『PARKER/パーカー』:2013、アメリカ
凄腕の強盗であるパーカーは、メランダー、カールソン、ロス、ハードウィックという4人と手を組み、オハイオ・ステート・フェアーの売上金を狙った。パーカーが神父、メランダーとロスが道化に変装して会場に入り、事務所へ乗り込んだ。3人は拳銃で警備員のベンや職員たちを脅し、伏せるよう命じた。カールソンは車で待機し、ハードウィックは予定の時間になってから干し草に火を放った。
金庫を開けている間、パーカーは今回の連中と会った時のことを回想する。それは、師匠のハーリーが開いたバーベキュー・パーティーの場へ赴いた時のことだ。ハーリーの娘のクレアは、パーカーの恋人だ。ハーリーはパーカーに、ステート・フェアーの情報を仕入れたこと、100万ドルの儲け口であること、今回は5人で遂行する仕事であることを語る。そのホーム・パーティーに、メランダーたちも来ていた。ハーリーはメランダーと20年前に組んだこと、その4人が全てフリーの強盗であることをパーカーに説明した。
火が燃え移って大火事になり、ステイト・フェアーに来ていた客はパニックに陥った。客が逃げ惑う中、カールソンが車を事務所に付け、メランダーたちが金を運び込む。予定では人の少ない展示館の裏手に火を放つはずだったが、ハードウィックは大勢が集まるステージを延焼させていた。それに気付いたパーカーは「死人が出ると警察が熱くなる」と激怒し、「アドリブだよ」と軽く言うハードウィックにパンチを浴びせた。
車で移動している最中、メランダーはパーカーに次の仕事を持ち掛けた。「200万ドルの仕事だ。ケースが宝石だらけになる。内部に仲間がいるから間違いない」とメランダーは言うが、パーカーは手を組むことを拒否した。するとメランダーたちは銃を持ち出し、パーカーを始末しようとする。パーカーは抵抗するが、メランダーに銃弾を撃ち込まれる。窓から脱出した彼は、道路に転がって倒れ込んだ。
メランダーはハードウィックに拳銃を渡し、パーカーを仕留めて来るよう命じた。ハードウィックは怯えながらもパーカーに近付き、発砲してから池に蹴り落とした。メランダーたちが去った後、トマト農家のトラックが通り掛かった。パーカーに気付いた家族は彼を池から引き上げ、病院へ運び込んだ。パーカーが目を覚ますと、テレビのニュースではステート・フェアーの火事で死者が出たことが報じられていた。警官が来るのを目にしたパーカーは、同室のクイン老人に協力させ、医者に化けて病院を抜け出した。
救急車を盗んで逃走したパーカーは、積んである治療器具を使って自らの体を手当てした。パインズ・モーテルに忍び込んだパーカーは、ハンティングに来ていた客の留守中に部屋から拳銃や服などを盗んだ。車を盗んでモーテルを後にした彼は、小切手を現金化する店へ赴く。そこで現金輸送係のジャックとオリヴァーが来るのを目にしたパーカーは、彼らを脅して金を奪った。パーカーはハーリーの知り合いである印刷工場経営者のノルティーを訪ね、金を渡して偽造身分証や書類の作成を依頼した。
パーカーはハーリーに電話を掛けてメランダーに裏切られたことを説明し、彼の居場所を尋ねる。ハーリーは「奴はフリーじゃなかった。巨大なコネを持ってる。シカゴのダンジンガーだ。だから仕掛けるな。ハードウィックは彼の甥だ」と忠告するが、パーカーの考えは変わらなかった。ハーリーは「ハードウィックの兄のボビーが、バーボン通りでバーとロック・クラブを営んでいる」と教えた。バーへ赴いたパーカーは用心棒を蹴散らしてボビーを脅し、ハードウィックがフロリダのパーム・ビーチにいることを聞き出した。
バーから逃走したパーカーはクレアに電話を掛け、留守電に「トラブルが近い。旅行業者と話せ」と指示した。それからハーリーに連絡を入れ、「休暇を取れ」と告げた。メランダーたちがパーム・ビーチで爆破装置を準備していると、ハードウィックの元にボビーから電話が掛かって来た。事情を知ったハードウィックは、パーカーが生きていたことをメランダーたちに知らせる。メランダーはハードウィックに、「ダンジンガーに電話して、プロを使ってもらえ」と命じた。
ハーリーはクレアの家へ行き、「家中のドアに鍵を掛けろ。ママを連れて10分後に戻ってくる」と告げた。家を張り込んでいた殺し屋のクロールは、ハーリーが車で去るのを確認してから侵入する。侵入者に気付いたクレアは窓から脱出し、クロールの車のタイヤをパンクさせた。クレアは車で逃走し、パーカーに電話を掛けて襲撃を受けたことを話した。パーカーは「別荘に行けば安全だ。万が一の場合は現金を持って逃げろ」と指示した。
パーカーは身分証と書類を受け取るため、ノルティーの事務所へ向かう。すると事務所ではノルティーの用心棒であるエルネストが拳銃を構え、パーカーの居場所を聞き出そうとして乗り込んで来た3人組を脅していた。パーカーが事務所に入ると、ノルティーは「この面倒をどうしてくれる?」と苛立った。パーカーは「こいつが裏切ったんだ」と告げてエルネストの膝を撃ち、ノルティーを脅して身分証と書類を受け取った。ノルティーが用意したのは、ダニエル・パーミットというエクアドル系アメリカ人の身分証だった。パーカーはノルティーに、「こいつらを撃て。出来なければ俺が撃ってお前も殺す」と告げた。ノルティーが3人組を銃殺すると、彼は「俺は来なかったと言え」と告げて立ち去った。
パーカーはハーリーと会い、「ダンジンガーが2割で買い取るのか」と尋ねる。「たぶんそうだ。5人で200万ドルずつ、5千万ドルの仕事だ」とハーリーは答える。彼は「ボビーの話は嘘だ。パーム・ビーチは警官が多すぎる。プロなら狙わない」と言うが、パーカーはメランダーがパーム・ビーチで仕事をすると確信していた。ハーリーは「ダンジンガーから電話があった。丸く収めたいらしい。オハイオの取り分の1割だ」と告げ、バッグに入った金を見せる。だが、パーカーはハーリーが用意した金だと見抜き、受け取りを拒否した。手を引くよう要求するハーリーに、パーカーは「金は奴らから奪う。それが道義だ」と述べた。
パーカーはハーリーに、「パーム・ビーチに隠れ家は無いか」と問い掛ける。彼はメランダーが家を購入し、そこを犯行のためのアジトにすると推測していた。一方、パーム・ビーチでは、不動産会社のパーム・パートナーズに勤務するレスリーが金に困っていた。破産した夫と離婚して11ヶ月になる彼女は、リース料金が未払いのため、仕事に必要な車まで奪われそうになっていた。そこで彼女は、成績の良い同僚のアンバーから顧客を奪うことにした。彼女はアンバーの目を盗み、メモにあった顧客と連絡を取った。その顧客の名前はダニエル・パーミット、つまりパーカーが使った偽名だった。
レスリーはダニエルと会い、翌日に物件の案内を頼まれた。高級な腕時計を持っており、体付きのいいダニエルに対して、レスリーは異性としての興味を抱いた。パーカーはレスリーと別れた後、クレアのいる別荘へ赴いた。不安を訴えるクレアに、「奴らが君を殺すことは無い。君は囮だ」とパーカーは言う。次の日、パーカーはレスリーに案内してもらい、複数の物件を見て回る。2ヶ月前にロドリゴという男が購入した一軒家を見たパーカーは、それがメランダーの隠れ家ではないかと見当を付けた。
夜、レスリーはダニエルについてパソコンで調べ、該当するクレジットカードが無いなど、複数の不審な点を発見した。パーカーは一軒家を張り込み、メランダーたちがいることを確認した。一味がピザを買いに出掛けている間に、パーカーは家に侵入して拳銃に細工を施した。パーカーが一軒家を去ろうとすると、レスリーが車で待ち受けていた。不審な点を指摘されたパーカーは、彼女を無人の不動産会社に連れて行く。するとレスリーは、「殺すならどうぞ。でも殺さないなら助ける」と持ち掛けた。
レスリーはパーカーに、「目的はお金でしょ。どういう手口であれ、現地の人間が必要よ。要求は1つだけ。ほんの少しの分け前。ここから出たいの」と告げる。パーカーはレスリーが盗聴器を体に取り付けていないことを確認した上で、「検討する」と告げて立ち去った。次の日、レスリーは保安官補のジェイクと話している最中に、パーカーからの電話を受けた。パーカーから会うことを求められ、彼女は喜んだ。気になったジェイクはレスリーを尾行し、パーカーと会うのを目にした。
パーカーはレスリーに、「あの家を買った男に、ある物を奪われた。仲間は3人。目的は強盗。あの家は隠れ家だ」と告げる。レスリーは「彼らに盗ませ、それを奪い、私はそれを助けて歩合を貰うってことね」と微笑む。だが、パーカーの表情を見たレスリーは不安になり、「彼らを殺すの?」と訊く。パーカーはクールに「俺は何も言っていない。ルールを破った人間に罰を与えるだけだ」と述べた。
メランダーたちの狙いが5千万ドル以上の宝石だと聞かされたレスリーは、「クレンドル家の宝石?無理よ。捕まるか、殺されるわ」と怖気付き、協力を撤回しようとする。パーカーは彼女に、「もう遅い。君も共犯だ」と言う。レスリーは彼に、ミリアム・クレンドルが社交界の元女王だったこと、彼女の所有する7500万ドルの宝石が明晩の競売に掛けられることを説明した。会場を見に出掛けたパーカーは、メランダーたちがイベント会社の社員に化けて入り込んでいるのを知った。ホテルに戻ったパーカーは、クロールに襲われた。パーカーはクーロルをバルコニーから転落死させるが、自らも重傷を負った…。監督はテイラー・ハックフォード、原作はリチャード・スターク、脚本はジョン・J・マクロクリン、製作はマシュー・ローランド&シドニー・キンメル&テイラー・ハックフォード&スティーヴン・チャスマン&レス・アレクサンダー&ジョナサン・ミッチェル、製作総指揮はニック・マイヤー&マーク・シャバーグ&クリント・キスカー&ブルース・トール&ピーター・ シュレッセル&ブラッド・ラフ&ストラットン・レオポルド、共同製作はリサ・デニス、製作協力はブライアン・ネットー、撮影はJ・マイケル・ミューロー、編集はマーク・ワーナー、美術はミッシー・スチュワート、衣装はメリッサ・ブルーニング、音楽はデヴィッド・バックリー、音楽監修はアンディー・ロス&カート・ソベル。
出演はジェイソン・ステイサム、ジェニファー・ロペス、マイケル・チクリス、ニック・ノルティー、ウェンデル・ピアース、クリフトン・コリンズJr.、ボビー・カナヴェイル、パティー・ルポーン、カルロス・カラスコ、ミカ・ハウプトマン、エマ・ブース、ダニエル・バーンハード、ビリー・スローター、ジョン・アイズ、カール・ウォーカー、サラ・ベイカー、リオ・ハックフォード、カーク・バルツ、アール・マドックス、ジェームズ・キャラウェイ、シャロン・ランドリー、チャーリー・ハーモン他。
ドナルド・E・ウェストレイクがリチャード・スターク名義で書いた小説「悪党パーカー」シリーズの第19作『地獄の分け前』を基にした作品。
脚本は『ブラック・スワン』『ヒッチコック』のジョン・J・マクロクリン、監督は『プルーフ・オブ・ライフ』『Ray/レイ』のテイラー・ハックフォード。
パーカーをジェイソン・ステイサム、レスリーをジェニファー・ロペス、メランダーをマイケル・チクリス、ハーリーをニック・ノルティー、カールソンをウェンデル・ピアース、ロスをクリフトン・コリンズJr.、ジェイクをボビー・カナヴェイル、レスリーの母のアスンシオンをパティー・ルポーン、ノルティーをカルロス・カラスコ、ハードウィックをミカ・ハウプトマン、クレアをエマ・ブースが演じている。「パーカーがメランダーたちに復讐する」ってのが、この映画の大枠だ。
ただ、その復讐相手であるメランダーたちが、あまり悪党としてピリッとしない。
凶悪性が強烈というわけでもなく、狡猾さが際立っているというわけでもなく、組織として「巨大な敵」というわけでもない。
ダンジンガーという黒幕がいて、そいつも動いて来るんだけど、せいぜい殺し屋を一人差し向ける程度に留まっているから、「一味のバックが強力だから、敵に回すとヤバい」という雰囲気も弱い。そもそも細かいことを言っちゃうと、メランダーがパーカーを始末しようとする時の行動からして、あまり利口じゃないんだよな。
走っている車の中で銃殺しようとしているけど、相手がド素人ならともかく凄腕の強盗ってことを考えると、抵抗される恐れもある。そして抵抗されて、もしもパーカーが運転しているカールソンに襲い掛かったり、流れ弾がカールソンに当たったりしたら、自分たちだって危険だ。
それと、殺すにしても、せめて不意打ちを食らわせるべきで、「これから殺しますよ」という雰囲気を明確に匂わせておいて、それから拳銃を構えたら、そりゃあ抵抗されるのも当然でしょ。
なんで銃撃を察知させちゃうのよ。で、一命を取り留めたパーカーがメランダーたちの居場所を探ろうとするので、「殺されそうになった報復として一味を殺しに行く」ということなのかと思ったら、偽造身分証を作る。殺すのが目的なら、そんな物は要らないはずだ。
で、しばらく見ていると、目的は一味の奪った宝石を横取りすることだった。
いやいや、それは割に合わないでしょ。殺されそうになったのなら、その報復は命を奪うことじゃないかと。
宝石を奪っても、溜飲は下がらないよ。
ひょっとすると、最初から「宝石を奪った上で殺す」という意識なのかもしれないけど、「殺す」という目的がハッキリと見えて来ないので、ちょっと引っ掛かってしまうんだよな。パーカーは「道義のために私やクレアを犠牲にするのか」とハーリーに責められても、全く迷いを見せずに「仕事では信頼が大切だ。相手の裏切りを許せば秩序が乱れる」と言い切る。
まるで、目的を果たすためならクレアが死んでも構わないといった口ぶりだ。パーカーがクレアを守ることより復讐を果たすことを優先して行動するのは、主人公としていかがなものかと思ってしまう。
そりゃあ、パーカーは正義の味方じゃなくて強盗なので、ロール・モデル的な行動を取らなきゃいけないってわけではないのよ。
ただ、「仁義を守るプロの犯罪者」というキャラクター造形にしてあるわけで、そういう奴がテメエの恋人の命を危険にさらしても平気ってのは、どうにも納得しかねるなあ。
「別荘は安全」って言ってるけど、ホントに安全かどうかも分からんし。そもそもパーカーはハーリーと話し、「メランダーのバックにダンジンガーが付いているので危険だ」と聞かされている。
だからボブの元へ乗り込んでメランダーたちの居場所を聞き出したら、すぐに危険が迫って来ることも分かり切っているはずだ。だからこそ、逃亡した直後にクレアとハーリーに電話を掛け、避難するよう指示しているはずだ。
だったら、ボブの元へ乗り込む前に、クレアたちを逃がしておくべきじゃないかと。
頭のキレる強盗にしては、そこは考えが甘いんだよな。パーカーがハーリーに「休暇を取れ」と電話を掛けた後、シーンが切り替わると、レスリーが母と話してから外出する様子が描かれる。クロールの襲撃を逃れたクレアからの電話をパーカーが受けた後、シーンが切り替わると、レスリーがダイナーでジェイクと話す様子が描かれる。
そこではレスリーがバツイチだとか、金に困っているとか、そういう情報は示されるものの、ほぼ出てくるだけという感じなので、そんな風に彼女のターンを挟む必要性が無い。
どうせ後でバツイチとか金に困っているという情報が示される箇所もあるので、先に言っておかなくても支障は無いし。
パーカーがハーリーに「パーム・ビーチに隠れ家は無いか」と問い掛けた後、レスリーが不動産会社へ行くシーンがあるが、そこで彼女が初登場する形でも全く支障は無い。っていうか、もっと根本的な問題として、レスリーが邪魔に思えてしまうんだよなあ。ヒロインとしては、既にクレアが登場しているわけだし。
しかも、パーカーが愛情を失っているとか、クレアがアバズレでヒロインらしくないというわけでもない。
ただの飾りという扱いではなく、クロールに襲われそうになって逃げだすなど、意味のある行動も取っている。
そういうヒロインがいる中で、ジェニファー・ロペスが登場して来ると、「んっ?」と思ってしまう。そこまでは徹底してハードボイルドなテイストでやっていたのに、レスリーが登場することで明るさや軽妙さが映画に生じるのだが、これがマイナスにしか思えないんだよな。
そういうのって、この映画に必要な要素だとは思えないのだ。
しかも、クールで凄腕なプロの強盗であるパーカーが、レスリーに不審を抱かれ、取り引きを持ち掛けられるということで、彼女のペースに乗せられるってのも情けなく思えてしまうし。
レスリーがパーカーに惚れて、彼とキスしちゃうってのも要らんよ。そこに恋愛要素なんか要らないわ。ただ、主人公の男がいて。そこに女が絡んで来るとなれば、やっぱり恋愛劇を組み込んだ方が、自然っちゃあ自然な流れではあるのよね。
それを考えると、逆にクレアが邪魔なんじゃないかという気もするぞ。
クレアの存在を排除してしまえば、「パーカーが恋人を犠牲にしてでも目的を果たそうとする」という部分の酷さも無くなるし、レスリーの恋愛要素もパーカーに決まった女がいなけりゃ問題は無いし、一石二鳥じゃないかと。
ただし、仮にクレアを排除したとしても、レスリーのキャラクター造形に問題は残っているので、彼女に対する「異物混入」の印象は消えないけどね。終盤、レスリーは仕事を終えて隠れ家に戻って来たメランダーたちを窓から覗き見るが、気付かれて捕まってしまう。
それは重傷を負ったパーカーが一人で計画を遂行しようとしているので、助けようとして取った行動ではあるのだが、結果的には逆に迷惑を掛けている。彼女が捕まらなければ、パーカーはもっと簡単に一味を始末して宝石を入手できていたのだ。
そこでピンチを作りたいのは、物語の進め方としては理解できる。
でも、そのせいで、ますますレスリーの「邪魔な女」という印象が強まってしまう。パーカーはレスリーの車でオークション会場を視察し、メランダーたちが入り込んでいるのを目撃する。
でも、メランダーたちの計画を妨害して宝石を横取りするわけではないんだよね。宝石の強奪に成功して隠れ家へ戻って来てから、襲撃するつもりなのだ。
だったら、会場を視察する必要性が無いんじゃないかと。
もっと言っちゃうと、映画としても、メランダーたちの宝石強奪シーンを見せる意味が薄くなってしまうんだよな。
これは構成として上手くない。で、パーカーは隠れ家に忍び込み、戻って来たメランダーたちを始末して宝石を強奪しようとするんだが、前述したようにレスリーが捕まったので、ちょっと予定が狂う。それでもパーカーが一人ずつ仕留めようとする中、レスリーは机の下に隠されている拳銃に気付く。
それはパーカーが以前に忍び込んだ時、隠しておいた物だ。
で、それを使ってレスリーがカールソンを射殺するのだが、それって都合が良すぎるだろ。
もしもレスリーが捕まって、机の下にあることに気付かなかったら、それはに無用の長物となっていたわけだ。
もちろん「もしもの時のために隠しておいた」という説明は付くけど、そもそも簡単に隠れ家へ侵入できているんだから、相手の拳銃に細工するとか、自分が使うための拳銃を隠しておくとか、そういうことより、もっと簡単に一味を始末できる方法がありそうなもんだぞ。(観賞日:2014年6月21日)