『マックス・スティール』:2016、アメリカ

高校生のマックス・マクグラスは赤ん坊の頃に父のジムを亡くし、母のモリーと2人で暮らしている。何度も引っ越しを繰り返してきたモリーだが、マックスが8歳の頃まで住んでいた生家へ戻ると「もう引っ越さないわ。ここにずっと住むの」と告げた。何度も同じ台詞を聞かされてきたマックスは本気にしなかったが、モリーは「今度は本当よ。約束する」と言う。荷物を整理していたマックスがテレビに手を近付けると、画面が歪んだ。
翌朝、マックスは自転車で登校する途中、廃墟のようになったNTEK(エンテック)社の建物を目にした。敷地はフェンスで囲まれ、立ち入り禁止となっていた。高校へ向かった彼は道路に飛び出し、車とぶつかって自転車から投げ出された。そこへソフィアという女子生徒が通り掛かり、マックスに声を掛けた。マックスに怪我が無いと知った彼女は、「放課後に会いましょう。自転車を直してあげる」と告げて去った。マックスが校舎に入ると、ジムの偉業を称える科学館の完成を報じる新聞記事が飾られていた。
放課後、ソフィアはマックスと自転車を車に乗せ、自宅へ連れて行く。ソフィアは父の作業部屋に入り、自転車を修理した。マックスが帰宅すると、マイルズ・エドワーズという男がモリーと話していた。マックスはマイルズを全く覚えていなかったが、「いつもクリスマスプレゼントを送っていた」と言われ、父とエンテックの同僚だったことを思い出した。マイルズはマックスに、ジムとの思い出を語った。マイルズはエンテックを再建しており、設立者であるジムの偉大さをマックスに話した。
同じ夜、エンテックの施設では異変が起きていた。施設は廃墟ではなく、研究者のスミスとリーが地下の巨大研究室を管理していた。そこでプールの水が浮かび上がる異変が発生したため、リーは慌てて物体が目覚めたことを上に報告した。すぐに特殊部隊が突入するが、逃げ出した物体を仕留められなかった。何があったのかマックスが尋ねると、モリーは話題を変えようとする。しかしマイルズが「大丈夫だ」と言うので、モリーは「マイルズは事故現場にいて、お父さんを助けようとした」と告げる。直後に停電が発生し、マイルズは「お父さんについて知りたかったら訪ねて来なさい」と名刺を渡して去った。
マックスはネットでエンテックの事故について調べ、ジムを含む5人が死んでいることを知った。その原因は確定されていないが、竜巻という説もあった。さらに調べようとしたマックスだが、画面がブラックアウトして動かなくなる。左手が青く光ったのでマックスは驚き、枕に押し付けた。手を握ると光は飛散して消えるが、開くとエネルギーが放たれた。翌朝、マックスは森へ行き、謎のパワーについて実験してみる。手を開くとエネルギーが発生し、腕を振ると前方に置いた照明器具に火が付いてラジオが爆発した。
その夜、マックスはモリーに、「なぜ町の人たちは僕よりも父さんのことを知ってるの?母さんが話してくれないから、僕は父さんのことを何も知らない」と告げる。するとモリーは複雑な問題なのだと釈明し、詳しく話そうとはしなかった。次の日、マックスはソフィアに誘われてレストランへ行き、携帯に番号を入れてほしいと言われる。しかしマックスが携帯に触れても、全く反応しなかった。トイレに入ったマックスは、謎のエネルギーを制御できないことに焦りを覚えた。
ソフィアと別れて店を出たマックスは森に駆け込み、エネルギーの爆発的な放電と共に意識を失った。マックスが目を覚ますと自宅に寝ており、シーツやシャツが焦げていた。困惑しながら洗面所の鏡で体を確かめた彼は、近くに小さなロボットが浮いているのを見つけて狼狽する。マックスが金属バットを振り回すと、ロボットは落ち着くよう促した。ロボットは「彼は私をスティールと呼んだ」と言い、たぶん宇宙から来たと説明する。マックスがエネルギーを放出すると、すぐにスティールが吸収した。
マックスは詳しく話を聞くため、スティールを連れて森へ向かう。スティールはマックスがタキオン・エネルギーを放出しており、それを自分が食料にしていることを話す。エネルギーを食べなければスティールは餓死し、マックスは爆発するらしい。そこへ武装した連中が現れ、マックスたちに発砲する。森から逃亡する際、マックスの脳内にはエンテックの事故映像が飛び込んだ。「ウルトラリンクスが接近している」という謎の言葉が聞こえ、マックスは困惑した。スティールは同じ映像を見たと言い、マックスは彼の記憶を自分が見せられたと理解した。ウルトラリンクスは全てを破壊する危険な現象だと、スティールはマックスに告げる。
マックスは学校へ行き、スティールを鞄に隠す。しかしスティールが教師や生徒の前でも平気で喋るので、マックスは誤魔化すのに苦労した。スティールはマックスに、協力すればターボエネルギーが発生して身体機能が向上すると語る。マックスが動きの俊敏さや驚異的な跳躍力を見せていると、スティールが合体してボディースーツに変身した。その直後、父が事故に遭う映像が彼の脳をよぎり、スティールは元の姿に戻る。スティールはマックスに、竜巻が発生したのは事実であり、それがウルトラリンクスだと教えた。
マックスは話を聞くため、自転車でマイルズの元へ向かう。途中でソフィアと遭遇するが、敵の車が追って来たので逃げる。マックスはスティールに敵を引き付けるよう頼み、マイルズの元へ行こうとする。またソフィアと遭遇した彼は、敵に気付いたので彼女の車に乗せてもらう。マイルズの元へ到着したマックスはソフィアを紹介し、会社を見学させてもらう。マックスはマイルズと2人になり、父が死んだ時に何があったのか質問する。マイルズは「私が現場に到着すると既に死んでいた」と言い、未知の方法でエネルギーを制御するパワーコアの模型を見せた。それはジムの夢ったとマイルズは言い、そのための無謀な実験が事故の原因となったことを示唆した。
エネルギーの発生を感じ取ったマックスは、オフィスを飛び出した。ウルトラリンクスに襲われたマックスは、慌てて隠れた。ソフィアの車が線路で立ち往生しているのを見つけた彼は、急いで駆け寄った。マックスが触れると車は動き、ソフィアは避難した。マックスは再びウルトラリンクスに襲われ、それが竜巻ではなく実体を持つ巨大な怪物だと知った。そこへスティールが駆け付け、マックスと合体した。マックスはスティールの助言を受けてターボエネルギーを発射し、ウルトラリンクスを追い払った。
ジムの記憶を見たマックスは、スティールの裏切りが事故の原因ではないかと疑う。スティールは「ウルトラリンクスは地球を破壊する。阻止できるのは君だけだ」と訴えるが、マックスは信じられずに「お前が父さんを殺した」と責める。スティールは「そうじゃない。一緒にウルトラリンクスと戦った」と説明するが、マックスは激しく罵って拒絶した。マックスが帰宅すると武装した連中が待ち受けていたため、慌てて逃走する。ソフィアに助けを求めた彼は、電話や車を貸してもらう。マイルズに電話を掛けたマックスは、母が武装した連中に拉致されて昔の研究所に連行されたことを聞かされる。しかしモリーは拉致されておらず、それはマイルズがマックスを誘い出すための罠だった…。

監督はスチュワート・ヘンドラー、脚本はクリストファー・L・ヨスト、製作はビル・オダウド&ジュリア・ピスター、製作総指揮はチャーリー・コーエン&デヴィッド・ヴォス&ダグ・ワドリー&マーク・ハッチ&スティーヴ・ソッファー、共同製作はデヴィッド・グレース&サラ・ランドマン、製作協力はエマーソン・デイヴィス&メーガン・エルストロム&クリストファー・フォーゲル、撮影はブレット・ポウラク、美術はウィリアム・O・ハンター、編集はマイケル・ルイス・ヒル、衣装はアリソン・リーチ、視覚効果監修はクリス・ウェルズ、視覚効果プロデューサーはマイケル・D・レオーネ、音楽はネイサン・レイニア。
出演はベン・ウィンチェル、マリア・ベロ、アナ・ビジャファーニェ、アンディー・ガルシア、マイク・ドイル、フィリップ・デヴォナ、ビリー・スローター、アル・ミッチェル、ローレンス・カオ、ブレット・ジェンティル、ジャーニー・ウォレス、アヴィス=マリー・バーンズ、ブランドン・ララクエンテ、クレイトン・フレイ、メーガン・ヘイズ、エリザベス・ルドロウ、ウィル・ミルヴィド、アダム・プール、デヴィン・マギー他。
声の出演はジョシュ・ブレナー。


マテル社の人気アクション・フィギュア・シリーズを基にした作品。
監督は『スプラッター・ナイト 新・血塗られた女子寮』のスチュワート・ヘンドラー。
脚本は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』のクリストファー・L・ヨスト。
マックスをベン・ウィンチェル、モリーをマリア・ベロ、ソフィアをアナ・ビジャファーニェ、マイルズをアンディー・ガルシアが演じている。スティールの声を、ジョシュ・ブレナーが担当している。

世界的な玩具メーカーであるマテルは、バービー人形が最も有名な商品だ。そんなバービー人形を基にしたビデオ作品を、マテルは何本か製作している。
しかしライバル社であるハズブロのアクション・フィギュアを基にした2007年公開の『トランスフォーマー』が大ヒットしたことを受けて、「こっちも負けていられない。ウチにはマックス・スティールがあるぞ」という思いが強くなったのだろう。
そこでマテルは『トランスフォーマー』を配給したパラマウントと手を組み、マックス・スティールの映画を製作することにした。
2009年には映画化の企画がスタートし、テイラー・ロートナーの主演が予定されていた。

だが、そこから企画は一向に先へ進まず、テイラー・ロートナーが主演する話も消えた。それどころか、パラマウントが製作から降りてしまった。
それでもマテルは映画化を諦めず、何とか製作に漕ぎ付けた。
ただし最初に想定していた企画からは、大きく異なる状態へ変化した。
製作する会社は、ニッケルオデオンのティーンズ向けTVドラマを主に手掛けているドルフィン・エンタテインメントになった。配給するのは、まだ設立から数年しか経たないオープン・ロード・フィルムズになった。

それでも2014年4月下旬にクランクインし、劇中シーンの写真もメディアに公開された。
ところが、なかなか公開の日程が発表されないまま、年月だけが経過してしまった。
2016年に入り、ようやく10月の全米公開が決定した。
その理由についてはスチュワート・ヘンドラー監督が「手続きに時間が掛かってしまった」などとコメントしているが、どうも嘘臭い。
お蔵入りになっていたという可能性が、かなり高いんじゃないかと思われる。

この映画を『トランスフォーマー』と比較すると、雲泥の差がある。
あっちは誰でも知っている巨匠のスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、腐ってもマイケル・ベイが担当し、ILMがVFXを手掛けた。
こちらは監督が『スプラッター・ナイト 新・血塗られた女子寮』のスチュワート・ヘンドラーだし、プロデューサーのメンツにも有名人は見当たらない。
予算の規模も桁違いだ。宣伝費も多く異なっているし、本作品は宣伝の期間も6週間しか無かった。
もう完全に捨てているとしか思えない。

ドルフィン・エンタテインメントの製作になった影響もあってのことなのか、この作品はローティーン向けに作られている。
92分という、長編映画としては短めの上映時間も(本編だけなら86分)、子供の集中力を意識しての判断なのかもしれない。
ローティーン向けであることを考慮すれば、仮面ライダーや戦隊ヒーロー物と同じ程度のクオリティーがあれば充分に合格点と言えるかもしれない。
しかし、残念ながら、そのレベルにも全く達していない。
予算としては、日本の特撮TVドラマの劇場版より遥かに上だが、中身は下だ。

貧しい製作環境であっても、まだシナリオが面白ければ、あるいは演出にキレがあれば、そこに救いがある。
しかし、こちらも製作規模に見合った安っぽさを露呈しまくっている。
例えば、序盤から「マックスが体の異変を感じる」という描写がある。それは自分の手を眺めることによって表現されているのだが、そこが弱い。
もちろん、手を眺めるのは理由があって、「テレビの画面が歪む」「スマホの画面が消える」という現象があったから「何か変だぞ」と思うわけだ。ただ、そこが弱い。

序盤から「地下プールで何かが起き始めている」ってことを示すカットが何度か挿入されて、それを経てスミスが犠牲になる出来事が発生する。
だが、それがNTEK社の地下施設であることが分かりにくい。
マックスが施設の前を通り掛かった直後に最初のシーンが挿入されており、「これで分かるでしょ」ってことなんだろうとは思うのよ。でも実際のところは分かりにくい。
っていうか、そもそも何度も挿入している意味が無い。スミスが犠牲になるシーンだけでも、効果としては全く変わらない。

あと、異変が起きて物体が目覚めるシーンは、画面が暗くて何が何やらサッパリ分からない。
きっと物体をハッキリ見せたくないから、薄暗い映像にしているんだろう。その狙いは分かるのだが、誤魔化す手口が上手くないから、余計なマイナスまで生じている。
物体の正体だけを隠すのが目的のはずなのに、それ以外についても「何が起きているのかサッパリ分からん」という状態になっちゃうのよね。
まあ実のところ、物体が目覚める前から、そこで何が起きているかは無駄に分かりにくいんだけどさ。

どうやらマックスは、モリーから詳細を知らされていなかったものの、「父がエンテックで起きた事故によって死んだ」という程度の情報は以前から分かっていたようだ。
だとしたら、マイルズが訪れた夜に「マイルズ・エドワーズ エンテック 爆発」でネット検索するのは違和感がある。
マイルズの名前はともかく、エンテックの事故については今までも調べようとすれば可能だったはず。
その検索でマックスが知るのは事故に関する情報だが、それはマイルズの名前が無くても検索結果に出るはずだし。

92分という尺でも長いと感じるぐらい、中身はスカスカだ。しかし用意されている要素だけを考えれば、そんなスカスカになるはずがない。
問題は、持ち込んだ要素を充分に活用したり、膨らませりする作業を怠っているということにある。
例えば、登場人物だ。ソフィアはヒロインのはずなのに、まるで存在意義が無い。
そもそも登場シーンの扱いからして不自然さを見せ付けているが、それでも物語に深く関与させてくれればOKだ。しかし彼女は、いてもいなくても全く物語に影響を与えない。

ソフィアに出番を用意しなきゃマズいという思いは製作サイドもあったらしく、マックスがマイルズの元へ行く時に同行させている。
だが、別に彼女がいなくても、筋書きとしては全く変わらない。マイルズの元へ行く途中の会話シーンも、無駄に時間を引き延ばしているだけにしか見えない。
あと、「たまたま行く途中でソフィアと遭遇する」という御都合主義は余裕で受け入れられるとしても、「敵に狙われているとマックスが彼女の車に乗せてもらう」ってのは引っ掛かる。
マックスはモリーを巻き込みたくないってことで、森で敵に襲われた時は帰宅していない。なのにソフィアの車に乗せてもらうってことは、彼女は巻き込んでも構わないってことなのか。

肝心のスティールの扱いも雑。
尺が短くてドラマを厚くする余裕が無かったのか、「マックスがスティールと出会って絆を深める」という展開は、ものすごく淡白に片付けられている。
「最初は警戒したり迷惑に思ったりする」とか、「スティール話を信じない」という手順は皆無に等しく、出会ってから間もなく「マックスがスティールに父への思いを吐露する」というシーンが用意されている。
マックスは最初からスティールの話を信じるだけでなく、警戒したり嫌悪したりすることも無く簡単に心を許すのだ。
あと、時間が足りないからなのか、「マックスがエネルギーを制御して格闘能力を会得するため特訓する」という手順もサラッと短く片付けている。

「マックスとスティールは仲良し」というままで進めるのかと思いきや、後半に入ると「マックスがスティールを拒絶する」という展開が訪れる。
父の記憶を見て「スティールの裏切りで父が死んだ」とマックスが誤解したことからの流れであり、一応は理由が用意されている。
だが、その直前までは、不和の匂いさえ全く無かったわけで。
突如としてマックスがスティールに激怒して拒絶する展開が到来するので、計算が下手だなあと感じずにはいられない。

前述した「マックスがソフィアの車に乗せてもらう」というシーンの直前、マックスはスティールに敵を引き付けるよう頼んで別れている。
スティールは敵の車をパンクさせるが、別の車がマックスの視界に入り、彼はソフィアの車に乗せてもらう。
そうなると、スティールの行動は何の意味も無かったことになってしまう。
ここからしばらくスティールを退場させておくのは、「マックスがウルトラリンクスに襲われたところへ駆け付ける」という展開を使いたいからだ。そこからの逆算に失敗しているってことだ。

マックスがウルトラリンクスに襲われるシーンは、これまた施設からスティールが抜け出す時と同じく、無駄に分かりにくい映像となっている。
ここは内容にも引っ掛かる部分が多くて、マックスが避難した後、クラクションでソフィアに気付いて外へ出ると、なぜかウルトラリンクスはすぐに襲って来ない。
マックスが車を動かすと、ソフィアはさっさと走り去ってしまう。
そこにマックスが残っているのに、なんて薄情な女なのかと。

モリーはソフィアからの電話で、マックスがマイルズに連絡するため車で出掛けたことを知る。すると彼女は家を包囲していた部隊と話し(その時点で室内に招き入れている)、マイルズが息子の命を狙っていると知る。彼女は「今でも私はエンテックの筆頭株主よ。私の命令に従いなさい。私の息子を見つけ出して」と命じる。
そんな力があるのなら、なぜ今まで何もしなかったのかと言いたくなるわ。
もっと早く、もっと適切に行動していれば、マックスの危機は防げたよね。
そりゃあマックスは自分に起きていることを全て隠しているけど、モリーはマイルズが来た時点で怪しいと感じるべきでしょ。

終盤、ジムがエイリアンだったことが明らかになる。彼が地球を守るためスティールと協力してウルトラリンクスと戦ったのは、モリーやマックスがいたってのが大きいんだろう。
だが、そもそもエイリアンである彼がモリーと出会って結婚するまで経緯や、いつモリーが彼の素性を知ったのかは全く分からない。
マイルズがジムの正体を知った経緯も、やはり説明されない。
そんなトコに時間を割いている余裕など無いことは分かるが、それがドラマを盛り上げる上で余計な障害になっていることも否めない事実である。

マイルズが悪人なのは登場した時からバレバレだが、それは別に大きな問題ではない。気になるのは、なぜ彼がウルトラリンクスと手を組み、マイルズやマックスのパワーを全て奪おうと目論んだかってことだ。
そのパワーを吸収して、マイルズは何がしたかったのかと。別に「世界征服」のようなベタベタな理由でもいいんだけどさ、何かハッキリさせておいて欲しいわ。
あと、そもそもウルトラリンクスの目標も良く分からんのよね。地球を破壊しようとしているのは分かるけど、破壊することで彼は何を得られるのかと。
もっと根本的な問題として、ウルトラリンクスの正体もボンヤリしちゃってるのよね。

マックスとスティールが合体して敵と戦うシーンは少ないし、たぶん「マックス・スティールの誕生篇」ということだったんだろう。エンディングを見ても、シリーズ化を狙っていたことは明らかだ。
しかし酷評を浴びて興行的にも失敗したので、続編の製作は困難だと思われる。
だからって絶対に無いとは言い切れないのが、映画界の現実だ。
例えば人気のTRPGを基にした『ダンジョン&ドラゴン』は大コケしたが、なぜか続編が作られた。
出資者さえいれば、ちゃんと映画は作れるのだ。
偉大なるウーヴェ・ボル先生が今もコンスタントに映画を作り続けていることが、それを立派に証明している。

(観賞日:2018年3月15日)

 

*ポンコツ映画愛護協会