『ネイバーズ』:2014、アメリカ

マックとケリーのラドナー夫妻は娘のステラが産まれた後も熱々な関係で、セックスも盛んだった。出勤したマックは同僚のジミーからステラについて問われ、「可愛いよ。最初の半年は何もかも変わってしまって、人生は終わったと思った。でも今は、全てが今まで通りに戻ると思ってる」と楽しそうに語った。妻のポーラと離婚しているジミーは、「お前はみんなより老けてる。俺たちは女を逃してる」と告げた。夜、ポーラから電話が入り、ラドナー夫妻は一緒に出掛けてほしいと頼まれる。夫婦が「ベビーシッターを頼めない」と困ると、彼女は「ステラも一緒に連れて来れば?」と軽く言う。夫妻はパーティーで盛り上がる気分になるが、出掛ける準備をしている内に疲れて転寝してしまった。
次の日、引っ越しトラックを目にしたマックとケリーが様子を見ていると、賑やかな大学生グループが荷物を隣の家に運び込んだ。夫婦は学生たちが絶対にパーティーを開いて騒ぐと確信し、釘を刺しておく必要があると考えた。2人は若者への理解がある人間を装い、新しい住人のテディーとピートに挨拶に行く。愛想の良いテディーとピートを見た夫婦は、穏やかな態度で騒がないように頼んだ。テディーとピートは了解し、うるさすぎたら自分たちに言ってくれと告げた。
その夜、テディーとピートは大学のフラタニティー「デルタ・サイ」の仲間を集め、今後の活動について話し合った。テディーは会長で、ピートは副会長を務めている。彼らが酒を飲んで大音量で音楽を流して騒ぐので、ラドナー夫妻は全く眠れなかった。2人は隣家を訪れ、音量を下げてほしいと頼んだ。テディーとピートは夫婦を味方に付けておこうと考え、パーティーに誘う。「赤ちゃんがいるから」と夫婦は遠慮するが、結局は「少しだけ」と家に入った。マックは男子メンバーと酒を飲み、ケリーはテディーの恋人のブルックたちと踊って楽しくお喋りした。マックはテディーに、「この瞬間を大事にした方がいい。真剣に楽しむんだ。瞬きしている間に、パーティーで最年長になってしまう」と助言した。
そのままラドナー夫妻は隣家に留まり、翌朝を迎えた。夫婦はテディーに、「出来れば毎晩、静かにしてほしい」と笑顔で頼む。テディーが「最大限の努力はしてみるよ。うるさすぎたら、まず俺に電話して。警察は勘弁だ」と言うと、夫婦は「分かった」と約束した。しかし次の日、また隣家では大音量のパーティーが開かれた。マックはテディーに電話して音を下げるよう頼むが、10回の抗議を繰り返しても状況は変わらなかった。ステラが泣き出したこともあり、ケリーは匿名で警察に電話するよう提案した。
マックが通報すると、パトカーが隣家の前に停まった。しかし警官のワトキンスはテディーたちと少し話した後、すぐにテディーを同伴してラドナー家へやって来た。ワトキンスは「通報したでしょ?発信者番号で通報者が分かる」と夫婦に言い、テディーは「昨夜、2人はウチのパーティーに来てた」と告げる。彼はスマホで撮影した昨晩の様子を見せ、ワトキンスは「二度と通報するな」とマックを注意した。テディーは夫婦に「通報しないと約束しただろ。ガッカリしたよ」と告げ、その場を後にした。
翌日から、デルタ・サイはラドナー夫妻への執拗な嫌がらせを繰り返すようになった。彼らはラドナー家の前に大量のゴミを散らかしたり、勝手に植木を刈り込んだり、夫婦のセックスを覗き見たりする。しかも彼らは近所にドラッグを配り、買収工作を終えていた。ラドナー夫妻は引っ越しを考えるが、不動産屋のウェンディーに「フラタニティーの隣は売れない」と言われた。そんな話をしている間も、デルタ・サイの面々は夫婦を監視して嫌がらせを続けた。
そんな中、デルタ・サイが庭に落としたコンドームを、ステラが誤って舐める出来事が発生する。マックとケリーは慌てて娘を病院に運び込むが、幸いにもコンドームは未使用で問題は無かった。ラドナー夫妻は大学へ抗議に行き、学生部長のキャロル・グラッドストンに「前の家も全焼させたって聞いてる」とテディーたちへの処分を要求した。キャロルは「その件では厳重注意しました。ウチは3ストライク制を採用しており、彼らは1ストライクなので、あと2ストライクでアウトです」と説明し、「私のやり方は新聞の見出しありきなんです。フラタニティーが夫婦の安眠を妨害しても、見出しにならない」と言う。腹を立てる夫婦に、彼女は嫌味を浴びせた。
マックとケリーはデルタ・サイへの報復を決意し、家を破壊しようと考える。マックは斧で水道管を叩き壊し、地下室から水漏れさせた。テディーたちは修理費用を工面するため、勃起したチンコの型を粘土で取って売り出した。これが大当たりしてデルタ・サイは大金を手に入れ、庭にホット・バスタブを設置して盛大なパーティーを開いた。ケリーはデルタ・サイの絆を分断させるため、仲間より女を取らせる作戦を考えた。夫婦はベビーシッターを雇ってステラを預け、ジミーとポーラに協力を頼んだ。
4人はパーティーに潜入し、若者たちの様子を観察した。ケリーはブルックがピートと関係を持ちたがっていると見抜き、これを利用することにした。彼女はマックたちにテディーと仲間を引き付けてもらい、その間にピートとブルックを酔わせてその気にさせた。テディーはピートがブルックとベッドインするのを目撃し、激怒して殴り掛かった。ピートが去った後、怒りの収まらないテディーはバットを振り回して次々に物を壊す。さらに彼はドラム缶をベランダから道路へ投げ捨てるが、走って来た車とぶつかった。ドラム缶は弾き飛ばされ、たまたま歩道を歩いていた経済学の教授に命中した。すぐに教授は立ち上がり、マックとケリーは作戦の成功を喜んだ。
次の日、テディーはキャロルに呼び出され、「フラタニティーが教授に重傷を負わせる」という新聞記事を見せられた。キャロルは苦言を呈し、「これで2ストライクよ。年度末まで仮休学処分よ。次に騒ぎを起こしたら退学です」と通告した。テディーは会社面談の場にいたピートを訪ね、関係を修復した。平穏を取り戻したマックとケリーだが、退屈を感じて「またフラタニティーと一戦交えたい」と考える。テディーは夜中のパーティーを中止するが、仲間を呼んで庭でバーベキューを楽しんだ。挑発されたマックとケリーは、フラタニティーの永久追放を企てる。話を聞いたジミーは「子育ての退屈な生活に戻りたくないだけだろ」と指摘するが、夫妻は否定した。
ラドナー夫妻とジミーはイジメ問題で退学に追い込もうと考え、デルタ・サイでテディーから馬鹿にされているアスジュースに接触した。マックたちはアスジュースを説得し、カメラを内蔵した眼鏡を掛けてイジメの証拠映像を撮るよう持ち掛けた。アスジュースは拒否するが、千ドルの報酬を約束されると即座に承諾した。アスジュースはテディーに罠を仕掛け、イジメ動画の盗撮に成功した。しかしテディーに呼び出された彼は優しい態度で心配する言葉を掛けられ、ラドナー夫妻に買収されたことを暴露した。さらに彼は、夫妻が地下室を水浸しにしたこと、ピートとブルックをベッドインさせたこともテディーに教える。テディーは腹を立て、「越えちゃいけない一線を越えたな。死ね」とカメラ越しに通告した。
翌日、テディーたちはラドナー家の車からエアバッグを盗み、マックとジミーのオフィスに仕掛けた。椅子に座ろうとしたマックとジミーは、大きく飛ばされて天井に叩き付けられた。激怒したマックは復讐心を燃やし、「やり過ぎたわ。もう危険よ」と中止を求めるケリーと口論になった。ケリーはステラを連れて、ポーラの家へ向かった。それを見た両親が離婚しているピートは罪悪感を抱くが、テディーは全く気にしなかった。マックはポーラの家へ行き、反省したケリーと仲直りした。
就職活動に励むピートはフラタニティーの活動に対する意欲が薄れ、テディーは彼に不満をぶつける。ピートが「お前は来年の進路のことで悩んでるんじゃないか」と言うとテディーは喚き散らし、2人は口論になった。テディーはラドナー家へ行き、「卒業まで我慢すればいいと思ってるだろ。そうは行かない」とステラまで巻き込んで嫌がらせを続けることを宣言した。そこでマックとケリーは仮休学処分が解除されたことを知らせる偽の文書を送り、テディーを油断させてパーティーを開かせる。夫婦はジミーにも手伝ってもらい、パーティーにデルタ・サイ以外の面々も参加してもらうためのビラを配った。ジミーは自警団を装って警察に連絡するが、テディーはラドナー夫妻の策略に気付いた…。

監督はニコラス・ストーラー、脚本はアンドリュー・ジェイ・コーエン&ブレンダン・オブライエン、製作はセス・ローゲン&エヴァン・ゴールドバーグ&ジェームズ・ウィーヴァー、製作総指揮はネイサン・カヘイン&ジョー・ドレイク&ブライアン・ベル&アンドリュー・ジェイ・コーエン&ブレンダン・オブライエン、共同製作はニコール・ブラウン&マシュー・レオネッティーJr.、撮影はブランドン・トロスト、美術はジュリー・バーグホフ、編集はゼン・ベイカー、衣装はリーサ・エヴァンス、音楽はマイケル・アンドリュース、音楽監修はマニシュ・ラヴァル&トム・ウルフ。
出演はセス・ローゲン、ザック・エフロン、ローズ・バーン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、デイヴ・フランコ、リサ・クドロー、アイク・バリンホルツ、カーラ・ギャロ、クレイグ・ロバーツ、ジェロッド・カーマイケル、ハルストン・セイジ、ブライアン・ハスキー、ジェイソン・マンツォーカス、アリ・コービン、キラ・スターンバック、ハニバル・バーレス、リズ・カコウスキー、ジェイク・ジョンソン、ランドール・パーク、エリーズ・ヴァルガス、ゾーイ・ヴァルガス、ジェシー・ヘイマン、ナターシャ・レゲロ、スティーヴン・マイケル・エイク他。


『寝取られ男のラブ♂バカンス』『憧れのウェディング・ベル』のニコラス・ストーラーが監督を務めた作品。
脚本のアンドリュー・ジェイ・コーエンとブレンダン・オブライエンは、いずれも初の長編映画。
マックをセス・ローゲン、テディーをザック・エフロン、ケリーをローズ・バーン、スクーニーをクリストファー・ミンツ=プラッセ、ピートをデイヴ・フランコ、キャロルをリサ・クドロー、ジミーをアイク・バリンホルツ、ポーラをカーラ・ギャロ、アスジュースをクレイグ・ロバーツ、ガーフをジェロッド・カーマイケルが演じている。
アンクレジットだが、ニュースキャスター役でスティーヴ・カレルが出演している。

序盤の描写の必要性が、サッパリ分からない。
まず、マックが会社で上司と話しているシーンの必要性が全く分からない。ジミーと喋って「今は女が余ってる。俺たちは逃してるんだ」と言われる会話シーンの必要性も不明。
デルタ・サイが集まると「1930年に『ジュリアス・シーザー』を上演した時にビールを飲んでパーティーが始まった」「1971年に卓球で失敗した球がグラスに入ったがビールを飲み干した」「1985年に男がブーツに吐きながらビールを飲んだ」という回想シーンが入るが、こんなのも全く要らない。
そこに笑いなんか無いし、それを盛り込むことでテディーたちの魅力がアピールされるわけでもないし。

ラドナー夫妻は静かで平穏な生活を望んでいるのかと思ったら、パーティーに誘われるとノリノリで参加している。
しかも、そのまま翌朝まで留まっている。それどころか、マックはテディーに「この瞬間を大事にした方がいい。真剣に楽しむんだ」とまで助言している。
それは「パーティーを楽しめ」と言っているのと同じ意味であって、そんなことを言っておいて「静かにしろ」と要求するのは矛盾しているでしょ。
なので、この夫婦に対する共感は著しく削がれる。

ただし、一方のテディーたちにしても、クズでしかない。
「うるさくしたに連絡してくれ」と言っているけど、音を下げてと頼んでも全く下げないのだから、連絡する意味が無いってことになるでしょ。「話は聞くけど頼みには応じない」ってことなら、連絡する意味が無いでしょ。
だったら「警察に連絡しない」という約束を破られても、文句は言えないわ。
「最大限の努力」という約束を果たしているとは到底言えないわけで、つまり実質的にはテディー側が先に約束を破っているわけだから。

とは言っても、ラドナー夫妻にしても、落ち度が無いわけではない。
マックは「10回も電話したのに音を下げてくれない」と言っているが、もう5回目ぐらい掛けた時点で「これは音を下げる気が無いな」って分かるでしょ。
だったら、その時点で「音を下げてくれないなら、警察に頼むしかなくなる」とでも言うべきだったんじゃないかと。そうやって最後通牒を投げる手順は、取った方が良かったんじゃないかと。
それなら、「テディーたちが全面的に悪い」と言える状況になったかもしれない。

テディーは通報しないという約束を破られたことに腹を立て、嫌がらせを始める。
もちろん腹を立てるのは分かるが、これは明らかにやり過ぎであり、共感できる仕返しのレベルを遥かに超えている。
っていうか、そもそもステラがいることも分かっていながら朝まで大騒ぎを繰り返している時点で、近所迷惑も甚だしい。「約束が云々」という以前の問題として、非難されて当然の連中だ。
ゴミを散らかすのも、植木を勝手に刈り込むのも、セックスを覗き見するのも、全て醜悪な犯罪行為であり、笑って見ていられるような可愛げのあるイタズラとは到底言えない。

その時点で既に彼らは立派な犯罪者なのだが、さらにテディーたちは酷すぎる犯罪行為に出る。コンドームを庭に放置し、ステラが誤って舐めてしまうのだ。
ラドナー夫婦はHIVを心配しているが、それより何より、もしもコンドームをステラが飲み込んでいたら死んでいたかもしれない。この時点で、もう本作品はコメディーとしての資格を完全に失っている。
それ以降、どんな方法でリカバリーを図っても決して取り戻すことは出来ない。その行為によって、デルタ・サイは卑劣な殺人未遂のクズ野郎どもになる。
せめて反省や贖罪があればともかく、そんなの全く無いし。

ラドナー夫妻が大学へ抗議に行くシーンで、テディーたちが前の家を全焼させていることが明らかになる。つまり彼らは、既に取り返しの付かないような大きな問題を起こしているわけだ。
にも関わらず、今回も騒ぎまくっているので、まるで反省していないってことになる。
さらに厄介なのは、学生部長のキャロルも不愉快な人間ってことだ。
こいつは生徒たちの醜悪な犯罪行為を容認するだけでなく、被害者を侮辱するようなクズ女なのだ。

「どんな方法でリカバリーを図っても決して取り戻すことは出来ない」と前述したが、リカバリーに繋がるようなテディーの行動は皆無に等しい。
それどころか、さらに「教授に重傷を負わせる」という問題行動を起こす。これも下手すりゃ死人が出ていたかもしれない行為だ。
その前にはラドナー夫妻の策略があるし、教授の重傷はアクシデントの要素が大きいが、テディーにも罪がある。
それに、ここで終わりじゃなくて、その後には「エアバッグを全て盗む」という、これまた死人が出る恐れのある犯罪行為に出るし。

ラドナー夫妻はパーティーでピートとブルックをセックスに誘い込み、テディーを怒らせる。これで作戦成功だと喜んでいるが、翌日にはテディーとピートが仲直りしている。
なので、「テディーとピートを仲違いさせる」という作戦は失敗に終わっている。だが、そのことは完全にスルーしたまま、次の展開へ移っている。
一方、マックとケリーも口論になり、ケリーは家を出て行く。
だが、次のシーンでマックが迎えに行って仲直りするので、これまた何の意味も無いような手順と化している。

教授の事故でテディーがキャロルから最後通告を受けた後、マックとケリーが退屈を感じる様子が描かれる。
バーベキューのテディーから挑発されたマックとケリーはフラタニティーの完全追放を企て、ジミーから「子育ての退屈に日々に戻りたくないだけだろ」と指摘される。もちろん夫妻は否定するが、そういうことなのだ。
で、それが分かっちゃうと、ますますマックとケリーを応援する気持ちは無くなる。
まあ早い段階でゼロに等しいんだけどさ。

これは不愉快な奴だらけの醜い争いを描いた話なので、どっちを応援する気にもなれない。
それだけでなく、そんな醜い争いが、「笑える愚かしさ」として伝わって来ないんだよね。不愉快な奴らの争いが、不愉快なままで伝わって来るのよ。
終盤に仲間を守るテディーの男気をアピールするけど、その程度で彼の悪質な行為の全てがチャラになることなんて無いぞ。
久しぶりに再会したマックとテディーが笑顔で話す様子を最後に描いても、それで爽やかな気持ちになることなんて無いぞ。

(観賞日:2021年12月6日)

 

*ポンコツ映画愛護協会