『相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』:2017、日本

在英日本大使館の参事官令嬢である鷺沢瑛里佳が10歳の誕生日を迎え、友人たちが集まった。かくれんぼを始めた瑛里佳はクローゼットに隠れるが、しばらくして外へ出た。すると屋敷の中では、全ての職員が死んでいた。7年後。国連犯罪情報事務局(UNIS)職員のモリスは情報を入手し、元理事のマーク・リュウに報告して天谷克則を調べるよう頼んだ。その直後、首筋にカラスの刺青がある男がモリスを殺害する。リュウに協力していた特命係の杉下右京と冠部亘は現場へ急行し、モリスの遺体を発見した。
警視庁の大木長十郎と小松真琴は現場へ到着し、右京たちから説明を受けた。リュウはUNISを去った後もテロ組織「バーズ」を追っており、リーダーのレイブンに関する情報が入ったという連絡をモリスから受けたのだ。特命係の2人は総務部広報課課長の社美彌子に依頼され、リュウに協力していた。その社はタイで起きたテロで犠牲となった日本人遺族の遺体に付き添うため、飛行機に搭乗していた。右京たちは警察庁次長の甲斐峯秋を訪ね、報告を入れた。
バーズは以前に1度だけ、日本で犯罪を実行していた。それが7年前に発生した在英日本大使館の事件だ。バーズは青酸カリで職員を惨殺したが、メイドが絶命寸前に通報したため警官が現場に駆け付けた。しかし大使館員が到着すると、瑛里佳は誘拐されて姿を消していた。リュウは実行犯が警官に化けていたという推理を語りし、右京は瑛里佳が自らの意志で大使館を去った可能性を示唆した。身代金の要求は無く、事件の2日後にはバーズのメンバーであるデニス・コナーが死体で発見された。
冠城は社からの連絡で、テロ犠牲者の遺体が搬送車ごと消えたことを知る。右京は対処を冠城に任せ、リュウと外食に出掛ける。冠城が捜査に向かうと、搬送車は発見されたが運転手は消えていた。彼は棺の中身を確認しようとするが、追い払われてしまった。右京はリュウと共に東京スカイセントラルビルへ行き、レストランで食事を始める。タトゥーのある黒衣の男は仲間のジェイ、ホーク、ヘロンと共に、車でビルを去った。リュウが食事中に苦悶して倒れ込み、他にもレストラン街では大勢の人々が同じ症状を訴えていた。ビルには救急車が何台も到着するが、リュウは短時間の腹痛で済んだ。
右京は社の電話を受け、外務省のホームページがバーズにハッキングされたことを知る。ホームページには動画がアップされており、そこには現在の瑛里佳が写っていた。彼女は今日の朝刊を手にしており、本人の証拠となる指紋を画面に付着させた。バーズは700万ユーロの身代金ほ政府に要求し、「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージを発信した。
指紋から瑛里佳が本人だと確定し、警視庁刑事部長の内村完爾や参事官の中園照生は入国した犯行グループの割り出しを急がせる。7年前の事件で身代金要求を政府が無視していたことが露見したため、マスコミが副総理である佐橋健作の元へ押し寄せた。佐橋はコメントせず、事情確認に来た甲斐にも「高度な政治的判断だ」と端的に告げるだけだった。右京は動画を調べ、瑛里佳のいる地下室に明かり取りの窓があること、そこが開いていて逃げられる状況だったことを突き止めた。右京は警察学校教官の米沢守と会って動画の音声を聴いてもらい、場所を絞り込むための協力を要請した。
政府は会合の場を設け、内閣官房副長官の折口洋介は身代金を支払うべきだと主張する。しかし佐橋や官房総務課長の山崎哲雄は、テロと戦う強い姿勢を見せるべきだと提言する。甲斐は水面下の交渉で捜査時間を稼ぐ方法を口にするが、佐橋たちは却下した。佐橋は会見を開き、日本政府はテロと戦うと宣言した。その様子をテレビで見たリュウは、右京と冠城の前で「この国は国民の命より、テロとの戦いに勝つことを優先したわけですね。この国が、また戦争を始めるとは」と口にした。
瑛里佳はバーズの仲間であり、アジトで拳銃の手入れをしていた。彼女はジェイから、レイブンが今度の仕事をラストにすると言っていることを聞かされた。ビルの中毒事件を報じるTVニュースを見た瑛里佳は、リュウの姿に目を留めた。7年前に身代金要求を拒否するよう政府に提言したのは、駐英大使の岩井孝信だった。社から報告を受けた甲斐は、山崎に伝えるよう指示した。現在の岩井は環太平洋評議会専務理事を務めており、明日から開催される国際平和会議に出席する予定だった。山崎たちはバーズの狙いが国際平和会議だと推理し、最大級の警備を敷くことにした。
瑛里佳はリュウが宿泊しているホテルの部屋に忍び込み、右京と冠城の名刺を見つけた。岩井は山崎たちからSPを付けると言われ、会議への出席を見合わせると告げた。冠城は所轄や納棺師の元を訪れ、遺体の搬送を担当するはずだった葬儀社がトラブルで閉じ込められていたこと、遺体には縫合してから再び開いた形跡があったことを知る。米沢は動画を分析し、地下室の場所を城西線沿線の絞り込んだことを右京とリュウに知らせた。報告を受けた右京が、さらに4箇所まで絞り込んだ。
リュウは右京に、食糧を調達できる店舗の防犯カメラが見たいと告げる。しかし特命係は本部への出入りが禁じられているため、右京は神戸尊に協力を依頼した。リュウは神戸の案内で捜査本部へ赴き、パソコンで防犯カメラの映像を調べ始める。右京は今回の事件について、7年前の報復が目的ならメッセージで岩井を名指ししないのは変だと考える。彼女は瑛里佳について、レイブンが「国に見捨てられた少女」として共感を抱いたのではないかと推測した。
冠城の調査によって、天谷克則が存在しないことが判明した。右京は彼に、1959年に特別措置法で死んだことにされた天谷克則を調べるよう指示した。捜査一課の伊丹憲一は本部の床に落ちているUSBを拾うが、呼び掛けても持ち主は名乗り出なかった。彼がUSBをパソコンに差し込むと、中身は作成途中の書類だった。右京はレストラン街の事件について、組織犯罪対策第5課長の角田六郎と共に調べる。右京は入店時刻の近い人で症状が出たのは各フロアで1人ずつだと知り、エレベーターを調べる。階数ボタンに毒物が塗られていたと知った彼は、社に報告して成分の調査を依頼した。
冠城は天谷克則の戸籍を発見して親族と連絡を取り、右京と共に会いに行く。親族の光代は、天谷について詳しく語る。第二次世界大戦の末期、天谷は両親と共に西太平洋のトラック諸島へ移り住んでいた。しかし敗戦濃厚になると日本軍は撤退し、市民は置き去りにされた。天谷は島から逃げる際、母と離れ離れになった。必死で金を貯めた天谷は19歳で帰国し、その時に光代は彼と会っていた。天谷は父が戦死したこと、母が帰国してないこと、自分が死亡宣告を受けていることを知り、姿を消していた。
右京は神戸から、リュウが防犯カメラに写る瑛里佳を発見したことを知らされる。本部はバーズがアジトを断定し、その情報を神戸は右京に伝えた。土橋はアジトで瑛里佳を拘束し、「もう用済みなんだ」と告げて仲間と共に立ち去った。右京と冠城はアジトを発見し、瑛里佳の拘束を解いた。瑛里佳は拳銃を構え、「警察にはレイブンは逮捕させない」と鋭く告げた。右京は冷静に対処し、7年前の事件でお茶に毒物を入れたのが瑛里佳だと指摘した。
瑛里佳は英国で差別的な扱いを受けており、そんな状況の中でコナーと親しくなった。コナーは彼女に「願いが叶うシロップ」と嘘をつき、毒物を渡していた。瑛里佳は自分を受け入れてほしいと思い、お茶に毒を入れたのだった。右京は「殺したのはコナーです。貴方は誰も殺してはいない」と告げ、瑛里佳から拳銃を回収した。右京と冠城は瑛里佳から、レイブンが「これが最後の仕事だ」と言っていたことを聞く。土橋の残した南洋開拓壮行会の写真を見つけた2人は、彼が天谷の息子だと確信した。
右京は写真を眺め、トロントで開催された世界スポーツ競技大会から帰国した選手団の凱旋パレードがレイブンの標的だと悟った。彼は警察上層部に報告するが、山崎たちは相手にせず、警備の強化さえ拒絶した。甲斐が右京に同調しても、後に続く者はいなかった。しかし冠城が動画を撮影して「何かあった時の証拠」と脅しを掛けたため、腰の引けた内村たちは警備に同意した。山崎は右京への激しい怒りを示しながらも、仕方なく承諾した。
コンビニで瑛里佳と共にいたジェイの素性が判明しし、本部から全捜査員に情報が送信される。社が本部に現れ、レストラン街で使われた毒物が薄められた有機リン酸系の物質だと知らせた。この毒物が気化すると、50万人の致死量になると彼女は説明する。それを聞いた右京は、レイブンの狙いが選手団ではなく、生中継されているパレードの見物に来た一般市民だと確信した。右京は捜査員へ知らせるよう指示するが、無線も携帯電話も繋がらない状態に陥っていた。伊丹が差し込んだUSBにはウイルスが仕込まれており、さらにテレビ中継車を使った妨害電波も流されていたのだ…。

監督は橋本一、脚本は太田愛、製作総指揮は早河洋、製作は 亀山慶二&手塚治&水谷晴夫&久保雅一&沖中進&浅井賢二&木下直哉&大川ナオ&樋泉実&伊藤裕章&二木清彦、エグゼクティブプロデューサーは西新、Co.エグゼクティブプロデューサーは佐々木基、プロデューサーは桑田潔&佐藤凉一&伊東仁&遠藤英明&西平敦郎&土田真通、撮影監督は会田正裕、美術は近藤成之、照明は松村泰裕、録音は舛森強、編集は只野信也、ラインプロデューサーは今村勝範、音楽は池頼広。
出演は水谷豊、反町隆史、鈴木杏樹、石坂浩二、仲間由紀恵、及川光博、鹿賀丈史、北村一輝、益岡徹、江守徹、川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児、志水正義、久保田龍吉、神保悟志、片桐竜次、小野了、山口まゆ、菅原大吉、篠井英介、佐々木すみ江、石田法嗣、林泰文、田中啓三、児島功一、城戸裕次、川村進、ダンテ・カーヴァー、ドン・ジョンソン、山本龍二、大賀太郎、清瀬ひかり、広田亮平、下村彰宏、井上浩、酒井靖史、藤原シンユウ、千葉誠樹、若林久弥、田中貴裕、日野出清、柳澤有毅、大山竜一、小林峻、浅木信幸、谷藤太、早坂直家、外山誠二、冴羽一、川渕良和、井上あかね、内田未来、阿久津慶人、坂木萌子、峰剛一、中島妙子、加藤大騎、松田かほり、黒板七郎、藤田可菜、橋本あかね、川原豪介、西沢智治、赤池高行、九島洋一、宮田博一、保科光志、飯塚貴斗、サチエ・F、ウィッキー・チヨミ、ゴズコ・エリザベータ他。


テレビ朝日系の刑事ドラマ『相棒』の劇場版シリーズ第4作。
監督は『相棒シリーズ X DAY』『王妃の館』の橋本一。脚本は『犬とあなたの物語 いぬのえいが』の太田愛。
右京役の水谷豊、冠城役の反町隆史、甲斐役の石坂浩二、社役の仲間由紀恵、神戸役の及川光博、幸子役の鈴木杏樹、伊丹役の川原和久、芹沢役の山中崇史、角田役の山西惇、米沢役の六角精児、大木役の志水正義、小松役の久保田龍吉、大河内役の神保悟志、内村役の片桐竜次、中園役の小野了は、TVシリーズの出演者。
他に、リュウを鹿賀丈史、土橋を北村一輝、岩井を江守徹、佐橋を益岡徹、瑛里佳を山口まゆ、山崎を菅原大吉、折口を篠井英介、光代を佐々木すみ江が演じている。

これはリアリティーを大切にした方がいいタイプの作品であり、ディティールの繊細さも求められる。荒唐無稽のオンパレードでは困るわけだ。
しかし、「リアリティーが云々とか、そういうことでもないだろ」と感じさせるシーンが、次々に到来する。
オープニングシーンからして、早くも「それは無理があるだろ」とツッコミを入れたくなる状況が描かれているのだ。
むしろ荒唐無稽に振り切った方が、その手の粗さを誤魔化せるんじゃないかと思ってしまう。

そのオープニングシーンでは、「紅茶に混ぜた青酸カリによって、参事官の屋敷にいた面々が瑛里佳を覗いて全員死亡」という事件が描写される。
しかし、それは普通に考えて有り得ない。
青酸カリってのは即効性がある毒物なので、誰かが飲んだら、すぐに苦悶して倒れるはずだ。それを見たら、他の人間は紅茶を飲もうとしないだろう。
つまり、「全員が一斉に紅茶を飲む」という状況でもない限り、全員が死ぬってのは不自然なのだ。

そもそも、全員が紅茶を飲むとは限らない。飲まない人だって、中にはいるかもしれない。かくれんぼで遊んでいた子供たちは、紅茶を飲むタイミングも無かっただろうし。
メイドが絶命寸前に警察へ連絡したってのも、無理がある。青酸カリで苦悶したら、警察に通報するような余裕は無いだろう。
そもそも、なぜメイドまで紅茶を飲んでいるのかと。仕事中なんだから、それは変だろ。
他にもスタッフは何人かいたはずで、そいつらも死んでいるのは不可解だ。

レストラン街の事件についても、同じような不可解さがある。
毒物はエレベーターの階数ボタンに付着していたという設定なのだが、それで「各階に1人ずつ被害者が出る」ってのは、あまりにも都合が良すぎるでしょ。誰かがボタンを押したとして、それで全ての毒が消えるわけじゃないでしょ。押す場所によっては、付着した毒物が残っている部分もあるはずで。
あと、指に付着して効果を発揮するタイプの毒なのに、喉を押さえて「呼吸器が苦しい」みたいな形で苦悶するのは、どういうことなのか良く分からんし。
どちらの事件も、インパクトを重視するのはいいが、整合性を度外視しているんじゃないかと。

身代金要求を無視したことについてマスコミが押し寄せて質問するのは、副総理の佐橋。甲斐が事情説明を求めるのも佐橋。話し合いを主導するのも佐橋で、会見を開くのも佐橋。
普通、こういうデカい事件が起きたら、対応するのは絶対に首相でしょ。でも、首相の姿は最後まで見えない。大事な閣議にも参加していないし、会見も開かない。
副総理が会見でテロとの戦いを宣言するって、どんな国なんだよ。せめて官房長官じゃないのかと。
ところが、この作品、なんと官房長官の存在も無視されているのよね。
色々と事情はあるのかもしれんけど、首相も官房長官も登場しないってのは、リアリティーの欠如と言わざるを得ないぞ。

瑛里佳がリュウの泊まっているホテルの部屋へ忍び込み、右京と冠城の名刺を見るシーンがある。わざわざ用意しているシーンだから、後の展開に繋がって来るんだろうと思っていた。
ところが、それが伏線として使われた形跡が全く見当たらない。右京と冠城がアジトへ来るシーンで瑛里佳が拳銃を突き付けるが、名刺を見ていなくても2人が刑事なのは分かるので、まるで無関係だし。
あと、右京と冠城が来て解放された途端に拳銃を構えているけど、その行動も冷静に考えると不可解なんだよね。彼女が「レイブンの逮捕を阻止する」と本気で考えているのなら、人質だった芝居をした方が絶対に得策だし。
「そこまで頭が回らないボンクラ」と解釈しろってことなのか。

レイブンが狙うのは、凱旋パレードの見物に来る一般市民だ。このテロ事件を防ぐために右京たちが奔走する様子が、クライマックスとして描かれる。
ここで大きなネックとなるのが、パレードに参加する選手団の参加したイベントだ。間違いなくオリンピックをイメージしたイベントなのだが、その名称が使えないため、「世界スポーツ競技大会」という架空のイベントになっているのだ。
言うまでもなく、これによってリアリティーは著しく低下している。「オリンピックなら分かるけど、そんな誰も知らないような大会の選手団が大規模なパレードなんて出来ないだろうし、大勢の人々も押し寄せないだろ」と言いたくなってしまう。
そこで余計なマイナスを出すぐらいなら、選手団のパレードじゃなくて他のイベントにでも出来なかったのかと。
マラソン大会なんていいんじゃないかな(おいおい)。

右京と冠城が天谷克則の親族へ会いに行くと言い出すと、次のシーンでは土橋が両親の形見である古い写真を眺める様子が写し出される。彼は瑛里佳に、「大きくなったな」と告げる。
それは「土橋がレイブンであり、天谷の息子」と観客に思わせるための戦略だ。
その戦略については、セオリーを外すことなくキッチリやっている。
しかし残念ながら、それが成功しているとは言い難い。

これが単独の映画ならOKだったかもしれないが、『相棒』の劇場版ってことになると、土橋がレイブンじゃないのは大半の観客が分かるだろう。それどころか、誰がレイブンなのかってことも、そいつが生きていた天谷克則なのも、分かっちゃう観客も少なくないんじゃないかな。
こっちの方もセオリー通りの配役になっているため、ミスリードよりも遥かに強い形で効果を発揮しちゃっているのだ。
だからミステリーとしては、フーダニットもハウダニットも、あまり面白味は無い。
劇場版における『相棒』は、何よりも社会的・政治的なメッセージを発信しようとする意識が強いのだ。

どうせ途中で気付く人も多いだろうが、そろそろ完全ネタバレを書く。
レイブンの正体はリュウで、彼こそが天谷だ。
国連犯罪情報事務局の理事を務めるような人物が身分を詐称できるのか、そういうのは徹底的に調べられるんじゃないかという疑問はあるが、そこは置いておくとしよう。
そんな彼の目的は、大規模なテロ未遂事件を起こし、日本国民に脅威を訴えることだ。
しかし、そうなると困ったことが起きる。
「テロに屈しない」という強気の姿勢で身代金の支払いを拒んだ政府の方針は、彼の目的からすると正解ってことになる。でも、それは「30年前の自分や7年前の瑛里佳を見捨てた時と同じ政府の方針」とも言えるわけで。彼の目的からすると、7年前の岩井の行動も正当化されちゃうわけで。
それはいいのかと。

あと、そもそも実際の日本政府って、そんなに強気な対応は取らないでしょ。水面下の交渉を目指すだろうし、基本的には身代金を支払う方向で考えるでしょ。
内政はともかく外交関係においては弱腰の印象しか無いので、ここで描かれる政府の対応はピンと来ないのよね。
それと、「犯人が大勢の市民を人質に取ったテロを起こすと見せ掛けて、実際はテロ未遂事件が目的」ってのは、劇場版1作目でも似たようなことをやっていたよね。細かい目的は違うけど、4作目にして同じパターンってのは、どうなのよ。
あと、今回も「実際にテロが起きるかも」と国民に感じさせるほどの危機は露呈していないので、目的を果たすための行動がヌルいと感じるぞ。

(観賞日:2018年9月2日)

 

*ポンコツ映画愛護協会