『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』:2019、日本

西森葵は親友の渋谷萌と共に、急いで体育館へ向かった。2人が体育館に到着すると、バスケットボールの試合が行われている最中だった。葵は久我山柊聖が助っ人で試合に出ることを佐藤亮介から知らされ、応援に出向いたのだ。途中出場した柊聖は、あっという間に連続で2つのゴールを決めた。体育館にいた女子生徒たちは興奮し、葵も大喜びした。一昨年の夏、葵は親の転勤が決まったが、親友と離れたくないので十番館アパートメントで一人暮らしを始めた。去年の夏から柊聖と同居しているが、出会いは最悪だった。
2年前、柊聖は葵と同じ高校に通う同級生で、女子からは王子と呼ばれる学校一のモテ男だった。葵は萌の告白を冷淡に断ったことに腹を立て、彼を呼び止めて抗議した。柊聖の軽薄な態度に憤慨した葵は、蹴りを浴びせた。柊聖が階段から転げ落ちて怪我をしてしまい、葵は背負って家まで運ぶことになった。すると柊聖は隣の部屋に住んでおり、葵は料理を作る時のミスでボヤを出してしまった。修繕が終わるまでの約束で同居することになり、いつの間にか葵は本気で柊聖に恋をするようになったのだった。しかし同居がバレたら退学なので周囲には内緒にしており、父との約束で性交渉も卒業までは禁止している。2人の同居を知っているのは、家族以外では萌と彼女の恋人である亮介だけだ。
ある日、転校生の男子が学校に現れ、女子たちは彼のイケメンぶりに大騒ぎした。転校性は2人の女子生徒に英語で職員室の場所を尋ね、答えられないと「バッカじゃね?6年も英語習っておいて」と見下す態度を取った。それを見ていた葵は腹を立て、「最初から日本語で訊けばいいじゃない」と抗議する。転校性が「お前ら日本人にはガッカリだぜ」と罵って立ち去ろうとするので、葵は捕まえようとする。しかし彼女は転倒し、弾みで転校性のズボンを引き降ろしてしまった。
転校性が怒って詰め寄っていると、柊聖が止めに入った。すると転校性は柊聖だと気付き、再会を喜び合う。転校性は柊聖の従兄弟の玲苑で、アメリカにいた頃に同居していた間柄だった。玲苑は柊聖にバスケでの対決を持ち掛け、先に3回のシュートを決めたらアメリカへ行くよう要求した。彼は連れ戻すために来たと明かし、アメリカの大学の資料を取り寄せてほしいと頼まれた時に喜んだと話す。しかし資料を送ったのに、柊聖からは音沙汰無しだった。
柊聖は対決を拒否しようとするが、玲苑に挑発されたので受ける。彼は先に3回のシュートを決め、体育館を去ろうとする。「女か?この学校に付き合ってる女がいるらしいな。その女のせいでアメリカの学校に行かねえって言ってんだろ」と玲苑が告げると、柊聖は「ああ、そうだけど」と認める。玲苑が「会わせろ」と要求すると、彼は「レオンには関係ねえだろ」と体育館を出て行った。その夜、葵は柊聖からアメリカの大学には行かないと断言されて安堵し、「これから先も、ずっと柊聖とこんな毎日でいたい」と語った。
翌日、玲苑は女子たちが騒ぐ中、巨乳の生徒だけに狙いを定めて口説き始める。彼は彼氏の有無を尋ね、相手が「いない」と答えると冷淡に去る。そして彼氏がいると答えても構わず口説き、相手が乗って来ると冷たく去った。その様子を見た葵が呆れて「何してんの?」と言うと、柊聖の好みである巨乳の女子をナンパして恋人を見つけ出そうとしているのだと説明した。葵は巨乳ではないため、玲苑は最初から柊聖と無関係だと決め付けていた。
柊聖がカフェでバイトしていると撮影旅行から帰った兄の草樹が来る。草樹は店の女性客に声をかけ、写真を撮り始めた。柊聖が呆れても、彼はお構い無しだった。草樹は玲苑が来ていることを、彼の父親から知らされていた。草樹は柊聖を軽くからかい、玲苑の父の会社を継げばいいのにと告げる。「女を守るって、どういうことだ?」と柊聖が質問すると、草樹は「やっぱ金かな。愛だのなんだの言っても、そんなの最初だけだからな」と答えた。
買い物を済ませてアパートに戻って来た葵は、柊聖の部屋を探している玲苑と遭遇する。住所のメモを見せられた葵は別の方角を指差し、その間に急いで自宅へ戻る。しかし玲苑は追い掛けて来て、なぜ柊聖の家に入ろうとするのかと詰問した。葵は家事を手伝うバイトをしているのだと嘘をつき、部屋に入れるよう玲苑に要求されると拒否する。彼女は隙を見て家に入り、玄関の鍵を閉めた。葵は同居の証拠を急いで片付けると、ドアを開けて「玄関までならいいよ」と告げた。
玲苑は中まで上がり込み、部屋の様子を見回す。そこへ柊聖が帰って来て、葵がバイトだと嘘をついたことを知る。彼は葵にキスをして、「こいつは俺の彼女だ。一緒に暮らしてんだ」と玲苑に告げる。玲苑は葵を扱き下ろし、「ガッカリだぜ。納得できねえ」と憤りを柊聖にぶつけた。すると柊聖は、「じゃあ納得できるまで一緒に住むか」と提案した。玲苑は「この女がどんだけお前にふさわしくないか、お前に証明してやる」と言い、同居することを承知した。
葵は完璧に家事をこなし、玲苑のために柊聖とは違う料理も用意する。玲苑が「意外に気が利くし面倒見もいい」と評するので、葵は喜ぶ。しかし続けて玲苑が「いまいちパッとしねえんだよな。決め手に欠けるっつうか、70点の女っつうか」などと悪口を並べたので、彼女は腹を立てて「人の価値をスペック云々で決めてんじゃないっつーの」と言い返す。それを聞いていた柊聖は笑い出し、玲苑にそっくりだと指摘した。彼は「やっぱ3人で住むの無し」と告げ、玲苑を部屋から追い出うとする。すると葵は「自分を認めてくれたら柊聖をアメリカに連れて行かない」と約束させ、玲苑との同居を続行した。
柊聖は玲苑と共に、草樹の撮影のモデルを引き受けた。バイトなので仕方なくポーズを取る柊聖に対し、玲苑はノリノリだった。柊聖は草樹にアメリカの大学の願書を発見され、「継ぐのか、叔父さんの会社?」と質問される。彼は「その気は無い。でも、今のままの俺じゃダメな気がする」と答え、誰にも言わないでほしいと頼んだ。玲苑が「すっかり変わっちゃいましたね」と柊聖について幻滅したように言うと、草樹は「仕事の鬼だった父に、母が愛想を尽かして家族を捨てた。あいつはいつも一人だった。あいつは家族を知らないんだ。だから葵ちゃんと飯食ってるだけで楽しいんだろうな」と語った。
玲苑は町で柊聖の誕生日プレゼントを考えている葵と遭遇し、手伝いを頼まれる。柊聖がジャケット選びに協力すると、葵は「玲苑くんは柊聖の従兄弟だから、家族だから、仲良くなりたいし、向き合いたい」と語った。玲苑がキスするフリをすると、葵は慌てて避けた。玲苑が馬鹿にして笑うと、彼女は平手打ちを浴びせる。葵は「私をからかって、そんなに面白い?柊聖の身内ってお兄さんしか知らないから、嬉しかったんだよ」と怒鳴り、その場から走り去った。
自分の愚かな行為を悔やんだ玲苑は、柊聖に問い詰められて事情を説明した。柊聖は葵に、「玲苑に認めてもらうとか、どうでもいい。俺が認めてんだから、それじゃダメか?」と問い掛ける。葵が「ダメだよ。だって玲苑くん、絶対に柊聖くんをアメリカに連れてっちゃうよ。離れ離れになるとか、絶対に嫌だよ」と語ると、かれは 優しく抱き寄せた。翌日、葵は平手打ちを玲苑に詫び、仲直りのためにプリンを買って来る。素直に謝れない玲苑だが、実は大量のプリンを手作りで用意していた。
葵が「どうしてそんなに柊聖をアメリカに連れていきたいの?」と質問すると、玲苑は「俺の親父の会社を継ぐから。俺には無理だ。でも、シュウなら出来る」と答えて柊聖との思い出を語り始めた。 アメリカで暮らしていた時、柊聖は本当の兄のような存在だった。何でも出来る柊聖は、玲苑にとってのヒーローだった。玲苑は柊聖みたいになりたくて何でも真似したが、どれも敵わなかったと話す。すると葵は「そんなことないよ」と言い、家事のセンスは全て上だと告げる。さらに彼女は、「一番とか二番とか、どうでも良くない?玲苑くんには、いいトコ一杯あるんだから」と言う。2人の会話を密かに聞いていた柊聖は、部屋に入ると葵にキスをした。
数日後、葵が学食にいると、女子生徒たちから柊聖と付き合っている噂を確認される。葵は否定するが、一緒にいたという目撃情報が幾つもあったと指摘される。それを見ていた玲苑は「俺の女だから」と嘘をつき、葵をお姫様抱っこで学食から連れ出した。夜、葵が礼を言うと、玲苑は「お前のために助けたわけじゃねえし」と言う。葵は腹を立て、彼と口論になった。葵から援護を求められた柊聖は、「バイト行って来る」と部屋を出て行った。バイトが終わった後、彼はアメリカの大学の願書を確認した。
翌日、玲苑と葵と恋人の芝居をして、一緒に登校する。学校では文化祭の準備が進んでおり、葵のクラスはホスト喫茶をやることに決まる。生徒たちが盛り上がる中、葵は何か考え込んでいる柊聖の様子に気付いた。玲苑のクラスは女装喫茶に決定し、彼はバカバカしさしか感じていなかった。しかしクラス対抗で順位と付けると知り、「柊聖に勝つ」と対抗心を燃やした。葵は店で出す試作品をアパートで柊聖に味見してもらった時、彼が隠してあった願書を発見した。驚いた葵が願書を見せると、柊聖は「アメリカの大学に行こうと思う。ずっと考えてた」と打ち明ける。彼は「4年だけだ」と言うが、葵は「4日会わないのも辛いよ。絶対そんなの無理だから」と部屋を飛び出した。彼女は萌に連絡して事情を説明し、部屋に泊めてもらった。
文化祭の日が訪れ、生徒たちは大いに盛り上がる。メイド姿の葵と遭遇した玲苑は、その可愛さに見とれる。他の女子生徒に囲まれた玲苑は、柊聖の前で恋人として葵を連れ出した。玲苑はカップル相性診断に誘われ面白がって参加するが、2人の回答は全く合致しなかった。教室を出た葵が「意外と真面目っていうか律儀っていうか」と評すると、「意外に人のこと見てんだな。お前の言う通りかもしんねえ」と玲苑は返す。そんな2人の会話を、柊聖が密かに聞いていた。葵と玲苑は最下位カップルとしてメインステージに呼び出され、生徒たちに誓いのキスを要求された。葵が困っていると、パンダのキグルミを着た柊聖が連れ出した…。

監督は川村泰祐、原作は渡辺あゆ『L・K』(講談社「別冊フレンド」刊)、脚本は江頭美智留、製作は村松秀信&吉崎圭一&間宮登良松&木下直哉&角田真敏&楮本昌裕&有馬一昭&松井智&芳賀正光、エグゼクティブプロデューサーは柳迫成彦&前田章利、企画プロデュースは木村元子、プロデューサーは遠藤祐磨&吉良俊一郎&中林千賀子、撮影は北山善弘、照明は長谷川誠、録音は原川慎平、美術は五辻圭、編集は松尾浩、音楽は遠藤浩二、音楽プロデューサーは津島玄一、主題歌『ハッピーエンド』は上白石萌音×内澤崇仁(androp)。
出演は上白石萌音、杉野遥亮、横浜流星、町田啓太、高月彩良、堀家一希、福永朱梨、新実芹菜、秋田汐梨、黒板莉那、濱尾咲綺、宮原響、風谷南友、遊馬萌弥、山本月乃、小澤しぇいん、工藤美桜、荒井レイラ、増田朋弥、伊島空、木戸大聖、西野未姫、早咲心結、石崎日梨、伊吹檸捺未、高井晴菜、高橋綾沙、須賀一天、秋宮はるか、宇谷美緒、折舘早紀、葉月ひとみ、広橋佳苗、松岡花佳、岬杏、江崎俊介、大朏岳優、柿崎智己、兼次要那、川上兼司、笹森裕貴、柴田和樹、谷口恵太、外山将平、内藤秀一郎ら。


渡辺あゆの少女漫画『L・DK』を基にした作品。実際は原作も映画も、LとDKの間には黒丸ではなくハートマークが入る。文字化けの可能性があるので、ここでは使わない。
監督は『きょうのキラ君』『愛唄 -約束のナクヒト-』の川村泰祐。
脚本は『ごくせん THE MOVIE』『ガールズ・ステップ』の江頭美智留。
葵を上白石萌音、柊聖を杉野遥亮、玲苑を横浜流星、草樹を町田啓太、萌を高月彩良、亮介を堀家一希が演じている。

『L・DK』は2014年に映画化されており、この作品は続編という扱いだが、キャストは全く異なっている。そして今回の物語は、既に葵と柊聖が同居している状態から始まる。
粗筋の「いつの間にか葵は本気で柊聖に恋をするようになったのだった」という辺りまでの内容は、アヴァン・タイトルの6分ぐらいで「今までの経緯」としてナレーションベースで説明される。
いわば「前作のおさらい」みたいなモンだが、ってことは「キャストの異なる『L・DK』を前作として受け入れてね。脳内で今回のキャストに置き換えてね」ってことなんだろう。
そこで1つ、越えるべきハードルがあるわけだね。

前作から5年が経過しているので、続編を作ろうとした場合、同じキャストでは年齢的に難しい。なので新たなキャストを迎えるのは当然と言えるが、「キャストを変えてまで続編を作る意味があるのか」と考えた時、甚だ疑問なのだ。
もちろん原作が人気漫画なのは理解しているが、そこまでするほどのブランド価値があるのかと。
実際、前作にしろ続編にしろ、そんなに興行収入が高いわけではないし。
あと、2017年に連載は終了しているから、「連載の盛り上がりに合わせて映画化」という企画でもないし。

玲苑が柊聖を「アメリカの大学の資料を送ってくれって言われた時、俺がどんだけ喜んだと思ってるんだ」と責める時、「ハーバードがお前を待ってんぞ」と具体的な大学名を出している。だが、その後は玲苑が「俺が買ったらシュウはアメリカの大学に行く」と言ったり、草樹が「アメリカの大学行くのか?」と言ったりで、ずっと「ハーバード」ではなく「アメリカの大学」という表現になっている。
だけど「アメリカの大学」であることが重要なんじゃなくて、ハーバードであることが重要なんじゃないのか。
アメリカの大学なら、どこでもいいのかよ。だとしたら、そこまでアメリカに固執する理由は何なのか。それがサッパリ分からない。
あと、物語としても、「アメリカの大学」とボンヤリした表現になるのと「ハーバード」という限定されるのとでは、受ける印象が全く違うぞ。

柊聖と草樹は、「俺って顔もスタイルもいいし、頭もキレるしスポーツは万能。でも、それだけじゃ葵を守れない」「金か」「金だけじゃない。何になりたいとか何がしたいとか。まだ決めらんないけど。でも何があっても葵が安心していられる強い男になりたいんだ」という会話を交わす。
で、そこで導き出した進路が「アメリカの大学に行くこと」らしいけど、どんだけボンヤリしているんだよ。
「アメリカの大学に行けば葵を守れる強さを手に入れられるかも」という根拠は、何も無いだろうに。
実際、まるで明確な道筋が決まっていないので、葵の「どうやって守ってくれるの?」という問い掛けに何も答えられないんだよね。
なので、ただの浅い男になっている。

恋愛を描く少女漫画では、物語を盛り上げるために「恋のライバル」を登場させるケースが多い。
ヒロインを好きになる男を登場させたり、彼氏に惹かれる女を登場させたりして、恋の三角関係なり四角関係なりを作るってことだ。
しかし本作品の場合、そういう方法は採用していない。
今回は玲苑という新キャラが登場するが、彼は葵に恋心を抱く存在ではない。彼は「柊聖をアメリカ連れて行こうとする」という形で、2人の関係を引き裂こうとする。

そもそも葵と柊聖はラブラブ状態なので、例えライバルが登場しても、そこで気持ちが揺らいだりすることは無いと断言できる。
なので、別の方法で物語を盛り上げようとするのは分かる。
ただ、実は玲苑って「柊聖がアメリカ行きを決めて葵の関係にピンチが訪れる」という筋書きにおいて、いなくても成立しちゃうキャラクターなんだよね。
だって柊聖は玲苑に言われなくても、自分の意思でアメリカに行くことを考えているわけでね。

柊聖がアメリカに行こうとするのも、葵のことで迷うのも、玲苑とは何の関係も無いトコで心情は動いている。
玲苑がアメリカへ来るよう迫らなくても、確認のために同居を始めなくても、「柊聖はアメリカの大学に行くことを決めているが、葵に打ち明けられずにいる」という筋書きは何も変わらないのだ。
後半に入り、「柊聖が葵と玲苑の楽しそうな様子に嫉妬する」とか「玲苑が葵の恋人を装う」といった展開はあるが、それで恋愛劇が盛り上がるようなことは全く無い。
玲苑は本気で好きになったという設定なんだけど、積極的に真剣モードで奪い取ろうとする動きは少ないし、そもそも前述したように葵の気持ちは全く揺るがないからね。

あと、途中で「アメリカの大学に行く」と柊聖が断言しちゃってるので、その後は「それを隠している」というだけになっちゃうんだよね。
願書を見るシーンもあるが、「行こうかどうか迷っている」というミスリードが出来なくなっちゃってる。
だから、それを告白して葵が驚いても、「こっちはとっくに知ってたけどね」ということになってしまう。
そこは柊聖の意思を観客には明かさないまま話を進めた方が何かと得策だったはず。
その程度で上積みできるポイントなんて微々たるモノかもしれないけど、何もしないよりはマシでしょ。

玲苑は文化祭の出し物がクラス対抗で順位と付けると知り、「柊聖に勝つ」と対抗心を燃やす。でも彼は「柊聖はヒーローで何をやっても勝てなかった」と言っていたし、もうライバル心は無いのかと思っていたのに、そういうトコでは燃えるのね。
なんかさ、柊聖の動かし方が定まっていないように感じるんだよね。勝ちたい気持ちが一杯なのか、ヒーローとして憧れる気持ちが強いのか。
「ヒーローだと思っているけど、内心は勝ちたい」ってことなのかもしれないけど、そういう繊細な感情を上手く表現できているとは言い難い。しかも、文化祭での「必ず勝つ」というモチベーションも、いつのまにか自然消滅しているし。
終盤に入って柊聖が「俺はお前に何一つ勝てねえ。だが、これからは違う。俺が親父の会社を継ぐ」と言い出すけど、ここの関係性も描写も甘いわ。

(観賞日:2022年4月29日)

 

*ポンコツ映画愛護協会