『ダイヤモンド・イン・パラダイス』:2004、アメリカ

FBI捜査官のスタン・ロイドは、皇帝ナポレオンが所持していたダイヤモンドを美術館に届けるため、車で出発した。同じ頃、彼の仲間 2名がロサンゼルス・レイカーズとロサンゼルス・クリッパーズの試合会場にいた。観客席にいる泥棒のマックスを監視するためだ。スタン は、マックスが必ずダイヤを狙ってくると確信していた。マックスは、この世に3つだけ存在するというナポレオンのダイヤモンドの内、 既に1つを盗んでいた。
スタンの相棒が赤信号で車を停止させた時、ホームレスが勝手に窓を拭いた。スタンは金を渡して追い払ったが、それは変装したマックス の相棒のローラだった。ローラは窓をスキャンしてスタンの車のデータを入手し、マックスに転送した。試合会場では、騒ぎを起こした レイカーズのファンが警備員に連行された。そちらに捜査官2名が気を取られている間に、マックスは姿を消した。
スタンは美術館に到着するが、車のドアが勝手にロックされた。マックスがリモコンで操縦していたのだ。マックスは車を暴走させ、 人気の無い場所で停止させた。スタンが慌てているところに、マックスとローラが現れた。スタンは発砲し、意識を失った。マックスは 銃弾で傷を負いながらも、ダイヤモンドを奪った。その仕事を最後にマックスは泥棒稼業を引退し、ローラが希望したバハマのパラダイス ・アイランドで悠々自適の生活を送ることにした。
パラダイス・アイランドでの暮らしが半年ほど続いた頃、マックスは退屈を覚えるようになっていた。そんなある日、マックスが帰宅 するとスタンが待ち受けていた。彼はマックスに、島に一時停泊している豪華客船に3つ目のダイヤモンドが展示されていることを告げた。 スタンは、マックスがダイヤを狙う目的で島にいると睨んでいたのだ。
スタンが去った後、マックスは帰宅したローラに客船のことを告げた。スタンは、ローラが隠していた銃弾を持ち去っていた。それは マックスが撃たれた銃弾であり、彼が犯行現場にいた証拠になる。マックスはスタンの宿泊するホテルに連絡を入れ、スイート・ルームに 変更させた。さらにスタンの部屋には、マッサージ嬢もやって来た。だが、そのマッサージ嬢は、ローラが差し向けたスパイだった。 マッサージ嬢はスタンに気付かれぬよう、銃弾を奪還してローラに渡した。
マックスとローラがバーで飲んでいると、スタンがやって来た。そのバーに、刑事のソフィーが現れた。彼女は島の実力者ヘンリー・ ムーアを逮捕しようと意欲を燃やしていた。マックスはソフィーに嘘を吹き込んでスタンを拘束してもらい、その間にローラを連れてバー を後にした。スタンを連行して警察署に戻ったソフィーは、ムーアに手を出さないようザカリアス警部から注意された。ザカリアスは、 ソフィーの別れた夫だった。
スタンからマックスを監視していると聞かされたソフィーは、自分と手を組むなら島での捜査を認めると告げた。マックスは客船へ行き、 厳重に警備されているダイヤを観察した。そこにスタンが現れて「盗むのは無理だ」と言うと、マックスも同意した。船を出たマックスは 、ジャン=ポールという男に銃で脅された。マックスは車に乗せられ、ある屋敷に連れて行かれた。
マックスが連れて行かれたのは、ムーアの屋敷だった。ジャン=ポールはムーアの部下だった。ムーアはマックスに、人道援助のために金 が必要なのでダイヤモンドを盗んで欲しいと依頼した。そのための協力は惜しまないという。マックスはスタンに呼び出され、クルーザー で釣りに出掛けた。鮫を釣り上げてパニックになったスタンは、銃を発砲した。
スタンとソフィーは客船に赴き、マックスが狙っているので警備を怠らないよう告げた。そこへ、セキュリティーが破られたとの報告が 届いた。スタンとソフィーは帽子とマスクで顔を隠した男を発見するが、逃げられてしまった。事件を知ったローラは、その男がマックス だと確信した。ローラに問い詰められたマックスは、シラを切った。マックスはムーアの元へ行き、客船で入手した図面を手渡した。彼は ダイヤを盗み出す方法をムーアに説明し、「自分でやれ」と告げて立ち去った。
マックスはローラの怒りを買い、家を追い出された。マックスはバーで酔い潰れたスタンをホテルの部屋へ運び、そのままベッドで眠った。 翌朝、スタンが目を覚ますと、部屋にはソフィー、ザカリアス、FBI捜査官スタッフォードとコワルスキーがいた。ベッドの隣には、 マックスが眠っている。マックスは、スタンが3ヶ月前から停職中だと知った。ソフィーはマックスとスタンが仲間だと誤解し、自分が 騙されていたと思って激怒した。
マックスとスタンは愛する女性をなだめるため、手を組むことにした。マックスはソフィー、スタンはローラを説得するが、なかなか耳を 傾けてもらえない。そこで男2人は、スタンはマックスを追わず、マックスはダイヤを追わないと宣言する。マックスは「趣味を見つけた」 とローラに告げ、皆をスキューバダイビングに誘った。4人は難破船の宝探しを始めるが、それはマックスの計画の内だった。彼は宝を 捜索しているように見せ掛け、密かに豪華客船へと侵入した…。

監督はブレット・ラトナー、原案はポール・ズビゼウスキー、脚本はポール・ズビゼウスキー&クレイグ・ローゼンバーグ、製作は トリップ・ヴィンソン&ジェイ・スターン&ボー・フリン、製作協力はキース・ゴールドバーグ&クリス・ポラック、製作総指揮は パトリック・パーマー&トビー・エメリッヒ&ケント・オルターマン、撮影はダンテ・スピノッティー、編集はマーク・ヘルフリッチ、 美術はジェフリー・カークランド、衣装はリタ・ライアック、音楽はラロ・シフリン、音楽監修はゲイリー・カラマー&トーマス・ ゴルヴィッチ。
出演はピアース・ブロスナン、サルマ・ハエック、ウディー・ハレルソン、ドン・チードル、ナオミ・ハリス、クリス・ペン、 ミケルティー・ウィリアムソン、オッバ・ババチュンデ、ラッセル・ホーンズビー、レックス・リン、 トロイ・ギャリティー、ロバート・カーティス・ブラウン、マーク・モーゼス、マイケル・ボーウェン、トニー・レダード他。


5代目ジェームズ・ボンドの座を降りたピアース・ブロスナンが主演したクライム・アクション・コメディー。
監督は『ラッシュアワー』『レッド・ドラゴン』のブレット・ラトナー。
ブロスナンとラトナーは007シリーズでコンビを組むことを熱望していたが、それが叶わない夢となり、その代わりに本作品を撮ること になったという経緯があるらしい。
マックスをピアース・ブロスナン、ローラをサルマ・ハエック、スタンをウディー・ハレルソン、ムーアをドン・チードル、ソフィーを ナオミ・ハリス、バスケ会場の騒がしいファンをクリス・ペン、スタッフォードをミケルティー・ウィリアムソン、ザカリアスをオッバ・ ババチュンンデ、ジャン=ポールをラッセル・ホーンズビー、コワルスキーをレックス・リンが演じている。また、冒頭のバスケ会場では、 観客席にエドワード・ノートンやダイアン・キャノンの姿がある。

まず冒頭の泥棒シークエンスがキャッチーじゃない。
マックスの腕前の素晴らしさもイマイチ伝わらないし、小気味良いテンポも感じない。
バスケ会場を舞台にしている意味・効果も薄い。
また、その場面しか登場しない、名も無き仲間が犯罪を手伝っているようだが(買収したスタッフなのか泥棒仲間なのかは不明)、そこは マックスとローラの2人だけで泥棒を成功させるべきだろう。

あと、盗むなら盗むで、最後までミス無しにスッキリと成功させるべきだよ。
スタンに撃たれるというミスで、テンションを落とすべきではない。
っていうか、そんな今一つ乗り切れないシークエンスで始めるぐらいなら、いっそ引退してバカンスを楽しんでいる場面から 入ってもいいとさえ思ってしまう。
その冒頭のシークエンスでマックスとスタンの因縁を描いておく必要性さえ、そんなに感じないのよね。そんなの、後からのやり取りで 充分に補えそうだと思ってしまう。

舞台がバハマに移った後、スタンが現れて銃弾を盗み出す。
だが、マッサージ嬢が、あっさりと奪還してしまう。
「銃弾は犯罪現場にいた証拠になる」とマックス&ローラは言っていたが、そこのスリルは全く引っ張らない。
それどころか、エピソードを作って盛り上げることさえ無く、あっさりと取り戻してしまう。その後、銃弾には全く触れない。
だったら何の意味も無いだろ、そこ。

マックスを釣りに誘ったスタンがサメにビビるとか、そりゃ楽しそうではあるんだよ。
でも雰囲気はいいけど、あまりにもストーリーの進みがノロい。
リゾート地だからって、そんなトコまでリゾート気分に浸られても困る。
ロマンスを見せるにしろ、男同士のホンワカしたユルいコンビネーションを見せるにしろ、ダイヤ泥棒の話を進める中で、並行して描いて 欲しかった。

ダイヤ泥棒と関係の無い場所で魅力的なドラマが充実していれば文句も無いけど、ただノンビリしているだけなんだよな。
いっそ変な小細工はせずに、「泥棒とFBI捜査官が、ケンカしつつも、成り行きで協力して何かをやる」という話にしちゃえば良かった かも。
2組のカップルのロマンスなんてどうでもいいから、マックス&スタンのコンビに絞った方が遥かに面白くなりそうだし。

終盤、やはりマックスは豪華客船のダイヤを狙うのだが、そこに至る準備、計画の描写が弱い。
また、その盗み出す行動も、ちっとも小粋じゃない。
気付かれて撃たれるとか、そんな要らないのよ。脱出するまで全く気付かれないぐらい、スマートにやってくれよ。
盗む時点でローラの承諾を得ていないってのも、いかがなものか。そこは、もう承諾を得ておこうぜ。
その後、ムーアが絡んで来て一波乱というのも余計だ。そこに来て殺人が絡むのも大きなマイナスだし。

スタンがマックスに利用されただけのボンクラかと思いきや、実は最初から全てお見通しだったというドンデン返しが待ち受けて いる。
だが、それが効果的に作用しているとは思えない。
いっそのこと、ただのボンクラで終わった方が、まだマシだったとさえ思える。
その後、さらにマックスが上を行くという風に、ラスト近くで二転三転があるんだが、そんなことよりも、そこまでの内容がスカスカで ユルユルなのを何とかしてくれよ。

(観賞日:2008年10月26日)

 

*ポンコツ映画愛護協会