『追跡者』:1998、アメリカ

連邦筆頭副保安官サム・ジェラードは、ニューヨークに向かう囚人護送機に同乗した。だが、離陸した護送機の中で1人の囚人がペンピストルを撃ち、機体に穴を開けてしまう。護送機はオハイオ川に墜落し、囚人の1人マーク・シェリダンが逃亡してしまう。
シェリダンは、外交保安局の人間を殺したとして逮捕されていた。外交保安局は、捜査官ジョン・ロイスをジェラードの捜査に同行させる。一方、シェリダンは自分が罠にハメられたと気付いていた。彼は恋人と連絡を取り、自分を陥れた人間を探そうとする。
殺人事件の様子を撮影したビデオを見たジェラードは、外交保安局が自分に嘘を教えたことに気付く。実はシェリダンは元CIA工作員で、政府のために汚い仕事を一手に引き受けていた男だった。外交保安局は、シェリダンが中国に機密を漏らしたのではないかと疑い、彼を追い掛けていたのだ。
しかし、中国に機密を漏らしていたのはシェリダンではなかった。機密を漏らしていた他の誰かが、彼に罪を着せたのだ。シェリダンは、必死に真実を探り当てようとする。しかし、ジェラードの捜査の手は、確実にシェリダンを追い詰めて行く…。

監督はスチュアート・ベアード、脚本はジョン・ポーグ、製作はアーノルド・コペルソン&アン・コペルソン、製作総指揮はキース・バリッシュ&ロイ・ハギンス、撮影はアンジェイ・バートコウィアク、編集はテリー・ローリングス、美術はメイハー・アハマド、衣装はルイーズ・フロッグリー、音楽はジェリー・ゴールドスミス。
主演はトミー・リー・ジョーンズ、共演はウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニーJr.、ジョー・パントリアーノ、ダニエル・ローバック、トム・ウッド、イレーヌ・ジャコブ、ケイト・ネリガン、ラターニャ・リチャードソン、パトリック・マラハイド、リック・スナイダー、マイケル・ポール・チャン、ジョニー・リー・ダヴェンポート、ドナルド・リー、マーク・ヴァン他。


『逃亡者』で主人公を追い掛けた捜査官サム・ジェラードを中心に据えた作品。
ジェラードを演じるのは『逃亡者』に引き続き、トミー・リー・ジョーンズ。他にシェリダンをウェズリー・スナイプス、ロイスをロバート・ダウニーJr.が演じている。

『逃亡者』の続編的な作品ではあるが、話に繋がりは全く無い。
ただジェラードが出ているというだけ。
いや、それは別に構わないのだが、展開が完全に『逃亡者』の焼き直しってのは、どういうつもりなんだろう。そんな続編、なんで作ったのか。

内容は、マーク・シェリダンがホントは悪くないけど犯人と疑われて逃亡し、それをリチャードが追い掛けるというもの。
ねっ、『逃亡者』と同じでしょ。
これって、シェリダンを無実の逃亡者ではなく、完全な悪役として設定し、ジェラードと対決するという話にした方が良かったんじゃないのかなあ。

せめて、「シェリダンがホントは悪くない」ということが終盤まで分からなかったら、まだマシだったのかもしれない。
でも、序盤で彼が犯人ではないことが観客に分かってしまう。
それによって、ジェラードが悪人を追うという緊張感も無くなってしまう。

ロイスの存在感が、非常に薄い。
後半のドンデン返しを考えると、もっと彼は目立っていないとダメなはず。
しかも、そのドンデン返しのタイミングが悪い。
映画の真ん中辺りか、もしくはクライマックスに持ってくるべきだったと思うよ。
ホント、冴えない続編だなあ。


第21回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪の続編】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会