『48時間PART2 帰ってきたふたり』:1990、アメリカ

8年前、協力して事件を解決したサンフランシスコ警察の刑事ジャック・ケイツと囚人のレジー・ハモンド。ジャックは現在、アイスマンと呼ばれる正体不明の麻薬ディーラーを探していた。一方、レジーは再び刑務所に戻っていた。
ジャックは捜査の途中、アイスマンがレジーの命を狙っていることを知る。彼は出所したレジーに協力を要請するが、あえなく拒否される。しかし、ジャックとレジーはそれぞれ何者かに襲われる。結局、2人は協力してアイスマンを探すことになった。
ジャックは内務監査室長ブレイク・ウィルソンに目を付けられ、刑事を辞職する寸前まで追い詰められながる。それでもアイスマン逮捕に全力を尽くすジャックだが、捜査は難航。そんな中、レジーはアイスマンの正体は警官ではないかと疑うのだが…。

監督はウォルター・ヒル、原案はフレッド・ブロートン、脚本はジョン・ファサーノ&ジェブ・スチュアート&ラリー・グロス、製作はローレンス・ゴードン&ロバート・D・ワックス、製作総指揮はマーク・リプスキー&ラルフ・S・シングルトン、製作協力はレイモンド・L・マーフィーJr.&ケネス・H・フリスJr.、共同製作はD・コンスタンティン・コンテ、撮影はマシュー・F・レオネッティ、編集はフリーマン・ディヴィース&カーメル・デイヴィース&ドン・アーロン、美術はジョセフ・C・ネメク三世、衣装はダン・ムーア、音楽はジェームズ・ホーナー。
出演はエディ・マーフィー、ニック・ノルティー、ブライオン・ジェームズ、ケヴィン・タイ、エド・オロス、デヴィッド・アンソニー・マーシャル、アンドリュー・ディヴォフ、バーニー・ケイシー、ブレント・ジェニングス、テッド・マークランド、ティシャ・キャンベル、フェリス・オルランディー他。


白人と黒人。無骨なはみ出し刑事と、お調子者の小悪党。
そんなコンビが活躍する『48時間』の続編。
8年もの月日が経ち、エディ・マーフィーは完全にトップクラスの映画スターへと成長。
そんなわけで、今回はニック・ノルティーよりもクレジットが先になった。

ところが、1990年代前半は、エディ・マーフィーが勢いを失っていた時代。
そんなわけで、この映画も低調だ。
エディの軽口も今一つノリが悪く、マシンガン・トークとはとても呼べない。
毒も無ければ、下品な言葉も少ない。

コンビの面白さも、それほど面白いとは言えない。
まず、導入部にもう少し工夫が欲しかった。
8年ぶりの再会だというのに、何か物足りなさが残る。
もっと久しぶりの再会をドラマチックに盛り上げる演出があっても良かったのでは。

アイスマンの部下がいて、その部下が殺し屋を雇って、という三段構造がある。
だが、ここがスムーズなストーリー展開に対し、やや邪魔になっている。
アイスマンの下に殺し屋がいるという構成の方が良かったのではないだろうか。

殺し屋は前作の悪党ガンツの弟チェリーだが、その設定は大して生かせていない。
悪党グループが身内でゴチャゴチャしているのもマイナス。
内輪でゴタゴタしているせいで、ジャック&レジーVSアイスマン一味という対立構造が、何となく曖昧になってしまっている感じを受ける。

アイスマンの正体は終盤で判明するが、それまでにあまり目立つ行動を見せていないので、正体が分かっても今一つピンと来ない。
レジーが刑務所で世話になったカークランドの娘が、終盤で急に展開に絡んでくるのも引っ掛かる。キャラクターの配置と見せ方が上手くないのかもしれない。

 

*ポンコツ映画愛護協会