『惑星「犬」。』:2003、アメリカ

その朝、オーウェン・ベイカー少年が大きな物音で目を覚ました。実はボーダー・テリアのハブルを乗せた宇宙船が不時着していたのだが、もちろんオーウェンは全く知らなかった。オーウェンはカレンダーのバツ印を付けて、両親に見せた。彼は近所の人々が飼っている犬の散歩を請け負い、3ヶ月持続すれば自分の犬を飼ってもいいという約束を両親と交わしていた。母は「もう少し先延ばしにしてもいいんじゃない?次の引っ越し先へ行ってからでも」と話し、説得しようとする。しかしオーウェンの決意が固いので、母も了承した。
オーウェンはライアン夫人の家へ行き、彼女が飼っているスタンダード・プードルのバーバラ・アンを預かった。さらに彼は2軒を回り、ボクサーのウィルソンとイタリアン・グレイハウンドのネリーも預かった。続いて彼は、バーニーズ・マウンテンドッグのシェップを飼うフレミング家を訪れるフレミング家の娘であるコニーに、オーウェンは好意を寄せている。同級生のフランキーやフレッドは、オーウェンを馬鹿にした態度を取った。
犬の散歩に出掛けたオーウェンは、ハブルを目撃する。ハブルが奇妙な吠え方をすると、オーウェンの預かった犬たちが一斉に走り出そうとする。オーウェンは転倒するが、動物管理局のボブが駆け付けてハブルを捕まえた。帰宅したオーウェンは両親の車に乗り、犬を貰うために動物管理局へ赴いた。首から石を下げているハブルを見た彼は、何か心配事でもあるのではないかと感じる。ボブはオーウェンに、態度が悪すぎて貰い手がいないので処分されることになると教えた。
オーウェンはハブルを貰い受け、すぐに散歩へ連れて行く。公園に赴いた彼は、ネリーの飼い主であるレオーネ氏と遭遇した。ハブルが激しく吠えるので、オーウェンは注意した。オーウェンが躾の訓練を開始すると、ハブルは最初から全ての指示に従った。頭の良さに感心したオーウェンだが、帰宅するとハブルが本を読む様子を見せたので驚いた。犬の気持ちが分かるための本を読んだオーウェンは、時間を掛けてハブルと仲良くなろうと考えた。
早朝、ハブルが勝手に出掛けるのを目にしたオーウェンは、後を追った。オーウェンが森に入ると、ハブルは宇宙船の通信機を取り出して上空に向けて電流を放射していた。戸惑いながら近付いたオーウェンは電流に触れ、気が付くとベッドにいた。目を覚ました彼は夢を見ていたと考えるが、ハブルから人間の言葉で話し掛けられたので驚いた。しかし母には犬の鳴き声にしか聞こえていないらしく、ハブルは「お前の聴覚が突如として発達したんだ」とオーウェンに説明した。
ハブルは「お前の主人たちの元へ案内しろ。時間が無い」とオーウェンに言うが、それはバーバラやウィルソンたちのことだった。ハブルは犬たちを集めると、「私は故郷の星から大事な使命を帯びて地球に来た。全ての犬は、その星からやって来た」と語る。彼は「数千年前、犬たちは地球を支配するためにシリウスからやって来た」と説明した。バーバラたちは、その犬の子孫に当たる。ハブルは地球の犬たちを査定して暮らしぶれに点数を付け、グレート・デーン女王陛下に報告する目的で来たのだった。
ハブルはバーバラたちに、「女王陛下は地球の犬たちが当初の目的を忘れ、ペットに成り下がったという噂を気にしている」と述べた。話を聞いていたオーウェンは「犬が人間を支配するなんて有り得ない。僕は君の主人だ」と言い、自分の指示に従うようハブルに告げる。「本当だっていう証拠を見せろ」と要求するオーウェンだが、ハブルが壊れた宇宙船に案内すると、あっさりと信用した。通信機の故障でシリアスと交信できなくなったことを知ったオーウェンは、「修理してあげるよ。得意なんだ」と告げた。
帰宅したオーウェンは、ハブルに「犬は人間にとって友達なんだ」と告げる。ハブルが「友達なんて必要ない」と言うと、「誰にだって必要さ」と彼は述べた。父はオーウェンに、「ダイニングのリフォームが終わったら、また引っ越しだ」と話した。翌朝、ハブルは犬たちの査定を開始する。バーバラたちは「どのように人間を仕切っているか」を見せるために、人間が世話をしている様子を見せる。「地球では大事なことを全て人間がやってくれる」と、彼女たちはハブルに説明した。
バーバラたちは自信があったが、ハブルは「まるでペットだ。甘やかされているだけで、プライドも何も無い」と切り捨てた。0点だと言われたバーバラたちは、「シリアス流を忘れているけど、思い出したい」と口にする。彼女たちは「先生になってほしい」と頼むが、ハブルは「断る。評価が終われば、迎えが来てシリアスへ帰るんだ」と冷たく言う。しかし「迎えが来るまで教えてほしい」と懇願されたハブルは、コーチ役を引き受けた。
家のリフォームが完成したため、母は「すぐに次の家に行かなくちゃ。取り掛かるのが楽しみだわ」と興奮した様子で話す。「前の家も同じことを言ってた。その前も、その前も」とオーウェンが指摘すると、「それが私たちの仕事だもの」と母は言う。「でも、同じ家で暮らしたい。引っ越しは嫌だ」とオーウェンが口にすると、母は「リフォームする家に住む方が経済的なのよ」と述べた。母はオーウェンの気持ちを理解せず、「きっと次の家も気に入るわよ」と軽く告げた。
翌日からハブルは、犬たちの特訓を開始した。朝は瞑想から始まるが、ボールが飛んでくると犬たちは取りに走ってしまう。ボールを取りに来たフランキーとフレッドは、唸り声を発したハブルに石をぶつける。オーウェンが止めに入ると、彼らは暴力を振るおうとした。だが、犬たちが取り囲んで威嚇したので、慌てて逃げ出した。オーウェンはハブルから「シリウスでは自分のためにしか戦わない。なぜ私のために危険を冒した?」と問われ、「僕の犬だから。それに友達なら当然だ。君も助けてくれた」と答えた。
オーウェンはコニーも交えて、犬たちとボールで遊び始めた。ボールをキャッチする際にハブルが高く跳躍したので、コニーは驚いた。「貴方の犬、どうなってるの?」と言われたオーウェンは真実を打ち明け、宇宙船を見せた。オーウェンは通信機を直すが、こちらの声は届かないままだった。しかし向こうの声は入り、グレート・デーンが地球へ来ることが判明した。いつ来るのか知ろうとするオーウェンだが、父が来たので慌てて通信機を隠そうとした際、誤って壊してしまった。
ハブルは女王陛下を恐れており、「実体を知れば、地球からの撤退命令を出す。全ての犬を故郷へ戻し、再教育する」とオーウェンに話す。オーウェンはハブルに、「全ての犬を地球から連れて行くなんて、そんなことはさせない。君が歓迎の方法を教えて、犬が全て仕切っているように見せ掛けるんだ。僕が君のペットを装ってもいい」と語った。ハブルは「君の力では、どうにもならない」と難色を示すが、オーウェンに「君が行ってしまったら親友がいなくなる」と寂しそうに言われると、協力を承諾した。
翌日、ハブルは公園にバーバラたちを集め、女王を歓迎するための行動を教えた。オーウェンとコニーも、その指導に参加した。犬が人間を仕切っていると見せ掛ける方法について、コニーは晩餐会を開くことを提案した。リハーサルとして犬たちが食卓に就き、オーウェンとコニーが食事を運んだ。帰宅すると両親が売り家の看板を出していたので、オーウェンは悲しくなった。ハブルは「大事なのは住む場所じゃなく、誰と一緒にいるかだ。家族が一緒なら、そこが我が家さ」と語って元気付けた。翌朝、ハブルは「女王が来るのは今日だ」と確信する。しかしオーウェンは母から見学会の手伝いを要求され、ハブルはフランキーとフレッドに連れ去られてしまう…。

監督はジョン・ホフマン、原作はジーク・リチャードソン、脚本はジョン・ホフマン&ジーク・リチャードソン、製作はリサ・ヘンソン&クリスティン・ベルソン、共同製作はビル・バナーマン、製作総指揮はステファニー・アレイン、製作協力はペギー・ヒーリー&ライリー・キャスリン・エリス、撮影はジェームズ・グレノン、美術はジェリー・ワネク、編集はクレイグ・P・ヘニング、衣装はアントニア・バードン、音楽はマーク・マザースボウ。
出演はモリー・シャノン、リーアム・エイケン、ケヴィン・ニーロン、ブリタニー・モルドワン、ジョージ・トーリアトス、パティー・アラン、ハンター・エリオット、ミハエル・スピーデル、ベンジャミン・ラトナー、ピーター・フレミング、ポール・C・フォークト、ブレンダ・M・クリッチロウ、D・ハーラン・カットシャル他。
声の出演はマシュー・ブロデリック、デルタ・バーク、ドナルド・フェイソン、チーチ・マリン、ブリタニー・マーフィー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、カール・ライナー。


ジム・ヘンソン・ピクチャーズが製作したファミリー向け映画。
主に舞台やテレビで役者として活動していたジョン・ホフマンが、初監督&映画初脚本を務めている。
原案と共同脚本を担当しているジーク・リチャードソンは、本職はサウンド・エディター。
オーウェンの母をモリー・シャノン、オーウェンをリーアム・エイケン、父をケヴィン・ニーロン、コニーをブリタニー・モルドワン、レオーネをジョージ・トーリアトス、ライアン夫人をパティー・アランが演じている。
ハブルの声をマシュー・ブロデリック、バーバラ・アンをデルタ・バーク、ウィルソンをドナルド・フェイソン、女王の側近をチーチ・マリン、ネリーをブリタニー・マーフィー、女王をヴァネッサ・レッドグレーヴ、シェップをカール・ライナーが担当している。

オープニング・クレジットでは、天体望遠鏡がある部屋で眠っているオーウェンの姿が写し出される。流れ星のような物が地球に落下して、朝のシーンに切り替わる。大きな物音でオーウェンは目を覚まし、ハブルの宇宙船が不時着している。何も知らないオーウェンは、約束の3ヶ月が経過したことを両親に知らせる。
このように書くと何の問題も無いように思えるかもしれないが、実際に観賞すると「かなり慌ただしい」という印象を受ける。
まず、オーウェンのキャラクターも、周囲との関係性も、まるで紹介されていない。そういう状態で、いきなり「宇宙船に乗った犬が地球へ不時着する」という展開を配置する。
もちろん、後からオーウェンのキャラ紹介や初期設定の説明をすることは可能だが、そういう作業が無いままオーウェンとハブルの遭遇に入ってしまう。
いきなりハブルを登場させるのが絶対にダメとは言わないが、「そこまで慌てて登場させる必要があるのか」と思ってしまうんだよね。

そうじゃなくて、まずはオーウェンを登場させて、「引っ越し続きのせいで、なかなか友達が出来ない」という状況を描く。そして、両親と約束した犬の散歩が3ヶ月になったことを示し、周辺の人物を紹介する。
そういう基盤を整えた上でハブルを登場させても、決して遅くはないはずだ。
夜の内に宇宙船が落下する形にするなら、前述したことを処理してからハブルを登場させると翌日のシーンになるという問題がある。
ただし、それなら登場だけは先に済ませてもいいから、オーウェンが飼い始めるタイミングを後回しにして、先に前述したことを片付ければいい。

あと、ハブルが宇宙船で不時着したことを最初に見せているけど、そこは少し隠したまま引っ張っても良かったんじゃないか。
オーウェンがハブルを飼い始めた後、相手が異星人ってことを知るまでに時間が掛かる。ハブルがオーウェンま知らない所で異星人として行動する様子も、しばらくは描かれない。
それなら、観客にもオーウェンの素性を隠したまま話を進めて、オーウェンが知るタイミングで初めて明示されるという形でも良かったんじゃないかと。
その方が、諸々を含めてスッキリするかなと。

オーウェンがハブルを貰うと決める動機は、「処分されるのは可哀想だから」ってことぐらいしか思い浮かばない。でも、それだと動機として弱いと感じるんだよな。
もちろん、「オーウェンは優しい少年」ってのをアピールすることには繋がるけど、それよりもオーウェンがハブルに「特別な何か」を感じるような形にした方がいいんじゃないかなと。
それと、その前に、「オーウェンがハブルのせいで転ぶ」というシーンがあるんだけど、それは出会いの形として、どうなのかなと。なぜハブルのせいでオーウェンが少なからず怖い目に遭うというシーンにするのかと。
そこは普通に、「オーウェンがハブルを見て、特別な何かを感じる」ってことでも良かったんじゃないかと。
そうすれば、わざわざ管理局のシーンを挟まなくても、「そいつを飼う」ってトコに繋げることが出来るだろうし。

オーウェンと遭遇した時、ハブルは咆哮して仲間たちの暴走を促し、自分も暴れている。管理局に女性2人組が来た時も、激しく吠えている。ボブが「態度が悪くて貰い手がいない」と言っているので、その後も暴れまくっていたんだろう。そしてオーウェンが公園へ連れて言った時も、レオーニに対して吠えている。
そんな風に「荒っぽい犬」としてのキャラクターをアピールしていたはずのハブルだが、躾の訓練をオーウェンが始めると、「お座り」「待て」「転がって」「死んだフリ」という指示を忠実に遂行する。
そこで急に素直な態度を取るようになったのは、どういう理由なのか。何のきっかけも無かったので、違和感しか無い。
「ハブル役の犬が得意とする芸」を披露させるためのシーンなんだろうけど、そこからの逆算に失敗している。
そういうことをさせたいのなら、最初から「やたらと暴れる犬」の設定を排除しておけば良かったわけで。

オーウェンは電流に触れた翌朝、犬の言葉が理解できるようになっている。宇宙から来た犬型エイリアンが地球人の言葉を話すのではなく、オーウェン側が向こうの言葉を理解するようになるわけだ。
そういう設定を持ち込んだために、「オーウェンが電流に触れ、エイリアンの言葉を理解できるようになる」という手順を挟む必要が生じている。
この手順が、無駄な寄り道に思えてしまう。
「犬たちが人間の言葉を喋る」とか「テレパシーでオーウェンと交信するから他の人々には聞こえない」という形にでもしておけば、そんな手順はザックリと削除できるわけで。

「電流に触れたオーウェンがハブルの言葉を理解できるようになる」という手順を活かしたいのなら、そこを無駄な寄り道にしないための作業が必要になる。
例えば、まずはハブルの正体を最初に明かさないようにする。そして、オーウェンが森に入ったところで初めて宇宙船との関係を示す。
オーウェンが光に包まれたら翌朝に切り替えず、すぐに「ハブルに話し掛けられた彼が驚く」という形にしたらどうかと。
結局、「ハブルが異星人」というサプライズ、「オーウェンが電流に触れる」というサプライズ、「犬の言葉が理解できるようになる」というサプライズ、この3つをバラバラに処理しているのが問題なんじゃないかなと。

ハブルは「バーバラたちがオーウェンの主人」と思い込んでいるし、バーバラたちに「ペットに成り下がったという噂を女王陛下が気にしている」と語っている。
それならば、なぜオーウェンから「お座り」や「待て」「死んだフリ」などと指示された時、素直に従ったのか。
それは明らかに「主人に対して忠実なペット」としての行動でしょ。
「犬にしては異様に賢いけど、ペットらしくない」ってことを示したいのなら、そういう行動を取らせるべきではないでしょ。明らかに矛盾が生じているぞ。

オーウェンには「引っ越しを繰り返しているせいで、なかなか友達が出来ない。友達を欲しがっている」という設定がある。
そこを「彼がハブルと友達になる」という展開に繋げようとしている。
オーウェンとハブル(&他の犬たち)とが絆を深めて仲良くなるってのは、この映画にとって重要な要素だ。
そこを充分に活かすためにも、もっと「オーウェンの両親が引っ越しを繰り返しているため、彼は友達が出来ずに寂しい思いをしている」という部分は序盤でアピールしておいた方がいい。

ハブルが犬たちを「0点」と査定した後、シリアス流の行動を思い出せるための特訓がスタートする。
「犬が人間を支配しているか」というポイントで査定していたんだから、特訓は「いかに人間を支配するか」という内容になるのが筋だろう。
ところが、まずは朝の瞑想から始めている。
そんなことを覚えても、人間を支配するための能力や行動には全く繋がらない。
「犬が腹這いになって動かない」という芸を見せたかったんだろうとは思うけど、「見せたい犬の姿」にシナリオが追い付いていない。

フランキーとフレッドを追い払った後、オーウェンがボール遊びを始めると、ハブルも参加している。
「人間の投げたボールを追い掛けてキャッチする」って、もう完全にペットの動きじゃねえか。
他の犬たちに「ついペットとして行動してしまう」という動きを用意するのはいいけど、ハブルが簡単にペット的な行動を取るのはダメだろ。
最初は上手く出来なくて、「君ならできる」とオーウェンに励まされて成功しているけど、だからさ、それって完全にペットじゃねえか。なんで上から目線じゃないんだよ。

ハブルの正体と目的が判明し、バーバラたちは「人間を仕切っている」と嘘をつく。だから、「バーバラたちが嘘を見抜かれないように奮闘し、ハブルを欺こうとする」という筋書きを進めるのかと思ったら、あっさりとO点の査定が出る。
で、ハブルが犬たちの訓練を承諾するので、そこから「ハブルが犬たちを訓練する」という筋書きを進めて、その中で「ハブルが地球の犬たちに感化される」なり、「訓練を受ける中で犬たちが変化する」なりという展開になるのかと思いきや、すぐに「女王陛下が来るので、それに備えた準備を始める」という展開へと移行する。
提示した筋書きを軽く放棄して、どんどん別の方向へと変化していく。
だから話が落ち着かないし、どのパートも薄っぺらいし、行き当たりばったりに感じる。

ハブルが「女王が来るのは今日」と確信した朝、オーウェンは見学会の手伝いを母から要求されて断れなくなる。
ハブルはフランキーとフレッド拉致され、バリカンで毛を剃られそうになる。
そこから「オーウェンとコニー、犬たちがハブルを奪還し、急いで女王の歓迎準備をする」という手順になるのかと思いきや、「犬たちに追われたフランキーとフレッドが見学会の会場に乱入し、オーウェンたちも来て、そこに女王が現れる」という形になる。
まあ一言で表現するなら、とっ散らかっちゃってるわけだ。

女王は何も知らないので高貴に振る舞うが、もちろん人間は全く従わない。それどころか女王の側近を見たバーバラたちはバカにして笑い、ちっとも女王への従順な態度を見せない。
じゃあ訓練は何だったのかと。まるで無意味になってるじゃねえか。
で、女王が再教育を決定して、オーウェンが必死に訴えるけど聞き入れられず、ハブルたちはオーウェンの知らない内に宇宙船で地球を去る。
大きく間違った展開ではないんだけど、スッキリした形とも言えない。

女王はオーウェンが「人間と犬の友情や愛」を語っても聞き入れなかったのに、宇宙船でハブルから改めて聞かされると態度を変えている。
でも、その間に、女王の気持ちを変化させるような出来事なんて何も無いわけで。
だったら、宇宙船で犬たちを連れ戻す手順を挟まず、「地球での人間と犬たちの関係を見た女王が考えを変える」という形でも良かったんじゃないかと。
「引っ越そうとしたオーウェンが宇宙船の飛来を感じて森へ走り、ハブルと再会する」という着地にしたかったのは分かるんだけど、そこへ持って行くためにモタモタした手順を挟まなきゃいけなくなっているのは上手くないわ。

(観賞日:2016年1月23日)

 

*ポンコツ映画愛護協会