『GANTZ』:2011、日本

就職活動中の大学生・玄野計は、地下鉄のホームで幼馴染の加藤勝を目撃した。声を掛けずに様子を見ていると、加藤はホームから落ちた 酔っ払いを助けるため線路に降りた。彼は「降りて手伝ってくれませんか」と呼び掛けるが、誰も反応しない。加藤に気付かれた玄野は 「ちょっと手伝ってくれ」と言われるが、聞こえなかったフリをする。快速電車が入って来るというアナウンスが入る中、加藤は酔っ払い をホームに戻した。玄野は上がろうとする加藤に手を貸すが、バランスを崩して線路に落ちてしまった。
玄野と加藤は快速電車にひかれるが、次の瞬間、見知らぬマンションの一室にいた。そこには彼らの他に、鈴木良一、西丈一郎、山田雅史 、稲森貴史、畑中清といった面々の姿があった。部屋の中央には大きな黒い球体が鎮座している。稲森によると、窓も玄関のドアも全く 開かないらしい。彼らも玄野や加藤と同じく、死んだはずだという。その時、黒い球体から光が放たれ、体の濡れた裸の女・岸本恵が出現 した。玄野たちは稲森から、「アンタらもこうやって出て来たんだよ」と言われる。
加藤が岸本に上着を掛けてやると、球体から歌が流れた。そして、その表面に「てめえ達の命は、無くなりました。新しい命をどう使おう と私の勝手という理屈なわけだす。帰りたかったらこの方をヤッつけに行ってくだちい」と、所々で言葉が反転している間違ったた文章が 表示された。続いて「ねぎ星人」という文字と星人の顔が表示される。球体が変化し、中にあった未知の武器が飛び出す。中を覗くと、 球体の真ん中には男がいる。呼吸はしているが、反応は無かった。
アタッシェケースには、それぞれの名前が入っていた。開けると戦闘用のコスチュームが収納されている。山田が「集団幻覚ではないか」 と言い出した時、みんなの姿が少しずつ消えていく。球体に「行って下ちい」と表示され、20分のカウントダウンが始まる。全員が夜の 市街地に出現すると、西は「ズルしたくないんで言いますけど、これはテレビ番組なんです。皆さんは催眠状態で参加してます。親父が プロデューサーなんです。リアリティー・ショーで、ミッションを達成したら賞金10万ドル」と語った。
その時、道路の向こうに、ねぎ星人が現れる。西が「最初に倒した人が賞金を総取りです」と少年が言うと、玄野、加藤、岸本を除く面々 は一斉に追い掛けた。山田たちがターゲットを追い詰めると、子供の星人だった。隙を見て逃げ出したので、彼らは再び追い掛ける。道を 歩いていた玄野たちは、そこが多摩市一ノ宮だと知る。だが、人の姿は無い。鈴木たちが走って行くのを見た加藤は、「俺、見て来る」と 言って追い掛け、岸本は彼の後を追った。
鈴木たちは車庫に星人を追い込み、畑中が銃を構えて引き金を引く。星人はダメージを受けるが、反撃して畑中に怪我を負わせた。山田、 稲森、畑中が一斉に発砲すると、星人が弾け散った。畑中ががさらに乱射したので、駆け付けた加藤が制止した。そこへ大人のねぎ星人が 出現し、山田たちを次々に抹殺した。悲鳴を耳にした玄野が車庫に行くと、加藤が追い込まれていた。そこへ岸本が現れ、星人を攻撃した 。一人だけ用意されていたスーツを着用している彼女は、星人と対等に戦う攻撃力と防御力を備えていた。
玄野は自分もスーツを着用しようとするが、星人に見つかったため、慌ててケースで殴った。西が戦闘現場に現れ、武器で星人を攻撃して 捕獲した。彼は笑いながら玄野に「今回の点数はあげるよ」と言い、銃を渡して撃つよう促した。玄野は震えながら引き金に手を掛けるが 、発砲することが出来ない。西は呆れた表情で「そんなんじゃ次の時は死ぬよ」と言い、星人を始末した。ミッションが終わると、星人に 殺されなかった面々は元の部屋に戻された。
玄野が説明を求めると、西は「ガンツに聞けば」と言う。その球体は、彼が来る前からガンツと呼ばれていたらしい。瀕死だったはずの 鈴木も、無傷で戻って来た。西は「どんなに傷だらけでも、生き延びていたら元通りになる」と言う。その時、「それぢわ さいちんを はじぬる」という文字がガンツに表示された。玄野たちは「0てん」で、西だけが「5てん」で「トータル79てん」と出た。
西は玄野たちに、「ガンツが地球を侵略する星人をやっつけるミッションの採点をしたんだ」と言う。玄野は詳しい説明を求めるが、目の 前が真っ暗になって自分の部屋に転送された。彼は面接へ行くが、会社に入ってやりたいことを訊かれて答えにつまった。大学でも授業に 身が入らず、ボーッとしている。そんな様子を見ていた同級生の小島多恵が話し掛けても、彼の意識は別の所にあった。
玄野は加藤に会いに行こうとするが、実家は無くなっていた。事件現場へ行くと、戦いの痕跡が残っている。彼は岸本と遭遇し、「今晩、 泊めてもらえませんか」と言われる。部屋に連れ帰ると、岸本は彼氏と別れて風呂場で自殺を図ったこと、ミッションが終わって気付くと 家に戻っていたこと、怖くて風呂場だけは見られないことを語った。彼女は、加藤に上着を借りていたので返して礼を言いたいと話す。 加藤の上着のポケットから、手帳が落ちる。挟んであった紙を見た玄野は、彼が少年院を出て保護観察中だと知った。
加藤は弟の歩と住んでいる安アパートで、悪夢にうなされて夜中に目を覚ました。顔を洗った直後、また加藤はマンションに転送される。 玄野や岸本たちも、やはり転送されていた。そして新たに老女の杉本カヨ、幼い孫の杉本亮太、若い女・白石いずみといった面々も転送 されてきた。またガンツからミッションの指示が入った。今度の標的は田中星人だ。西は「ガンツからは逃げられない。どこにいようと 毎回呼ばれる。俺が来るずっと前から、ここには人が集められて星人と戦って、人が殺されたら補充して。たくさん死んだ。その中で俺は 生き残って来た」と述べた。
加藤に「最初から説明してれば、他の人も、もっと助かってただろ」と詰め寄られた西は、「何も分かってねえんだな、偽善者は」と笑う 。玄野は「囮のつもりだったんだろ」と冷静に言い当てた。今回は15分の制限時間で、ミッション参加者は品川区の立体駐車場に転送 された。カヨと亮太は真っ先に始末され、西は星人に戦いを挑むが深手を負う。加藤は西を助けるため、星人に飛び掛かった。だが、西は 「100点で俺を生き返らせろ」と言い残して死んだ。
倒したはずの星人が復活し、岸本に襲い掛かった。加藤が盾になって庇うが、2人ともダメージを負う。次に襲われた玄野は反撃し、重傷 を負いながらも星人を倒した。ミッションは終了し、玄野は7点を獲得した。彼がガンツに「100点取ったらどうなるんだよ」と尋ねると、 球体には「100点めにゅ〜 1.記憶をけされて解放される 2.好きな人間を生き返らせる」という文字が表示された。
翌朝、玄野が部屋で目を覚ますと、ガンツスーツのままだった。それを着ていれば普段でも特殊な運動能力が発揮できると知り、玄野は 浮かれる。多恵から急に電話が入り、玄野は呼び出されて彼女の描いた漫画を見せられた。それは普通の若者がヒーローに選ばれて悪い奴 をやっつける少女漫画だ。玄野は「昔の俺みたい、ガキの頃、いじめっ子から弱い奴を守ってたんだ。そいつとこないだ、たまたま再会 してさ。でも覚えてねえんだろうな。やっぱ、ヒーローは悪い奴をやっつけないとな」と呟いた。
加藤のアパートに岸本が現れ、「あの部屋に着いた時、やっと死ねたと思ったんです。でも今はもっと行きたい。加藤さんに出会ったから です」と言う。加藤は「俺は少年院に入っていた。父親を殺したんだ。親父は酒に酔って弟を毎日殴っていた。俺は救いたかった。でも 救えなかった。だからもう、あいつを一人にさせたくない」と語る。テレビのニュースでは、立体駐車場の一件が報じられていた。しかし 星人や被害者については何も触れられず、爆発事故として処理されていた。
玄野はミッションを楽しみに待ち、加藤は弟の元へ必ず戻るという強い決意を抱いた。また転送されると、桜井弘斗、岡崎明俊、徳川夢想 という面々が補充されていた。今度のミッションは、おこりんぼう星人との戦いだ。加藤は新たなメンバーに、スーツを着て戦いに備える よう告げた。玄野は余裕の笑みを浮かべ、「初めての人に説明しても無駄だって。俺が一人でやる。お前のことも俺が守るから」と言う。 加藤が「もう誰も死んでほしくないんだよ」と喚くと、玄野はバカにしたように「本気で言ってんの?自分が元の世界に戻りたいだけなん じゃないの。少年院行った奴がカッコ付けんなよ」と言い放った。
ミッション参加者は上野の国立博物館に転送され、入り口に立つ金剛力士像が襲い掛かって来た。みんなが逃げ惑う中で、玄野だけは余裕 の態度で戦う。玄野は加藤に「お前、こんな連れて逃げろ。こいつは俺がやる」と告げる。徳川といずみは、博物館の中に避難した。玄野 は星人の攻撃を軽々とかわし、銃を構えている岡崎を「邪魔だ」と突き飛ばす。逃げ遅れた岡崎が殺された後、玄野は星人を始末した。彼 が「これで文句ないだろ」と言うと、加藤は「全然ダメだよ。仲間が死んじゃ」と反論する。玄野は高慢な態度で、「それはお前が全員 逃がせなかった分だろ。次から全員逃がしてくれれば、敵は俺がやっつけるから」と口にした。
ミッションは終わったはずなのに、新たなカウントダウンが始まった。まだ他にも星人がいたのだ。博物館に近付いた玄野たちは、いずみ の死体を発見した。建物の中に入ると、徳川も殺されていた。警戒しながら移動していると、いきなり千手観音像が動いて襲い掛かって 来た。不意打ちを受けた玄野が深手を負い、加藤は「俺が行く」と星人に立ち向かう。すると星人は「先に攻撃してきたのはお前たちだ。 お前たちは仲間を殺した。復讐する」と述べた。加藤が危機に陥ると、岸本が助けに入って犠牲となった…。

監督は佐藤信介、原作は奥浩哉「GANTZ」集英社/週刊ヤングジャンプ連載、脚本は渡辺雄介、製作指揮は宮崎洋、製作は大山昌作& 鳥嶋和彦&島谷能成&藤島ジュリーK.&堀義貴&平井文宏&村上博保&大橋善光&鳥羽乾二郎、エグゼクティブプロデューサーは 奥田誠治、シニアプロデューサーは菅沼直樹、企画プロデュースは佐藤貴博、プロデューサーは田中正&飯塚信弘、ラインプロデューサー は毛利達也、撮影監督は河津太郎、美術監督は原田恭明、録音は横野一氏工、編集は今井剛、特殊造型プロデューサーは蟻川昌宏、 アクション監督は下村勇二、特殊メイクは若狭新一、特殊衣装は竹田団吾、助監督は李相國、プロデューサー補は田中誠一、特撮監督は 神谷誠、CGプロデューサーは豊嶋勇作、CGディレクターは土井淳、VFXスーパーバイザーは前川英章、音楽は川井憲次。
出演は二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、山田孝之、田口トモロヲ、伊藤歩、本郷奏多、夏菜、浅野和之、千阪健介、白石隼也、 小松利昌、落合扶樹(現・落合モトキ)、小林一英、市川千恵子、春名柊夜、Merii、古澤裕介、土平ドンペイ、玄覺悠子、若葉竜也、 長江英和、五十嵐翔、早川恭崇、柴田愛之助、橋本まつり、有山尚宏、樋渡真司、西山宏幸、右手愛美、渡辺憲吉、尹秀民、木下美咲、 佐達ももこ、白石奏、辰巳蒼生、三浦圭祐、千代將太、三枝貴史、貝塚健之介、こばやしあきこ、小針貴哉、青木泰都、福永悠仁、 板垣雄亮、前田恭明、浜野ゆうき、森圭介(日本テレビアナウンサー)ら。


奥浩哉の同名漫画を基にした作品。
最初から2部作として製作されており、これは前篇。
監督は『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』の佐藤信介、脚本は『20世紀少年』3部作の渡辺雄介。
玄野を二宮和也、加藤を松山ケンイチ、多恵を吉高由里子、鈴木を田口トモロヲ、 西を本郷奏多、岸本を夏菜、玄野の父を浅野和之、歩を千阪健介、桜井を白石隼也、山田を小松利昌、稲森を落合扶樹、畑中を小林一英、 カヨを市川千恵子、亮太を春名柊夜、いずみをMerii、岡崎明俊を古澤裕介が演じている。

原作は読んでいないので、比較しての批評は出来ない。
ただし、「原作と比較して云々」という以前に、これがダメな映画であることは序盤で露見する。酔っ払い救出シーンのテンポが ノロすぎるのだ。
まず、加藤は正義感の強い男という設定なら、酔っ払いが転落した瞬間に線路へ降りるべきでしょ。
「保護観察中だから」というのは、ためらう理由にならないし。
なのに、しばらく待ってから、しかも、ゆっくりと降りて、ゆっくりと近付いている。

加藤が酔っ払いに歩み寄る時点で、既に構内アナウンスが入っており、もうすぐ快速電車が来ることは分かっているはずだ。
だったら、迅速に救出しなきゃいけないことも分かるはず。ノンビリしていないで、一刻も早く線路から引き上げるべきでしょ。
電車にひかれる展開にも無理があって、あれだけの時間があれば、とりあえず線路脇に飛び込むとか、そのぐらいは出来たんじゃない かと。
そりゃあ、いざとなったら足がすくんで体が動かないかもしれないが、とにかく見ていると、不自然に感じるんだよな。
で、そこでテンポの悪い演出をやってしまう人が、それ以降はテンポ良く進めるセンスを持っているかどうかを冷静に考えた時に、そりゃ 無理だろうと。
そんで実際、その予想通りの結果になっていた。

ミッション参加者は様々な場所に転送されて戦うけど、他の人と出会うことは無い。
参加者が殺されても死体は発見されないし、警察は事故として処理している。
どうやら、ミッションの場所は現実世界に似た異次元のようだ。
ただ、劇中で誰かが「なぜ死体が無いのか」「今まで多くのミッションがあったはずなのに、なぜ目撃者がいないのか」という疑問を追及 したり、推論を述べたりすることが無いので、見ている間は「これまでのミッションを誰も目撃していないってのは無理がある」などと 引っ掛かってしまった。

ワシが冷徹な人間なのかもしれないけど、カヨと亮太が殺されても全く可哀想に思えなかった。
たぶん、最初から「ああ、こいつらは殺されるために登場したキャラだな」と分かってしまったからだろう。
っていうか、その死体を見た他のメンツがリアクションすることも無くて、すげえ淡白に処理されているからそこを老婆と幼児にしている 意味が無いんだよな。
だから、「老婆や幼児に対しても容赦がない星人の残酷さ、ミッションの厳しさ」をアピールすることにも繋がってないでしょ。

ミッションは必ず夜の間に発生する。ってことは当然、アクションシーンは暗い中で行われることになる。
そのせいで、玄野たちが何をやっているのか見えにくいという問題が生じている。
暗い場所や夜中の屋外で戦うシーンのあるアクション映画を見る度に思うんだけど、よっぽど上手い手口が無い限り、暗い場所での アクションシーンって避けた方がいいのよ。暗くしていることでプラスに作用することなんて、ほとんど無いのよ。
っていうか、あのカメラワークやカット割りを見る限り、たぶん明るい場所でやっていても、やっぱり何が何やら良く分からないことに なっていたと推測される。
やたらとゴチャゴチャしているんだよな。

あと、敵が今一つショボい気がしてしまう。
ねぎ星人はバトルを説明するための場面だから、そんなに強くなくてもいい。でも田中星人も、たった1人だし、そんなに強敵って感じも 無い。細かいパンチを連打するだけだから、そんなに凄みも無いし。
いや、西が殺されているわけだから、それなりには強いんだろうけどさ。
ただ、星人の強さよりも、「ガソリンに引火して爆発し、玄野が巻き込まれて死にそうになる」という部分で危機感を出しているよね。
それって、なんか違うんじゃないかと思うんだよな。
大体さ、ねぎ星人とのバトルで、一発で敵を倒せる武器があることは分かっているはずだよね。だったら、さっさと発砲すればいいんじゃ ないかと思うぞ。

おこりんぼう星人とのバトルは、恵が犠牲になった後、加藤が彼女に呼び掛ける。
この時、まだ千手観音は倒されていないんだけど、律儀に「悲劇のシーン」が終わるまで待っていてくれる。
で、加藤が深手を負うと、それまで倒れていた玄野は急に元気になって戦い始める。「ダメージは大きいけど、必死に力を振り絞って」と いう様子ではない。ホントに、「急に元気になって」という感じだ。
どうやら彼は、スーパーサイヤ人的な何かに覚醒したようだ。
で、玄野が千手観音と戦っていると、その手から小さな仏像が落ちる。それが巨大化して、玄野に襲い掛かる。
まだ千手観音は倒していないはずだが、どうなったのかは分からない。
いつの間にか、存在が消えている。

人間ドラマや心情描写は薄っぺらくて、キャラクター描写はメイン3人以外のミッション参加者の存在意義が「ただの数合わせ」以外の 何者でもない。
テーマとかメッセージも感じられず、アクションだけに特化して観客の御機嫌を窺おうとしているような映画なのに、肝心のアクションが 冴えないってのはキツい。
ああ、テーマやメッセージと言えば、玄野が何度も「人には必ず役目がある。人それぞれに力や才能があり、それを最大限に発揮できる 場所があると思います」という面接用のセリフを口にしている。
だけど、そこをテーマに掲げているのだとしても、あまり伝わってくる物は無かったよ。

あと、玄野って、ただの嫌な奴にしか見えないんだけど。
いや、そりゃあさ、特殊能力を得たことで浮かれるとか、ヒーロー願望が強くて調子に乗るとか、その程度なら、別にいいのよ。加藤を 偽善者呼ばわりしたり、高慢な態度で暴言を吐いたりするのも、「その後で彼が反省したり後悔したりして心を入れ替える、考え方が変化 する」という展開が用意されているのなら、まだギリで許容範囲だ。
ただ、おこりんぼう星人との戦いで、玄野はテメエが突き飛ばしたせいで仲間が殺されても平気でヘラヘラ笑っているが、そこまで鬼畜に なっちゃうと、もうアウトでしょ。
それは「後で反省したり後悔したりすれば取り戻せる」というマイナス査定の限度を超えている。
千手観音との戦いにしても、玄野が浮かれていなければ、加藤と恵は犠牲にならずに済んだんじゃないかと思えるのよね。こいつが 悔い改めるとか、心を入れ替えるとか、そういうことがバトルの流れでキッチリと描かれないまま、最終的にヒーロー&リーダー気取りの ままで映画が終わっているので、なんかスッキリしねえなあ。

(観賞日:2012年3月20日)

 

*ポンコツ映画愛護協会