑った。しかし安恵は皆藤の法律相談所へ殴り込み、拳銃を威嚇発砲した。金を奪わずに逃走した彼女は、松浦組の連中に捕まった。安恵からのメールを受け取った勇人が駆け付けると、母は自殺に見せ掛けて殺されていた。勇人が安恵の口を開けると、そこには松浦組のバッジが入っていた。
勇人がバーに大輔を呼んで母を弔っていると、慶一が現れた。彼は勇人たちに、安恵から「恨みを晴らすには、五誠会の鼻を明かす隠し金を奪うしかない」と聞かされていたことを明かす。勇人は慶一から、一緒にヤミ金を襲撃しないかと誘われる。慶一は大輔に対しても、大越組を再興するための資金を捻出するために行動しないかと持ち掛けた。しかし勇人も大輔も、その話に乗らなかった。大輔はどこかで慶一を見たことがあるような気がしたが、ハッキリとは思い出せなかった。
勇人はペイントで顔を隠し、誠司を襲って射殺しようとする。しかし大輔の妨害もあって失敗し、逃亡を余儀なくされた。勇人は大輔と慶一から、ヤミ金襲撃に誘われた。慶一は警官に化けるための制服やモデルガン、顔を隠すための仮面を用意していた。勇人は本物の拳銃二丁を用意し、大輔にも一丁を渡した。大輔から話を聞いた麻美は、協力者として先に法律事務所を訪れた。彼女がヤミ金の受付にいると、誠司が松浦と部下たちを引き連れて現れた。誠司は麻美の行動を非難し、事務所から連れ出そうとした。
勇人たちは中の状況を知らないまま、事務所へ突入した。彼らは拳銃を構えて脅しを掛け、反抗的な態度を取ったヤミ金担当者の男を殺害した。誠司は落ち着き払った様子で、強盗グループの行動を観察した。勇人たちは約4億円を奪い、人質として麻美を連れ去った。誠司は隆誠から叱責を受け、「必ず捕まえます」と泣いて詫びた。隆誠はヒットマンの明神に連絡を入れ、仕事を要請した。明神は助手の余市を伴い、探偵として麻美の家を訪れた…。

監督 脚本は石井隆、エグゼクティブプロデューサーは井上伸一郎、製作は安田猛&水口昌彦&小沼修&石井隆&新村秀樹、企画は菊池剛&加茂克也、撮影は佐々木原保志&山本圭昭、照明は祷宮信、美術は鈴木隆之、録音は郡弘道、編集は石井隆&阿知波孝、アクションコーディネーターは柴原孝典、擬闘は秋永政之、アソシエイトプロデューサーは大森氏勝&大崎紀昌、音楽は安川午朗。
出演は東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、根津甚八、竹中直人、佐藤浩市、鶴見辰吾、井上晴美、りりィ、福島リラ、松本若菜、菅田俊、テリー伊藤、井坂俊哉、伊藤洋三郎、飯島大介、佐久間悠、六車勇登、悠斗、琉花、中山峻、日野陽仁、屋敷紘子、間宮夕貴、キンタカオ、光山文章、日向寺雅人、鮫島満博、森本武晴、山地建仁、武史、正木佐和、高尾祥子、藤倉みのり、岡田うらら、今中彩香、山田朝華、川口覚、有邑たま美、中泉秀雄、金子太郎、たんぽぽおさむ、須間一也、渡辺光、大川真利佳ら。


石井隆が監督&脚本を務めた1995年の映画『GONIN』の続編。
『GONIN』には翌年に公開された『GONIN2』という続編があるのだが、それはメインの登場人物が同じく5人というだけで、話としての繋がりは無かった。しかし本作品は『GONIN』と物語が繋がっており、その19年後を描いた作品となっている。
氷頭役の根津甚八、万代役の佐藤浩市、久松役の鶴見辰吾は、前作からの続投。俳優業を引退していた根津甚八は石井監督の要望に応じ、11年ぶりに1作限りで復帰している。
勇人を東出昌大、大輔を桐谷健太、麻美を土屋アンナ、慶一を柄本佑、誠司を安藤政信、安恵を井上晴美、加津子をりりィ、余市を福島リラ、百合香を松本若菜、松浦を菅田俊、隆誠をテリー伊藤、黒木を井坂俊哉が演じている。
前作では「GONIN」の1人である荻原を演じていた竹中直人が、今回は明神役で出演している。他には、皆藤役の伊藤洋三郎と彼の部下役(ヤミ金担当者)の飯島大介も、前作と異なる役での続投だ。

ちょっと予想外だったのは、「ここまでガッツリと前作にリンクさせるのね」ってことだ。
前述したように、『GONIN2』は登場人物も話の内容も、まるで繋がりが無かった。そこまで無関係にはしないまでも、もうちょっとユルい関連性かと思っていたのだ。
しかし冒頭から前作の襲撃シーンを写し出しているし、その事件に関わった面々の身内が今回のメインとなるメンバーだ。そして前作で描かれた事件が、今回の登場人物の行動に繋がって来る。
それぐらい、ガッツリと関連させているのだ。

前作の内容については、その映像は使用しているものの、基本的にはモノローグによって説明されるだけだ。
なので前作を見ていなければ、あまりピンと来ないんじゃないだろうか。それどころか、「そもそも話がイマイチ良く分からない」ってことにもなりかねない。
前作が大ヒットして、続編を希望する声が多かったのなら、ガッツリと関連させるのもいいだろう。しかし、そんなにヒットしたわけではないし、続編の決定が報じられた時に「今さら?」「なぜ続編?」と感じた人も少なくないんじゃないかと。
なので、単体でも普通に楽しめる作品にして、前作との関連性は「見ていた人は楽しめる」というサービス的な要素にしておけば良かったんじゃないかと。

前作の「GONIN」は佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、椎名桔平、竹中直人で、殺し屋としてビートたけしと木村一八が登場していた。
そんな顔触れに比べると、今回の東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信というメインの面々は、アクの強さも含めて圧倒的に負けている。
ただ、今の邦画界で、「東出昌大たちと同じぐらいの年齢で、前作に匹敵する役者」を集めようとしても、まず無理だろう。
年齢を上げればいいんじゃないかとは思うが、そこは色々と事情があったんだろうね。

とは言え、柄本佑は悪くないし、キャラクターに助けられている部分はあるものの、土屋アンナも存在感を発揮している。
また、脇役ではあるが、井上晴美は本作品のMVPと言ってもいいぐらいのモノを見せてくれる。今回は石井隆作品のミューズである「ナミ」が登場せず、その代わりになるのは「アサミ」を演じる土屋アンナってことになるんだろうけど、井上晴美の方がいいんじゃないかと思うぐらいだ。
ただ、そういう面々もいる中で、主役である東出昌大が残念なことになっているのよね。
テリー伊藤よりはマシだけど(この人に関しては、なんで起用したのかと言いたくなるぐらいミスキャスト)、まるでダメだわ。石井隆ワールドにも合っていないし。

前述したように、冒頭では前作の襲撃シーンが写し出される。そして勇人のモノローグによって、「こういう事件がありまして」ってことが一応は説明される。
ただ、あくまでも「前作を見ている人のための復習」に過ぎず、一見さんにとっての親切設計というわけではない。
たぶん前作を見ていない人からすると、説明が粗すぎて頭に入って来ないんじゃないだろうか。
そういう意味では「前作を見ている人だけをターゲットにしている」と言えなくも無いが、それだと興行的には絶対に失敗するわけでね(実際、そういう結果になった)。

しかも、前作との関係性を強くしたせいで、序盤に用意されている勇人のモノローグだけでなく、慶一が安恵に資料を見せるシーンも含め、やたらと説明のために時間を割かなきゃいけなくなっている。
だけど、そんなことをクドクドと説明されても、一見さんからすると「だから何?」ってことになるんじゃないかと。
それと前作の内容だけじゃなく、今回の作品だけに限っても、麻美が大輔にヤミ金のことを教えるシーンのように「説明のための手順」が不細工な形で見える箇所がチラホラとあるし。

1995年のシーンが写し出された後、勇人と大輔が2000年に会うシーンが描かれる。慶一と意識不明の氷頭を登場させた後、「現在」として2014年の物語に入る。
だけど、2000年のシーンを挟んでいる意味が全く無いでしょ。
そこで大輔が松浦の警護をしているとか、安恵が誠司をストーキングしているとか、氷頭が植物状態で生きているとか、そんなのを見せておく必要性は乏しい。
いきなり2014年のシーンから入った方が、構成としてスッキリするんじゃないの。

「前作で描かれた事件が、今回の登場人物の行動に繋がって来る」と前述したけど、かなり無理があるんじゃないか。
と言うのも、前作の襲撃事件は、そもそも万代たちが大越組の金を奪うために起こしているのだ。だから、そもそも殺されても自業自得ではあるのだ。
それは置いておくとしても、問題を大きくして大勢の犠牲者が出たのは、殺し屋の京谷がバカみたいに暴れ過ぎたからでしょ。そして、そんな彼を雇ったのは先代の式根組長だ。
ところが京谷も式根も既に死んでいるので、仇討ちの相手なんていないはずなのだ。

っていうかさ、勇人&大輔&麻美&慶一の内、慶一の復讐相手は京谷だけど、他の3人に関しては誠司への憎しみがあるわけで。
だけど、誠司は19年前の事件で何もしていない。勇人は母を殺されたこと、大輔は大越組再興の夢を妨害されたこと、麻美は脅されてオモチャにされたことが、行動を起こす理由だ。
それって、2014年の物語だけでも成立させられる内容でしょ。
むしろ誠司を標的にするのなら、前作との関連性なんて完全に排除して話を構築した方がいいでしょ。

前作との関連性なんて、無駄に話をゴチャゴチャさせているだけだ。前作と絡めるから、色んなトコで無理が生じている。
っていうか前作とリンクさせた話を用意しようとした時に、メインとなる4人を動かす理由を、そこに上手く結び付けられていないってことなんだよね。
どうしても前作と同じように「事務所を襲撃して現金を強奪する」という事件を盛り込みたかったのかもしれないけど、そんな行動を取る意味が良く分からんのよ。
前作の面々と違って、今回の勇人たちは可及的速やかに大金を必要としているわけではないんだから。

大輔は勇人が誠司を殺そうとした時、それを止めようとしている。
その理由として彼は「五誠会と戦争は出来ねえぞ」と言っているけど、組織の隠し金を4億円も奪って恥をかかせたら、全力を挙げて犯人を捜索し、始末しようとするのは確実なわけで。つまり、それって戦争を仕掛けているようなモンでしょ。
だったら、勇人に誠司を殺させて、母親の仇討ちを果たさせてあげた方がいいんじゃないかと。
つまり、「戦争は出来ない」ってのを「誠司への復讐」から「隠し金の強奪」へ行動をシフトさせる理由にするのは、無理があるのよ。

明神には「ハエが苦手」という設定があるのだが、これは前作で竹中直人が演じていた荻原を連想させるモノだ。
前作を見た人が楽しめる遊びとして、そういうのを入れるのは歓迎できる。
ただ、そんなことよりも、まずは「殺し屋としての脅威」を感じさせる要素を意識したキャラ造形をしてほしいと思うのよ。
明神は「全てお見通し」みたいな態度を見せているけど、なんせ酸素ボンベを引きずって行動しているぐらいなので、今にも死にそうな奴なのよね。だから、あまり凄味が感じられない。

おまけに、明神が動き出してからは、緊迫感が一気に高まり、物語としても盛り上がって行かなきゃいけないはずなのに、そういう部分でも物足りないのよね。
その理由は簡単で、いきなり彼が勇人たちの命を狙って来るわけじゃなくて、まずは「犯人を突き止める」という調査活動から入らなきゃいけないから。
そもそも、勇人たちの行動って隙だらけなので、簡単に正体がバレそうなのよね。襲撃シーンで仮面がズレて大輔の両目が露出した時、誠司がじっと凝視しているので、その時点で気付かれたのかと思ったぞ。
なんで誠司は気付いていないんだよ。そこで気付かせて、さっさと「勇人たちが犯人だとバレて命を狙われる」という展開へ進めばいいのに。

「麻美や大輔が明神から疑いの目を向けられる」ってトコで緊迫感を煽ろうとしているのかもしれないが、もっと「アクション」が欲しくなるのよね。
で、明神が麻美の家を去った後、ようやく戦いのシーンが到来する。両手を縛られた麻美が、隙を見て余市に襲い掛かるのだ。
だけど、これが全く盛り上がらないのよ。
余市は「凄腕のヒットマン」として差し向けられた明神の助手なんだから、それなりに腕が立つ奴のはずなのに、あっけなく退治されちゃうのよね。

序盤で誠司が「バーズを解体して結婚記念のダンスパーティーを開く」と言っていたので、それがクライマックスの場所になるのは納得できる。
で、そこまで勇人たちを生き残らせなきゃいけないから、「犯人だとバレて命を狙われて」という部分への踏み込みが浅くなってしまったのかもしれない。
だけど、例え「犯人だとバレて殺し屋に追われる」という展開を進めておいても、勇人たちが必死で逃亡する形にしておけば、パーティーまで生き残らせることは可能でしょ。

勇人たちが結婚記念パーティーを襲撃しようと決めた後、実際の襲撃シーンに至るまでが、すんげえダラダラしている。そして実際の襲撃シーンに入っても、構成がモッサリしていて盛り上がりに欠ける。
そもそも、いつの間にか「五誠会を根絶やしにする」ってのが目的になっているけど、何がどうなって、そういうトコにシフトしたのか良く分からん。
勇人たちが憎しみを抱く相手は誠司だったはずなのに、それまで関係性が皆無に等しかった二代目会長を最大の標的に設定されてもピンと来ないよ。
なんで誠司への個人的な恨みを抱くのは勇人だけになり、大輔に至っては「そんな雑魚は放っておけ」とか言い出すようになっちゃってんのかと。

で、そんな戦いの末に全員が倒れる中、防弾チョッキで無事だった誠司が立ち上がる。そこへ車椅子の氷頭が現れて握った拳銃を構えようとするが、なかなか腕が上がらない。すると万代の幻影が出現して手を差し伸べ、氷頭が発砲して誠司を始末する。
これは前作を見ている人にとっては、感動さえ抱くような演出かもしれない。
でも冷静に考えると、氷頭や万代が誠司を殺す動機が無いのよ。
彼らが復讐心を抱く相手は、既に死んだ式根や京谷であって。誠司は19年前の事件に何も関与していないし、そもそも氷頭や万代は彼のことなんて全く知らなかったはずでしょ。

(観賞日:2017年1月4日)

 

*ポンコツ映画愛護協会