『おにいちゃんのハナビ』:2010、日本

新潟県小千谷市。長岡西病院を退院した須藤華は母の登茂子と共に、邦昌が運転するタクシーに乗り込んだ。住まいのある片貝町へ戻ると、ちょうど片貝まつりの日で賑わっていた。翔心会の面々が盛り上がっている様子を見た華は喜び、登茂子は「間に合って良かったね」と告げる。白血病で入院していた華は頭髪が無くなり、カツラを被っている。頭がかゆくなったので、彼女はカツラを外した。家に到着すると、登茂子は華に辛そうな表情を見せる。華は母から、半年の入院中に兄の太郎が引きこもりになったことを知らされた。華が2階の部屋へ行くと、兄の部屋のドアには「勝手に入るな」という貼り紙があった。
夜、華は浴衣に着替え、友人の手島香澄、工藤裕美子、早瀬ヒロと共に片貝まつりへ出掛けた。華は翠嶂会の面々が盛り上がっている様子を目撃し、香澄たちは小学校の先輩である岡崎佳代が女性で初となる成人会の会長になったことを語った。祭りで打ち上げられる花火のスポンサーは地元の人々で、その大半は地元中学の卒業生で構成される団体だ。成人に始まり、33歳、42歳、50歳、60歳の還暦と、人生の節目に合わせて花火を打ち上げるのだ。家に戻った華は翌年に成人を迎える兄の部屋をノックするが、返事は無かった。
次の日、華は登茂子に伴われて長岡南高校へ行き、担任の有馬幸生と会う。彼女は自宅療養中だが、どうしても友達と弁当を食べたくて登校したことを登茂子が説明した。華が「大丈夫です、もう元気ですから」と明るく言うと、有馬は弁当だけという条件で教室へ行くことを認めた。登茂子は勤務するベイシアスーパーセンターへ行くため、邦昌にタクシーで送ってもらう。登茂子は「いつになったら出て来てくれるのかしら。そろそろ何とかしないと」と太郎への不安を吐露するが、邦昌は返答を避けた。
邦昌は登茂子を送り届けた後、太郎と揉めた出来事を振り返る。太郎は高校を卒業した後、大学には行かず就職もしなかった。邦昌から「どうするんだ」と苦言を呈された彼は、「ずっとしんどかった。友達が1人もいなくて」と漏らす。邦昌が甘ったれた考えだと叱責すると、太郎は「中3で転校させられたせいだ」と反発した。邦昌は「仕方ないだろ。華の体を考えたら」と言い、彼は「俺のために何かしてくれたことあんのか」と怒鳴る息子にカッとなって平手打ちを浴びせた。
華は幼い頃から体が弱く喘息持ちで、何度も入院していた。そこで邦昌は空気の綺麗な場所へ引っ越そうと考え、長岡へ移ったのだ。そのおかげで華は元気になったが、ある時に貧血で倒れた。病院へ行くと白血病と診断され、その場で入院することになったのだ。夜、華は兄の部屋をノックするが、返事が無いので隣の自室へ行く。彼女は棚を倒し、繋がっている太郎の部屋へ突入した。それでも太郎は妹を無視し、何も喋ろうとしなかった。
次の朝、華は発煙筒で火事を偽装し、太郎を外へ連れ出すことに成功した。彼女が「せっかくだから出掛けてみようよ」と誘うと、太郎は嫌がった。しかし華が作戦に協力してもらった友人たちと一緒に行くよう促すと、太郎は渋々ながらも承諾する。買い物と昼食までは付き合った太郎だが、「もう無理」と漏らした。裕美子たちがタチの悪い男たちにナンパされて嫌がっていると、太郎は他人のフリをした。それを見た華は「人としてどうなのよ」と呆れ果て、「罰として、もう1ヶ所付き合ってもらうから」と述べた。
華は太郎を連れて、翠嶂会の事務所へ出向いた。太郎が去ろうとすると、車で佳代と仲間の小林厚志、田中勤が戻って来た。佳代は華から説明を受けると太郎が中学3年生で転校して来たことを思い出すが、厚志と勤は全く覚えていなかった。華は佳代たちに、太郎が翠嶂会に入りたがっていると告げる。しかし厚志は「知らない奴は入れられない」と激しく拒絶し、佳代も会員の意見を聞く必要があると告げる。太郎は「大丈夫ですから」と遠慮し、逃げるように事務所を去った。
太郎は華に、「勝手なことすんなよ」と腹を立てる。「お父さんもお母さんも私もいなくなったら、どうする気なの」と問われた太郎は、「その時はバイトを探すよ」と答える。すると華は、「その時とか言ってないで、今からバイト探したら?」と提案した。華は求人情報誌を何冊も集めて次々に候補を挙げるが、太郎は全て面倒そうに「パス」と告げる。そこで華はホームセンターに決め、勝手に面接の電話を掛けた。仕方なく電話を代わった太郎だが、ボソボソと少し喋っただけで切ってしまった。なぜ電話を切ったのかと華に問われた太郎は、「君じゃ無理って」と告げた。
夕食を運んできた登茂子がドアの前に置いて去ろうとすると、華は「お兄ちゃん、今日から下で食べるって」と告げる。彼女はバイト先として、「これいい。時給も良くて、ただ座ってるだけ」と雑誌を見せる。登茂子がダイニングで待っていると、華はカツラを被り、化粧をして女装した太郎を連れてきた。登茂子が驚くと、華は兄の度胸試しだと釈明した。そこへ邦昌が帰宅し、太郎の女装を見て「ようやく出て来たと思ったら、なんだ、その恰好は」と怒鳴った。太郎は部屋に戻り、華はドアの前から謝罪した。すると太郎は求人情報誌を差し出し、「どれがいいかな、バイト?」と問い掛けた。
太郎は新聞配達のアルバイトを始め、華は彼の自転車に2人乗りで付いて来た。太郎は老婆の千鶴から挨拶されるが、無言で新聞を渡すだけだった。太郎は夕食を下で食べるようになり、ドアの貼り紙を剥がした。雨が降った朝、太郎は華を家に残し、1人で新聞配達に行く。千鶴から声を掛けられた太郎は、初めて言葉を発した。彼が配達を終えて帰宅すると、貧血で倒れた華を両親が病院へ連れて行くところだった。華が入院すると、太郎は見舞いに訪れた。
華は太郎と屋上へ行き、翠嶂会に入るよう勧める。しかし太郎は、「入る気は無いよ」と言う。華は太郎に、病院で仲良くなった妊婦の藤沢道子を紹介した。太郎は「すぐ友達できるな」と感心し、自分は見下されているような気がして上手く話せないのだと語る。華は全てプラスに解釈するよう助言し、「お兄ちゃんに足りないのは自信だけだよ」と述べた。太郎は翠嶂会事務所へ赴き、入会させてほしいと頼む。厚志は怒鳴って追い払おうとするが、佳代は太郎の入会を認めた。
太郎は病院を訪れて翠嶂会に入ったことを話し、華を喜ばせた。登茂子は主治医の関山高志から、華はドナーが必要だが見つからないことを聞かされる。翠嶂会は祭りの準備を始めるが、太郎は何のアイデアも出せず、なかなかメンバーと打ち解けられなかった。厚志は太郎を認めようとせず、辛く当たった。病室を訪れた太郎に、華は花火を楽しみにしていると言う。花火の種類に関する翠嶂会の会議では、厚志が尺玉10連発を主張し、スターマインを選ぼうとする他の面々と対立した。太郎が組み合わせるよう提案すると、厚志は予算を考えろと怒鳴った。太郎は金の使い方を見直すよう告げ、具体的な案を語る。するとメンバーは賛同し、予算の組み直しが決まった。
太郎が見舞いに行くと、華は咳き込んで苦しんでいた。華が「私、死なないよね?大丈夫だよね?」と訊くと、太郎は「当たり前だろ」と告げる。彼はパート中の登茂子を訪ね、「華って治るんだよね?」と尋ねる。登茂子が少し迷ってから笑顔を作って「もちろん」と答えると、太郎は無言のまま去った。華は太郎に、花火を見ると幸せな気持ちになるのだと語った。太郎は明るい態度で、「楽しみにしてろよ。凄いの上げてやるから」と告げた。
登茂子は関山から、華が年を越せないかもしれないと告げられる。邦昌が帰宅すると、登茂子は太郎に内緒で華の病状を説明する。しかし太郎は登茂子の動きに気付き、密かに2人の会話を聞いていた。合併症を起こした華だが、看護師である中原幸子の前でも明るく振る舞う。クリスマス、太郎は華が欲しがっていた携帯電話をプレゼントし、自分もお揃いの物を購入したことを明かした。彼が帰宅すると、両親は華の具合が急変したことを受けて病院へ向かうところだった。太郎も車で同行し、3人は病室に駆け込んだ。華は家族に看取られ、静かに息を引き取った…。

監督は国本雅広、脚本は西田征史、企画は安田匡裕、製作は木下泰彦&鈴木聡&川城和実&尾越浩文&狩野直人&小野寺丈士&清水正彦、エグゼクティブプロデューサーは三宅澄&鈴木聡、プロデューサーは加藤悦弘&小松万智子、アソシエイトプロデューサーは坂上直行&河野聡、ラインプロデューサーは秋枝正幸、撮影は喜久村徳章、照明は才木勝、録音は渡辺真司、美術は仲前智治、編集は清水正彦、音楽は小西香葉&近藤由紀夫。
主題歌『今、君に言っておこう』藤井フミヤ 作詞/作曲:藤井フミヤ、編曲:有賀啓雄。
出演は高良健吾、谷村美月、大杉漣、宮崎美子、塩見三省、佐藤隆太、佐々木蔵之介、小出早織(現・早織)、尾上寛之、岡本玲、森康子、能世あんな、吉村実子、朝加真由美、広瀬麻百合、剛力彩芽、渋谷謙人、重廣礼香、末広透、塩見大貴、河野春花、安齋舞、加藤翔平、石井祐司、山田ゆり、小山梨奈、鈴木麻衣花、谷川昭一朗、卜字たかお、水本吉保、渋屋拓真、宮本初、村井杏奈、佐藤佳奈子、山入端佳美、宮島朋宏、松岡由紀、野村修一、中谷竜、近藤未来、犬飼若博、市島美希、横山博子ら。


『ハッピー 劇場版』の国本雅広が監督を務めた作品。
脚本は『ガチ☆ボーイ』『半分の月がのぼる空』の西田征史。
実話を基にした作品で、片貝まつりも実在する花火大会だ。
太郎を高良健吾、華を谷村美月、邦昌を大杉漣、登茂子を宮崎美子、花火工場長の久保を塩見三省、有馬を佐藤隆太、関山を佐々木蔵之介、佳代を小出早織(現・早織)、厚志を尾上寛之、香澄を岡本玲、千鶴を森康子、道子を能世あんな、幸子を朝加真由美、裕美子を広瀬麻百合、ヒロを剛力彩芽、勤を渋谷謙人、美奈を重廣礼香が演じている。

華が半年間の入院から戻ると太郎が引きこもりになっているという設定なのだが、「ってことは、引きこもりになってから、そんなに日数は経過してないよね」と感じる。
まさか華が入院した直後に引きこもったわけでもないだろうし、せいぜい数ヶ月だろう。
引きこもりとしては初心者レベルと言っていいし、なので症状としては軽い。
太郎は簡単に抜け出すことが出来ているのだが、「だろうね」と冷めた気持ちになる。

っていうか、半年で引きこもりになっているんだから、まだ入院する前に予兆はあったはずだよね。それを華は気付いていなかったのか。
帰宅した彼女が引きこもった理由について両親に尋ねないのも引っ掛かる。
あと、葉から引きこもりを聞かされた彼女が兄の部屋の前まで行くだけで、ドアをノックして話し掛けようとしないのは変だろ。祭りから戻って初めて話し掛けるけど、それは変だろ。
序盤から違和感を覚える描写が多くて、観客を引き込む力を感じさせない。

祭りのシーンでは、ガイトらしき女性が団体の面々に向かって「この花火のスポンサーは企業ではなく、地元の人たちなんです。個人や団体が身銭を切って打ち上げられる花火。そこには一発一発、長寿祈願や家内安全など様々な願いが込められています。スポンサーになる団体のほとんどは地元中学の同級生で構成させた同級会で、20歳の成人に始まり33歳、42歳、50歳、60歳の還暦と、人生の節目に合わせて花火を打ち上げるんです」などと解説する。
見事なぐらいの説明台詞だ。
花火のPRや成人会の説明をしておく必要があるってことなんだろうけど、あまりにも不細工な形で強引に挿入しているため、かなり疎ましいことになっている。

太郎は華が話し掛けても、冷たい態度で無視を決め込もうとする。
両親に反発するのはともかく、妹に対しても嫌悪感を示すのは、やや違和感が残る。「華のせいで望まない引っ越しをしたから孤独になった」ってことで恨みがある可能性はあるが、そこまでの気持ちがある様子は無いし。
華が白血病で倒れたのに、それを気にする様子が皆無なのも引っ掛かる。
幾ら引きこもって周囲を拒絶していても、妹の命に関わる問題なんだから、少しは気になるのが家族ってモンじゃないのか。「それが気にならないぐらい冷え切った関係」ってことならともかく、そうじゃないんだからさ。

華は太郎に、外へ出掛けようと提案する。「妹と2人きりじゃ嫌?」という問い掛けに太郎が「うん」と答えると、「じゃあ2人きりじゃなかったらいいってことだ」と言って友人たちを紹介する。すると太郎は渋々ながらも外出をOKするんだけど、これだけでも彼の症状の軽さが良く分かる。
ホントに深刻な引きこもりだったら、「妹が友人たちに自分の引きこもりをバラしている」という時点で、ものすごく嫌がると思うぞ。
華は母の前で、「全部、私のせいなんだ」と口にする。そこには明らかに、「太郎の引きこもりも自分の責任」という意味が含まれている。
だが、それにしては彼女の兄に対する態度に罪悪感が乏しい。ゼロってわけではないが、あまりにも傍若無人だ。
たまたま太郎の症状が軽かったので彼女の手口で引きこもりから脱出しているけど、下手をすると余計に悪化する可能性もあるわけで。そういうトコの気遣いが、まるで見えないのよね。「たまたま成功した」というだけだ。

中学3年生の途中で転校してきた太郎は、厚志から「急に知らない奴なんか入れられるかよ」ってことで成人会への入会を拒絶される。
つまり中学1年生、下手をすると小学1年生の頃から一緒だった奴らだけが成人会の仲間であり、それ以外の奴は「よそ者」扱いされるというわけだ。
そりゃあ、太郎が1人の友達も出来ず、孤独を感じて引きこもりになるのも理解できる。
もちろん、途中で太郎も翠嶂会への入会を認められる展開はあるが、「長岡の成人会は閉鎖的な組織」ってのをアピールする形となっている。

華は太郎に「みんなで成人の花火、上げてよ」と言うが、それって絶対にやらなきゃいけないことではない。
還暦まで人生の節目において同級生がスポンサーになって花火の打ち上げを続けるのは、太郎が言うように「そんなの、ここのルール」に過ぎない。
もちろん、「郷に入れては郷に従え」という言葉もあるから、地元のルールには従った方が何かと得も多いだろう。しかし前述したように閉鎖的なトコがあれ、かなり歪んだ仲間意識に感じられる。
なので、「無理に加わろうとしなくてもいいんじゃないか」と言いたくなる。

女装している太郎を見た父が怒鳴り付けるのは、充分に理解できる。
これが「太郎は今まで女装癖を打ち明けられずにいた」とか、「実は性同一性障害で悩んでいた」ってことならともかく、そうじゃないので「何やってんの」と呆れてしまう。
あと、これって分かりにくいけど、実は華が女装させているのよね。その直前に「これいい」とバイト先について言っているが、それがフロアレディーの仕事で、そのために女装ってことらしい。
だけど、なんちゅう不自然な展開なのかと。
そこで女装させる華も、嫌がらずに女装する太郎も、どっちも理解不能だわ。そんな姿を見たら、父が怒るのは分かり切っているだろうに。

女装姿を父に怒鳴られた太郎は、食事を取らずに自分の部屋へ戻る。これで引きこもりの状態が再び悪化するのかと思いきや、彼はバイトを始めるのだ。
どういう心の動きがあったのか、サッパリ分からない。
それに、そこで簡単にバイトを始めるのなら、女装で怒鳴られる手順は何の意味があったのかと。
それと、そんな出来事があっても自らバイトを始めようという気持ちになれるような奴なら、華が必死にならなくても何とかなったんじゃないかと。
確実に言えるのは、そこのドラマ展開に嘘臭さしか感じないってことだ。

登茂子は華にドナーが必要なのに見つからない状況であることも、年を越せないかもしれないぐらい悪化していることも、太郎には話そうとしない。
それはあまりにも不誠実な対応だ。辛さや悲しみは、家族として共有すべきじゃないのか。
華に事実を隠すのはともかくとして、太郎に隠す理由がサッパリ分からない。「嘘が下手だから、教えたら華に気付かれるだろう」ってことでもなさそうだし。
もしも太郎が盗み聞きしていなかったら、彼は華が助かると思い込んだまま、急に看取る羽目になっていたわけで。もちろん、どっちにしろショックは受けるだろうが、あらかじめ覚悟させておいた方が絶対にいいでしょ。太郎に事実を教えないのは、除け者扱いにしか思えんぞ。

華の容体が急変したという知らせを受けて家族が病院へ駆け付けると、呼吸器を付けていた彼女は目を開ける。
華は「ごめん、迷惑かけて。もういっぺん、一緒に御飯食べたかったな」と言って、目を閉じる。すると脈拍が一気にゼロへ落ちて、そのまま息を引き取る。
このシーン、あまりにも段取りが良すぎて、バカバカしくなってしまう。
本来なら悲しみのシーンであるはずなのに、涙腺を刺激しないどころか、苦笑したくなってしまう。

華が死んだ後、太郎はすっかり気力を失ってしまう。成人の日、太郎の携帯が鳴り、手に取ると華から動画付きメッセージが届いている。
彼女は携帯をプレゼントされた直後、その日を指定してメッセージを送信しておいたのだ。
「ちょっと具合が悪いから念のために」という理由を付けているが、まるで年を越せないと知っていたかのようで、かなり不自然に思える。
この映画、感動させなきゃいけない箇所での嘘のつき方が下手すぎて、ことごとく心に響かないシーンと化しているんだよな。

華の残したメッセージ動画を見た太郎は、翠嶂会を抜ける。「金も時間も全て使いたい」というのが理由で、彼は花火工場で働き始める。
だけど翠嶂会のメンバーに事情を説明すれば、きっと「華のために花火を上げたい」という彼の気持ちを汲んで協力してくれるだろう。
そもそも、華は太郎が翠嶂会に入り、メンバーと一緒に花火を打ち上げることを楽しみにしていたはずだ。それなのに自分のワガママで抜けることを、華が喜んでくれるとは思えないぞ。
祭りの当日になって太郎は翠嶂会に復帰するけど、それは両親が翠嶂会のメンバーに土下座して頼んだからだ。それで太郎が戻っても、なんだかなあと。

太郎は花火工場だけでなく他の仕事も始めるのだが、それは「華が希望していた花火を打ち上げてもらうための代金を稼ぐための行動」だと思っていた。
ところが花火工場で働く中で、彼は自分の尺玉を作っているのだ。
でも彼が働き始めてから祭りまで、そんなに日数は無かったはずたよね。そんな短期間で、ド素人だった奴が花火を作らせてもらえるのか。花火師の仕事って、そんなに簡単なのか。
そこは無理を感じるぞ。
最後はアナウンスで事情を知るなどした祭りの観客も太郎を温かく見てるけど、感動させるための仕掛けに不気味さや不自然さが付きまとい、むしろ冷めた気持ちになってしまった。

(観賞日:2018年9月15日)

 

*ポンコツ映画愛護協会