『ホーム・アローン2』:1992、アメリカ

クリスマス休暇をマイアミで過ごすことにしたマカリスターのファミリー。今回は父ピーターや母ケイトに家に置き去りにされなかったケヴィンだが、空港で迷子になってしまった。父親だと思い込んで他の男性に付いていったケヴィンは、間違ってニューヨーク行きの飛行機に乗ってしまった。
ニューヨークへ到着したケヴィンはバッグから抜き取っておいた父親のクレジットカードを使い、高級ホテルに宿泊。リッチな食事を楽しみ、リムジンを乗り回し、世界最大のトイ・ストアでショッピング。素晴らしいクリスマス休暇だ。
ところが、ケヴィンは父親のカードを勝手に使っていたことがバレてしまい、ホテルから逃げ出すハメになってしまう。その上、彼はハリーとマーブの2人組に捕まってしまった。2人は去年、ケヴィンの家を襲って刑務所に入れられたのだが、脱走していたのだ。どうやらハリーとマーブは、トイ・ストアを襲うつもりらしい…。

監督はクリス・コロンバス、脚本&製作はジョン・ヒューズ、製作総指揮はマーク・ラドクリフ&ダンカン・ヘンダーソン&リチャード・ヴェイン、撮影はジュリオ・マカット、編集はラジャ・ゴスネル、美術はサンディ・ベネツィアーノ、衣装はジェイ・ハーレイ、音楽はジョン・ウィリアムズ。
主演はマコーレー・カルキン、共演はジョー・ペシ、ダニエル・スターン、ジョン・ハード、キャサリン・オハラ、ティム・カーリー、ブレンダ・フリッカー、エディ・ブラッケン、デヴィン・ラトレー、キーラン・カルキン、ゲリー・バンマン、ロブ・シュナイダー、ダナ・アイヴィ、ヒラリー・ウルフ他。


いかにも子供向けの作り方をしたコメディ。ハッキリ言えば、面白くない作品。ハリーとマーブがケヴィンにこだわったり、ケヴィンが失踪したのに家族がずっとフロリダにいたり、ケヴィンが他人の店を守るために戦ったり、不自然な展開が山盛り。

主役は10才のケヴィンだが、このガキがちっとも可愛くない。勝手に父親のカードを使って豪遊するガキの姿を延々と見せられて、どうやって楽しめというのだろうか。しかもカード詐欺の犯罪者なのに、ホテルマン達を騙して逃亡する。完全に悪党ですぜ。

生意気なガキに真面目に働いているホテルマン達が翻弄されるのだが、これが全く愉快じゃない。とにかくケヴィンのガキにムカつくばかり。クソガキの豪遊と犯罪を延々と見せ付ける前半の展開に、「やっぱり続編ってダメだよな」と感じさせられる。

後半に入ると、ケヴィンがトイ・ストアを守る話。
前作は泥棒から自分の家を守る話だったが、今回は赤の他人の店を守ろうとする。ここに無理が生じてしまう。つまり、行動に必然性が無いわけだ。
そのため、鳩オバサンを登場させて「クリスマスに良い行いをすれば、これまでの悪い行いもチャラになる」と言わせ、行動理由を作るという強引なやり口を見せている。

「良い子のための物語」としてクリスマスの感動作に仕立てようとする意図が見え見えだが、前半でクソガキの豪遊三昧を見せてあるので、それは無理。
ちなみに後半は前作の焼き直し。
それでも、後半の1時間だけを見た方が、まだ楽しめる。

 

*ポンコツ映画愛護協会