『トゥルー・ナイト』:1995、アメリカ

キャメロット国はアーサー王によって統治されていたが、第一の騎士だったマラガントが王の栄光を妬んで反旗を翻した。マラガントの一味は隣国レオネスでも略奪を繰り返し、国境の村を襲って焼き討ちにした。
レオネスのグイネヴィア姫の元に、アーサー王から結婚の申し込みがあった。グイネヴィア姫は結婚を承諾してキャメロットへ向かうが、マラガントの一味に襲われる。彼女を救ったのは、さすらいの剣士ランスロットだった。
アーサー王はマラカンドを円卓に招くが、交渉は決裂する。その夜、マラカンドの一味はグイネヴィア姫をアーサー王の城から連れ去ってしまう。監禁されたグイネヴィア姫を救ったのは、彼女に惹かれているランスロットであった。
アーサー王に騎士にならないかと持ち掛けられたランスロットは、その申し出を受けることにした。しかし、ランスロットとグイネヴィア姫は抱き合っている現場をアーサー王に目撃されてしまい、公開の裁判が行われることになった…。

監督はジェリー・ザッカー、原案はローン・キャメロン&デヴィッド・ホセルトン&ウィリアム・ニコルソン、脚本はウィリアム・ニコルソン、製作はジェリー・ザッカー&ハント・ロウリー、製作協力はキャスリン・J・マクダーモット、製作総指揮はギル・ネッター&エリック・ラットレイ&ジャネット・ザッカー、撮影はアダム・グリーンバーグ、編集はウォルター・マーチ、美術はジョン・ボックス、衣装はナナ・セッチ、音楽はジェリー・ゴールドスミス。
出演はリチャード・ギア、ショーン・コネリー、ジュリア・オーモンド、ベン・クロス、リーアム・カニンガム、クリストファー・ヴィラーズ、ヴァレンタイン・ペルカ、コリン・マコーマック、ラルフ・アイネソン、ジョン・ギールグッド、スチュアート・バンス、ジェーン・ロビンス、ジーン・マリー・コフィー、ポール・キンマン、トム・ルーシー、ジョン・ブレイキー他。


アーサー王の伝説を基にした作品。
ランスロットをリチャード・ギア、アーサー王をショーン・コネリー、グイネヴィア姫をジュリア・オーモンド、マラガントをベン・クロスが演じている。
監督はZAZトリオの1人、ジェリー・ザッカー。

アーサー王伝説といえば、普通は歴史アドベンチャーであったり、ヒロイック・ファンタジーであったりするわけだ。
しかし、この作品はアーサー王の伝説からロマンやファンタジーを全て排除して、ショボクレた不倫ドラマとして仕上げている。

せっかくアーサー王伝説を使っているのに、エクスカリバーは登場しない。
魔法使いマーリンも登場しない。
ファンタジーの要素はゼロなのだ。
それならアーサー王伝説を使う意味がどこにあるんだろうか。

不倫ドラマを描くことが悪いわけではないが、この題材を使って不倫ドラマは無いでしょ。
戦いのシーンはあるけど、それは不倫を飾り付ける道具に過ぎないので、スペクタクルを素直に感じ取ることが難しいのよね。

そもそも、ランスロットはプライドや忠義のために、騎士として戦うわけではない。
惚れた女の近くにいたいから、騎士になったのだ。
だから、騎士道のカッコ良さはこれっぽちも無い。
単なるヤサ男にしか見えないのよね。

ランスロットとアーサー王の間に男の絆が存在するならば、グイネヴィア姫を巡る三角関係に深みが生まれたかもしれない。
でも、そこはゼロ。
だから終盤のランスロットの戦いも、他人のカミさん奪ってカッコ付けてるだけになってて、ピリッとしない。

グイネヴィア姫はランスロットと抱き合ったりしながらも、アーサー王には「あなたを愛してる」と言っちゃう。
ひでえよなあ。
なんかアーサー王がバカみたいだよなあ。
そんでアーサー王が死んでしまい、のうのうと生き残ったランスロットがグイネヴィア姫と一緒になる。
いいのか、そんな終わり方で。
やったモン勝ちかよ。
念のために書いておくけど、コメディーやパロディーじゃないのよ、この映画。

 

*ポンコツ映画愛護協会