『もういちど逢いたくて 星月童話』:1999、香港

川村瞳は香港の一流ホテルのマネージャーを務める三沢達也と婚約しており、香港での結婚生活に向けて語学教室に通っている。ある日、瞳を迎えに来た達也が車で事故を起こしてしまう。同乗していた瞳は助かったが、達也は死んでしまった。
数か月後、達也と暮らすはずだった香港を、瞳は一人で訪れた。達也が働いていたホテルに向かった彼女は、ロビーで彼に瓜二つの男と出会う。男はガーボウという香港警察の麻薬捜査官で、台湾マフィアの潜入調査をしていたのだった。
そんなことを全く知らない瞳は、ガーボウを必死で追いかける。やがて2人は、お互いに恋人を亡くしていることを知る。瞳はガーボウに、一日だけ達也になってほしいと頼む。達也と訪れるはずだった場所を回りながら、2人は次第に惹かれ合うようになる…。

監督はダニエル・リー、脚本はロー・チー・リョン&青柳祐美子、製作はキャサリン・ハン&一瀬隆重、製作協力はポール・チェン、製作総指揮は李國興&大塚康高&香山哲、撮影は姜國民、美術は馬光榮、アクション監督はドニー・イェン、主題歌は森高千里。
出演はレスリー・チャン、常盤貴子、星野有香、ジャック・カオ、惠天賜、廖啓智、サム・リー他。


公式には香港映画となっているようだが、実質的には香港と日本の合作映画。
日本のトレンディドラマと香港のフィルムノワールを足して2で割り、それを安い焼酎で10倍に薄めれば、あら不思議、星月童話の出来上がり。“童話”というぐらいだから子供騙しでも構わないだろうと思うかもしれないが、ホントの童話はこんなに浅くない。

とにかくショボい。極端に言えば、その一言で終わってしまう。
まず達也が死ぬシーンからしてショボい。
車を運転中に、後部シートに置いてある携帯電話を取ろうとして後ろを向いて、その時に対向車が来てハンドルを切り損ねて事故って死亡。
うそ〜ん。
瞳も助手席に座ってるんだから、電話を取ってやればいいじゃねえか。

ガーボウが麻薬捜査官として立ち向かう事件やアクションは、恋愛劇とは全く融合しておらず、いっそ別の作品にしてしまった方がいいんじゃないか、とさえ思わせる。
それにしても、この映画のアクション監督がドニー・イェンとは、勿体無いねえ。

香港と日本の合作だと前述したが、その香港と日本が映画の中では合体していない。
常盤貴子とレスリー・チャン、どちらも立てようとしたのかもしれないが、思いっきり無理が出ている。どちらか一方を完全な脇役にしておけば、もう少しマシになったかも。
とりあえず、安っぽい恋愛ドラマが好きなら、どうぞ御覧あれ。

 

*ポンコツ映画愛護協会