『ブレイド』:1998、アメリカ

ブレイドはヴァンパイア・ハンター。半分は人間で半分はヴァンパイアの血を持つ彼は、血への渇きを血清で抑えながら、今日もヴァンパイアを狩る。彼は相棒アブラハム・ウィスラーと共に、ヴァンパイア・ハントの旅を続けている。
ヴァンパイアに襲われた血液学の権威カレン・ジェンソン医師を助けたブレイド。しかし、ヴァンパイアに血を吸われた人間も放っておけばヴァンパイアになる。ウィスラーがそれを防ぐ処置をするが、絶対にヴァンパイアにならないという保証は無い。
ブレイドはディーコン・フロストというヴァンパイアを追い掛けていた。ヴァンパイア達は評議会を作り、人間と協定を結んで数千年に渡って暮らしてきた。しかしフロストは人間を全てヴァンパイヤにしてしまい、世界を自らの支配下におこうと企んでいた。
フロストは古文書保管庫にある古代予言書を解読し、暗黒神マルガを復活させようとしていた。そのためにブレイドの血が必要だと知ったフロストはウィスラーを斬殺し、カレンを誘拐する。怒りに燃えるブレイドは、邪悪なフロストとの戦いに挑む…。

監督はスティーヴン・ノリントン、原案はマーヴ・ウォルフマン&ジーン・コーラン、脚本はデヴィット・S・ゴイヤー、製作はピーター・フランクフルト&ウェズリー・スナイプス&ロバート・エンゲルマン、共同製作はアンドリュー・J・ホーン&ジョン・ディヴェンズ、製作総指揮はリン・ハリス&スタン・リー&アヴィ・アラド&ジョセフ・カラマーリ、撮影はテオ・ヴァン・デ・サント、編集はポール・ルーベル、美術はカーク・M・ペトルッチェリ、衣装はサンジャ・ミルコヴィック・ヘイズ、メイクアップ効果はグレッグ・キャノン、音楽はマーク・アイシャム、音楽監修はダナ・サノ。
出演はウェズリー・スナイプス、スティーブン・ドーフ、クリス・クリストファーソン、N’ブッシュ・ライト、ドナル・ローグ、ウド・キアー、トレイシー・ローズ、アーリー・ジョヴァー、ケヴィン・パトリック・ウォールズ、ティム・ギニー、サナ・ラサン、エリック・エドワーズ、ドン・ウォン、カーメン・トーマス、シャノン・リー、ケニー・ジョンソン、クリント・カーティス、ジャドソン・スコット他。


『セブン』のタイトルバック映像が話題となったヴィジュアル・クリエイター集団“イマジナリー・フォース”が協力したスタイリッシュな映像と、DJクラッシュやニュー・オーダーが参加したサウンド・トラック。
デジタル感覚の爆発したアクション・スリラーらしい。

というわけで、面白くないです。
監督は『エイリアン2』の特殊効果で名を上げ、『デスマシーン』という超B級クズ映画を撮ったスティーヴン・ノリントン。この映画も駄作ですな。
マーヴェル・コミックから、原作となった漫画が出てるらしい。
見たことは無いけど、たぶん原作は面白いんだろうなあ。

「ブレイドが吸血鬼と戦う」というのが物語。わずか11語で説明できる物語を、奇妙な飾りをたくさん付けることで、複雑で分かりにくい内容にしようとしている。
が、ブレイドやフロストの行動は全てデタラメで、ツッコミ始めるとキリが無い。

例えばフロストは人間を全てヴァンパイヤにしようとするのだが、そうなったら血を吸う相手がいなくなるぞ。アンタ、どうやって生きていくつもりなんだ?
例えばフロストはカレンを誘拐するが、ブレイドはフロストを追い掛けているわけだから、ブレイドをおびき寄せるのにカレンをオトリに使う必要は全く無いぞ。

冒頭のアクションシーンは、観客のハートをつかむチャンス。
ところが画面が暗すぎて、何をやっているのか良く分からない。その後のアクションシーンでも、アップの映像を使いすぎていることもあって、格闘のスピード感や迫力が充分に伝わってこない。たぶん、役者は頑張っているんだろうけど。

ブレイドは刀を背負っているのだが、これを使う場面が少ない。せっかく刀を持っているのに素手で戦ったり銃を使ったりする。刀を使う場面でも、殺陣の見せ方が下手。
どうも日本のチャンパラを意識しているようだが、リズムやテンポが悪い。
ずっと同じ調子だしね。


第21回スティンカーズ最悪映画賞

受賞:【最悪の主演男優】部門[ウェズリー・スナイプス]

 

*ポンコツ映画愛護協会