『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』:2000、日本

1954年、水爆実験によって誕生した魔獣ゴジラが東京に上陸し、新橋や銀座一帯は火の海と化した。人々は成す術も無く、ゴジラを見送るしかなかった。2ヶ月後、東京は復興に向けて力強い歩みを開始し、それと同時に首都機能は大阪へ移された。1966年、操業を開始したばかりの日本初となる東海村の原子力発電所が、ゴジラによって破壊された。ゴジラ上陸の原因が原発の放射能エネルギーにあるという研究結果を知らされた日本政府は、原発の永久放棄を決定した。
増加する電力需要に対処すべく、政府は火力や水力など様々な発電に力を入れたが、原発を補うまでには至らなかった。そこで1996年、科学技術庁が中心となり、クリーンエネルギーの開発を目的とした研究所が大阪に作られた。重水素を原料にしたプラズマ発電が完成し、その操業が開始された。そんな中、中之島にゴジラが襲来した。対ゴジラ特殊部隊の辻森桐子や奥村知治たちが出動するが、ゴジラには全く歯が立たない。単独行動を取っていた桐子の元に隊長の宮川卓也が駆け付け、撤退を指示した。ゴジラが暴れてビルを破壊し、瓦礫が落下して来た。宮川は辻森を庇い、瓦礫の下敷きとなって死亡した。
2001年、東京の秋葉原。部品屋で働く工藤元を、桐子と奥村が訪ねた。マイクロマシンの天才的技術者である工藤をスカウトするためだ。2人は工藤を車に乗せ、陸自芝浦分屯地へ連れて行く。建物は改装され、特別G対策本部に様変わりしていた。特G対は4班で構成されており、ゴジラとの戦闘を受け持つGグラスパーの隊長を桐子が務めていた。桐子と奥村の他に、パイロットの細野精一、広報官の新倉誠、オペレーターの美馬和男がGグラスパーのメンバーだ。
特G対科学班第一研究室の責任者を務めているのは、工藤にとって大学院時代の恩師である物理学者の吉沢佳乃だった。吉沢は大阪のクリーンエネルギーファクトリーでプラズマエネルギーの開発に従事していたが、ゴジラの襲撃で多くの仲間を失っていた。吉沢は工藤に研究への協力を要請し、究極の対ゴジラ兵器を開発中だと明かす。それは「マイクロブラックホール」と名付けた兵器で、ブラックホールにゴジラを吸い込ませて消去するのだと彼女は語る。現在は実験機の作成中で、2メートルに縮小したブラックホールを人工衛星に搭載して宇宙からゴジラを攻撃するのだと吉沢は説明した。工藤は興奮し、研究への参加を快諾した。
G衛星が日本海溝付近の海水異常を探知し、ゴジラの存在が確認された。すぐにゴジラの反応は消えたが、特G対本部長の杉浦基彦は吉沢にマイクロブラックホールの開発を急ぐよう促した。3ヶ月後、山梨県白洲。早坂薫が引っ越しの準備をしていると、小学生の一人息子・淳が昆虫標本を友達に帰すために外出する。特G対が車の通行を止めている様子を目撃した彼は、道路を外れて森に入った。淳が廃校となった小学校を観察すると、特G対がマイクロブラックホールの実験準備を進めていた。
吉沢や工藤たちが見守る中、マイクロブラックホールは廃校舎に向けて発射された。校舎は消え去り、そこには時空の歪みが生じた。奥村は淳を発見し、桐子に報告した。桐子は淳の元へ行き、目撃したことを誰にも話さないよう約束させた。その夜、淳は窓の外を飛んで行く巨大な虫の影を目撃した。外に出た彼は、巨大な虫が時空の歪みに向かって飛んで行くのを目にした。怖くなって家に帰ろうとした淳は、謎めいた大きな卵を見つけて持ち帰った。
東京の渋谷へ引っ越した淳は、拾った卵を箱に入れて持参していた。淳は卵を持って外出し、それを下水溝に捨てた。卵から孵化した巨大な虫はカップルを捕食し、変態して飛び去った。変態した虫が飛んで行く姿を目撃した淳は、桐子と連絡を取った。淳は桐子に昆虫図鑑を見せ、古代昆虫であるメガヌロンが成虫のメガニューラになって飛んで行ったのだと説明した。
特G対はG衛星から送られてきた画像を解析し、日本海にゴジラが出現したことを確認する。ゴジラはメガニューラに向けて、熱線を放射していた。桐子、細野、奥村は戦闘機「グリフォン」に乗り込み、ゴジラが確認された海域へ向かった。桐子と奥村はボートに乗り込み、メガニューラの死体の一部を採取した。その時、真下からゴジラが出現した。桐子はゴジラの背中に捕まって発信器を撃ち込み、SGS(ゴジラ探索機)の出動を指示した。
工藤や吉沢たちが完成させたブラックホール砲はディメンション・タイドと名付けられ、種子島宇宙センターから打ち上げられた。特G対に所属する生物学者の山口剛は採取した生物がメガニューラであることを確認し、群れで行動する狂暴な昆虫だと桐子たちに説明した。地下水脈の決壊によって渋谷は水没し、陸自が住民を避難させた。水中を調査した特G対は、大量の卵を発見した。SGSはゴジラを追跡し、小笠原海溝で存在を確認した。
大阪の防衛庁へ赴いた桐子は緊急会議に出席し、ゴジラが北上していることを報告した。彼女は政府関係者に、ディメンション・タイドを使うにはゴジラを地上へ移動させる必要があることを語る。人工衛星からのロックオンを可能にするためだ。そこで彼女は、無人島である奇岩島へゴジラを誘導する作戦を提案した。桐子たちはグリフォンで出撃し、ゴジラを攻撃して奇岩島に誘導する。同じ頃、渋谷ではメガニューラの群れが発生し、どこかへ飛び去った。
グリフォンの攻撃を受けたゴジラは奇岩島に上陸し、美馬がディメンション・タイドを起動させる。だが、メガニューラの群れが飛来したため、それが邪魔でロックオンが出来ない状態になった。メガニューラはゴジラを攻撃するが、熱線を浴びる。メガニューラの数が減ったことでロックオンが可能になり、ディメンション・タイドが発射された。だが、ブラックホールは標的を外れ、ゴジラは消滅しなかった。加速器の冷却には1時間が必要なため、すぐに2発目を撃つことは出来なかった。
メガニューラの群れは奇岩島から飛び去り、ゴジラも海へと消えた。杉浦は首相に電話を掛け、「Gはおそらく東京に来ます。狙いは申し上げるまでもなく、渋谷の国立科学技術研究所です。中性子の遮蔽はあれで完璧だと思ったんですがね。もちろんプロジェクトの方は即刻、ストップさせました」と語った。メガニューラの群れは渋谷へ舞い戻り、水中に残っている巨大な1匹のメガヌロンに全エネルギーを与えて息絶えた。
杉浦は桐子たちに、SGSの捜索海域を奇岩島から東京湾へ至る直上に集中させるよう命じた。渋谷へ赴いた工藤は、計器類の故障が多発していることを陸自の隊員から聞かされた。水中に強力な磁場を発生させる何かがいるのではないかと工藤が推測した直後、メガヌロンの変態した姿である怪獣メガギラスが出現した。メガギラスは空を飛びながら高周波を発生させ、建物を破壊した。慌てて逃げ出そうとした工藤は、怪我を負った。
SGSが大島沖でゴジラを捕捉し、東京上陸が確実になった。政府が住民の避難を急ぐ中、桐子は高エネルギー施設が無いはずの東京をゴジラが狙うことに違和感を抱く。ゴジラが東京湾に到達したため、桐子たちはグリフォンで出撃した。グリフォンがゴジラを埠頭へ誘導しようと攻撃していると、メガギラスが飛来した。メガギラスがゴジラと戦い始める中、杉浦は「ディメンション・タイドを用意しろ。ゴジラとメガギラスを同時に始末してやる」と言う。しかしメガギラスの発した高周波によってプログラムが破壊され、ディメンション・タイドはコントロール不能に陥ってしまう…。

監督は手塚昌明、脚本は柏原寛司&三村渉、製作は富山省吾、撮影は岸本正広、美術は瀬下幸治、録音は斉藤禎一、照明は斉藤薫、編集は普嶋信一、脚本協力は藤田伸三&山田政史&清水瞳、特殊技術は鈴木健二、音楽は大島ミチル、ゴジラ テーマ曲は伊福部昭。
出演は田中美里、谷原章介、星由里子、伊武雅刀、永島敏行、中村嘉葎雄、勝村政信、池内万作、鈴木博之、山口馬木也、山下徹大、かとうかずこ、極楽とんぼ、上田耕一、黒部進、山寺宏一、松風雅也、鴻口可南、村上順子、吉澤一彦、坂田雅彦、しのへけい子、若林久弥、加藤茂雄、井田伸一、松田秀彦、馬場俊行、秋葉譲、鈴木隼人、豊下智大、飯尾英樹、住吉俊千、福田由紀子、木村慶太、神沢武志、鈴村近雄、藤沢規生、内藤大樹、金子基、高橋亜子、有迫照彦、長友健太、鍋島利匡、下村哲也、依田昇、冬雁子、国枝量平、矢島俊作、森永徹、梅田宏、今野紀子、寺尾浩明、今井良晴ら。
声の出演は屋良有作、花輪英司。


“ゴジラ”シリーズの第24作。手塚昌明の監督デビュー作。
脚本は前作『ゴジラ2000 MILLENNIUM』に続いて柏原寛司と三村渉の共同。
桐子を田中美里、工藤を谷原章介、吉沢を星由里子、杉浦を伊武雅刀、宮川を永島敏行、山口を中村嘉葎雄、新倉を勝村政信、美馬を池内万作、淳を鈴木博之、細野を山口馬木也、奥村を山下徹大、薫をかとうかずこが演じている。
他に、水道局の職員役でお笑いコンビの極楽とんぼ、政府関係者役で上田耕一、海自幹部役で黒部進が出演している。

冒頭「日映ニュース」の映像として、1954年にゴジラが東京へ上陸した時の様子が写し出される。 ここは1954年版『ゴジラ』のフィルムを使わず、本作品のための映像を新たに撮っているのだが、「記録映画の映像」としては明らかに嘘臭い。
「その状況を、そのアングルから、誰が撮ったんだろう」というのが引っ掛かる。
「成す術も無く、ただこの魔獣を見送るしかないのでしょうか」というナレーションも不自然。
「既に起きた出来事を報じるニュース」であり、海へと去って行くゴジラの様子も移しているんだから、現在進行形のようなナレーションは変でしょ。

「1954年に東京がゴジラに襲われ、首都機能は大阪へ移された」「1966年に原発がゴジラに破壊され、原発は永久放棄された」「クリーンエネルギーの開発を目的とした研究所が大阪に作られ、プラズマ発電が完成した」という風に、世界観の設定に凝っている。
だが、そこまで凝っている効果が得られているとは思えない。
何より、首都を大阪に移している意味が全く無い。東京がゴジラに襲われたからって、それを理由にして首都機能を大阪へ移すってのは無理があるし。
あと、ゴジラ対策で原発を放棄してクリーンエネルギーの開発に取り組む意欲があるのなら、なぜゴジラを退治するための対策には取り組まなかったのか。まだゴジラは生きているのに。

1996年にゴジラが出現すると対ゴジラ特殊部隊が出撃するのだが、カールグスタフで倒そうってのは無茶だろ。
そもそも、なんで歩兵部隊なのかと。せめて戦車隊や戦闘機部隊を出撃させるべきじゃないのか。
宮川が死んだのはゴジラのせいじゃなくて、そんなボンクラな作戦のせいだと思うぞ。
あとは、撤退命令に従わずにゴジラへの攻撃を続けようとした桐子のせいでもある。
だから桐子はゴジラへの怒りや憎しみを燃やすより、自責の念にかられるべきじゃないかと思うぞ。

4年前に特G対が設置されたことが周知の事実として語られたり、吉沢が1996年のゴジラ襲撃で多くの仲間を失っていることが「既に描写されたシーン」であるかのように軽く処理されたりする。
それは、欲張って色々な要素を盛り込み過ぎたことの弊害だろう。
吉沢が多くの仲間を失っていることは、それによって怒りや悲しみを抱え、ゴジラ退治に燃えるという彼女のモチベーションに繋がっているはずなのに、そこが全く伝わらない。
それは桐子にしても同様で、宮川との師弟関係の描写が薄すぎる。

吉沢は「ブラックホールにゴジラを吸い込んで永久に消滅させるしか、もうゴジラを倒す手は無いの」と語るが、それは変だ。
そういう台詞は、今までにゴジラを退治しようとして様々な手を打って来た結果として出て来るものだろう。
しかし実際には、1954年には成す術も無く見送っただけで、1966年にも攻撃した様子は描かれない。1996年はカールグスタフで撃っただけ。
対ゴジラ用の特別な作戦や兵器が使用されたという情報は、この映画には全く出て来ないのだ。

それを考えると、過去の作品を全て無かったことにしたことがマイナスに作用しているとも言える。
過去の作品を全て「あったこと」にしておけば、「今まで何度もゴジラが日本を襲い、その度に様々な作戦や兵器が使用されたが、ゴジラは復活した」ということになるので、それなら「もはやブラックホールにゴジラを吸い込んで永久に消滅させるしか方法が無い」という論法も理解しやすい。
この映画だと、「その前に他の方法を色々と試してから言えよ」と言いたくなるんだよな。

「地球での被害を最小限に食い止めるためには、宇宙からゴジラにブラックホールを撃ち込むしかない」ということでマイクロブラックホールを人工衛星に搭載するという吉沢の考えも、これまた不可解だ。
なぜ、「それしかない」ってことになるのよ。「上からなら障害物も無いし」と新倉も称賛しているけど、どう考えたって地上に配備してゴジラの近くから発射した方が確実だろうに。
大体さ、あんな実験を地上でやっておいて、「被害を最小限に食い止めるためには宇宙から撃ち込むしかない」と言っても説得力が無いし。
っていうか、地上からゴジラにブラックホールを撃ち込んだ場合に、それで生じる被害って何なのよ。「周囲の建物も吸い込んでしまう」とか、その程度の被害なら、ゴジラを消滅させるためには許容範囲じゃないのか。

白洲で廃校舎を標的にしたマイクロブラックホールの実験が行われるが、「そんな場所で実験するなよ」と言いたくなる。
もっと誰も人が寄り付かないような場所でやればいいだろうに。
住人がいる場所で実験するのであれば、何か嘘の理由でも用意して、確実に近隣住民を退去させるような対策を取るべきでしょ。立ち入り禁止区域にガキが侵入して実験を目撃しちゃうって、どんだけ警戒態勢が杜撰なのかと。
そんで桐子は淳に「誰にも言わない」と約束させただけで解放しちゃうけど、甘すぎるだろ。国の極秘事項じゃないのかよ。
もしも淳が誰かに喋って実験の噂が広まったら、どうするつもりだったんだよ。

工藤はマイクロブラックホールを縮小化するために、開発チームへの参加を依頼される。
だが、マイクロマシンの天才エンジニアであっても、ブラックホールを縮小化するには全く別の能力が必要な気がするぞ。
で、工藤が参加してから3ヶ月で実験機が完成するのだが、実験で時空の歪みが発生しているのに「実験は成功」と軽く済ませちゃっていいのか。
少なくとも、「時空の歪みが残っている場所で、その後に何かトラブルが起きないか」というのを調査する必要はあるんじゃないのか。

淳は夜中に巨大な虫を見て怯えるが、なぜか巨大な卵は持ち帰る。
「好奇心にかられて持ち帰った」ということなら理解できるのだが、その卵を持ち帰る時の様子は、どう見ても好奇心旺盛ではない。
むしろ、巨大な虫に怯えていた流れがあるので、その卵に対しても不安を抱いた方が自然だ。
そんで淳は、なぜか引っ越し先の渋谷まで卵を持って行き、そこで急に怖くなって捨てるのだが、それは「東京で卵が孵化してメガヌロンが誕生する」という展開を作るための、あまりにも下手すぎる御都合主義だわ。

そんな不自然な行動を取らせてまで淳に卵を運ばせるぐらいだから、彼を重要人物として使っていくのかと思いきや、桐子にメガニューラが飛んでいたことを知らせた段階で役目を終えてしまう。後半、避難する住民の中に姿があるが、存在意義は失っている。
ようするに、卵を渋谷へ運ばせるためだけに利用されだけだ。
でも、そんな使い捨て状態にしてしまうぐらいなら、「メガヌロンが渋谷で孵化する」という展開を作るために、もうちょっと上手い方法は無かったのかと思ってしまう。
淳がそんな状態だから、その母親である薫なんて、全く存在意義が無いキャラクターになっちゃってるし。

桐子は「ディメンション・タイドでロックオンするためにはゴジラを上陸させる必要がある」と説明しているが、そうなると、ますます「なんでわざわざ人工衛星に搭載したんだよ」と言いたくなるわ。
浜辺にでも配置すれば、ゴジラが上陸する前に発射することも出来たんじゃないのか。無人島で撃ち込む作戦は照準を外れて失敗しているけど、地上に配備して近距離から発射する形にしておけば、外れる確率だって下げることが出来たんじゃないのか。何をどう考えても、わざわざ宇宙から発射することのメリットよりもデメリットの方が遥かに大きいでしょうに。
結局、「ディメンション・タイドがゴジラに当たるかどうか」「無事にプログラムが復活するかどうか」というところで緊張感を煽るために、無理に人工衛星へ搭載する仕様にしているだけなんだよな。
っていうか、一度はロックオンしたのに外れるってのも、ちょっと引っ掛かるんだけどね。ゴジラが俊敏に移動しているならともかく、そうじゃないわけだから。

メガギラスについて、山口は「メガニューラは群れの中から1匹を選んで巨大化させる。究極の戦闘体メガギラスは周りの敵を倒しながらテリトリーを広げて行く。
それがメガニューラの“種”としての戦略なんだろう」と説明しているのだが、それは「種の保存の法則」から考えると不可解だわ。何のために大量の卵を産んでいるのかと。
それは「大量に孵化させることで、犠牲が出ても種族が生き残るように」という原理のはずでしょ。
それなのに、全てのメガニューラが命を投げ出して1匹だけを残すってのは、おかしいだろ。

このシリーズを怪獣バトル物にしたケースでは、「ゴジラ、ゴジラと戦う怪獣、自衛隊(防衛隊)のいずれかの存在意義が怪しくなる」という状態に陥りがちだ。
自衛隊を完全に役立たずにしてしまえば、この問題は回避できる。
しかし本作品の場合、自衛隊がそれなりに活躍する内容になっている。そして、「ゴジラをブラックホールで消滅させる」という作戦も展開される。
そうなると、おのずとメガギラスの存在意義が怪しくなる。

実際、この映画からメガギラスを排除しても、そんなに支障は無い。
こいつは、ディメンション・タイドの発射を2度に渡って妨害するためだけに出てきたようなモンだ。
でも、「ゴジラ消滅作戦に予期せぬトラブルが起きる」というところで緊迫感を煽ろうということであれば、メガギラスなんて出さなくても、幾らでも方法はあるのだ。
むしろ、渋谷が水没するとか、メガヌロンがカップルを捕食するとか、そういうエピソードが「ゴジラ消滅作戦」という本筋と全く融合していないんだし、メガギラスなんて登場させない方がストーリー進行としてはスッキリするのである。

(観賞日:2014年7月9日)

 

*ポンコツ映画愛護協会