『ダブル・インパクト』:1991、アメリカ

香港で実業家として成功したポール・ワグナーは、ビジネス・パートナーのナイジェル・グリフィスと共に香港と中国を繋ぐ海底トンネルの工事に出資し、その開通式に参加した。その席には妻キャサリン、幼い双子の息子アレックスとチャドも一緒にいた。
開通式からの帰り、ポールはグリフィスの手下に襲撃を受ける。ボディガードのフランクが駆け付けるが、既にポールとキャサリンは殺されていた。生き残った息子の内、乳母に預けられたアレックスは孤児院の前に捨てられ、チャドはフランクと共にアメリカへ渡った。
それから25年後、チャドは幼い頃に起きた事件を何も知らずにフランクの甥として育てられ、ビバリーヒルズで空手とエアロビクスの講師をしていた。ある日、フランクから甥ではないと告げられたチャドは、彼に連れられて香港へ向かった。
香港に着いたチャドは、そこで自分そっくりの男に出会う。それは幼い頃に生き別れとなり、今は密輸の仕事をしている双子の兄アレックスだった。フランクから真実を知らされたチャドとアレックスは、今や大物実業家に成り上がったグリフィスへの復讐を誓うのだが…。

監督はシェルドン・レティック、原案はシェルドン・レティック&ジャン=クロード・ヴァン・ダム&スティーヴ・ミーソン&ピーター・クリクス、脚本はシェルドン・レティック&ジャン=クロード・ヴァン・ダム、製作はアショク・アムリトラジ&ジャン=クロード・ヴァン・ダム、共同製作はジェリー・マーティン・カー&シェルドン・レティック、製作総指揮はモシュ・ディアマント&チャールズ・レイトン、製作監修はリック・ネイサンソン、撮影はリチャード・クライン、編集はマーク・コンテ、美術はジョン・レイ・ムーア、衣装はジョセフ・ポロ、音楽はアーサー・ケンペル、武術指導はジャン=クロード・ヴァン・ダム。
主演はジャン=クロード・ヴァン・ダム、共演はジェフリー・ルイス、アラン・スカーフェ、アロナ・ショウ、コリー・エヴァーソン、フィリップ・チャン・ヤン・キン、ボロ・ヤン、アンディ・アームストロング、サラ=ジェーン・ヴァーレイ、コリンナ・エヴァーソン、ユージーン・チョイ他。


ジャン=クロード・ヴァン・ダム、それはA級に成り切れない男。そんな彼が1人2役で主演、おまけに製作や脚本にも絡んでいるのだから、A級の映画になるはずも無い。
女に股間を触られて感じるヴァン・ダム、大酒を飲んでベロベロになるヴァン・ダム。
なんて間抜けテイストがたっぷりなんだ。

冒頭のシーン、チャド達の両親を襲っていた強面の連中が、ジェフリー・ルイス演じるフランクが駆け付けた途端に次々にやられていくのが愉快&バカ。
それ以外でもフランクが活躍する場面は多いし、主役のチャド&アレックスより、このオッサンが一番強いんじゃないのか。

ヴァン・ダムが双子の役を1人で演じているが、1人で2人分を演じても、アクションの迫力や内容の面白さが2倍になるわけじゃない。むしろパワーダウンしてしまう。
それがジャン=クロード・ヴァン・ダムのグレートなトコロ。アクションスタイルは兄弟で変わらないし。

 

*ポンコツ映画愛護協会