『大脱出2』:2018、中国&アメリカ

チェチェンの武装組織はアジトでカメラを回し、IDPニュースのルーカス・グレイヴスに銃を向けた。ルーカスはカメラに向かい、「A・S・アルアーカンを解放してくれ」と訴えた。「俺たちは殺される」と彼が叫ぶと、武装組織のキンブラルが後ろから蹴り飛ばす。組織のリーダーはカメラに向かい、「釈放しないと45分後に処刑映像を流す」と通告した。アジトにはルーカスの他にも、シュー、アリス、もう1人の女性の3名が捕まっていた。
人質の部屋を出た外で休息を取っている時、キンブラルは仲間から処刑の担当を任された。彼は話を聞きながら、端末を使っていた。連絡が来ないのでリーダーは腹を立て、シューたちを牢から出して処刑しようとする。しかしカメラに設置されていた爆弾が起動し、シューは組織の連中を叩きのめした。彼はアビゲイルたちを引き連れ、敵と戦いながらアジトからの脱出を図る。ルーカスと名乗っていたルークも含め、4人は同じ会社の仲間だった。そして彼らだけでなく、キンブラルも仲間の1人だった。
シューはトラックに辿り着くが、鍵を持っているキンブラルが来ていなかった。彼は勝手に武器庫を爆破し、遅れて合流した。シューたちはトラックを発進させるが、武装組織の発砲を受けてアリスが深手を負う。彼らは待機していたハッシュやアビゲイルたちの元に着くが、アリスは死亡した。シューやルークたちは、「お前のせいだ」とキンブラルを非難した。キンブラルは自身の行動の正当性を主張するが、シューは端末を使ったことも責めた。ジョージア州アトランタのブレスリン警備で社長を務めるレイ・ブレスリンは、部下のキンブラルを呼び出した。彼はキンブラルに解雇を通告し、「お前の作戦は不充分だった。仲間を信頼しなかった」と指摘した。
1年後、中国の上海。衛星技術会社の社長を務めるユシェンと姉のチンは、新サービスを発表する準備を進めていた。そこへ従兄のシューが現れ、2人に挨拶した。シューはチンから、ユシェンの警護を依頼される。チンによれば、ジュネーブのラスコというライバル会社が3度もユシェンの買収に失敗し、命を狙っているらしい。ユシェンが週末にバンコクのパーティーに行くので、同行してほしいとシューは要請された。シューはパーティーで酔っ払ったユシェンを宿まで送ろうとするが、仮面で顔を隠した刺客に襲われる。シューは敵と戦うがスタンガンで気絶させられた。
シューが意識を取り戻すと「ハデス」と呼ばれる監獄に収監されており、ガリレオと名乗る音声が呼び掛けた。ガリレオはシューに、戦いを要求した。そこへ囚人が現れ、シューが戦いに勝利するとガリレオは「保護区で2時間過ごすといい」と告げた。ハデスにはユシェンも収監されていたが、状況は良く分かっていなかった。天井からケージが出現し、ガリレオは中に入るようシューに指示した。シューが指示に従うと、椅子が用意されたケージの壁には湖畔の景色が映し出された。
シューは独房に戻る時、囚人たちの中にキンブラルを見つけた。彼が独房で饅頭を食べようとすると、電気が流れて失神した。気が付くと彼は椅子に拘束されており、目の前には刑務所長のグレゴールがいた。グレゴールは「ユシェンは特許34ACJLについては内容を教えたが、36BBBCKについては口を割らない。詳細を話すよう説き伏せろ」と要求し、シューを解放した。シューから「特許の中身は?」と問われたユシェンは、「最先端の小型衛星技術だ。世界中のコンピュータを乗っ取って支配できる」と答えた。
キンブラルは半年ほど前から収監されていることをシューに話し、「俺たちはブレスリンをおびき寄せるための罠かもしれない」と告げた。ブレスリンはルークたちに、ハデスは「墓場」よりも強固なセキュリティーの監獄だと教えた。シューはキンブラルから、「戦闘日と休戦日がある。勝てば褒美が貰えるが、敗者や戦わない者は惨めな日々を」と聞かされる。ルークは潜入してシューを助けようと訴えるが、ブレスリンは「情報が少ない。1人では手に負えない」と却下した。
ハッシュはルークに、ラスコの連絡先を教えた。ブレスリンはアビゲイルに調査させ、ラスコが民間刑務所を推進するレオン・グラシに1千万ドルを送金していることを知った。彼は昔の仲間でバーテンダーに転身したデローサの店を訪れ、協力を要請する。レオンが男と店に来たので、ブレスリンは情報を教えろと迫った。そこへ仮面の刺客たちが現れ、レオンと同行者を射殺した。ブレスリンとデローサは反撃し、一味を始末した。ブレスリンが「銀行口座を突き止めたい」と言うと、デローサは「1日だけ猶予をくれ」と告げた。
シューは目隠しでドアから出て来たレッドという男を呼び止め、「どこから来た?」と尋ねる。レッドは「俺は料理人だ」と言い、「厨房への行き方を教えろ」とシューが要求すると「断る」と去った。シューはアカラという黒人に喧嘩を売って騒ぎを起こし、電流で気絶した。意識を取り戻した彼は病室にいて、ロボットが怪我を治療していた。麻酔で眠りに落ちた彼は、幼い頃の夢を見た。彼が目を覚ますと、ロボットは姿を消していた。
病室から戻ったシューはアカラに「何を企んでる?」と訊かれ、「医者の手を借りるつもりだった」と答えた。ルークはハッシュに連絡し、「ラスコの内通者にハメられた。だが、糸口になる男を見つけた」と言う。彼は車で男を追い掛けるが逃げられ、倉庫に閉じ込められた。シューはグレゴールに拘束されて、拷問を受けた。「ユシェンは陥落寸前だ」と彼は言うが、グレゴールは納得しなかった。シューはユシェンと腕を繋がれてタッグ戦を命じられるが、勝利して保護区に入った。彼はハデスの構造を想像し、図面を描いた。
ハッシュはアビゲイルから、ルークが行方不明になったことを聞かされる。彼はブレスリンに、「ルークにラスコの連絡先を教えた」と告白した。ルークはハデスに収容され、シューは彼に「まだ動くな」と指示する。シューはレッドに「家へ帰してやる」と持ち掛け、協力を要請する。レッドが「厨房まで目隠しされてる」と告げると、彼は「目が無くも見える」と言う。レッドはシューに指示されて歩数を数えるが、翌日は倍になっていた。ハデスを観察したシューは、建物が変形しているのだと推理した。
キンブラルはシューに、レギオンと呼ばれる囚人3人組に協力を求めるよう提案した。レギオンはアイスランドで地下活動していた有能なハッカー集団で、リーダーはカウント・ゼロという男だ。しかし誰がゼロなのかは分かっておらず、グレゴールは突き止めようとしていた。ゼロは監獄の仕様書を入手しており、グレゴールはレギオンを保護区に入れずに監視していた。デローサはバグという男を脅し、情報を教えるよう要求した。
シューはレギオンに、「ハデスの構造を教えてくれたら保護区に入らせてやる」と持ち掛けた。彼はレッドに協力してもらい、3人の囚人に食事を用意した。レギオンとトリオでの対戦になった時、3人は全く攻撃せずに敗北を認めた。レギオンは保護区に入り、シューに協力することを承諾した。しかしキンブラルが裏切ったため、レギオンは連行された。キンブラルはシューとルークを拘束し、自分がハデスの運営者だと教えた。
ブレスリンはデローサからの情報で、キンブラルがハデスを運営していることを知った。彼はアビゲイルに、調査を命じた。キンブラルはシューとルークに、「ここの投資家が、ブレスリンの部下の解雇を知った。ブレスリンに脱獄されないよう、大金を懸けた。彼の上を行く人材を探していた」と話す。彼は復讐が目的だと言い、シューとルークに戦闘を繰り返させる。彼は部隊を差し向け、ブレスリンをハデスへ連行した。しかしブレスリンはキンブラルの動きを予期しており、歯に発信器を仕込んでいた。彼はハッシュから連絡を受け、「3割は構造を突き止めた。しかし情報不足だから、内部に基地局を作ってくれ」と告げられる…。

監督はスティーヴン・C・ミラー、キャラクター創作はマイルズ・チャップマン、脚本はマイルズ・チャップマン、製作はランドール・エメット&ジョージ・ファーラ&シン・スー&チウ・ジエ&マーク・キャントン&ザック・シラー&ロビー・ブレナー、製作総指揮はウェイン・マーク・ゴッドフリー&ロバート・ジョーンズ&トニー・パーカー&バリー・ブルッカー&スタン・ワートリーブ&ヘンリー・ウィンタースターン&アリアンヌ・フレイザー&デルフィーヌ・ペリエ&アレックス・ボーイズ&テッド・フォックス&マーク・スチュワート&ヴァンス・オーウェン&モンゴメリー・ブレンコウ&ロン・リンチ、共同製作はティム・サリヴァン&アンソニー・コーリー&デヴィッド・ホップウッド&アラナ・クロウ&マイケル・J・ウラン、共同製作総指揮はライアン・ブラック、製作協力はアルノー・ラニック&ババク・エフテクハリ&アラステア・バーリンガム&チャーリー・ドンベク&ジャスミン・モリソン&クリス・シルヴァートソン、撮影はブランドン・コックス、美術はニコ・ヴィライヴォングス、編集はヴァンサン・タベロン&カーステン・カーパネック、衣装はボニー・スタウチ、音楽はザ・ニュートン・ブラザーズ。
出演はシルヴェスター・スタローン、デイヴ・バウティスタ、ホアン・シャオミン、カーティス・ジャクソン、タイタス・ウェリヴァー、ジェイミー・キング、ジェシー・メトカーフ、ウェス・チャサム、リディア・ハル、ピート・ウェンツ、シェイ・バックナー、タイラー・ジョン・オルソン、チェン・タン、タイロン・ウッドリー、アシュリー・クザート、イーファン・ルオ、ローワン・ブサイド、ベイリー・カラン、ジーコ・ザキ、ヴィンセント・ヤング、エリック・ダニエル・ニューンハム、マーク・ヒックス、ミン・シー、ロマン・ミティチヤン、ゴードン・マイケルズ、ジェイミー・エディー、ジョセフ・ブレイク・メンゼル、ジョー・ゲルチオン、マイク・マッコル他。


2013年の映画『大脱出』の続編。
監督は『キング・ホステージ』『ファースト・キル』のスティーヴン・C・ミラー。脚本は前作から続投のマイルズ・チャップマン。
ブレスリン役のシルヴェスター・スタローンとハッシュ役のカーティス・ジャクソンは、前作からの続投。
ジュールス役のリディア・ハルも前作からの続投だが、演じている役柄が異なる。アビゲイルは前作にも登場したキャラクターだが、演者がエイミー・ライアンからジェイミー・キングに交代している。
デローサをデイヴ・バウティスタ、シューをホアン・シャオミン、グレゴールをタイタス・ウェリヴァー、ルークをジェシー・メトカーフ、キンブラルをウェス・チャサムが演じている。

冒頭のシーンは、しばらくは何が何やら良く分からない。少し経ってから、人質は全員が作戦としてわざと捕まっていたこと、キンブラルも仲間であることが分かる。
ただ、どういう作戦で目的が何なのかは、サッパリ分からない。ホントの人質が誰かいて、そいつを助けるためってことでもないのよね。
だから、人質を装って捕まることで何をやろうとしていたのか、まるで分からないのよ。
っていうか、仮に「誰かを救出するため」ってことであっても、わざと捕まる必要なんて無いしね。何しろ、どういう手を使ったのかは分からないけど、キンブラルが武装組織に潜り込めているんだからさ。

あと、処刑される直前まで、ずっと捕まって暴行を受けても我慢している必要性も全く無いでしょ。
それより早い段階で動いたら何か問題があるのかというと、それも全く分からないし。
それとさ、前作でブレスリンがやっていた仕事と比較すると、冒頭で描かれる仕事って全く種類が違うよね。
そういうのって(まあ詳細が不明なので何とも言えないけど)、ブレスリンが請け負う仕事とは違うんじゃないか。少なくとも、警備会社がやるような仕事ではないだろ。

チンはユシェンの警護を頼むが、命を狙われている人物を守るのにシューだけじゃ少ないだろ。
あと、シューは仮面の刺客と戦うけど、どうせスタンガンで失神させられちゃうので、そこで幾ら戦ってもカッコ良さを感じない。
それなら、そこのアクションは要らない。
っていうか、実質的な主役はホアン・シャオミンなので彼の格闘が売りになっているのは確かなんだけど、アクションシーンがゴチャゴチャしていて分かりにくいから、まるでセールスポイントにならないし。

シューもユシェンも何かの罪を被せられてハデスに収監されるわけではなく、「気付いたら収監されていました」というだけ。それって、もはや刑務所でも何でもないだろ。しかも、収監されても「所長の元へ連行される」とか「看守が施設について説明する」という手順が無いし。
っていうか、ハデスって看守がゼロで、囚人は自由に動き回っているのよね。平気で接触したり喋ったり出来ているし。
なので、警備がユルユルにしか思えない。その気になれば簡単に脱獄できるんじゃないかと。
「脱獄を試みて失敗する」というケースが描かれていないので、いかに警備が厳重なのか、どんな形で警備しているのかが全く分からないのよ。

囚人が独房から出されている時、戦闘以外では何をさせられているのかも不明。普通に喋っている時間があるってことは、戦闘の時しか独房から出していないわけじゃないんでしょ。
っていうか、そもそも囚人を戦わせている目的も不明だし。所長の趣味ってわけでもないんでしょ。
っていうかガリレオという音声がシューに話し掛けていたけど、ちゃんと所長はいるのね。だったら、なぜシューが連行された時、所長と対面する手順は無かったのか。
あと所長はいるけど看守はゼロって、それも変だぞ。

シューが饅頭を食べようとすると電気が流れて失神するが、それは何なのか。
いや、もちろん「グレゴールの元へ連行するため」ってことは分かるのよ。ただ、そのために「饅頭を食べさせる」と見せ掛けてビリビリの罠を仕掛ける意味なんて全く無いでしょ。
ただグレゴールが自分の部屋にでも連行させて、ユシェンを説得するよう要求すればいいだけでしょ。失神させて拘束する必要性なんて全く無い。
あと、「ユシェンが詳細を話すよう説き伏せろ」って、何だよ、その要求は。
なぜユシェンを拷問してでも白状させようとしないのか。シューに説得を要求するより、そっちの方が早くないか。

ブレスリンがデローサを訪れると店にレオンが入って来るが、なぜなのかは分からない。
ブレスリンは最初から、そこにレオンが来ると分かっていたのか。だとすると、「たまたまデローサの店にレオンが来た」ってことなのか。
そこに刺客が来てレオンを殺すけど、それは変だろ。ブレスリンに情報を教えなきゃ、レオンはハデス関係者にとってはスポンサーになってくれる人物のはず。そのタイミングで刺客が送られるってのは、筋が通らないぞ。
そんな刺客をブレスリンは全滅させるが、情報が欲しいんじゃないのかよ。1人ぐらい生かしておいて、尋問しようとは思わないのかよ。

レッドは目隠しでドアから出て来るが、なんで料理人が大勢の囚人の集まっている場所を通るようになっているんだよ。他の囚人とは接触しない導線にしておいた方がいいだろうに。
あと、「厨房までは目隠しされる」と言うけど、それを外してもバレないんじゃないのか。どうやら監視カメラで見ている様子も無いし。
そもそも、誰が目隠しを付けているのかも不明だし。
あと、怪我人を治療するのはロボットなのに、調理は人間にやらせるのかよ。それも変だろ。

ルークがカーチェイスしながらハッシュに「ラスコの内通者にハメられた。だが糸口になる男を見つけた」と話すシーンがあるが、そこまでの経緯を全く描いていないから、何がどうなっているのかサッパリ分からない。
だったら、そこも全てカットでいいぐらいだ。
そんなカーチェイスを描くぐらいなら、むしろ「ラスコを探っていたら捕まってハデスに連行される」という形にでもした方がいいぞ。
どうせ、「糸口になる男を見つけた」ってのは後の展開に全く繋がらないし。

デローサはバグという男の元へ行き、脅して協力を要求する。だが、バグがどういう男なのか、ハデスとどんな関係なのかは分からない。
こいつがボンヤリしたキャラのままで退場してしまうので、「だったら、このシーン丸ごと無くてもいいわ」と言いたくなる。
いきなり「デローサがブレスリンに連絡し、ハデスの運営者がキンブラルだと突き止めた」と報告するシーンに繋げてもいいぐらいだわ。
もちろん、それが雑すぎる構成なのは間違いないけど、まだマシってことよ。

シューがハデスの変形構造を知って「協力者がいない」と漏らすと、キンブラルはレギオンに頼むよう持ち掛ける。
ここで初めてレギオンと呼ばれるグループが登場するが、そいつらは顔が白塗りでスキンヘッドという容貌。
すんげえ陳腐だし、行き当たりバッタリ感が半端無いわ。
昔の香港映画みたいに、マトモなシナリオを用意せず、撮影しながら話を作っていったのかと思うぐらいだ。
そんなはずはないが、このシナリオで良く撮影のゴーサインが出たな。

キンブラルは「グレゴールはレギオンのリーダーであるカウント・ゼロを特定し、サーバーを見つけ出そうとしている」と話すが、特定する必要性って無くないか。
どうせメンバーは3人しかいないんだから、全員のサーバー調べりゃ済むんじゃないのか。っていうか、誰がゼロなのかを特定できても、それと「サーバーを突き止める」ってのは別問題じゃないか。
あとさ、「拷問して白状させる」という方法はやってないのか。
それで失敗しているとしたら、ユシェンにしろレギオンにしろ、どんだけ我慢強いんだよ。あるいは、どんだけハデスの拷問はヌルいんだよ。

グレゴールは何度もシューを拘束し、「ユシェンは陥落寸前」と言われると苛立ちつつも解放している。
で、ようやく「時間切れだ」と口にするが、どんな行動を取るのかと思ったら、ユシェンを囚人3人と戦わせてボコボコにするだけ。
この手順、何の意味があるのか。もう何度も拷問してもユシェンが口を割らないから、シューに任せたんじゃないのか。
っていうか、「ユシェンが拷問しても口を割らないからシューを拷問して協力を要求する」ってのも、実は変な方法なんだけどね。

シューはレギオンに協力してもらうため、「保護区に入らせてやる」と提案する。だけど保護区って、本を読んだり絵を描いたりすることぐらいしか出来ない空間なのよ。
そんなのは、ちっとも褒美としての力を持っていないでしょ。だけど、なぜかレギオンはOKするのよね。
で、彼らを保護区に入れるためにシューが取った方法が、「囚人3人に飯を食わせて戦闘で負けを認めてもらう」という作戦。
だけど、その囚人が戦闘で同時に指定されるかどうかは分からないはずでしょ。トリオ戦闘になるかどうかも分からんし。
あと、グレゴールはゼロを特定するため、レギオンを保護区に入れないようにしていたんでしょ。だったら、そもそも彼らに戦闘は要求しないはずでしょうに。その時だけ、なぜ都合良くレギオンがトリオで戦闘を指示されるんだよ。

キンブラルは部隊を送ってブレスリンを拉致するが、そんな必要性が全く無いだろ。復讐のためにシューやルークを拉致したのなら、そこで終わらせておけばいいじゃねえか。
「彼らを追ってブレスリンがハデスに来る」ってのを狙っていたとすれば、それを待てばいい。我慢できなくなったってことなのか。
あと、特許のことだけ考えれば、ブレスリンは呼ばない方がリスクが軽減できるし。
今さらブレスリンを拉致する理由がサッパリ分からんよ。

終盤、ブレスリンは脱獄作戦の準備を進めるが、「まだ看守に不安がある」と言う。
その時点で看守なんて1人も出て来ていないので変に感じるが、いざ作戦を実行に移すと急にワラワラとジャッジ・ドレッドの出来損ないみたいな看守たちが現れる。
お前ら、今までどこに隠れていたんだよ。囚人たちが行動している間、全く絡んでいなかったじゃねえか。
あと、デローサは簡単にハデスへ突入できているから、やっぱりセキュリティーはユルユルだし。

映画のラストで、ブレスリンはキンブラルにモニターを通じて指示を出していた黒幕に対し、「どこにいようと絶対に見つけ出す」と宣言する。
つまり、キンブラルやグレゴールを倒して大団円ではなく、「俺たちの戦いは、これからだ」という形になっているわけだ。
これが週刊少年ジャンプたせったら完全に打ち切りの漫画の最終回だけど、この作品は『大脱出3』がある。
なので3作目で黒幕との戦いが展開されるのかと思いきや、そうではなかったのである(それについては『大脱出3』の批評で)。

(観賞日:2021年2月16日)

 

*ポンコツ映画愛護協会