『ビーン』:1997、アメリカ&イギリス

ビーンはイギリス王立美術館に務める最低で役立たずの職員。スタッフ全員が彼をクビにしたがっていたが、会長のお気に入りのため、クビにできない。ちょうどカリフォルニアのグリアソン美術館から専門家を派遣してほしいという要請があり、館長はビーンを送りこんで厄介払いしようと考える。
アメリカにやって来たビーンは、グリアソン美術館のデヴィッドの家に泊まることになった。ビーンはグリアソン美術館に寄付された名画「ホイッスラーの母の肖像」の序幕式にゲストとして参加し、スピーチすることになる。
だがビーンは絵に付いた汚れを落とそうとシンナーで拭いてしまい、絵の一部を消してしまう。絵をすり替えて何とか誤魔化したビーン。スピーチもメチャクチャだったが、なぜか聴衆に賞賛される。喜び合うビーンとデヴィッド。そこへデヴィッドの娘が交通事故で入院したと知らせが入り…。

監督はメル・スミス、脚本はリチャード・カーチス&ロビン・ドリスコール、製作はピーター・ベネット=ジョーンズ&エリック・フェルナー&ティム・ピーヴァン、共同製作はレベッカ・オブライエン、製作総指揮はリチャード・カーチス、撮影はフランシス・ケニー、編集はクリストファー・ブランデン、美術はピーター・ラーキン、衣装はホープ・ハナフィン、音楽はハワード・グッドール。
主演はローワン・アトキンソン、共演はピーター・マクニコル、パメラ・リード、ジョン・ミルズ、ハリス・ユーリン、バート・レイノルズ、ラリー・ドレイク、ダニー・ゴールドバーグ、ジョニー・ガレッキ、クリス・エリス、アンドリュー・ローレンス、ピーター・イーガン、ピーター・キャパルディ、ジューン・ブラウン、ピーター・ジェームズ、クライヴ・コーナー他。


イギリスでスタートし、世界中で放映されて大人気となったTVシリーズ『ミスター・ビーン』の劇場版。ミスター・ビーンを演じるのは、もちろんTV版と同じくローワン・アトキンソン。今回は舞台がイギリスからアメリカへと移動する。

映画になると聞いてから悪い予感はしていたが、予想以上に悪かった。
小さいネタ、細かいギャグの連続で笑わせるのが、ミスター・ビーンの持ち味のはずである。それが映画の中では、大きなストーリーの中で大きなネタをやってしまっている。映画を意識しすぎたのか、妙にスケール感(?)のようなものがあるわけだ。そのことが、ミスター・ビーンの持ち味を殺してしまっている。

映画になったことよりも、アメリカに渡ったことが決定的にマズかったのかもしれない。本来のミスター・ビーンは、「近くにいたら憎たらしくて仕方ない」奴のはず。小市民的で、どこか陰湿で、自分のことしか考えない身勝手な子供じみた男のはず。
ところが、アメリカンナイズされたビーンは、「実はいい奴でした」ということになってしまった。おまけに、アメリカ的なハッピーエンドまで付いて来る。アメリカ的コメディとしてはOKかもしれないが、これはもはや、ミスター・ビーンではない。


第20回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪なTV番組の映画化】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会