『２番目のキス』：2005、アメリカ
1980年、７歳のベンは両親が離婚し、母と２人で見ず知らずのボストンへ引っ越してきた。母は塞ぎ込んでいるベンを心配し、兄のカールに連れ出してほしいと頼んだ。カールはベンをフェンウェイ・パークへ連れて行き、レッドソックスのファン仲間であるアルに紹介した。カールとスポンジ売りのアルは、今までスタジアムへ来たことが無かったベンに野球のことを教えた。レッドソックスの試合を見たベンは、すっかりファンになった。
23年後、2003年10月。数学教師になったベンは、優秀な４名の教え子を連れて一流企業へ社会見学に赴いた。部下から子供たちが見学に来たことを知らされた担当社員のリンジーは、仕事が多忙なので疎ましそうな態度を示した。しかしベンたちがオフィスに来ると、彼女は笑顔で迎え入れた。見学を終えて帰ろうとしたベンは、男子生徒たちから「あんなイケてる女性には手が届かない」と馬鹿にされた。ベンは反発し、オフィスに戻ってリンジーをデートに誘う。しかしリンジーの表情を見て、無理だと悟った。
29歳のリンジーは友人のモリー＆ロビン＆サラから、「自分と同じキレ者の勝ち組ばかりでなく、たまには違うタイプとデートしたら？」と勧められる。リンジーはベンにメールを送り、デートをＯＫした。しかしベンがアパートへ行くと、彼女は食中毒で苦しんでいた。ベンはリンジーを介抱してベッドで休ませ、トイレを掃除した。翌朝、元気になったリンジーは、ソファーで眠り込んでいるベンに気付いた。リンジーはベンに礼を言い、好感を抱いた。彼女はベンとデートに出掛け、楽しい気分になった。
ベンはリンジーに連れられてホームパーティーに行き、モリー＆ロビン＆サラと３人の夫であるスティーヴ＆クリス＆イアンを紹介された。モリーとサラはベンを気に入るが、ロビンはリンジーに「魅力的なのに独身なのは何か理由がある」と告げる。ベンはクリスと２人になり、亡きカールがレッドソックスのシーズンチケットを２席分残してくれたことを話す。彼はスティーヴ＆クリス＆イアンに求められ、試合観戦での体験を語った。ロビンはリンジーに、ベンの部屋へ行ってパソコンやクローゼットを調べるよう促した。
ベンとリンジーはデートを重ね、開幕３週間前の３月になった。ベンはファン仲間のケヴィン＆トロイ＆アル＆ジェラードと家で集まり、新シーズンの選手表を手に入れて興奮した。リンジーはベンが３月末は休みだと聞き、家族の行事で故郷のボルティモアへ戻る時に一緒に行かないかと誘う。ベンは「先約があるんだ。毎年、復活祭の休暇には友達とフロリダへ行く」と言い、不思議に思うリンジーの問い掛けを受けて「レッドソックスのトレーニングがあるんだ」と語った。
リンジーが怪訝な態度を示すと、ベンはレッドソックスの熱狂的なファンだと告白した。彼が「病死した伯父がシーズンチケットを残してくれた。レッドソックスは僕の人生の大きな位置を占めてる。そのことで、いつも彼女と揉める。全てを忘れて楽しみたいんだ」と話すと、リンジーは微笑を浮かべて「ロマンチストなのね。感性が豊かだわ」と告げる。ベンは跪いて指輪の箱を取り出し、「僕と一緒に開幕戦に行ってほしい」と言う。指輪の箱には開幕戦のチケットが入っており、リンジーは笑って「いいわ」と答えた。
リンジーは帰郷し、父のダグと母のモーリーンと話す。両親はリンジーが教師と仲良くしていることを知っており、早く会わせるよう言う。テレビでレッドソックスのキャンプ地からの生中継が放送されていたため、リンジーは興味を示した。するとレポーターの取材を受けたベンが子供のように騒いでおり、ダグが「なんだ、あのバカは」と眉をひそめた。
ベンはケヴィンたちを家に呼び、一緒に試合を観戦する日の割り当てを決める。そこへリンジーが来たので、ベンはケヴィンたちを紹介した。リンジーが「昇進するために、この夏は必死で仕事しなくちゃ。要領が悪いから、仕事と恋愛を上手くこなせない」と言うと、ベンは「別れるんじゃないよね？」と確認する。リンジーが「ちょうどいいわ。貴方はレッドソックスに没頭し、１人でも寂しくない。私も気にせず仕事が出来る。お互い、上手く行くと思うわ」と語ると、ベンは快諾して「レッドソックス、万歳」と叫んだ。
開幕日、ベンはリンジーを連れてフェンウェイ・パークへ行き、ファン仲間のアルやアーティー＆ヴィヴ、シャリ＆テレサを紹介した。リンジーは会社から電話を受け、会議があるのに部下の準備が出来ていないことを知る。彼女に「試合は何時に終わる？」と訊かれたベンは、「ミュージカルじゃないんだから」と途端に不機嫌になった。その様子を見たリンジーは、「戻らないから、貴方たちでやって」と告げて電話を切った。
ベンは開幕戦以降の日も、リンジーにレッドソックスのことを熱く語った。リンジーはベンとの試合観戦を重ね、レッドソックスについて詳しく知るために本も購入した。彼女は両親にベンを紹介しようとするが、クローゼットにスーツが一着も無いので呆れた。レストランで会食した際、ベンは隣の客がレッドソックスの試合結果を話そうとすると大声を出して耳を塞いだ。リンジーの両親がゴルフ好きと知った彼は保護者のコネでカントリークラブに入れてもらい、プレーに付き合った。
６月、リンジーはベンに連れられて何度もフェンウェイ・パークへ足を運び、レッドソックスの試合を楽しんだ。ロビンがリンジーとベンの関係に懐疑的な態度を取ると、モリーは「恋が破れるのを期待してるんでしょ」と指摘される。ロビンが「どうしてそんなことを？」と否定すると、モリーは「昔は貴方が勝ち組だった。だけど今はリンジーが成功してるから妬んでるのよ」と告げる。ロビンはカッとなり、モリーを殴ってノックアウトした。
７月。仕事が忙しくなったリンジーは球場で試合を観戦する時にノートパソコンを持ち込み、ベンは不機嫌になった。ファールボールが飛んで来て頭に命中したリンジーは気絶するが、大きな怪我は無かった。リンジーはベンに、「もう球場には行かないわ。軽蔑するタイプの人間になってる。恋人が出来た途端、自分の生活が消えるタイプ。今は仕事に集中しなくては」と述べた。仕事に打ち込んだリンジーは、顧客である食品会社のライオンズから賞賛を受けた。
９月。リンジーはベンに、「ビッグニュースよ。ヨーロッパの会社と契約をまとめるためにパリへ行く。貴方も連れて行くわ」と告げる。ベンは喜ぶが、翌日に出発すると言われて「今週末は無理だよ。あと２つ勝てば首位だ。応援しないと」と話す。「恋人からパリに行くと言われたら、行くものよ」とリンジーが語ると、ベンは渋々ながらも「分かった、行くよ」と答える。その口調に腹を立てたリンジーが去ろうとするので、ベンは慌てて追い掛けた。
「なぜ苛立っているんだ？」と訊かれたリンジーは、「生理が遅れてるの」と告白する。「なぜ黙ってたんだ？」とベンが言うと、彼女は「出張が決まったら、パリで話そうと思ったの。特別なことだから」と語る。ベンが「済まなかった。すぐ荷作りする」と口にすると、リンジーは「妙な気分で旅をしたくないから、いいわ。話は戻ってから」と告げた。リンジーがパリへ発った後、ベンは落ち着かない気分のままで過ごす。そこへリンジーからメールが届くが、それは「生理が来た」という知らせだった。
帰国したリンジーは、ベンに「妊娠したかもしれないと思ってから、将来の結婚生活について考えた」と話す。「友達の誕生パーティーに招かれたら、レッドソックスの試合日程を確かめる」と彼女は語り、「いつまで、その調子？」と問い掛ける。「去年の夏は、そんな僕を好きだと言ったのに。情熱的でロマンチストだと褒めてくれたのに」とベンが反論すると、彼女は「レッドソックスへの情熱が私に向くかと思った。貴方がチームに抱く愛を、私は貴方に向けてる」と語った。
ベンは生徒のマーフィーの前で、「リンジーは誕生パーティーや友人との集まりを異常に大切にする。僕の自由時間を尊重してくれない」と愚痴をこぼした。それでも彼は大事なヤンキース戦の日、リンジーに合わせてロビンの誕生パーティーに出席する。会場を出た彼は、ラジオ中継でヤンキース戦の途中経過を知るが、「たかがの試合だ」とリンジーに軽く告げる。しかし帰宅した彼はトロイの電話で０対７から９回裏に大逆転勝利したことを知らされ、観戦に行かなかったことを激しく後悔する…。監督はピーター・ファレリー＆ボビー・ファレリー、原作はニック・ホーンビィ、脚本はローウェル・ガンツ＆ババルー・マンデル、製作はアラン・グリーンスパン＆アマンダ・ポージー＆ギル・ネッター＆ブラッドリー・トーマス＆ ナンシー・ジュヴォネン＆ドリュー・バリモア、製作総指揮はニック・ホーンビィ＆デヴィッド・エヴァンス＆マーク・Ｓ・フィッシャー、共同製作はグウェン・ゲイジ・ストローマン＆クリス・メイヤー、製作協力はハル・ジョセフ・オロフソン、撮影はマシュー・Ｆ・レオネッティー、美術はメイハー・アーマッド、編集はアラン・ボームガーテン、衣装はソフィー・デ・ラコフ、音楽はクレイグ・アームストロング、音楽監修はトム・ウルフ＆マニシュ・ラヴァル。
出演はドリュー・バリモア、ジミー・ファロン、ジェームズ・Ｂ・シッキング、ジョベス・ウィリアムズ、ウィリー・ガーソン、エヴァン・ヘルマス、シオバン・ファロン・ホーガン、ジャック・ケーラー、アーマンド・リエスコ、アイオン・スカイ、ジョニー・スニード、ケイディー・ストリックランド、マリッサ・ジャレット・ウィンカー、スコット・Ｈ・セヴェランス、ジェサミー・Ｒ・フィネット、モーリーン・ケイラー、レニー・クラーク、マイケル・ルーベンフェルド、ゼン・ジェスナー、ジェイソン・スペヴァック、リズ・アレクサンダー、ミランダ・ブラック、ジョン・ボイラン、アンドリュー・ウィルソン、ジョージ・キング、ジャッキー・バロウズ、イザベラ・フィンク、グレタ・オニエオゴウ他。
ニック・ホーンビィの自伝的小説を基にしたイギリス映画『ぼくのプレミアライフ フィーバーピッチ』のハリウッド版リメイク。
監督は『愛しのローズマリー』『ふたりにクギづけ』のピーター・ファレリー＆ボビー・ファレリー。
脚本は『あなたのために』『ロボッツ』のローウェル・ガンツ＆ババルー・マンデル。
リンジーをドリュー・バリモア、ベンをジミー・ファロン、ダグをジェームズ・Ｂ・シッキング、モーリーンをジョベス・ウィリアムズ、ケヴィンをウィリー・ガーソン、トロイをエヴァン・ヘルマス、ラナをシオバン・ファロン・ホーガン、アルをジャック・ケーラー、ジェラードをアーマンド・リエスコ、モリーをアイオン・スカイ、クリスをジョニー・スニード、ロビンをケイディー・ストリックランド、サラをマリッサ・ジャレット・ウィンカーが演じている。原作とオリジナル版の主人公はアーセナルの熱烈なサポーターで、1988-89シーズンの最終節でリヴァプールを下して優勝を決めた劇的な勝利をクライマックスにしている。
しかしハリウッド版では題材をサッカーからベースボールに変更し、ベンはレッドソックスの熱烈なファンになっている。
当時のアメリカでは、まだサッカーはマイナースポーツだった。
そのため、４大スポーツの１つであるＭＬＢに変更するのは、アメリカ市場を考えれば当然の判断と言えるだろう。ただし原作やオリジナル版と異なり、こちらは撮影された2004年を舞台にしている。つまり、その時点では、レッドソックスのシーズン成績は全く分からなかったわけだ。
そのため、当初は完全なるフィクションとして、「プレーオフで敗退」という脚本が用意されていた。
ところがレッドソックスはチャンピオンシップでヤンキースに３連敗から４連勝し、ワールドシリーズに進出した。そのため、ファレリー兄弟は脚本の変更を決意したのだが、ここで奇跡的な幸運が舞い込んだ。
なんと、「バンビーノの呪い」から解放されたレッドソックスは、ワールドシリーズでカージナルスに４連勝して86年ぶりに優勝したのだ。冒頭シーンでの掴みに失敗している。
アルのナレーションで進行するのは別にいいとして、ベンがレッドソックスの熱烈なファンになったことまで語りだけに頼って済ませるのはダメでしょ。
そこは「初めてフェンウェイ・パークに行き、初めて野球を見て、レッドソックスに魅了された」という、ベンが感じた強烈なファースト・インパクトを観客に伝える必要があるのよ。観客を引き込むための、映像的な表現が必要なのよ。
それなのに試合のシーンは全く見せず、カールが野次を飛ばす様子からカットが切り替わると、試合終了後にベンがグッズを買っている。
これだと、「ベンが熱烈なファンになる」という初めの第一歩で観客を引き込む説得力が皆無なのよ。幼少期のシーンから23年後に飛んだら、まずは「今もベンは熱烈なレッドソックスのファンであり、レッドソックス最優先の生活を送っている」ってのを描くべきだろう。この映画の根幹を為す部分は、そこなんだから。
だけど、それを後回しにして、まずは「ベンがリンジーと出会い、惹かれ合って」という手順を描くのよね。それは順番を間違えている。
ベンというキャラを構成する上で最も大事なのは、職業が教師だとか、収入が低いとかってことじゃなくて、「レッドソックスが何よりも大事」という部分のはずで。
冒頭に幼少期のシーンを描かずに始めるなら、ベンがリンジーと付き合うようになってから「実はレッドソックスの熱烈なファン」ってことを打ち明ける展開でも問題は無い。だけど最初に「幼少期からレッドソックスのファン」ってことを示しているので、2003年でも最初に「ベンはレッドソックスの大ファン」ってことを説明すべきだ。ホームパーティーでロビンがリンジーに「ベンの部屋を調べるべき」と言った次のシーン、映画開始から25分ほど経過した辺りで、初めてベンの部屋が映し出される。
目を覚ました彼の部屋は、レッドソックスのグッズや記事の切り抜きに囲まれている。
でも、それを開始から25分後まで引っ張る意味は全く無い。2003年10月に飛んだら、その一発目がベンの部屋のシーンでもいいぐらいだ。
っていうか、そっちの方が絶対に効果的でしょ。そのタイミングでベンの部屋を見せる狙いは分かる。
ロビンが「ベンの部屋を探って秘密を調べるべきだ」とリンジーに言った直後なので、「その秘密ってのが、レッドソックスの熱狂的なファンってことですよ」という答えを出す流れになっているわけだ。
だけど、こっちはベンがレッドソックスの熱狂的なファンってのを、最初から知っているのよ。
だから秘密も何も、ロビンが「独身には何か理由がある」と言い出した時点で「レッドソックスの熱狂的ファンってのが原因だろう」と簡単に推測できるのよ。ベンがレッドソックスの熱狂的なファンで、それが人生における最優先事項ってのは一向に構わない。ただし、そこにリンジーを巻き込むのはダメでしょ。
彼は自分が熱狂的なファンだと明かした後、開幕戦に誘い、レッドソックスについて何度も熱く語る。でも自分が好きだからって、相手も好きだとは限らない。
今までの彼女との上手く行かなかったのは、相手も取り込もうとしたのが原因じゃないのかと。
プロポーズっぽい方法で開幕戦に誘うとか、普通に考えりゃ一発アウトでもおかしくないような行為だぞ。
リンジーがプロポーズもどきの誘いを笑顔で受け入れるのも、何度も一緒に試合観戦に行くのも、ベンに歩み寄ろうとしてくれているだけなんだから。あと、取材を受けるとバカみたいに騒ぐとか、マトモな靴は１足だけでスーツは全く持っていないとか、そういうのは「レッドソックスの熱狂的なファンだから」ってのとは全く別問題だぞ。
どこかのチームの熱烈なファンであっても、落ち着いて取材対応できる奴は幾らでもいるし、それなりの場所に行けるような服や靴を揃えている奴も幾らでもいる。
「熱烈なレッドソックスのファンだから」ってことは、ベンの言動や立ち振る舞いが子供じみていることの言い訳にはならない。
そこはイコールで結ばれる要素ではない。粗筋でも書いたように、ロビンはモリーから「リンジーを妬んでいる」と指摘されるとカッとなってパンチを入れる。しかし、すぐに彼女は「なんてこと」と慌てるし、モリーが怒ったり反撃したりすることも無い。
この問題で２人の関係が険悪になることも無ければ、他の２人も含めた友人関係にヒビが入ることも無い。次のシーンで４人が登場すると、普通に仲良くやっている。
なので、その手順は何の意味も無いモノになっている。それどころか、ロビンがリンジーに嫉妬している設定さえ無意味と化している。
そもそも、リンジーがロビンの言葉に乗せられて、ベンの部屋を探るようなことも無かったしね。リンジーはベンに付き合って、１週間に３度も球場へ付き合っている。
ベンはリンジーが球場にパソコンを持ち込むことを咎めて不機嫌になるが、そもそも試合観戦に付き合わせている時点でダメだろ。リンジーが忙しいと分かったら、「球場には友人と行くから」と仕事に専念させてあげるべきだろ。
ところが、リンジーが「もう球場には行かない」とリンジーが言って理由を説明すると、ベンは受け入れずに「君も来てほしい」と言うのだ。
ってことは、今までの恋人にも球場で一緒に観戦することを要求していたんだろう。
そりゃあ、揉めて別れることになるのも当然だわ。ただ、その辺りまでは「全面的にベンに非がある」という関係性なのだが、ずっとリンジーがベンに譲歩して合わせているのかと思いきや、そうでもないんだよね。パリ出張が決まると、彼女はベンを連れて行こうとするのだ。
でも、週末にレッドソックスの試合があることは決まっているんだから、それが難しいことは簡単に分かるでしょ。なぜ一緒に行けると思ったのか。
「生理が無いのは特別なことだから、パリで話そうと思った」と言うけど、何の言い訳にもなっていないし。
この辺りは、ストーリーを都合良く進めるために、リンジーを強引に動かしているという印象が否めないぞ。終盤に入ると、リンジーがどんどんワガママな女になっていく。
大逆転劇を観戦できなかったベンが悔しがるのは、大ファンなんだから当然のことだ。そりゃあ、その悔しさや苛立ちをぶつけられても困るだろうけど、「貴方は私の心を傷付けた」と冷たく別れを告げるのは、愛が無さすぎるでしょ。
その後、ベンがヨリを戻そうとしても冷淡に拒絶するけど、心の狭い女だなあと感じてしまう。
レッドソックスの熱烈なファンと知った上で交際を始めたのに、それを次第に嫌悪するようになるのよね。
かなり甘く考えていて「こんなはずでは」ってことなんだろうけど、「なんか嫌な感じ」と言いたくなる。もちろん、そのままで終わるわけではない。リンジーはベンがシーズンチケットを売却することを聞き、「私のためね。私はそんな犠牲を払ったかしら」と気付き、球場へ向かう。
謝罪して関係を修復しようとするのは別にいいが、やり方がダメだわ。
大事な試合中なのに、グラウンドに乱入してベンのいる客席を目指すのよ。「携帯が繋がらないから」ってのは、何の言い訳にもならんぞ。
あと、２人のハグからのキスを全ての観客が祝福するのも変だよ。
３連敗を喫していて、その日も負けている状況で、レッドソックスのファンはイライラしていたはず。そんな中で試合を妨害されたのに、「自分たちの世界」に入っているカップルを祝福できるかねえ。（観賞日：2022年2月11日）