『ごくせん THE MOVIE』:2009、日本

成田国際空港では、大勢のSATが配置に付いていた。香港国際空港から成田へ向かう旅客機ファースト・エアライン816便が着陸直前 にハイジッャクされたのだ。鮫島剛が率いる犯人グループはタラップを付けるよう指示し、現金2千万と逃走用の飛行機を要求した。 ファースト・エアライン816便には、赤銅学院で3年D組を受け持っている教師、ヤンクミこと山口久美子も乗っていた。
一緒に乗っている英語教師の鷹野葵と養護教諭の鮎川さくらが怯えている中、ヤンクミは呑気に眠り込んでいた。ようやく目を覚ました ヤンクミは遅れ馳せながらハイジャックに気付いた。彼女は鮫島が老婆を罵る態度に激怒し、立ち上がって説教を始めた。銃声が響いた ため、SATは突入しようとする。その時、扉が開き、犯人たちが銃を捨てて「申し訳ございません」と土下座した。その背後には、 ヤンクミが仁王立ちしていた。
職員室にいた校長の猿渡五郎と古典教師の牛島豊作、釣りをしていた世界史教師の鳩山康彦と物理教師の鶴岡圭介、熊井ラーメンの店主・ 脇知弘と妻の亜美、店で食事をしていた体育教師の馬場正義、久美子の祖父である大江戸一家3代目組長・黒田龍一郎や若頭代理補佐・ 朝倉てつたちは、テレビの生中継でヤンクミを見て驚いた。帰宅したヤンクミは、龍一郎たちに迎えられた。てつたちはヤンクミの活躍を 褒め称え、「文句無しに四代目ですよ」と持ち上げた。
翌日、赤銅学院に出勤したヤンクミは、猿渡から「目立つことをして大江戸一家の孫だとバレたら2人ともクビです。決して目立たない ように」と釘を刺される。その日から教育実習生が来ることになっていた。そこに現れた実習生は、ヤンクミの黒銀学院時代の教え子・ 小田切竜だった。ヤンクミは、小田切が自分に憧れて教え子が教職に進んだと思って喜ぶ。しかし小田切は呆れた様子で、「教師になる つもりは無い。何となく教職課程を取ったから仕方なく実習に来ただけだ」と話した。
ヤンクミは竜を連れて3年D組へ行くが、生徒の高杉怜太、望月純平、松下直也、五十嵐真、武藤一輝たちは大騒ぎしており、全く指示に 従おうとしなかった。放課後、赤銅学院の卒業生である緒方大和、風間廉、本城健吾、市村力哉、倉木悟、神谷俊輔は、「ヤンクミがいい 男と歩いていた」と熊井ラーメンで大騒ぎする。そこへヤンクミが小田切を連れて現れ、緒方たちは教え子だと知った。
ヤンクミは緒方たちと一緒にラーメンを食べながら、現在のことを尋ねた。6人とも大学へ行ったり仕事をしたり、真面目に頑張っていた 。彼らを見たヤンクミは、教え子たちが集まって笑っていることに嬉し涙を浮かべた。同じ頃、望月たちはチンピラ3人組に絡まれ、金を 要求されていた。そこに高杉が現れ、3人を蹴散らした。小田切は大江戸一家に招かれ、酒を振る舞われた。
翌朝、ヤンクミが二日酔いでフラフラしながら歩いていると、黒銀学院時代の教え子である武田啓太と日向浩介に遭遇した。彼らは 衆議院議員に出馬した黒瀬健太郎の街頭演説を聞いていた。黒瀬は年商2千億のIT企業「ドリームアソシエイツ」の社長だが、かつては 不良だったという。ヤンクミは演説に感動し、握手を求めた。過去に恋した篠原智也にそっくりな黒瀬を見て、ヤンクミは「きっと貴方は 優しくて誠実な人に違いありません」と言い、ギュッと強く手を握った。
赤銅学院に暴走族のブラックスカルが乗り込んできた。昨日、高杉に追い払われた3人は、ブラックスカルの仲間だったのだ。猿渡が警察 を呼ぶと、ブラックスカルは「このままで済むと思うなよ」と言い残して去った。猿渡は高杉たちを職員室に呼んで叱責した。望月たちの 「カツアゲされそうになったのを怜太が助けてくれただけだ」という説明を聞いたヤンクミは、「嘘をついているかどうか、真っ直ぐ目を 見れば分かります」と彼らを庇った。
猿渡に「何かあれば責任が取れるんですか。今度、3Dの連中があんな連中と問題を起こしたら辞めてもらいますよ」と言われたヤンクミ は、「クビを怖がってちゃ、生徒たちと向き合えませんから」と堂々と言う。教室に戻った望月たちは、「何が目をみりゃ分かるだよ。 あんなの口だけだ」と吐き捨てる。しかし高杉はヤンクミの言葉を心で繰り返し、「奴らとケリ付けてくる。山口に借り、作りたくねえ から」と、授業をサボって一人で暴走族の元へ向かった。
高杉の行動を知ったヤンクミは、「どうして一人で行かせたりしたんだよ。お前ら、ダチじゃねえのかよ」と望月たちを批判し、教室を 飛び出していく。小田切は「都合のいい時だけダチだって言ってるのは本当の仲間じゃない。最後まで見捨てないのが本当の仲間だって、 あいつが教えてくれた」と生徒たちに語り、ヤンクミの後を追い掛けた。ブラックスカルのアジトである倉庫にやって来た高杉は、ヘッド にタイマンを持ち掛けた。しかしヘッドは拒絶し、仲間に高杉をリンチさせた。
ヤンクミはブラックスカルのアジトに乗り込み、「可愛い教え子を守るためなら手加減しないよ」と言い放つ。ブラックスカルの連中が 襲い掛かってくるが、ヤンクミは一人ずつ倒していく。駆け付けた小田切も助っ人に加わり、ヤンクミと共にブラックスカルを退散させた 。望月たちが現れて高杉を助け起こし、一人で行かせたことを謝った。「これでやっと、本物の仲間になれたみたいだな」とヤンクミは口 にした。高杉たちは「夕陽に向かって走るぞ」と言い出したヤンクミに呆れながらも、彼女のことを見直した。
翌朝、ヤンクミが遅刻して職員室へ行くと、教師たちは「高校生が覚醒剤に手を出している」という話をしていた。背後に大規模な組織が あると聞き、ヤンクミは「あこぎな真似をして金儲けを使用とする奴らは許しておけねえ」と怒りを燃やす。そこへ白金署の刑事2名が 現れ、風間を追っていることを告げた。昨夜、品川の倉庫で覚醒剤の取引があるという情報を受けて、警察が向かった。犯人はいなかった が、現場に風間の免許証が落ちていたという。その風間の行方が昨夜から分からなくなっていた。
風間が覚醒剤取引に関わっていることを信じられないヤンクミは、小田切にクラスを任せて捜索に行こうとする。猿渡は「あいつはもう 貴方の生徒じゃないんですよ」と制止するが、ヤンクミは構わずに職員室を飛び出した。彼女が学校を出ると、そこには緒方を始めとする 風間の元クラスメイトたちが集まっていた。ヤンクミは彼らと手分けして風間を捜すが、一行に見つからなかった。
放課後、小田切が教室へ行くと、そこに風間の姿があった。逃げ出そうとした風間に、小田切は「何があったか知らねえけどさ、ヤンクミ にだけは話せよ」と声を掛けた。「あいつには迷惑掛けられねえよ」と言う風間に、「他に行くとこあんの?。ここしか無かったんじゃ ねえの」と小田切は言う。彼から連絡を受け、ヤンクミや緒方たちは教室に現れた。小田切は、警察沙汰にヤンクミを巻き込みたくない 風間の気持ちを代弁した。
ヤンクミは風間に、「お前は私の大事な教え子だ。それに、お前は一人じゃないんだ。3Dの奴ら、みんな必死で捜してくれたんだぞ」と 述べた。風間は事情を打ち明けた。彼は友達から、一晩3万円のバイトを紹介された。「荷物を受け取って指示された場所に持って行く だけだ」と言われ、風間は怪しいと思いつつも倉庫へ荷物を運んだ。待っていた寺田雅也という男は、車に運ぶよう指示した。風間は箱を 落としてしまい、中の彫像が割れた。すると、そこに隠されていた覚醒剤が散らばった。
ヤバい仕事だと気付いた風間が仕事を降りようとすると、寺田は「お前は犯罪の片棒を担いじまったんだから、おとなしく言うこと聞いて おけばいいんだよ」と殴った。警察が来るという連絡が入り、寺田たちは逃亡した。話を聞いたヤンクミは、風間や緒方たちを家に泊める ことにした。てつたちの調べにより、寺田が覚醒剤で荒稼ぎし、自分たちが捕まらないように受け渡しには若い連中を使っていたことが 分かった。龍一郎は、寺田の背後に黒幕がいることを教えた。
翌日、ヤンクミが一人で黒瀬の元へ乗り込もうとするのを知った龍一郎は、「今度ばかりは相手が相手だ。下手すると先生を続けられねえ かもしれねえんだぞ」と警告する。するとヤンクミは、「あたしの大事な教え子を悪事に引きずり込んだ奴を、許しちゃおけねえから。 知らん顔は出来ないよ」と強い決意を示した。そこへ、てつたちが来て、風間や緒方たちが消えたことを報告した。彼らは悪事の証拠を 掴むため、黒瀬の出馬決起集会が行われるビルに向かったのだ。
ヤンクミは小田切のバイクに同乗し、ビルへと向かった。キャンペーン参加者の服を着て会場に入ろうとした2人は、黒銀学院の卒業生・ 土屋光と遭遇した。彼はカメラマンの助手として仕事をしていた。一方、地下を調べていた風間たちは、覚醒剤が保管されている場所を 発見した。そこに寺田と一味が現れ、拳銃を向けた。しかしヤンクミと小田切が駆け付け、風間たちを助けた。ヤンクミは風間たちに 「あたしに任せろ」と告げ、黒瀬が演説している決起集会の会場に乗り込んだ…。

監督は佐藤東弥、原作は森本梢子、脚本は江頭美智留&松田裕子、製作は堀越徹&鳥嶋和彦&島谷能成&尾木徹&藤島ジュリーK.& 大月昇&平井文宏&西垣慎一郎、製作統括は舛方勝宏、プロデュースは加藤正俊 プロデューサーは荻野哲弘&東山将之&畠山直人& 北島和久&坂下哲也、エグゼクティブプロデューサーは奥田誠治&井上健、Co.エグゼクティブプロデューサーは櫨山裕子&萱沼直樹& 神蔵克、撮影は市川正明、編集は松竹利郎、録音は菊地啓太、照明は角田信稔、映像は弓削聡、美術は小池寛、美術進行は竹内秀和、 VFXスーパーバイザーは西村了、音楽は大島ミチル。
主題歌はAqua Timez『プルメリア 〜花唄〜』作詞/作曲は太志、編曲はAqua Timez。
出演は仲間由紀恵、亀梨和也、生瀬勝久、宇津井健、江波杏子、東幹久、金子賢、玉森裕太(ジャニーズJr.)、高木雄也 (Hey! Say! JUMP)、三浦春馬、石黒英雄、中間淳太(関西ジャニーズJr.)、桐山照史(関西ジャニーズJr.)、三浦翔平、沢村一樹、 袴田吉彦、竹内力、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、速水もこみち、小池徹平、小出恵介、賀来賢人、入江甚儀、森崎ウィン、落合扶樹、 平山あや、星野亜希、佐藤二朗、魁三太郎、石井康太、阿南健治、内山信二、脇知弘、両國宏、石原あつ美、伊藤竜翼、上船弘人、 菅野篤海、木戸邑弥、鯨井康介、小堀慎平、小蜷S、清水良太郎、千葉恵佑、寺田慎矢、中山麻聖、浜尾京介、前田公輝、まるお、 矢崎広、山田亮平、夕輝壽太、ユージ、若葉竜也、蕨野友也、安達大、絲木建太、大川雅大、大和田健介、上鶴徹、川畑一志、坂口りょう 、笹山純平、笹山哲平、標永久、白石隼也、冨田佳輔、冨森アンドリュー、永嶋柊吾、西原信裕、日和佑貴、福田雄也、山崎将平、 渡辺大貴、北村栄基、森本亮治、泉政行、八代真吾、佐々木仁、松沢蓮、畠中正文、西谷有統、西川祐也、佐藤智仁、中村優一、水谷百輔、 佐藤佑介、佐藤タケシ、慶、柴田将士、杉浦匠、尾嶋直哉、奥林源水、神保悟志、野仲イサオ、大口兼悟、大河内浩、羽鳥慎一、 阿部祐二ら。


森本梢子の漫画『ごくせん』を基にしたTVシリーズの劇場版。
第3シリーズまで続いた作品の完結編という位置付けになる。
ヤンクミ役 の仲間由紀恵、猿渡役の生瀬勝久、龍一郎役の宇津井健、赤銅学院の理事長・赤城遼子役の江波杏子、馬場役の東幹久、てつ役の金子賢と いった第3シリーズのレギュラー陣の他、黒瀬を沢村一樹、寺田を袴田吉彦、鮫島を竹内力、高杉を玉森裕太、望月を賀来賢人、松下を 入江甚儀、五十嵐を森崎ウィン、武藤を落合扶樹が演じている。
それ以外に、これまでのシリーズで生徒を演じた面々の大半が顔を揃えている。第1シリーズで小田切を演じた亀梨和也、第3シリーズの 第3シリーズの生徒だった緒方役の高木雄也、風間役の三浦春馬、本城役の石黒英雄、市村役の中間淳太、倉木役の桐山照史、神谷役の 三浦翔平は、主要キャストとして出演。第1シリーズの生徒だった小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、第1シリーズの生徒だった土屋役の 速水もこみち、武田役の小池徹平、日向役の小出恵介は友情出演している。
その一方で、第1シリーズの松本潤、第2シリーズの赤西仁と戸谷公人、第3シリーズの真山明大は出演していない。

冒頭にハイジャック事件を持って来たのは「映画だからスケール感をデカくしたい」ということなんだろうが、掴みとしては大失敗。 仮にスケールをデカくするにしても、教師という職業や学校という舞台から逸脱しすぎている。
あと、犯人を土下座させた後、すげえ間延びしているのもツラい。
生中継を見ていたヤンクミの知り合いが驚くところまではいいとしても、再び飛行機の様子に戻って、ヤンクミが「私は犯人じゃ ありません」と自己紹介を始め、それをSATがボーッと見ていたり、またヤンクミ関係者のリアクションを見せたりと いうのは、ダラダラしすぎだよ。
さっさとアヴァン・タイトルを終わらせて、本編に入った方がいい。

翌朝、職員室で教師たちが読んでいる新聞にハイジャック事件のことは大きく取り上げられているが、なぜかヤンクミのことは、ほとんど 触れられていない。「乗客の一人が犯人を説得か?」と出ているだけ。
普通、あれだけ大きな事件があったら、人質になった乗客に取材するだろうに。
で、その後、小田切が実習生として来るが、そこは手順を入れ換えた方がいい。
先にヤンクミが受け持つ現在のクラスを登場させて、ヤンクミと生徒たちの関係性を示し、そこから小田切が絡む話を進めていった方が いい。

それと、今のクラスではヤンクミが生徒たちと上手くやっている設定にしてしまった方がいいんじゃないのか。
今回の映画は、明らかに「TVシリーズのファンと今までの出演者の同窓会」といった感じの内容なんだし、そこに集中した方が 良かったんじゃないか。
映画の尺だけを使って、ヤンクミが新しい生徒の心を掴んでいない段階から始めて、彼らの心を掴むというドラマを描くのなら、そこに 集中しないと時間が足りないでしょ。
それよりも、小田切が次第に教師の仕事に意欲を持つ話を、軸に据えたほうがいい。

熊井ラーメンでヤンクミが緒方たちとラーメンを食べながら話をするシーンを始めとして、今までのシリーズの生徒たちを登場させて、 それなりに時間を使わなきゃいけないので、今の受け持ちクラスを使った話にたっぷりと時間を使うことは出来ないし、進行速度もノロい 。
TVシリーズのファンは、映画版で新しく登場した生徒には何の思い入れも無いんだし、高杉たちの心を掴む話に前半を費やす構成は、 上手くない。
根本的な問題として、「テレビのスペシャル版で充分」という内容だが、それはひとまず置いておくとして、映画としての 付加価値を考えてTVシリーズの面々を登場させるのなら、新しい生徒たちは邪魔なだけだ。
出て来なくてもいいぐらいだ。

ヤンクミが高杉を助けに向かったシーンで、彼女は倉庫の壁を爆破して乗り込んでいるが、そんなことをしなくても、普通に入り口から 入ってくればいいでしょ。
倉庫の入り口は開いているんだから。
壁を破壊するなら、その前に「入り口のドアが封じられている」とか、そういう手順を踏めよ。
ヤンクミを派手に登場させたいのは分かるけど、必要な手順を飛ばしちゃダメだよ。

高杉を助けて一家に戻ったヤンクミは、てつたちから「寺田が覚醒剤で荒稼ぎしており、その背後に黒瀬が暗躍している」と聞かされる。
どうやって黒瀬が背後にいることを一家の連中が突き止めたのかは、全く分からない。
普通、そういうのって、調べた結果として判明するもんでしょ。でも、突き止めるまでの経緯がバッサリとカットされていて、あっさりと 判明する。
大江戸一家の連中が簡単に黒瀬の犯罪を突き止めるぐらいなら、警察だって彼をマークするだろうし、っていうか逮捕されていても おかしくないんじゃないのかと。
ただ、なんせ「背後に黒瀬がいると知る」というところに辿り着くまで調べを進めるための時間が足りないのよね。
だから「かつて愛した男と瓜二つだから、ヤンクミが彼に惚れ込む。黒瀬が覚醒剤取引に関わっている疑惑が持ち上がり、それでも ヤンクミは誠実そうな態度に触れて信じようとする。しかし最終的に本性を知り、怒り爆発で懲らしめる」というドラマも描くことが 出来ない。

ヤンクミが決起集会に向かうと土屋がいて、「カメラマン助手だよ。一人前にはまだまだってとこだな」と言うが、思い切りカメラを 持って撮影してるじゃねえか。
助手ならカメラなんて持たせてもらえないでしよ。
一方、風間たちは覚醒剤が保管されている場所を発見するが、正体を隠して密かに覚醒剤密輸を主導しているような奴が、テメエのビルに 、しかも簡単にガキどもが入れるような場所の、すぐ見えるような場所に、覚醒剤を無造作に置いておくわけがないでしょ。

ヤンクミは黒瀬がスピーチしている会場に乗り込むが、彼女がステージに上がって喋り始めても、黒瀬の部下は誰も止めようとしない。
彼女が黒瀬の悪事を喋り出したところで、ようやく黒瀬が手下に指示を出すが、手下の動きはノロい。
で、小田切たちが悪事の証拠を全国中継で暴露した後になって、黒瀬は手下に「(ヤンクミを)殺れ」と命じているが、もはや悪事が 露呈した後なので、今さらヤンクミを殺したところで、どうにもならんぞ。
そこでの黒瀬と手下たちの行動がデタラメすぎる。

黒瀬と手下の行動もデタラメだが、警察の動きもデタラメ。
なぜか外で待機しているだけで、全く突入してこない。
黒瀬が拳銃を構えると、ビルの外にいるリポーターが「黒瀬氏は拳銃を持っていたようです。これでは警察は中に入れません」とコメント するが、いやいや、普通に入れるだろ。
ヤンクミの説教が終わってから、ようやく警官隊が突入してくるけど、その御都合主義は萎えるぞ。

あと、その事件が終わった後で、石垣佑磨、成宮寛貴、小栗旬がヤンクミに会いに来るシーンを用意するのは、完全にタイミングを外して いるぞ。
そこまでの卒業生たちも無理に出した感じはあるけど、その3人は際立ってムリヤリだ。登場させるのはいいけど、遅すぎるよ。
理事長にしても、そこが初登場って、どんなタイミングだよ。
クライマックスの事件が終わるまでに、全員を登場させておかないとダメでしょ。
そういう計算能力がゼロなのかと。

(観賞日:2010年10月19日)

 

*ポンコツ映画愛護協会