『バッドフェロー』:1996、アメリカ
ダーネルはクラブ“チョコレート・シティ”の敏腕プロモーター。彼は女を口説き落とすことに関しては絶対の自信を持っており、相棒ティーと共にナンパしまくる日々を送っている。プレイボーイとしては、決して「愛してる」と言わないのが鉄則だ。
エイドリアンにニッキー、グウェンとダーネルの遊び相手は大勢いるが、それで女遊びがストップすることはない。ある日、お高く止まったハイソな美女ブランディと出会ったダーネルは、彼女への猛烈なアタックを開始した。
ところが、いつもと違ってブランディはなかなか落ちてくれない。とうとうダーネルは、禁句である「愛してる」を使ってしまう。見事に彼女と“いい仲”になることに成功したダーネルだが、もちろん遊び。しかし、ブランディは騙されたことを知って激怒する…。監督&原案&製作総指揮&音楽監修はマーティン・ローレンス、脚本はマーティン・ローレンス&ベントレー・カイル・エヴァンス&ケニー・バフォード&キム・バス、製作はジョージ・ジャクソン&ダグ・マクヘンリー、共同製作はデヴィッド・レイナー&スザンヌ・ブロデリック&ウィリアム・カラーロ、撮影はフランシス・ケニー、編集はジョン・カーター、美術はサイモン・ドビン、衣装はエデュアルド・カストロ、音楽はロジャー・トラウトマン。
主演はマーティン・ローレンス、共演はリン・ウィットフィールド、レジーナ・キング、ボビー・ブラウン、デラ・リース、マリンダ・ウィリアムズ、ダリル・M・ミッチェル、ロジャー・Eモズリー、シンビ・カーリ、タンジー・アンブローズ、ウェンディ・ロビンソン、ステイシー・ジェイ・ジョンソン、ミゲル・A・ヌネスJr.、フェイゾン・ラヴ、マイケル・ベル、ダルタニアン・エドモンズ他。
主演のマーティン・ローレンスが監督、原案、脚本、製作総指揮、音楽監修に携わった作品。マーティン・ローレンスは、これが初監督作品となる。
ブランディをリン・ウィットフィールド、ティーを歌手のボビー・ブラウンが演じている。一応はブラックなコメディーとして作られているらしいのだが、全く笑えるようなシーンは存在しない。
黒人ばかりが出演しているという意味ではブラックなのだろうが、そういう意味のブラックではないでしょ。
それに、どっちにしてもコメディーではないし。とにかく、遊び人のダーネルが気合い充分で無理めの女を口説いてイイ仲になるという展開が、ごくごく普通に描かれていくばかり。
どこで笑わせようとしているのかさえ分からない。
軽妙な会話で笑えということか。
それでアメリカ人なら笑えるのだろうか。前述のように、終盤に至るまでの展開は単なる普通のラブロマンス。
で、終盤は怒ったブランディがストーカー化するのだが、その内容は普通のサスペンス。
それも、ものすごくマジにサスペンスしてるのよね。
だから、どこで笑えというのかね。映画の中でダーネルが「まるで『危険な情事』みたいだ」と言うセリフがあるのだが、まさにその通りだと思ってしまった。
ハッキリ言って、『危険な情事』の安っぽい二番煎じにしか思えなかった。
ただ軽いだけで、可笑しさが生まれてこないのよね。
っていうか、『危険な情事』みたいなら、コメディーじゃないよな。