『光の六つのしるし』:2007、アメリカ
14歳の誕生日を控えたウィル・スタントンは、家族でアメリカからイギリスに引っ越して来た。学校から帰る時、彼は転校性のマギー・バーネスが気になった。マギーがスクールバスを降りる時にマフラーを落としたので、ウィルは拾って声を掛けようとする。しかしマギーは全く気付かず、そのまま去った。ウィルが兄のジェームズ&ロビン&ポール、妹のグウェンとバスを降りて歩いていると、近所に暮らすミス・グレイソーンの車が走って来た。運転する執事のメリマン・ライオンは「皆をクリスマス・イヴのパーティーに招待する」と言い、招待状を渡した。
ウィルたちが家に戻ると、次男で大学生のマックスが3年ぶりに帰郷していた。ウィルはマックスに部屋を明け渡すことになり、一時的に屋根裏へ移ることになった。夕食の時には海軍にいる長男のスティーヴンを除き、一家が久々に集まった。マックスが父のジョンに対して「新天地の仕事は大変でしょ。でも良かった。こっちに来て自信を取り戻したんだ」と嫌味っぽく言うと、母のメアリーが諫めた。ウィルは飼い犬の唸り声を聞き、怯えた様子を見せた。屋根裏部屋に入った彼は、窓から外を見て不安そうな表情を浮かべた。
12月22日、近所で農場を営む老人のドーソンとジョージがクリスマスツリーをスタントン家へ運び、ウィルに挨拶した。ウィルはグウェンから誕生日プレゼントに腕時計を貰い、スティーヴンからは家族へのクリスマスプレゼントが届いた。ウィルのプレゼントは渦巻模様の入ったベルトで、スティーヴンはテレビ電話で「市場で見つけて似合うと思った」と告げた。夜、雪が降ったのでウィルは喜ぶが、降る量が多くなったので窓を閉めた。その時に窓枠が壊れてしまい、ウィルは台から落ちた。
翌朝、バスを待っていたウィルは、近くの木に大量のカラスが飛来するのを目撃した。彼はショッピングモールに出掛け、グウィンに贈るネックレスを買った。店員から受け取った箱の包装紙には渦巻模様が描いてあり、グルグルと動いた。ウィルは2人の警備員から万引きしただろうと言われ、否定しても信じてもらえなかった。ウィルは地下室に連行され、警備員は盗んだ物を見せるよう要求した。ところが彼らは、途中から「しるしを寄越せ」と言い出した。
警備員の体の一部が怪物に変貌したため、ウィルは部屋から逃亡を図った。捕まえようとする警備員をウィルが突き飛ばすと、激しく吹き飛んだ。ウィルがドアを開けて廊下に出ると、もう1人の警備員が走って来た。警備員はカラスの群れを出現させて追って来るが、ウィルは何とか逃げ出した。大勢の客がいるモールまで彼が戻ると、警備員は追って来なかった。帰宅したウィルはジョンに「何か変なんだ」と相談しようとするが、仕事の多忙を理由に軽くあしらわれた。
ウィルは家族と共に、クリスマス・イヴのパーティーに参加した。グレイソーからはメリマンが「ウィルに話そう」と言われ、「焦りは禁物よ」と告げる。ウィルはマギーが来たので喜ぶが、ジェームズが「お前には無理だ。見てろよ」と先に声を掛けた。落胆したウィルは、屋敷を出て行った。メリマンが「追い掛けようか」と言うと、グレイソーンは「今はやめた方がいい」と止めた。メリマンは「彼は普通の子じゃない。戦士だ」と主張し、グレイソーンが「でも、まだ子供よ」と告げると「戦いが迫ってる」と述べた。
ウィルは馬に乗ったライダーという男を目撃し、怖くなって逃げ出した。彼は森でライダーに追い込まれ、「お前はシーカーだ。しるしを寄越せ」と凄まれた。そこへメリマンがグレイソーン、ドーソン、ジョージと共に現れ、ライダーに「その子に近付くな。今の力ではお前に勝ち目は無い」と告げた。ライダーは「だが、あと5日で最強の力を手に入れ、お前たちを滅ぼしてやる」と言い放ち、その場を去った。メリマンは「行こう」とウィルに声を掛け、時を超えると語った。
メリマンたちはウィルを連れて、グレートホールと呼ばれる建物へ赴いた。ウィルが何者かと質問すると、メリマンとグレイソーンが説明した。4人は「古き者」と呼ばれる時を超えた存在で、ウィルは最後の古き者であり、しるしを探すシーカーだ。古き者は光に仕えており、ライダーは闇の使者だ。闇は力を増しており、ウィルには光の力を再結集することが求められていた。千年前の戦争で光が勝って世界は救われたが、闇は滅びなかった。光は力を温存するため、6つのしるしに分けられて隠された。そのしるしを探すのが、シーカーであるウィルの役目だった。
メリマンとグレイソーンは、ウィルが14歳の誕生日に初めてしるしを感知したはずだと指摘した。メリマンは「闇も君を知った。5日後、闇は最強になる。しるしが揃わないと戦えない」と説明し、グレイソーンは「しるしの探し方はシーカーだけが読める本に載ってる。貴方は特別なの。男7人兄弟の7番目」と話す。ウィルは「僕は6番目だ。人違いだ」と言い、メリマンたちの話を受け入れなかった。しかし帰宅した彼は気になり、ネットで光と闇について調べた。
ウィルはネットで集めた資料を物理教師の父に見せ、「まるで光と闇の陣取り合戦だ。最後に勝つのは闇なの?」と質問した。ジョンが「物理には勝者も敗者も存在しない」と答えると、納得できない彼は「だけど読む限り、闇はただの悪じゃない。まるで生き物だ。だとすると、闇は人を傷付ける?」と口にする。ジョンは少し焦ったような表情を浮かべ、「これは仮説だ。時間を無駄にするな。もっと子供らしいことに興味を持った方がいい」と真正面からの返答を避けた。
屋根裏部屋の窓を閉めようとしたウィルは、台から落ちて左足の靭帯を痛めた。母は医者を呼ぶが、その正体がライダーだったのでウィルは顔をこわばらせた。ライダーはウィルと2人になると、しるしを寄越せと要求する。彼は左足の痛みを一瞬だけ治癒し、逆に悪化させて脅しを掛けた。メアリーが戻って来るとライダーは怪我を治し、ウィルに最後通牒を突き付けて去った。屋根裏部屋の荷物を片付けていたウィルは、「ウィル&トム」と書かれた箱と双子の赤ん坊を撮影した写真を発見した。
ウィルはメアリーに写真を見せ、説明を求めた。するとメアリーは、ウィルには数分前に産まれたトムという双子の兄がいたことを告白した。しかし生後2週間で誘拐され、警察が捜索したが見つからなかったのだと彼女は説明した。ウィルはグレートホールへ行き、しるしの探し方が掲載されている本に目を通した。本には「しるしは石、青銅、鉄、木、水から作られたが、6つ目は人間の魂から出来ている」と記されており、そのことをウィルはメリマンたちに教えた。
ウィルは包装紙を4人に見せ、「この模様はフラクタルだ。しるしの隠し場所を見つけ出す目印だ」と説明した。彼がハンマーを借りてネックレスを破壊すると、中から石のしるしが出現した。メリマンはウィルに、しるしの力で光や火を自在に操ることが出来ると教えた。ウィルが家族で教会へ行くと、ライダーが医師の姿で老婆と共にやって来た。彼はメアリーに声を掛け、老婆を自分の母として紹介した。ウィルがステンドグラスにフラクタルを発見すると、時を超えて教会の人々が姿を消した。
メリマンたちがウィルの元に現れ、ライダーが来る前にしるしを見つけ出すよう告げた。教会に老婆が現れ、大量の蛇を放った。地下に転落したウィルは、トーマス・スタントンの文字が刻印された棺を発見し。彼は棺の中にあった青銅のしるしを手に入れ、メリマンたちと共に元の時代へ戻った。グレイソーンはメアリーとジョンに、教会にはトーマス・スタントンという男の墓があることを教えた。メリマンはウィルに、トーマスか祖先で古き者であること、職人としてしるしを作ったことを教えた。さらに彼は、グレイソーンが大学の後援者であり、ジョンの仕事を斡旋したことを明かした。
ライダーはフードを被った手下に会い、早くしるしを見つければ望みの褒美を与えると約束した。スタントン家の面々が夕食を終えると、ジェームズがマギーを連れて戻って来た。マギーはウィルに不思議な力でフラクタルを見せ、「貴方を守りに来た」と語った。ライダーはマックスの前に現れ、「協力してくれ」と告げた。ウィルが緊張しながらマギーに思いを伝えようとしていると、ジェームズがやって来た。マギーがジェームズと出掛けると、ウィルは悔しさを抱えてメリマンの元へ赴いた。
ウィルが「地味な自分が特別な力を貰って、人生も上向くはずだと思った。でも違った」と漏らすと、メリマンは「君はシーカーだ。人類の未来が君に懸かっている」と説いた。ウィルが「でも僕に世界が救える?女の子とさえ話せないんだよ」と口にすると、彼は「女に気を取られず、やるべきことをやれ」と説教した。メリマンの元を去ったウィルは能力を使い、風車や車を燃やした。その様子を双眼鏡で見たメリマンは「力を消耗する」と渋い表情になるが、グレイソーンは「自分を表現してるのよ」とウィルを擁護した。
ウィルがグウェンが来たので、慌てて誤魔化した。その直後、上空に巨大なフラクタルが出現し、2人は中世の戦場に移動した。ウィルは川の小舟にある盾を発見し、そこに木のしるしがあると気付いた。兵士に襲われた彼は腕時計と盾を交換し、しるしを手に入れて元の時代に戻った。ライダーはフードの手下に会い、早く仕事を果たせと迫った。翌朝、町が猛吹雪に見舞われる中、ウィルはマックスと食料品店へ赴いた。店が閉まっていたのでウィルが帰ろうとすると、マックスが「皆に俺のことを悪く言い、孤立させようとしてるだろ」と凄んだ。「お前は病気だ。治してやる」と言われたウィルは、鐘の内側にフラクタルを発見した。1960年に移動したウィルは、「しるしを感知して来たのか、シーカー」と不敵に笑うマックスに襲撃される…。監督はデヴィッド・L・カニンガム、原作はスーザン・クーパー、脚本はジョン・ホッジ、製作はマーク・プラット、製作総指揮はロン・シュミット&アダム・シーゲル&ジャレッド・リボフ、撮影はジョエル・ランソム、美術はデヴィッド・リー、編集はエリック・シアーズ&ジェフリー・ローランド、衣装はヴィニラ・バーナム、音楽はクリストフ・ベック、音楽監修はパトリック・フーリハン。
出演はアレクサンダー・ルドウィグ、イアン・マクシェーン、クリストファー・エクルストン、フランセス・コンロイ、ウェンディー・クルーソン、グレゴリー・スミス、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ジェームズ・コスモ、ジム・ピドック、ドリュー・タイラー・ベル、アメリア・ワーナー、エドムンド・エンティン、ゲイリー・エンティン、エマ・ロックハート、ジョーダン・J・デイル、サマンサ・ローソン、ジェフ・ベル、ゲイリー・J・タニクリフ、マリア・ミロイウ、シルヴェスター・モランド、マーク・ドノヴァン、スティーヴン・エヴァンス他。
スーザン・クーパーの小説『闇の戦い』シリーズ第1作『光の六つのしるし』を基にした作品。
ソフト化の際は『ザ・シーカー 光の六つのしるし』というタイトルが付けられた。
監督は『エンド・オブ・オール・ウォーズ』のデヴィッド・L・カニンガム。
脚本は『普通じゃない』『ザ・ビーチ』のジョン・ホッジ。
ウィルをアレクサンダー・ルドウィグ、メリマンをイアン・マクシェーン、ライダーをクリストファー・エクルストン、グレイソーンをフランセス・コンロイ、メアリーをウェンディー・クルーソン、マックスををグレゴリー・スミス、ジョンをジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ドーソンをジェームズ・コスモ、ジョージをジム・ピドック、ジェームズをドリュー・タイラー・ベル、マギーをアメリア・ワーナーが演じている。最初に授業が終わって帰路に就くウィルがいて、そこに男子3名がやって来る。
だが、この段階では何の説明も無いので、兄ではなく友人のようにも見えてしまう。バスを降りた後で全員が兄弟ってのは分かるが、キャラ紹介としては上手くない。
あと、一家はアメリカから来て長く経っていないわけだから、それって転校生でしょ。そこへ「ウィルが転校生のマギーに惹かれる」という展開が冒頭で描かれると、ものすごく慌ただしいと感じる。
さらにマックスが久々に帰省する展開で、ますます慌ただしさが強くなる。ウィルたちが家に向かって歩いていると、その様子を見ているドーソンとジョージが映し出される。その後にはグレイソーンの車が来て、メリマンがパーティーの招待状を渡す。
だが、スタントン一家とグレイソーンがどういう関係性だから招待されたのかは全く分からない。
まだ主人公に何も起きていない平穏な日常の中で、初期状態を説明するための時間が皆無に等しいんだよね。
もちろん、「いきなり速いテンポで仕掛ける」という方法が功を奏するケースもあるけど、この映画の導入部は失敗だと感じる。夜になるとウィルは犬に怯えるが、その理由が良く分からない。
窓から外を見て不安そうな様子を見せる理由も同様。
雪の夜に窓枠から外れた木を見つめるシーンがあったり、木に飛来するカラスの群れに怯えるシーンがあったり、「ウィルが周囲で起きている現象に不安を覚える」という描写を幾つも入れながら進めたいのは良く分かる。
ただ、カラスの群れはともかくとして、他のシーンに関してはウィルの反応が「あらかじめ定められた芝居」に見えちゃうんだよね。ドーソンとジョージはツリーを運び込む時、ウィルに「君がウィルか。会えて嬉しいよ」と告げて握手を求める。つまり、そこが初対面なのだ。
近所に住んでいるのに、ちょっと違和感を覚える。
そこに限らず、何となく「スタントン家でウィルだけが最近になってイキリスに引っ越して来た」って感じになっているんだよね。
いや実際にそういうことなら、それは別に構わないのよ。
ただし、それならそれで、そのことをキッチリと説明しておく必要はあるでしょ。ウィルは警備員に追われて逃げた後も、不安そうな様子を見せている。パーティーに向かう途中も、街にある模様や招待状のマークを気にしている。ところが屋敷に到着すると、笑顔で楽しんでいる様子が描かれる。
それは話としてブレるよ。その辺りはずっと、ウィルが不安でビクビクしている様子で貫かないと。
あと、マックスがマギーに声を掛けるシーンでは、まるで2人が以前から知り合いみたいな様子なんだよね。でも、いつの間に知り合ったのかサッパリ分からない。
ウィルがパーティー会場に入ると、メリマンとグレイソーンが彼について語り合う様子が描かれる。だが、こんなのは別に無くてもいい。どうせ、その直後にはライダーからウィルを助けて自分たちの正体や目的を説明するんだし。
その前に薄く匂わせるようなことをやっても、効果なんて何も無いよ。ウィルは光と闇についてネットで調べ、ジョンに「最後に勝つのは闇なの?」「闇はただの悪じゃない。まるで生き物だ。だとすると、闇は人を傷付ける?」などと質問する。
だけど、「光と闇は戦っている」「闇は悪」ってことを「物理の世界では常識」みたいなスタンスで喋られても、「ちょっと何言ってんのか分かんない」と呆れてしまう。それなのにジョンが真剣に受け止めているので、「それはキテレツなことに対する反応じゃないだろ」と言いたくなる。
物理の話じゃなくて、ファンタジーの話になってんのよ。
そりゃあ本人が光と闇に関する論文を過去に書いているので、息子の話を信じるのは当たり前ではあるのよ。
ただ、今度は「なぜジョンはそんな突拍子も無い考えを抱いたのか」「そんな論文を発表して周囲から白い目で見られなかったのか」ってのが気になり、余計なノイズと化している。メリマンたちが「ウィルは14歳の誕生日に初めてしるしを感知したはず」と言っているので、グルグル模様の包装紙か箱がしるしなのかと思った。でも実際には、このグルグル模様はしるしを見つけ出すための目印で、ネックレスの中に石のしるしが隠されている。
でもウィルはネックレスに特別な何かを感じた様子もなく、ただ「何となく手に取って購入した」という感じだ。
そんな簡単な方法で、しるしを入手できちゃうのかよ。
っていうか、それを「しるしを感知した」と表現していいのかよ。それと、ウィルは「14歳の誕生日に初めてしるしを感知したはず」と言われた時点で、「ってことは、この箱がしるしなのかもしれない」と少しでも思わなかったのか。何しろフラクタルがグルグルと動いており、明らかに普通じゃないんだから。
それをメリマンたちに見せて質問しないのは、違和感しか無いぞ。
一方のメリマンたちも、「14歳の誕生日にしるしを感知した」と分かっているのに、なぜ「ウィルは既に1つ目のしるしを手に入れているはず」と推察し、心当たりを尋ねようとしないのか。
あと、その時点ではメリマンたちって、具体的にしるしがどんな物か全く分かってないんだよね。
そういうことも説明不足だから、全く伝わらないのよ。ウィルはシーカーの本をメリマンたちの前で読んだ後、包装紙を見せて「これはフラクタルと呼ばれる物理の複雑な図形で、隠し場所を見つけ出す目印だ」と説明する。
だけど、なぜ「フラクタルがしるしの隠し場所を見つける目印」ってのが分かったのかは全く分からない。
それと、その模様がフラクタルってことは、もっと早い段階で観客に説明しておいた方が絶対に親切だろ。
フラクタルって、そんなに誰でも知ってるお馴染みの図形でもないぞ。ウィルが「自分はシーカー」と自覚して動き出すのは、映画開始から40分が経過した辺り。上映時間は99分なので、そこから5つのしるしを全て揃えるってのは、とてもじゃないが間に合いそうもない。
なのでシリーズ化を期待して、今回は2つ目を発見する程度で終わりにするかと思いきや、駆け足で全部集めてしまう。
世界中に散らばっているのかと思ったら、すげえ近場で揃っちゃう。「光と闇の戦い」とか「千年前の戦争」とか説明しておきながら、とても小さな規模で終わっている。
スケール詐欺みたいな話なのだ。しるしを手に入れたら特別な力を得られるという設定だが、まだ1つ目の段階だとウィルは時を超えるだけだ。
しかも、自分の意志で自由に超えているわけじゃなくて、気付いたら超えているだけだ。
どうすれば力を使えるのかその方法を彼は知らないし、教わってもいない。
しかし教会の地下で追い込まれるた時、メリマンが「力を使え」と言っただけなのに、炎を出現させることが出来ている。訓練も何も全く必要が無いらしい。
なかなかの都合の良さだね。まだウィルはガキンチョだから仕方が無いのかもしれないけど、メリマンの言う通りで、女に気を取られている場合じゃないんだよね。
このままだと世界は滅びるわけで、そんな危機的状況なのに「好きな女の子と上手く話せないから」という理由で自分の仕事を蔑ろにしようとするのはイラッとする。
そもそも、女の子と上手く話せるか否かってのは、世界を救う能力と何の関係も無いし。女の子と上手く話せても、それで世界を救えるわけじゃないし。
なので、ウィルには「くだらないこと言うなよ」という気持ちになる。ウィルがマギーと上手く話せなかったことに苛立って風車や車を燃やしても、グレイソーンは「自分を表現してるのよ」と擁護する。
でも、そんな優しい言葉で済ませちゃダメだろ。町や所有者に迷惑を掛ける犯罪行為だぞ。
しかも、ウィルが後から反省したり、弁償したりするわけでもないし。
そこは「メリマンの厳しい態度をグレイソーンが注意する」という形になっており、「悩んでいるウィルに優しく接しなかったメリマンが一方的に悪い」みたいな形で描いているけど、それは違うんじゃないかと。ウィルはグウェンと共に中世の戦場へタイムスリップするので、大ピンチのはずだ。しかしウィルは兵士の盾と腕時計を交換し、しるしを簡単に手に入れて元の世界へ戻って来る。
わずか3分程度で、あっさりとウィルはしるしを手に入れるのだ。
しかも、グウェンが不思議な体験で恐ろしい目に遭ったことを、周囲に話す様子も無い。
彼女が後からウィルに「あれは何だったのか」と尋ねることも無いし、ウィルが「誰にも言うな」と口止めすることも無い。マックスが闇に支配されてウィルを襲うのも、これまた大ピンチのはずだ。しかしマックスはウィルの言葉によって、あっさりと元に戻る。そしてウィルは、またも簡単にしるしを手に入れる。
何か問題が起きても簡単に片付けてしまい、しるしを手に入れるためのミッションをグラマラスに描こうという気は皆無だ。
どれか1つを手に入れるための展開に多くの時間を割くために、他を犠牲にしているわけでもないんだよね。
6つのしるし、どれを手に入れる時も、全て手短に済ませている。ライダーはウィルがしるしを集めていると知っても、メリマンが凄んで以降は手下に指示を出すだけで自身は見ているだけ。
そのままだと物語として刺激が足りないだろうってことなのか、町を猛吹雪にして困らせている。だけど、そんなことでウィルがしるしを渡すとでも本気で思ったのか。
そんなジワジワと追い込む作戦じゃダメってことで、終盤に入ると氷や水で攻めているけど、「最初からそんな感じで攻撃を仕掛けろよ」と言いたくなる。なんで復活までの残り時間が少なくなってから、焦って行動しているのかと。
ライダーの行動原理や行動パターンが、デタラメでアホすぎるのよ。ウィルはしるしを手に入れる度に新たな特殊能力を会得しているはずだが、それを使って町や町民をピンチから救うことは出来ていない。
おまけに、5つのしるしが揃った大事な時に、メリマンの制止を聞かず館のドアを開けてライダーを呼び込んでしまう。
助けを求める家族の声に騙されたという事情はあるのだが、メリマンは「本物じゃないから絶対に開けるな」と強い口調で止めているのだ。なのにウィルがドアを開けちゃうので、「まるで成長していない」と言いたくなる。
その後でウィルが6つ目のしるしを入手して形成を逆転させるけど、そもそもメリマンの指示に従っていればピンチは訪れなかったわけだから、それってマッチポンプでしかないんだよね。6つ目のしるしを手に入れたウィルは、途端に自信たっぷりの態度でライダーの前に現れる。なんか偉そうで嫌な感じだ。
そしてウィルが6つ目のしるしを手に入れた途端、あっという間にライダーは退治される。なんて淡白なのかと。
そしてライダーが倒されるとトムが解放され、ウィルが彼を連れて帰宅する。急にトムが戻って来たのに、家族は笑顔で受け入れる。
それって反応として変じゃないか。その前に驚きとか無いのか。
グウェンに至ってはトムと初対面なのに、「ウィルが瓜二つの男を連れて帰って来た」ということに対する驚きや困惑が皆無なのは変だろ。(観賞日:2025年11月8日)