『ユー・ガット・サーブド』:2004、アメリカ

ロサンゼルス。親友同士のデヴィッドとエルジンは、仲間のリコ、ヴィック、ラシャーンたちとダンス・クルーを結成している。彼らはラッドが仕切るダンス・バトルで対決し、倉庫で踊る。観客の歓声で決着が付けられ、勝利者には600ドルの賞金が渡される。デヴィッドとエルジンのクルーは勝利し、600ドルを受け取った。彼らのクルーは、ずっと勝利を続けている。バトルを見ていたキキとトーヤが一緒に踊りたいと申し入れて来たので、デヴィッドは「明日の朝10時に練習してる」と告げた。
デヴィッドは有名になって大勢の前で踊りたいという夢を語るが、エルジンは浮かない顔だ。家賃が上がって働き詰めの母親から、将来の展望について頻繁に訊かれているからだ。妹のリアはプリンストン大学に合格したが、奨学金を貰っても充分ではない。そのため、彼女は働いて金を溜めながら、短大へ通っている。そこでエルジンはデヴィッドと共に、犯罪組織のボスであるエメラルドの仕事を受けて金を稼ぐことにした。
デヴィッドはエルジンの家に泊めてもらい、翌朝を迎える。エルジンの母親が仕事で出掛けた後、リアがデヴッドを起こす。デヴッドとリアは久々の再会だが、互いに好意を寄せ合っていた。リアが病院の仕事に出掛けるというので、デヴッドは送って行く。するとエルジンからデヴィッドに電話が入り、オレンジ郡のウェイドという白人からテープが届いていることが語られる。ウェイドはマックスという仲間とクルーを組んでいるダンサーで、かなりの金持ちだ。
デヴィッドは「一緒にテープを見よう」とエルジンに言われ、彼の家へ戻った。エルジンは「妹には手を出すなよ」と釘を刺す。テープを再生すると、ウェイドとマックスが挑戦状を叩き付ける様子が録画されていた。「5千ドルを賭ける。場所も日時も、そっちで決めろ」と彼らが言うので、デヴィッドとエルジンは勝利を確信して「金は貰ったぜ」と喜んだ。その夜、倉庫へ赴いた彼らのクルーは、バトルの勝利チームに対決を申し込んだ。
エルジンは対決の後、ウェイドから挑戦があったことを仲間に語り、こっちの金は自分とデヴィッドが用意するのでキッチリと練習を積むよう要求する。しかしソニーはデヴィッドとエルジンの取り分が1500ドルであることに不満を示し、全員で山分けするべきだと主張した。しかし「だったら最初の5千ドルをお前が用意しろ」と言われ、渋々ながら引き下がらざるを得なかった。リコと仲良しのセイント少年が来ると、ソニーは「なんでこんなトロいガキとつるんでんだ」と馬鹿にする。リコが腹を立てると、デヴィッドが仲裁した。
デヴィッドたちがダイナーで食事を取っていると、リアが友人のビューティフルと一緒にやって来た。デヴィッドが2人と話していると、エルジンが不機嫌そうな態度で彼を外に連れ出す。またエメラルドの仕事を受けるとデヴィッドが言い出したからだ。「これが最後だ」とデヴィッドが言うので、エルジンは仕方なく彼に同行した。2人はエメラルドの店へ赴き、荷物を入れたリュックを受け取った。
エルジンが仲間とバスケットボールをやっていると、ウェイドとマックスが現れた。エルジンは1週間後の対決を持ち掛けるが、彼らが「練習でもするのか?俺たちは練習なんかしないぜ」と見下すような態度を取ったので、挑発に乗って今夜の対決を了承した。後から話を聞かされたデヴィッドは、「まだ5千ドルが無いぞ」と告げる。2人の所持金を合わせても、まだ3千5百ドルしか無かった。エルジンは「残りは俺が何とかする。お前は仲間を集めろ」と述べた。エルジンは祖母の元を訪れ、1500ドルを貸してもらった。
その夜、ラッドの倉庫で対決が行われることになるが、時間になってもソニーは現れない。ラッドは友人である警官のチャックを助っ人に呼んで、両チームの金を預かってもらう。ラッドは「バトルの後の喧嘩は禁止だ」と注意事項を説明する。バトル直前に現れたソニーは、ウェイドたちのクルーに加わった。バトルが始まると、ウェイドのクルーはデヴィッドたちのクルーの振り付けを盗んでいた。双方が喧嘩を始めたので、ラッドはバトルを止める。観客の歓声で、ウェイドたちの勝利が決まった。
エルジンは失った金を取り戻すため、またエメラルドの仕事を受けることにした。しかし夜の仕事のはずが、電話で「今すぐに相棒を連れて店に来い」と言われる。エルジンはデヴィッドに電話を掛けるが、彼はリアとデートの最中だった。そしてリアはデヴィッドが電話の相手を確かめる前に、電源を切ってしまった。「みんなとは、いつでも会えるでしょ。私と一緒にいる時は、邪魔されたくない」と微笑を浮かべるリアに、デヴィッドはキスをした。
エメラルドの店を訪れたエルジンは「相棒とは現場で落ち合う」と嘘をつき、荷物を受け取った。エルジンは指示された場所に荷物を運ぶが、待ち受けていた連中に暴行を受けてブツを奪われた。デヴィッドが携帯の電源を入れると、エルジンからのメッセージが8件も入っていた。エルジンが病院に運ばれたと知り、デヴィッドはリアと共に駆け付けた。足を怪我したエルジンは「今頃になって来たのか。お前とは、もうダチじゃねえ。絶対に妹とは付き合わせない」と鋭く言い放った。
リアはダイナーでデヴィッドと会い、エルジンが荷物を奪われていることについて相談する。そこへエルジンが現れ、2人が密会していることに激怒した。するとデヴィッドは彼を殴り倒し、「お前を助けるために相談してたんだぞ」と怒鳴って立ち去った。後日、エルジンはエメラルドに捕まり、2週間以内に金を用意するよう脅された。デヴィッドとエルジンは新たなクルーを集め始めるが、リコは片方の味方になることを嫌い、どちらの誘いも断った。そんな中、賞金5万ドルの大会『ビッグ・バウンス』が開かれることになり、デヴィッドとエルジンもそれぞれのクルーで参加を決める…。

脚本&監督はクリストファー・B・ストークス、製作はマーカス・モートン&カシアス・ヴァーノン・ウェザーズビー&ビリー・ポリーナ、製作総指揮はケトリーナ・“タズ”・アスキュー&マックス・グッセ、製作協力はモニーク・スコット&レイネル・スウィリング&クリス・クルス・トレド&エイミー・ユキッチ、撮影はデヴィッド・ヘニングス、編集はアール・ワトソン、美術はマキシーン・シェパード、衣装はカトリス・マッシー、振付はデイヴ・スコット&シェーン・スパークス、音楽はタイラー・ベイツ。
出演はマーカス・ヒューストン、オマリ・グランドベリー、ジャレル・ヒューストン、デマリオ・ソーントン、ドリュー・フレデリック、スティーヴ・ハーヴェイ、ミーガン・グッド、ジェニファー・フリーマン、リル・キム、マルコム・“ベアー”・タリフェロ、アラニ・“ララ”・ヴァスケス、マーティー・デュー、ジェローム・ジョーンズ、チュレ・“タニー”・マッコール、アマンダ・ロドリゲス、マルコム・デヴィッド・ケリー、クリストファー・ジョーンズ、ロバート・ジェームズ・ホフマン三世、エスター・スコット他。


音楽事務所「TUG Entertainment」の創設者であるクリス・ストークスが監督と脚本を務めた作品。
過去にビデオ作品『House Party 4: Down to the Last Minute』のメガホンを執ったことはあるが、劇場用映画を撮るのは初めて。
エルジンをマーカス・ヒューストン、デヴィッドをオマリ・グランドベリー、リコをジャレル・ヒューストン、ヴィックをデマリオ・ソーントン、ラシャーンをドリュー・フレデリックが演じている。
マーカス・ヒューストンはボーイズ・グループでデビューし、2002年からソロで活動しているR&B歌手。他の4名は、この映画が公開された2004年に解散したヒップホップ・グループ「B2K」のメンバーだった。
ラッドをスティーヴ・ハーヴェイ、ビューティフルをミーガン・グッド、ライヤをジェニファー・フリーマン、エメラルドをマルコム・“ベアー”・タリフェロ、ソニーをラッパーのジェローム・ジョーンズ、セイントをマルコム・デヴィッド・ケリー、ウェイドをクリストファー・ジョーンズが演じており、ラッパーのリル・キムとDJのララ、振り付け師のウェイド・ロブソンらが本人役で出演している。
ちなみにマーカス、B2K、ジェローム・ジョーンズは、当時はTUG Entertainmentの所属だった。

映画開始から約5分ほど、ずっとダンス・バトルのシーンが続く(それがオープニング・クレジットになっている)。それが終わって、デヴィッドとエルジンに関しては名前の紹介があるので、誰が誰なのかという区別が付くようになる。
だが、仲間のリコ、ヴィック、ラシャーンに関しては、名前も出て来ないので、誰が誰なのか全く分からない。
ただ、それで何か不都合があるのかというと、それは全く無い。
後でリコだけはフィーチャーされるが、ヴィックとラシャーンは「仲間のダンサー」という程度の存在に留まっていっており、個性や特徴が用意されているわけではない。
しかし、区別できなくても支障は無いが、そもそも「個人としてのキャラクターが立っておらず、名前が分からなくても困らない」という状態になっていること自体がダメなんじゃないのかと。

バトルの後、キキとトーヤという2人の若い女たちが声を掛けて来て仲間になりたいと申し入れ、デヴィッドが翌朝の練習時間を伝える。
その後はデヴィッド&エルジンの環境設定や周辺状況を提示したり、メンバーを紹介したりする手順を踏んで翌日になるのかと思ったら、前述したようにメンバー紹介は無くて、エルジンが貧しいこと、妹がいることが語られる。
一方、デヴィッドの家庭環境については何も語られない。翌朝になっても、まだ何の情報も提示されない。
3年前まではエルジンの近所に住んでいたらしいが、どんな理由で、どんな場所に引っ越したのかは教えてもらえない。
後からデヴィッドの家庭環境に関する情報が色々と出て来るのかと思ったら、最後まで何も分からないままだった。

エルジンの母と妹は、バトルの翌朝のシーンで登場するが、その前に「エメラルドの仕事を受ける」という手順が入る。
ところが、荷物を受け取って「夜遅くになるから、ウチに泊まれよ」とエルジンが口にして、シーンが切り替わると翌朝になっている。
だから彼らが何の仕事をどのように済ませたのかは全く分からない。たぶん誰かに違法な物品を届けたんだろうってことは予想できるけど、そこを省略しちゃうのかよ。
あと、久々に再会したはずのデヴィッドとリアが、すぐに「互いに惹かれ合っている」というのを露骨にアピールしているのは、すげえ安易な展開だなあと感じる。

ウェイドとマックスのテープを見たデヴィッドとエルジンが「今夜のバトルの後、みんなに知らせよう」と嬉しそうに言い、シーンが切り替わると夜のバトルになっている。
おいおい、キキとトーヤはどうなったのか。
で、そんなことは完全に忘れて、またバトルの様子が描写される(キキとトーヤは見物に来ている)。同じ場所で、同じような編集やアングルやカメラワークによってダンスが写し出される。
冒頭シーンと絵変わりが全く無いので、まだ2度目のダンス・シーンなのに、もう退屈を感じてしまう。

そりゃあ、ダンスの内容はそれぞれに違っているし、それぐらいは素人のワシでも分かる。
ダンスを専門的にやっている人、映画を見てダンスの技術を学びたい人からすると、そこに強い興味をそそられるかもしれない。
だけど、「ダンスを見るのは好きだけど、専門的な知識は乏しい」というレベルの人間からすると、この映画に描かれている程度の違いだと、興味よりは退屈が勝ってしまうんだよなあ。
でもダンスが売りの映画なので、バトルをフルで見せて時間を消費するんだよな。

ダンス映画だから、ダンスのシーンに多くの時間を割くことに異論を唱えようとは思わない。
ただ、見せ方にはそれなりの工夫をすべきだと思うのよ。
ダンスのジャンルで大きな変化を付けることは、たぶん難しいだろう(たまにブレイキングは入るけど、例えばロッキングなんかをやるクルーは見当たらない)。
しかし、グループのダンスがあったら次はソロにするとか、BGMの曲調に大きな変化を付けるとか、シーンごとに場所を変えるとか、カメラワークや編集をシーンによって変えてみるとか、色々と方法はあるはずだ。

あと、バトルの途中で他のメンバーが参加したり、他のクルーがフロアに入って来たりして、どういうルールなのか良く分からん。
2度目のバトルに関しては、ラッドが観客に呼び掛けて勝利チームを決めたわけではないのに、いつの間にかデヴィッドたちのクルーが勝ったようなことになっているし。
それにしては賞金を受け取るシーンが無いので、なんかグダグダになっているという印象を受ける。
肝心のダンス・シーンに魅力が無いってのは致命的だ。全体を通して同じテンポで進行し、メリハリに欠けるのも痛い。

2度目のバトルの後、デヴィッドがウェイドの挑戦について語る時には、自分のクルー以外の面々も同席している。どうやら、その前のバトルで戦った2チームのようだ。
で、そこで急にソニーという男がフィーチャーされるが、「お前は誰だよ」という感じだ。
リコがセイントという少年と仲良しであることや、ソニーが性格的に問題のありそうな男であることが示され、一応は後の展開に繋がって来るが、ぶっちゃけ、「どうでもいい」という印象が強い。
ソニーはウェイドたちのクルーに加わるけど、「信じていた仲間の裏切り」という意外性や驚きは皆無だ。最初に登場した時点で、裏切る匂いがプンプンしていたんだから。

エルジンはウェイドたちの挑発に乗って当日の対決を承諾するが、まだ金が足りない。
で、どうするのかと思ったら、祖母に頼んで貸してもらう。何の苦労もせず、「どうしよう」と困っていた次のシーンで簡単に1500ドルを用意してしまう。
だったら、もう金は用意できている設定でいいだろうに。
あと、「キッチリと練習を積む」と言っていたのに、練習風景は一度も無いままバトルなんだよな。ってことは、つまりウェイドの挑戦を仲間に話した翌日には、もう対決になってるってことか。
そうなると、もはや「テープで挑戦され、それを仲間に話す」という手順さえ無駄に思える。ウェイドたちが倉庫に来て対決を要求する、という形でも成立しちゃうぞ。

ウェイドたちは振り付けを盗んで勝利するが、まるで悪びれた様子は無い。
だけど、その勝ち方はどうなのよ。
いや、もちろん悪役としてのポジションをやらせるってことで、卑怯な連中という設定にしてあるのは分かるのよ。
ただ、自信満々で挑戦状を叩き付けておいて、ソニーを寝返らせて振り付けを盗むってのは、話の作り方としてどうなのかと。

だって、それは「普通に戦ったらデヴィッドたちに負ける相手」ってのを露呈しているようなモンでしょ。
そうなると、「次に戦ったら、デヴィッドたちが必死で練習したり壁を乗り越えたりしなくても、新しい振り付けを考えて、それを盗まれなければ勝てるだろう」と思ってしまうわけで。
あと、ウェイドのクルーを「振り付けを盗む卑怯な連中」に設定していることで、それに激怒したデヴィッドを制したラッドが「今夜は打ちのめされたが、この場所でお前たちは他のクルーをさんざん打ちのめしてきただろ。例え負けても死なない限りは強くなれる」と諭しても、その言葉に重みが無くなってしまう。
デヴィッドたちは真っ当にバトルして勝って来たわけで、卑怯な手口を使った勝利と同じにしちゃダメでしょ。

暴行を受けて怪我を負ったエルジンは、病院へ駆け付けたデヴィッドに怒りをぶつけて絶交宣言する。
その際、なぜかリアは、「私が勝手に携帯の電源を切ったのが悪いの」とデヴィッドを庇おうとはしない。ただ単に喧嘩を止めようとして、何の役にも立たないだけだ。
退院したエルジンが荒れている時にも、やはり「デヴィッドが悪いんじゃなくて私が悪い」と事情を説明しようとはしない。そして「なぜ彼を責めるの」とエルジンを非難する。
いやいや、エルジンを非難するより、お前がやるべきことは他にあるだろ。

あと、病院の言い争いがあった後、仲間たちの証言によって、これまでもデヴィッドは女がいると約束をドタキャンすることが多かったという事実が語られるが、そういうキャラ設定だったのかよ。
だったら、先に触れておけよ。っていうか、そんな設定にしている意味は皆無なんだよな。
で、リアからダイナーで相談を受けていたデヴィッドは、エルジンが来て激怒すると、いきなり殴り倒して「お前を助けるために相談してたんだぞ」と声を荒らげる。
だったら殴らずに言えよ。いきなり殴った時点で、もう何を言ってもダメだよ。
もうさあ、デヴィッドにしろエルジンにしろ、ダンサーとしての実力は知らんけど、人間としてはペラペラで全く魅力が無いのな。

で、デヴィッドがエルジンを助けるために何をやったかというと、「エメラルドと話す」という行動。
それはリアに頼まれてやったことだけど、その結果、エメラルドは「普通は1日の猶予だけど、金を用意するのに2週間の猶予を与える」とエルジンに告げる。
ようするに、デヴィッドはほとんど役に立っていないと言ってもいい。
必要な金がどれぐらいなのか全く教えてくれないので良く分からんけど、本気で親友を助けてやろうとしているようには思えんぞ。

それはリアの兄貴に対する考え方も同様で、幾ら喧嘩しているとは言え、そのまま放置すれば兄貴は間違いなく殺されるわけで、それでも「喧嘩してるから知らねえ」という態度は、ただの酷い奴にしか思えん。
そもそも、テメエが勝手に携帯の電源を切ったのが原因なのにさ。
それなのに、こいつは大会直前になっても仲直りしないデヴィッドとエルジンを非難してばかりで、自分が問題を作った張本人であることを完全に忘れている。
まずは、お前が謝れっての。

序盤でウェイドが敵として登場し、そこに対決の構図を作ったはずなのに、バトルが終了すると、すっかり忘れ去られた存在になる。対決の構図も消え去り、何の面白味も感じない内輪揉めが描かれる。
ビッグ・バウンスにはウェイドも参加するが、もはや敵としての立ち位置はボンヤリしており、いてもいなくても構わない程度の存在と化している。
もちろんウェイドとのバトルがクライマックスになっているわけだが、彼らが相手じゃなくて別に構わない。本筋が彼らとの戦いじゃなくて、デヴィッドとエルジンの和解に移っちゃってるので。
あと、序盤から名前だけは出ていたオスカーという仲間がダンスに復帰して最後の対決に参加し、エルジンたちは喜んでいるけど、こっちからすると「最後だけ急に出て来られても、何の思い入れも無いし」って感じだぞ。演じているのはオスカー・オロスコというダンサーだけど、超有名な大物ゲストってわけでもないし。

なお、エルジンが用意しなきゃいけなかったはずの金に関しては、「ラッドがエメラルドと話しを付けてくれた」ということで簡単に解決している。エルジンを襲って荷物を奪った犯人については、最後まで分からないままだ。
それと、終盤には「セイントが撃たれて死んだ」という展開があるのだが、それは後のストーリーに全く影響を及ぼさない。一応、リコがエルジンに「リル・セイントか思っていたような奴になりたい」と告げてエルジンと仲直りするよう諭したり、「あいつが死んで思わなかったか、人生は長くないって?」と説いたりするけど、それでエルジンがデヴィッドと和解するわけでもないし。
セイントが死ななかったとしても、間違いなくデヴィッドとエルジンは仲直りしている。
リル・セイントは完全に無駄死である。

(観賞日:2014年4月18日)

 

*ポンコツ映画愛護協会