『ミュータント・タートルズ -TMNT-』:2007、アメリカ&香港
百年前、ヨアトルという王と仲間の戦士たちは、世界中の王国を支配する野望に向かって戦っていた。彼らの通った後には、破壊の痕跡が残るのみだった。進撃を続ける中で、ヨアトルは星々の持つ力を知った。それは三千年に一度、星が一直線に並び、未知の力が支配する世界への入り口が開かれるというものだ。ヨアトルは不死身となったが、その代償に仲間たちは石へと変えられた。その入り口を通って13匹のモンスターが解き放たれ、ヨアトルは死ぬことも無いまま世界を彷徨うことになった。解き放たれモンスターたちは人類に最悪をもたらし続け、それは今日まで続いている。
現在。略奪者の男がジープでジャングルを走っていると、レオナルドが現れて対峙した。彼はジープに略奪された物資を積み、村へ戻した。村を訪れたエイプリルは少年から「ジャングルの幽霊だ」と聞き、ジャングルへ赴いてレオナルドと再会する。古代の遺物収集で近くを訪れていた彼女はジャングルの幽霊の噂を聞き付け、レオナルドだと確信したのだ。「貴方が消えて、あの連中も変わっちゃったよ」とエイプリルに言われたレオナルドは、「ドナテロがみんなを上手くまとめてるんじゃないのかい」と問い掛けた。
ドナテロはコンピュータに関する電話サポートの仕事をしており、ミケランジェロはキグルミ姿で子供たちのパーティーを盛り上げる仕事を始めていた。ラファエロに関しては、エイプリルは「昼間は寝てばかり」という情報しか知らなかった。ラファエロは夜になると鎧に身を包んでバイクを走らせ、「ナイトウォッチャー」として1人で悪党を退治していた。エイプリルが「貴方の修行って1年前に終わったんでしょ。スプリンターが、手紙も来ないって言ってた」と話すと、レオナルドは「先生は俺をリーダーとして成長させたいんだ。中途半端じゃ戻れないよ。それに、ここの人たちは俺を必要としている」と口にする。「仲間は貴方を必要としているのよ」とエイプリルは訴えるがレオナルドは姿を消してしまった。
下水道の隠れ家に戻ったミケランジェロは、ナイトウォッチャーの活躍を報じるTVニュースを見て「思い出すねえ、犯罪組織なんて怖くない。俺らの武器を見せてやるぞって」と興奮する。そこへドナテロが現れ、冷ややかな態度で「そんな昔の話は忘れちゃえよ」と告げる。ラファエロが来て「そうだ、俺たちは過去の亀だ」と言うと、ドナテロは嫌味っぽい態度を示す。2人が口論していると、スプリンターが来て諌めた。ドナテロが「なぜラファエロに修行させないんですか」と訴えると、スプリンターは「お前たちには、それぞれ強さも弱さもある。それに気付かないのなら、我々に希望は無い」と嘆いた。
エイプリルは帰国し、同棲中のケイシーに連絡を入れる。寝坊していたケイシーはエイプリルと合流し、ウィンタース・コーポレーションの本社ビルへ持ち帰った遺物を運んでもらう。ウィンタース・コーポレーションは何でも取り扱う大企業であり、エイプリルはマックス・ウィンタース社長の依頼を受けてアギラ将軍の石像を持ち帰ったのだ。エイプリルが去った後、フット団のカライが手下たちを引き連れてウィンタースの前に現れた。カライが「お前の願いを聞きに来た」と言うと、ウィンタースは「友人が街に来るので、見つけて連れて来てほしい」と依頼した。
その夜、ラファエロがナイトウォッチャーとして強盗を捕まえていると、ケイシーが現れた。ケイシーは相手がラファエロと見抜いており、手を組むよう持ち掛けた。ラファエロはケイシーに、スプリンターがレオナルドを修行に行かせたことへの不満を漏らす。ウィンタースは集めた石像の間へ行き、アギラ将軍の胸部に宝石を埋め込んで「目覚めよ兄弟たち、目覚めよ我が妹」と呼び掛けた。するとアギラの石像は光を放ち、動き始めた。
レオナルドは帰国して隠れ家へ戻り、スプリンターに「自分のことばかり考えて、みんなのことを忘れていました」と告げる。「修業は失敗です」と彼が漏らすと、スプリンターは「それは違うぞ。お前はさらに強くなって戻った」と告げる。スプリンターはレオナルドに、「ラファエロと昔の関係に戻るまで、戦うことは許さんぞ」と言う。ドナテロとミケランジェロはレオナルドが戻って喜ぶが、ラファエロは不快感を隠さなかった。
事件の発生に気付いたドナテロたちが出動したので、レオナルドも後を追った。タートルズが現場へ到着すると、フット団が巨大な獣のようなモンスターと戦っていた。ラファエロは戦いに参加し、カライに「手伝ってやる」と告げる。しかしカライは拒絶し、フット団と共に退却した。タートルズが怪力のモンスターに苦戦していると、アギラが3人の石像と共に出現した。4人は簡単にモンスターを捕まえ、その場から去った。
カライはウィンタースの元へ行き、「我々は町をパトロールし、何かあれば報告するだけの契約だった。モンスターのことを、なぜ黙っていた」と詰め寄った。ウィンタースは「満足してもらえる内容だったはずだ」と何食わぬ顔で言い、アギラたちが回収したモンスターを満足そうに眺める。彼はカライに「君たちより家族の方が信用できるのだよ。残り12匹のモンスターを集めてくれれば、求める物が手に入る」と語り、不敵に笑った。
翌朝、スプリンターはニュース番組で昨晩の事件を知り、タートルズが約束を破ったことを知った。タートルズは厳しく叱責されるが、ラファエロは調査のために外出する。ウィンタースはフット団と4人の戦士を使い、次々にモンスターを回収する。ラファエロはケイシーを呼び出し、出現した空飛ぶモンスターを一緒に追った。2人はフット団と4人の石像が現れ、モンスターを捕まえる様子を観察した。ラファエロとケイシーは石像に気付かれ、慌てて逃げ出した。警官隊が駆け付けると、石像とフット団は立ち去った。
敵の攻撃を受けていたラファエロが倒れたため、ケイシーはアパートへ運ぶ。連絡を受けたレオナルドたちはアパートへ赴き、ラファエロの甲羅に突き刺さっていた石の武器を見つける。エイプリルは石を見て、ヨアトルの伝説を思い出す。彼女はケイシーたちに、三千年前の偉大な戦士が別の次元へ行ける入り口を見つけたこと、そこから流れ出たエネルギーが戦士に永遠の命を与えたこと、代わりに将軍たちが石化したことを語る。ウィンタースこそがヨアトルであり、将軍たちを動かして目的を達成しようと目論んでいたのだ。しかしエイプリルは、「あくまでも言い伝えに過ぎない」とタートルズに告げる。
ドナテロはラファエロが撃ち込まれた麻酔弾を調べ、ウィンタースの名前が書いていることに気付く。ラファエロが行動を起こそうとすると、レオナルドはスプリンターの言い付けに従うべきだと反対する。ラファエロは「だったら俺は抜ける」と告げ、その場を立ち去った。ウィンタースはアギラから2体のモンスターが残っていることを聞かされ、早く集めるよう指示した。アギラが「呪いが解ければ永遠の命も失われます」と言うと、彼は「私の命令に異議は唱えるな」と告げた。
エイプリルたちは古い文書を調べて、24時間以内に星が一直線に並んで異次元への入り口が開くことを知った。アギラはウィンタースが裏切ろうとしていることを仲間の3人に話し、「13番目のモンスターは見つけない」と告げた。ラファエロはモンスター出現の情報を知り、ナイトウォッチャーの姿でダイナーの厨房へ乗り込んだ。そこにいたのが小さいモンスターだったので、ラファエロは簡単に退治できると考える。しかし逃げられてしまった上、レオナルドに見つかって追われる羽目になった。
レオナルドが説教するのに腹を立てたラファエロは、彼に襲い掛かった。ラファエロはレオナルドのパンチを浴び、仮面が外れて正体が露見した。驚くレオナルドに、彼は「お前は世界が自分中心に回ってると思ってる。俺たちはお前抜きでも上手くやってた」と怒鳴った。「俺はリーダーとしての資質を上げるために修業した。それの何が悪い」とレオナルドが憤慨すると、ラファエロは「誰がリーダーだと言ったんだ」と反発する。2人は激しく戦い、ラファエロがレオナルドの武器を破壊して追い詰める。我に返ったラファエロは、その場から逃走した。呆然とするレオナルドの前にアギラとガトー将軍が現れ、彼を殴り倒した。アギラたちはレオナルドを13番目のモンスターに仕立て上げようと目論み、トラックで拉致した…。脚本&監督はケヴィン・マンロー、キャラクター創作はピーター・レアード&ケヴィン・イーストマン、製作はトーマス・K・グレイ&H・ゲイレン・ウォーカー&ポール・ワン、共同製作はフェリックス・イップ、製作総指揮はフランシス・カオ&ピーター・レアード&ゲイリー・リチャードソン&フレデリック・U・フィアースト、編集はジョン・ダミアン・ライアン、プロダクション・デザイナーはサイモン・マートン、視覚効果監修はキス・ン、スーパーバイジング・アニメーターはキム・オーイ、撮影はスティーヴ・ラムリー、音楽はクラウス・バデルト、音楽監修はジュリアンヌ・ジョーダン。
声の出演はクリス・エヴァンス、サラ・ミシェル・ゲラー、マコ、ケヴィン・スミス、パトリック・スチュワート、チャン・ツィイー、ローレンス・フィッシュバーン、ミッチェル・ホイットフィールド、ジェームズ・アーノルド・テイラー、マイキー・ケリー、ノーラン・ノース、ジョン・ディマッジオ、ポーラ・マッティオリ、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、フレッド・タタショア他。
人気アメリカン・コミックを基にしたフルCGの長編アニメーション映画。
脚本&監督のケヴィン・マンローは、これがデビュー作。
ケイシーの声をクリス・エヴァンス、エイプリルをサラ・ミシェル・ゲラー、スプリンターをマコ、ダイナーの料理人をケヴィン・スミス、ウィンタースをパトリック・スチュワート、カライをチャン・ツィイー、ナレーターをローレンス・フィッシュバーン、ドナテロをミッチェル・ホイットフィールド、レオナルドをジェームズ・アーノルド・テイラー、ミケランジェロをマイキー・ケリー、ラファエロをノーラン・ノースが担当している。タートルズの映画なのに、その4人を担当する面々よりも他のキャラの声優陣の方が先に表記されている時点で、かなり引っ掛かるモノがある。
キャストの人気や知名度を考えれば、タートルズ以外の面々の方が格上であることは事実だ。
ただ、「そもそもタートルズ以外の声優陣に著名な人間を起用する」という考え方の時点で、おかしくないか。
普通に考えれば、まずタートルズの声優に人気や知名度の高い俳優を使うんじゃないかと。これがTVシリーズの劇場版ってことなら、そこは理解できるのよ。タートルズの声優陣を、映画だけ豪華キャストに変更することの方がダメな選択だからね。
なので、「タートルズの声優陣はTVシリーズのまま続投してもらい、ゲストのキャラクターに有名人を起用する」ってことになるのも分かる。
でも、そうじゃなくて、これ単体だけで製作されている映画なのよ。
だったら、なんでタートルズの配役が地味になっちゃうのかと。最初に『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』が映像化されたのは1987年で、TVアニメだった。
パイロット版が放送された後、全10シーズンのシリーズ作品となった。
1990年には実写映画が製作され、3作目まで続くシリーズとなった。1997年にはTVドラマ、そして2003年にはTVアニメのシリーズが製作された。
今回の映画でフット団のリーダーを務めるカライは、2003年版で初登場したオリジナルキャラクターだ。最初のTVアニメや実写3部作と大きく異なるのは、「シリアスなテイストが色濃くなっている」という点だ。
原作に寄せていこうという意識があったのか、あるいは「コミカルすぎるのは受けない」という考えだったのか、狙いは分からない。
実写版の能天気すぎるノリは「幾ら子供向けとは言っても、さすがに軽薄過ぎやしないか」と思ったが、それは明るく楽しいのがダメってことじゃなくて質の問題だ。
この映画で、シリアスにしたことがプラスに働いているとは感じない。
そもそもタートルズってパロディーだったはずだし、「亀の姿をした忍者」というバカバカしい設定には明るく楽しいテイストの方が合うでしょ。映画が始まった直後、困惑させられる事態が生じる。
ナレーションが「4匹の亀たち。ニューヨークの下水道に潜む、突然変異によって生まれ変わった者たち。ルネッサンス時代の巨匠の名を貰い、忍者の技を身に付けた者たち。襲い掛かる敵を倒し、宿敵のシュレッダーを倒した。しかし、さらに巨大な悪の出現により、彼らの絆が揺るぎ始める。その悪とは、三千年もの昔に誕生した者だ」と語るからだ。
つまり、タートルズに関する説明を省略しているだけでなく、映画が始まる段階で「既に宿敵のシュレッダーを倒した後」という設定になっているのだ。そのナレーションで最初に感じるのは、「これって続編?」ってことだ。しかし続編ではない。一応は2003年版を意識しているようだけど、TVシリーズの劇場版として作られているわけでもない。
それなのに、いきなり「タートルズはシュレッダーを倒したが、さらなる悪が待ち受けていた」という形で話を始めるのは、どういうつもりなのかと。
百歩譲って、タートルズの説明を省くのは受け入れよう。でも、「シュレッダーを倒した」と語られても困るわ。
そもそも一見さんからすると、「シュレッダーって誰だよ」って話だろ。本編が始まっても、完全に「これまでタートルズはフット団との戦いを繰り広げ、ようやくシュレッダーは倒したけど」ということを前提にして物語が進められていく。
単独で製作されている映画のはずなのに、観客は「今までのタートルズの戦い」を脳内補完した上で鑑賞することを要求されるのだ。
そりゃあ、この映画を見る人の大半は、何かしらの形でタートルズの物語に触れたことがあるだろう。だから脳内補完するのは、そう難しくないかもしれない。
しかし、だからと言って、こういう映画の作り方にはどうなのかと。
「分かる人だけ付いて来ればいい。タートルズを知らない一見さんなんて、どうでもいい」という、内輪受けのコミューン映画なのか。前述のナレーションが「その悪とは、三千年もの昔に誕生した者だ」で終了し、本編に入るのかと思いきや、まだ続く。その百年前に誕生したヨアトルと戦士たちの行動について、ナレーションで説明するのである。
ヨアトルについて、本編を始める前に紹介しておくのは別に構わない。ただし、全てナレーションベースで説明してしまうのは、あまりにも不恰好だ。
そんな大雑把な形で処理するぐらいなら、本編を始めた後、「登場人物がヨアトルに関する情報を得る」という形で説明した方がいい。
っていうか、どうせ後でエイプリルがタートルズにヨアトルの伝説を語るシーンがあるんだから、冒頭のナレーションで詳しく説明する必要なんて無いでしょ。ようやく本編が始まると、レオナルドがジャングルで略奪者を退治する。
ニューヨークじゃないし、他の3人が登場しないので、どういうことなのかと思ったら、「レオナルドだけがジャングルで生活している」という設定だった。そしてドナテロとミゲランジェロはビジネスを展開し、ラファエロはナイトウォッチャーとして戦っている。
これもまた、困惑させられる要素の1つだ。
「シュレッダーを倒した後」という段階で「続編にしか思えない」という状態になっているが、その印象がさらに強まる。「レオナルドは1年前からスプリンターの指示で修行に出ている」という設定なのだが、映画が始まった段階でタートルズがバラバラになっているのが、得策とは思えない。
そりゃあ前述したように、何らかの形でタートルズに触れたことのある人なら、「今までの彼ら」について脳内補完することは出来るだろう。
だけど、「ニューヨークを守るために戦う忍者戦士」としてのタートルズでスタートして、そこから「解散の危機」ってトコに展開させないと、映画としては乗り切れないぞ。
上映時間が87分しか無いので難しい部分はあるだろうけど、だからって既にバラバラになっている状態から始めるのが賢明な方法だとは到底思えない。それに、なぜスプリンターがレオナルドを修業に出したのかが分からない。レオナルドが修業期間を終えても帰国しようとしない理由も分からない。
なぜ他の3人はタートルズとして悪を退治する活動を休止し、ドナテロとミケランジェロが他のビジネスを始めたのか、それも良く分からない。
初期設定の段階で疑問が多すぎて、すんなりと物語に入り込めない。
カライがフット団を率いてウィンタースの元を訪れるのも、大いに引っ掛かる。以前に会っているような感じだけど、それも良く分からないし。どういうきっかけでレオナルドが帰国する気になるのかと思っていたら、何も無いまま彼が帰国する展開に入る。
せっかくエイプリルが会いに行ったんだから、それがきっかけで気持ちが変化する形にしておけば良かったんじゃないのか。
そもそも「自分のことばかり考えて、みんなのことを忘れていました」と彼は言うけど、どういう風に「自分のことばかり考えていた」のかも伝わらないぞ。
何しろ、彼が帰国しなかった理由が全く説明されていないからね。最初のモンスターが暴れた時、それを捕まえるのはフット団じゃなくて4人の戦士だ。そしてモンスターについてカライから詰め寄られたウィンタースは、「フット団より家族の方が信頼できる」と明言している。実際、フット団が最初のモンスターに苦戦している様子だったが、4人の戦士は一撃で捕まえている。
そうなると、「フット団って要らなくねえか」という疑問が湧く。
その後のモンスター回収ではフット団も動いているけど、それは使わないと存在意義がゼロになっちゃうからであって。
実際、この映画でフット団の存在意義って全く感じられないのよね。ウィンタースと戦士たち、そしてモンスターだけで事足りる。この映画のフット団は、ウィンタースという「ラスボス」に都合良く利用されているだけであり、町のチンピラみたいな扱いだ。
そして極端に言っちゃうと、劇場版『ポケットモンスター』シリーズのロケット団と同じぐらいの存在価値しか無い。
だけど、タートルズの映画なんだから、やっぱり「タートルズとフット団の戦い」をメインに据えた方がいいと思うんだよね。
雑魚キャラみたいな扱いにするぐらいなら、逆にフット団は登場させない方がいいし。フット団を戦いの構図の端っこに追いやり、「タートルズvsウィンタース軍団」の話を展開させていくのかと思いきや、そこも色々と邪魔が入って上手く転がらない。
まず「レオナルドとラファエロの反目」という要素が大きく扱われているのだが、これが邪魔。
敵との戦いの中で上手く消化されているならともかく、そっちを描いている間は肝心の「敵との戦い」が忘れ去られるのだ。
そもそもラファエロがレオナルドにやたらと反発しているのも、そこまでの経緯が描かれていないから「なんで?」と思っちゃうし。ウィンタースが最初の内は「ラスボス」のポジションで暗躍していたのに、そこが後半に入ると変化しちゃうのも上手くない。彼は13匹のモンスターを元の世界に戻し、かつて自分が引き起こした問題を解決しようとしていただけなのだ。
それが明らかになると、タートルズの戦う敵はウィンタースじゃなくて「4人の石像」になる。そしてタートルズとフット団が手を組んでウィンタースの味方になり、石像と戦う。
それは全く乗れない展開だわ。
そこに意外性の面白さなんて皆無だし、クライマックスに向けて盛り上げていく時間も足りなくなっちゃうし、何もメリットが見つからないわ。(観賞日:2017年3月6日)