『デイズ・オブ・サンダー』:1990、アメリカ

ノ−ス・力ロライナ州でシボレーのディーラーをするティム・ダランドは、NASCARのスポンサーになる夢を実現するため、元ビルダーのハリー・ホッジに声を掛けた。ドライバーの心配をするハリーに、ティムはコール・卜リックルという若者を紹介する。
試走したコールの好タイムを見て、ハリーは協力を承諾。3人はレースに工ントリーするが、自信過剰なコールはなかなか実力を発揮できず、ハリーの忠告も聞こうとしない。コールとハリーはレースをするが、既に引退しているハリーが勝利する。
ハリーのアドバイスを受け入れることにしたコールは、やがてトップドライバーのラウディ・バーンズと争うほどに成長するが、悪童ぶりは相変わらず。そんな中、彼はラウディの車と激突してしまう。重傷を負ったラウディはレースへの意欲を失ってしまう。
コールの同僚ラス・ウィーラーは好調なドライブを続けていた。ある時、ゴール寸前で自分の車を妨害して勝利したことに怒ったコールは、自分の車をラスの車に激突させる。そんな行動を見て、ティムはコールをクビにしてしまう…。

監督はトニー・スコット、原案はロバート・タウン&トム・クルーズ、脚本はロバート・タウン、製作はドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマー、製作総指揮はジェラルド・R・モーレン、撮影はウォード・ラッセル、編集はビリー・ウェーバー&クリス・レベンゾン、美術はベンジャミン・フェルナンデス&トーマス・E・サンダース、衣装はスーザン・ベッカー、音楽はハンス・ジマー。
出演はトム・クルーズ、ロバート・デュヴァル、ランディー・クエイド、ニコール・キッドマン、ケイリー・エルウィズ、マイケル・ルーカー、ジョン・C・ライリー、フレッド・ダルトン・トンプソン、J・C・クイン、ドン・シンプソン、キャロライン・ウィリアムズ、ドナ・ウィルソン、クリス・エリス、ピーター・アッペル、スティーヴン・マイケル・エイヤーズ、マイク・スラッタリー、ジョン・グリースマー、バーバラ・ギャリック、ジェリー・モーレン、タニア・コールリッジ他。


実際のレースシーンだけが売りの映画。他には別に何にもない。なんかカーレース版の『トップガン』みたいに感じてしまった。
低予算映画ならば許容範囲なのかもしれないが、A級映画としては失格だろう。脚本にも新味を感じないし、カーレースと男の成長を絡めただけの平凡な映画だ。

トム・クルーズとニコール・キッドマンの共演は、たぶん売りの1つなんだろう。
しかしながら、トムが演じるコールとニコールが演じる看護婦クレアは恋人になるのだが、この映画にクレアというキャラクターは不要である。
むしろ、邪魔である。

コールが成長するのに、クレアという存在は特に必要無かった。ラウディやハリーとの男の絆だけを描く方が、コールの成長をもっと効果的に描けたはずだ。
「メインに女性がいないとダメ」というハリウッド映画の悪しき伝統が、この映画の質をさらに低くしてしまったような気が。

カーレースが好きなトム・クルーズが、自分の好きなカーレースを主題に作った作品だ。彼が満足すれば、それでOKということだ。「好き」というだけでは面白い作品は作れないということが良く分かる。
そういえば車好きのジャッキー・チェンもレース映画を作っていたが、出来は悪かったなあ。

 

*ポンコツ映画愛護協会