『ミセス・ダウト』:1993、アメリカ

ダニエル・ヒラードはアニメの声優として働いていたが、監督とトラブってクビになった。一方、妻のミランダは装飾デザイナーとして多くの仕事を抱えている。2人の間には長女リリディア、長男クリス、次女ナタリーの3人の子供がいる。
子煩悩なダニエルは自分も子供のようになって遊び、部屋を散らかしたりする。そんな彼の態度に愛想を尽かしたミランダは、ついに離婚を決意した。裁判の結果、90日後の再審議まで生活観察員がダニエルの生活を調査することに決まった。それまでの間は、ダニエルは週に一度だけ子供と面会できることになった。
だが、ダニエルは子供達と週に一度しか会えないことに耐えられない。ミランダが家政婦を雇うことを聞き付けたダニエルは、得意の声マネと女装で初老の婦人ダウトファイヤーに変身し、家政婦として雇われることに成功した。
ダウトファイヤーは奇妙な行動も多いし、料理もヘタクソだ。それでも次第に子供達と親しくなっていくが、正体がバレないようにダニエルは苦労する。そんな中、彼はミランダが学生時代からの友人スチュワートと恋に落ちるのを、何とか邪魔しようとするのだが…。

監督はクリス・コロンバス、原作はアン・ファイン、脚本はランディ・メイエム・シンガー&レスリー・ディクソン、製作はマーシャ・ガーセス・ウィリアムズ&ロビン・ウィリアムズ&マーク・ラドクリフ、製作総指揮はマシュー・ラシュトン、撮影はドナルド・マッカルパイン、編集はラジャ・ゴズネル、美術はアンジェロ・グラハム、衣装はマリット・アレン、音楽はハワード・ショア。
主演はロビン・ウィリアムズ、共演はサリー・フィールド、ピアース・ブロスナン、ハーヴェイ・フィアステイン、ポリー・ホリディ、リサ・ジャクブ、マシュー・ローレンス、マーラ・ウィルソン、ロバート・プロスキー、アン・ヘイニー、スコット・カプッロ、シドニー・ウォーカー、マーティン・マル、テレンス・マクガヴァーン、カレン・カーン、エヴァ・ゴールソン他。


ロビン・ウィリアムズのワンマンショー。
彼のパフォーマンスを楽しむための作品。
芸が達者なのには感心するが、やり過ぎているようにも感じてしまう。もはや物語など後回しで、とにかく芸を見てくれと言わんばかりにアピールするのである。

ただ、彼はインタヴューの席でも同じような態度を見せているのを見たことがあるし、どうやら普段から、やり過ぎる人物のようだ。
ということは、この映画でも全く役作りをしていないってことか。
素のままでガキ親父なのね。
それじゃあ、きっと周りは大変でしょうな。

で、そんなことはさておき。
話としては、「子煩悩なダニエルが子供と会うために苦労する」という設定のはず。
だが、どう見ても本人が楽しんでいるようにしか見えない。
つまり、ロビン・ウィリアムスが楽しんでいることが分かりすぎてしまい、「ダニエルが子供と会うためというのを口実に、女装や声マネを楽しんでいる」話に見えてしまうのだ。

まあね、監督がクリス・コロンバス、主演がロビン・ウィリアムスだから、こんなモンだろうと言われると、そうなのかもしれないけどね。

 

*ポンコツ映画愛護協会