『ロッキー2』:1979、アメリカ

無名のボクサーだったロッキー・バルボアは、世界王者アポロ・クリードと15ラウンドをフルに戦い、惜しくも判定で敗れ去った。ロッキーのファイトは絶賛を浴び、アポロは再戦を要求する。だが、目に深刻なダメージを受けたロッキーは引退を宣言した。
ロッキーはエイドリアンと結婚し、やがて彼女は妊娠する。ロッキーにはコマーシャルの仕事が入るが、上手くこなせず失敗に終わる。なかなか仕事が見つからなかったロッキーは、義兄ポーリーの紹介で精肉工場の仕事を得るが、人員削減で解雇される。
アポロは試合を八百長呼ばわりされるなど、中傷の嵐に悩まされていた。再戦によって評価を取り戻そうと考えるアポロは、ロッキーへの挑発を繰り返す。ロッキーは再びリングに上がろうと決意するが、エイドリアンには反対される。
そんな中、エイドリアンは早産で子供を産むが、そのまま昏睡状態に陥ってしまう。ロッキーは懸命の看護を続け、エイドリアンは目を覚ました。彼女から「勝って」と言葉を掛けられたロッキーは、アポロとの世界タイトルマッチに挑む…。

監督&脚本はシルヴェスター・スタローン、製作はアーウィン・ウィンクラー&ロバート・チャトフ、製作総指揮はマイケル・S・グリック、撮影はビル・バトラー、編集はスタンフォード・C・アレン、編集監修はダンフォード・B・グリーン、美術はリチャード・バーガー、衣装はサンドラ・バーク&トム・ブロンソン、音楽はビル・コンティ。
主演はシルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、カール・ウェザース、バージェス・メレディス、トニー・バートン、ジョー・スピネッリ、レナード・ゲインズ、ジョン・プリシェット、シルヴィア・ミールズ、ポール・J・マイケル、フランク・マクレイ、ビル・ボールドウィン、スチュ・ネイハン、アル・サルヴァーニ、ジェリー・ジースマー、アール・モンゴメリー、ハーブ・ナナス他。


大ヒットとなったボクシング映画『ロッキー』の続編。
前作の脚本を書いて主演したシルヴェスター・スタローンが、今回は監督も担当。
スタローンの他、エイドリアン役のタリア・シャイアやポーリー役のバート・ヤング、アポロ役のカール・ウェザース、ミッキー役のバージェス・メレディスといった主要メンバーは、前作に引き続いて出演している。

今回のロッキーはCM契約で調子に乗り、高価な買い物を続ける。
しかし演技力ゼロなので、CM撮影に失敗。
学が無いのに事務職に就きたいとワガママを言うので、当然の如く仕事は無い。
結局、「バカで不器用だから、ボクシング以外に何も無い」という現実に直面する。

というわけで、ロッキーはアポロとの試合で知名度は上がったものの、まだリッチマンになってハングリー精神を失うような状況には陥っていない。
下町の貧しい二流ボクサーとしての存在を、まだキープしている。
よって、カタルシスへの導きは、前作と似たパターンが使える。

前作でロッキーはアポロに惜敗しているため、今回は「アポロに勝ってチャンピオンになる」という以外の選択肢は有り得ない(ロッキーを殺すという奥の手も、あるにはあるが)。
結末は分かっているる
なので問題は、「どのような展開で、そこまで持って行くか」ということだ。

前半は、ボクサーとしてのロッキーを見せる展開は全く無い。
調子に乗ったロッキーが、自分は単なる拳闘バカだと気付くまでの経緯が描かれる。
ボクサー復帰を決めてからも、エイドリアンとの関係で長く引っ張る。

で、ロッキーがエイドリアンに「勝って」と言われてから、ようやく物語は本格的な盛り上がりを見せようとする。そこでドラマではなく、MTV風味の練習シーンを持って来る。
で、やたらディフェンス技術がヘタな2人が戦う、試合シーンへと突入。
で、誰もが予想できる大団円で、無難に収めてオシマイ。


1979年スティンカーズ最悪映画賞<エクスパンション・プロジェクト後>

ノミネート:【最悪の主演男優】部門[シルヴェスター・スタローン]
ノミネート:【最悪の続編】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会