『プリティ・ベビー』:1978、アメリカ

1917年、アメリカ南部ニューオーリンズのストーリーヴィル。12歳のヴァイオレットは生まれた頃からマダム・ネルの経営する娼婦館で暮らしている。母親のハッティーも娼婦で、生まれたばかりの息子ウィルの世話はヴァイオレットがやっている。
ある日、ベロックという写真家が娼婦館を訪れた。目的は娼婦の写真を撮影すること。彼はハッティーをモデルにして写真を撮影する。ベロックは何度も娼婦館を訪れるが、決して娼婦を金で買って抱こうとはしない。そんなベロックに、ヴァイオレットは強い興味を示す。
いよいよヴァイオレットも客を取ることになった。多くの客を集めて競りが開かれ、ヴァイオレットは400ドルの高値を付けた客に処女を捧げる。娼婦として働き始めたヴァイオレットに、ハッティーはフラーという男と結婚することを告げる。
ハッティーはウィルを連れて、フラーの故郷に去っていった。一人ぼっちで残されたヴァイオレットを心配するベロック。黒人少年にイタズラしようとして鞭打ちの罰を受けたヴァイオレットは、ベロックの自宅を訪れる。「ずっとここにいたい」という彼女の願いを受け入れるベロックだったが…。

監督&製作はルイ・マル、原案はポリー・プラット&ルイ・マル、脚本&製作協力はポリー・プラット、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、編集監修はスザンヌ・バロン、編集はスザンヌ・フェン、美術はトレヴァー・ウィリアムス、音楽はジェリー・ウェクスラー。
出演はキース・キャラダイン、スーザン・サランドン、ブルック・シールズ、アントニオ・ファーガス、フランシス・フェイ、ゲリット・グラハム、メイ・マーサー、ダイアナ・スカーウィッド、バーバラ・スティール、マシュー・アントン、セレット・スコット、シェリル・マーコウィッ、スーザン・マンスキー、ローラ・ジマーマン、ミズ・メアリー、ドン・フッド、パット・パーキンス他。


ルイ・マル監督のアメリカ進出第1作。
公開当時13歳だったプルック・シールズのヌードが話題となった。
一部ではブルック・シールズのデヴュー作とも言われているが、彼女は『アリス・スイート・アリス』という日本未公開作の小さな役が映画デヴューである。

プルック・シールズが演じるのは、ヴァイオレットという12歳の娼婦。
信じられないような話だが、実際にそういうこともあったらしい。
ヴァイオレットの母親ハッティーを演じるのはスーザン・サランドン。
こちらも娼婦の役なので、もちろん脱いでいる。

ベロックを演じるのはキース・キャラダイン。
彼が少女の妖しい魅力に溺れ、振り回され、そしてバカを見る。
自分を愛する男より、少女は自分を捨てた母親を選ぶのだ。
どんなに身勝手な母親でも、親子の絆は強いということか。
しかし、12歳の少女と結婚するってのはOKなんだろうか。

当時は問題作として物議を醸したりもした作品だ。
だが、正直なところ、プルッキーのロリータ・ヌード以外には何の価値も無い。
黒人差別問題や娼婦排除運動といった、社会的なテーマも織り込んではいるが、それらは全て中途半端に描かれるだけである。
ようするに、ロリコンのための映画である。


1978年スティンカーズ最悪映画賞<エクスパンション・プロジェクト後>

ノミネート:【最悪の主演女優】部門[ブルック・シールズ]
ノミネート:【最も苛立たしいインチキな言葉づかい(女性)】部門[ブルック・シールズ]

 

*ポンコツ映画愛護協会