『ナイルの宝石』:1985、アメリカ

恋仲となった冒険家ジャック・コルトンと小説家ジョーン・ワイルダーは、世界を回る旅行の途中でリヴィエラを訪れていた。ジャックはギリシャに向かおうと提案するが、スランプになっているジョーンはニューヨークに戻りたいと告げる。
出版記念パーティーに出掛けたジョーンは、アフリカから来たオマーという男に声を掛けられる。4日後に皇帝の座に就くというオマーは、ジョーンに自分の伝記を書いて欲しいと頼んできた。喜んで引き受けたジョーンは、ナイルに向かうことにした。
ジョーンに別れを告げたジャックは、出所したラルフと出会う。そこへタラクという男が現れ、オマーが自分達から盗んだナイルの宝石を取り返すために協力してほしいと頼んできた。ジョーンが危険だと聞かされたジャックは、ラルフと共にアフリカへ向かう。
オマーに軟禁されたジョーンは、ナイルの宝石と呼ばれる男アルジャハラと出会う。オマーは彼の影響力を恐れ、捕らえて監禁していたのだ。アルジャハラを連れて脱出したジョーンは、助けに来たジャックと合流してオマーから逃亡する…。

監督はルイス・ティーグ、キャラクター創作はダイアン・トーマス、脚本はマーク・ローゼンタール&ローレンス・コナー、製作はマイケル・ダグラス、共同製作はジョエル・ダグラス&ジャック・ブロドスキー、撮影はヤン・デ・ボン、編集はマイケル・エリス&ピーター・ボイタ、追加編集はエドワード・アブロムス、美術はリチャード・ドーキング&テリー・ナイト、衣装はエマ・ポーチェス&ニーノ・セルッティー、音楽はジャック・ニッチェ。
出演はマイケル・ダグラス、キャスリーン・ターナー、ダニー・デヴィート、スピロス・フォーカス、アヴナー・アイゼンバーグ、ザ・フライング・カラマゾフ・ブラザーズ、ホランド・テイラー、ランダル・エドウィン・ネルソン、サミュエル・ロス・ウィリアムズ、ティモシー・ダニエル・ファースト、ハミッド・フィラリ、ガイ・クエヴァス、ピーター・デ・パルマ、マーク・デイリー・リチャーズ他。


『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』の続編。
ジャック役のマイケル・ダグラス、ジョーン役のキャスリーン・ターナー、ラルフ役のダニー・デヴィートのトリオは健在だが、監督がロバート・ゼメキスからルイス・ティーグにバトンタッチしている。
また、ジャグリング・グループのザ・フライング・カラマーゾフ・ブラザーズが出演している。

かなりコミカルな要素が強いアクション・アドベンチャー、のはずである。
で、オープニングから15分ぐらいは、ラブロマンスの倦怠期みたいなモノが描かれ、マッタリと時間が経過する。
映画開始から30分が経過しても、アクションらしいアクションは出てこない。

ようやくゴチャゴチャした集団バトルが始まるが、ジャックとジョーンは関与せず。
で、戦闘機が空を飛ばずに地上を走り回るという、おそらく今作品の最大の見せ場が訪れる。
やっと見せ場として成立するアクションシーンが到来したわけだ。
ところが、せっかくの見せ場なのに、途中で別行動を取っているラルフの様子を挟み込む。
いや、別に挿入そのものは否定しない。
しかし、その挿入シーンは流れに乗っていないために、生まれかけていた勢いを一時ストップする結果となっているのだ。

アクションが一段落着いた後にオマーからの逃亡アクションが始まるのかと思ったら、痴話ゲンカで一休み。
で、長い休みの後で、装甲車が追ってきて迫力あるアクションに突入するかと思いきや、ジャック達に接近してくるようなスリリングな展開は無い。
で、それが終わったら、ジャックが部族の酋長の息子とジョーンを賭けて戦うという、本筋とは何の関係も無い展開へ。
そして、また夜の宴やジャックとジョーンのロマンスで一休み。
この作品、よっぽど勤労意欲が無いのか、とにかく休みが多すぎる。

ポツポツとアクションはあるのだが、「畳み掛ける」とか「連続する」ということが無い。
アクションとアクションを連結できるポイントもあるのに、必ず一休みを入れる。
アクションに至る導入もスムーズじゃないから、急発進したような感じになる。
でも、スピード感は大して無く、常にローギアで進んで行く。
もちろん勢いなんて、これっぽっちも無い。

 

*ポンコツ映画愛護協会