『ザ・ディープ』:1977、アメリカ

バミューダ諸島でスキンダイビングをしていたゲイルとデヴィッドは、沈没船のゴライアス号を発見した。その周辺を調べた2人は、液体の入ったガラスのアンプルやフォークなどを回収した。光る物品を見つけたゲイルは船体の隙間に手を突っ込むが、潜んでいた生物に腕輪掴まれて引きずり込まれそうになる。何とか脱出した彼女は、慌てて浮上した。船に戻ったデヴィッドが回収した物品を確認すると、その中にはスペイン銀貨も含まれていた。
岸に戻ったデヴィッドは、ガイドのスレイクに借りていた潜水具一式を返却する。スレイクは2人がゴライアスへ行ったことを知り、「ブライトンじゃなかったのか」と驚いた。デヴィッドが「ブライトンにも行ったさ。その後でゴライアスを見つけたんだ。ガイドブックには無かったぞ」と告げると、スレイクは「そりゃあ、そうさ。弾薬が一杯だからな。観光客に爆死されたら困るだろ」と述べた。
ゲイルとデヴィッドは銀貨について調べるため、図書館へ赴いた。デヴィッドは、ローマー・トリースという男がゴライアス号を発見してタイム誌の表紙になっていたことを知った。ゲイルは書物を調べるが、詳しいことは分からなかった。彼女は「テニスをしたい」と調査を早く済ませようとするが、デヴィッドは「当時、沈没したのはフィリップス王の財宝船だ。金貨で3千万はあるぞ」と宝探しへの強い意欲を示した。
その夜、ゲイルとデヴィッドがレストランで2人がディナーを取っていると、宝石商のボンデュランと名乗る男が「瓶を見つけたのは、お2人ですね」と声を掛けて来た。デヴィッドは「知らないね」と告げるが、ボンデュランは構わずに「珍しいガラス製品を集めている。瓶がラインハルト製なら収集家に貴重だ」と高値で買い取ることを持ち掛ける。しかしデヴィッドは「悪いが、瓶など無い」と冷たく言い、彼を追い払った。
次の日、ゲイルとデヴィッドはトリースの家を訪れ、スペイン銀貨を見せた。するとトリースは「これはメダルだ」と言い、他に回収した物品を見せるよう促した。ゲイルが物品の入った袋を渡すと、トリースは「ゴライアスの屑だ。どうしたんだ?」と尋ねる。デヴィッドは彼に、沈没船の近くで見つけたことを話す。アンプルを見つけたトリースは驚き、「どこで見つけた?」と尋ねる。ゲイルは自分たちで書いた地図を見せ、場所を教えた。
他に知っている人物がいるのかというトリースの問い掛けに、デヴィッドはボンデュランというフランス人の宝石商が接触して来たことを話す。するとトリースは、「そいつはフランス人じゃない。ハイチ人だ」と言う。彼はゲイルたちに気付かれないよう、アンプルを盗み取った。改めてスペイン銀貨を眺めたトリースは詳しい知識を語った後、「それほど高価な物じゃない。俺は興味が無い」と告げ、ゲイルとデヴィッドを帰らせた。
翌日、ゲイルとデヴィッドは3人の男たちに襲われ、車に押し込まれた。2人が連行された建物には、ボンデュランが待ち受けていた。彼は「おとなしく売っていれば良かったんだ。そうじゃないから力ずくで奪うことにした」と言い、手下のロナルド、ワイリー、ジョンソンに袋を調べさせる。目当てのアンプルは見つからず、デヴィッドは「袋に無いなら知らない」と告げる。彼らが嘘を言っていないと確信したボンデュランは、「トリースに違いない」と口にした。
ボンデュランはゲイルとデヴィッドに「明日には島を出ろ」と脅しを掛け、2人を解放した。すぐにデヴィッドはトリースの家へ押し掛け、「どういうことだ」と詰め寄った。トリースは2人を波止場へ連れて行き、「彼はアンプルを見たことがある」と告げてアダムという男に合わせる。アダムは貨物船ゴライアス号の唯一の生き残りだった。アンプルを見せられたアダムは、それが本物だと認めた。発見場所を知った彼は、「嵐で船体が流れたんだろう。前は岩礁から遠かった」と告げた。
アダムはデヴィッドに、「運がいいな。この30年間に挑んだ奴が5人も死んでる。明かりのせいで爆死した。島半分を吹き飛ばす爆薬が残ってる」と言う。トリースは「あの船は火薬と薬品を積んでた」と説明し、アダムは「モルヒネさ。9万8千本のアンプルを俺が荷造りしたんだ」と述べた。「なぜ隠してた?知ってたら襲われなかった」とデヴィッドが責めると、トリースは「あれはクローシュという男だ。知らなかったから助かったんだ」と告げた。
デヴィッドが「なぜ今まで見つからなかったんだ?」と疑問を口にすると、トリースは「10年ぶりに大きな嵐が来た影響だろう」と言う。彼はゲイルとデヴィッドに、モルヒネがヘロインの材料になることを告げ、それがクローシュの狙いであることを説明した。ゲイルが「アンプルを政府に届けるの?」と尋ねると、トリースは「届けたら、下に何があっても宝探しは終わりだ。他の奴が見つけるまでさ」と述べた。デヴィッドはゲイルの反対を押し切り、トリースと共に海底を調べようと決めた。
その夜、デヴィッドが待ち合わせ場所に行くと、トリースは用心棒のケヴィンを同行させていた。そこへアダムが来て一緒に潜ることを志願するが、トリースは「役に立たない」と冷たく告げて追い払った。船で海へ出たトリースは、デヴィッドに爆薬を渡して「大量のアンプルがあったら、ゴライアス号を爆破する。岩礁から離せば、誰も近付けない」と告げた。潜水してゴライアス号を調べた2人は、大量のアンプルを発見した。カメラを構えて撮影しようとしていたデヴィッドは、巨大ウツボと遭遇した。慌てたデヴィッドはカメラを落としてしまうが、ウツボは船の奥へと姿を消した。
デヴィッドが見つけた文字盤を目にしたトリースは、「今日の爆破は取り止めにする」と告げた。2人が浮上すると、船室の扉にトリースの飼っている猫が惨殺死体となって吊り下げてあった。デヴィッドは仰天するが、トリースは「ハイチ式のまじないだ」と冷静に告げて亡骸を海に捨てた。ホテルが真っ暗になっていることに気付いた2人は、急いで岸へ戻る。ゲイルが部屋に一人でいると、侵入して来た仮面の男たちに取り押さえられた。彼女はベッドに寝かされ、ブードゥー教の儀式で鳥の生き血を体に塗られた。
デヴィッドがホテルに戻ろうとすると、クローシュの手下に妨害された。デヴィッドが撃退して部屋に飛び込むと、ゲイルが怯えていた。トリースはデヴィッドから「モルヒネのせいで、こうなった」と責められ、「殺すつもりなら、とっくに死んでいる。彼女はモルヒネを見つけるための切り札にされたんだ」と述べた。トリースはゲイルとデヴィッドを自分の家へ移らせ、ケヴィンに警備を指示した。
デヴィッドが「なぜ爆破を中止した?」と尋ねると、トリースは「これを見つけたからだ」と文字盤を差し出した。18世紀の船名文字盤であることを説明した彼は、「あそこには王の財宝が眠っているかもしれん」と口にする。ハバナの積荷目録を調べたトリースは、1715年にフィリップス王の艦隊がフロリダ沖で沈んでいることを知る。しかし、記録も無く、護衛艦も付けずていなかった理由は分からない。財宝探しの邪魔をされたくないトリースは、クローシュと取引をすることにした。
クリケット場でクローシュと会ったトリースは、「至る所に爆薬を仕掛けた。バカな奴が行けば、死ぬだけだ」と告げる。彼は「3日以内にモルヒネを引き上げ、100万ドルの報酬を現金で貰う。今後は自分たちの潜水の邪魔をしない」という取引をクローシュと交わした。ゲイル、デヴィッド、トリースの3人は、アダムの船で海へ出た。トリースはアダムに空気ホースのレバーを見張るよう告げ、ゲイルたちと共に海へ潜った。
ゲイルたちは大量のアンプルを回収するが、潮流で船体が揺れ始めた。その直後、誤って爆薬をホースに吸い込んでしまい、爆発が起きた。デヴィッドはトンネルに落下するが、そのおかげで埋もれていた宝飾品を発見した。トリースとゲイルもデヴィッドに合流して周辺を調査し、財宝の存在が明らかとなった。帰宅したトリースは積荷目録を調べ、沈んでいたのがフランスの煙草船グリフィン号だと知る。一方、クローシュは冷遇に不満を抱いているアダムと接触し、好条件を提示して情報を流すことを約束させる…。

監督はピーター・イエーツ、原作はピーター・ベンチリー、脚本はピーター・ベンチリー&トレイシー・キーナン・ウィン、製作はピーター・グーバー、製作協力はジョージ・ジャスティン、撮影はクリストファー・チャリス、編集はデヴィッド・バーラトスキー、編集監修はロバート・L・ウルフ、美術はトニー・マスターズ、衣装はロン・タルスキー、水中班監督はアル・ギディングス&スタン・ウォーターマン、水中撮影はアル・ギディングス&スタン・ウォーターマン、音楽はジョン・バリー。
出演はロバート・ショウ、ジャクリーン・ビセット、ニック・ノルティー、ルイス・ゴセット(ルイス・ゴセットJr.)、イーライ・ウォラック、ロバート・テシア、アール・メイナード、ボブ・マイナー、リー・マクレイン、ディック・アンソニー・ウィリアムズ、テディー・タッカー他。


『JAWS/ジョーズ』の原作者であるピーター・ベンチリーによる海洋小説を基にした作品。
ベンチリーと『ロンゲスト・ヤード』『ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的』のトレイシー・キーナン・ウィンが脚本を担当し、『ブリット』『ホット・ロック』のピーター・イエーツが監督を務めている。
トリースをロバート・ショウ、ゲイルをジャクリーン・ビセット、デヴィッドをニック・ノルティー、クローシュをルイス・ゴセット(ルイス・ゴセットJr.)、アダムをイーライ・ウォラックが演じている。

1975年に公開されたユニバーサル・ピクチャーズの『JAWS/ジョーズ』が、大ヒットを記録した。
これを受けて、コロムビア・ピクチャーズが二匹目のドジョウを狙って配給したんじゃないかという目論みが透けて見える作品である。
『JAWS/ジョーズ』でクイントを演じたロバート・ショウを起用しているのも、そういう狙いじゃないだろうか。
1977年の全米興行収入では第7位に入っているので、結果としては「ちょっと小ぶりだけど、柳の下に二匹目のドジョウがいましたよ」ということになるんだろう。

冒頭シーンの描写している内容が、最初から宝探しが目的に含まれていたのか、ダイビングを楽しんでいたら偶然にも沈没船を発見したのか、その時点では少々分かりにくい。
後になって「ブライトンへ行った後、ゴライアスを見つけた」という説明があるので、たまたま発見したということだ。
ただ、それにしては、埋もれている物品を剥がして回収するための道具を持っているので、それはどういうことなのか引っ掛かるけど。
それと、海中での会話が出来ないから仕方のない部分はあるんだが、ゲイルたちが黄色い液体の入ったアンプルを見つけて回収したってことも分かりにくいんだよな。アンプルを見つけるシーンはあるんだけど、それがアンプルだということが分かりにくいのよ。
それは映画にとって重要なアイテムなんだから、船に戻ってから「これは何かのアンプルだな」とでも言わせるぐらいの配慮が欲しいところだ。

ゲイルが何かに腕を捕まれて引きずり込まれそうになるという描写があるのだが、そんなサスペンスを冒頭に持って来る必要は無い。
そこは「沈没船を発見し、色んな物品を回収しました」ということに観客の意識を集中させるべきで、「得体の知れない何かに襲われる」というサスペンスは邪魔。
後で巨大ウツボが登場するので、そこに向けた伏線としてやっているんだろうとは思う。
だけど、そんな伏線を排除して「デヴィッドが巨大ウツボと遭遇する」という展開に入っても、そんなに支障は無い。

コインについて調べたデヴィッドが宝探しへの強い意欲を示した時、ゲイルは「そんなことよりテニスがしたい」と言う。
2人の間には意識の大きな差があるのだが、カットが切り替わると仲良くディナーを取っている。
その後も、この2人のモチベーションは大きく異なるはずだが、それで不穏な空気が流れるとか、関係がギクシャクしてしまうとか、そういう様子は無い。
ゲイルは儀式の標的にされ、さすがに島を去ろうという決意を固めるのかと思いきや、トリースが財宝のことを話しているのを聞くと、島を去るどころか一緒に海へ潜る。
結局は財宝に目が眩んじゃうのかよ。

ゲイルとデヴィッドがサイクリングしていると、トラックが迫って来る。
ゲイルに幅寄せするので、殺そうとしているのかと思ったら、2人が脇道に入ると走り去ってしまう。で、その後ろからタクシーでやって来たクローシュの手下たちが、2人を車に押し込む。
最初から車で拉致するのが目的なら、トラックで迫って幅寄せする意味は何なのかと。
っていうか、拉致してアジトへ連行したいのなら、なぜサイクリング中を狙うのか。もっと狙いやすい状況があったはずたろうに。
どうしてもアクションシーンを用意したかったのかもしれんけど、そのせいで悪党の行動がマヌケになっちゃってるぞ。

袋の中にアンプルが無いことを知ったクローシュは、手下に命じてゲイルの服を脱がせようとする。でもゲイルが自分で上半身裸になると、それで「この2人はアンプルを持ってない」と判断する。
実際に持っていないんだけど、妙に物分かりのいい奴だな。
で、デヴィッドが家に押し掛けて詰め寄ると、トリースはアダムに合わせる。アンプルを盗んでおいて、自分だけで何とかしようってことではないのね。
だったら、アンプルを盗んだ意味は無いんじゃないのか。最初から説明すればいいんじゃねえのか。
どうせアンプルが無くなっていることは、クローシュたちがゲイルとデヴィッドを拉致しなくてもすぐに気付くだろうし。

この内容で、123分という上映時間は長すぎるだろう。
それは不要なエピソードが多いというのではなくて、歩みがノロいんだと思う。1つ1つのシーンをモタモタと進めている印象を受ける。
また、ゲイルたちが海に潜っても、冒険劇としてのワクワク感が乏しいってのは厳しいかなと。
サスペンスとしてのテイストを強くやろうという意識だったのかもしれないけど、ちょっと物足りなさを覚えるのね。

クローシュ一味はゲイルたちを拉致するシーンだけでなく、それ以降の行動もバカで陳腐に感じられる。
例えば、猫を惨殺して船室の扉に吊り下げるという行為。
まじないらしいんだけど、何のまじないだか良く分からんし。トリースは全くビビらないし、まじないの効果も出てないし。
それと、そこに猫の亡骸を吊るすってことは、船まで来ていたってことでしょ。だったら、そのまま待ち伏せして脅しを掛けるなり、戦利品を奪うなりという行動に出た方がいいんじゃないのか。
まじないだけで立ち去るって、なんだよ、そりゃ。

ゲイルを襲う連中も、レイプするとか、拉致するとか、暴行を加えるとか、そういう行動に出るのかと思ったら、ただ儀式として鳥の血を体に塗るだけ。
それでゲイルは怯えるけど、そういうオカルト的な脅しが、どうにも陳腐に思えてしまうんだよな。
あと、トリースは「ゲイルはアンプルを見つけるための切り札にされた」と話すが、まるで意味が分からんぞ。
後から「実はこういうことで」という説明があるのかと思ったら、何も無いままだし。実際、切り札になってないし。

っていうか、トリースたちの行動を妨害するよりも、むしろ「こいつらにアンプルを回収させて、それを横取りしよう」と目論む方が利口じゃないかと思うぞ。居場所は分かっているんだし。
もしくは、もう拉致した時に地図は見ているんだから、先に自分たちで潜って調べるというのも1つの方法だろうし。
その後、一味が鮫をおびき寄せてトリースたちを襲わせたりするんだけど、そんなことしたらアンプルも手に入らなくなるでしょうに。そこで妨害行為に出る意味が全く分からん。
アンプルだけじゃなくて財宝もトリースたちが発見していたことを知っても、「財宝も回収させてから横取りしよう」ってことでいいでしょ。
トリースたちが鮫に食われたら、アンプルも財宝も手に入らず、しかも爆薬が仕掛けてあるから自分たちで潜って回収するのも困難だし、何もいいことは無いぞ。

この映画にはミステリーの要素も含まれており、トリースたちが謎解きをするのだが、まるで興味をそそられない。
例えば、船体文字盤についてトリースは、「これがあった箱を開けるには、鍵が3つ必要だ。船長が1つ、ハバナ総督が2つ、船主だけが3つ持っていた。自由に開けられるのは船主だけだ」と語る。
デヴィッドが「文字盤と第二次世界大戦の軍艦と、どういう関係が?」と訊くと、「分からんが、嵐が2つあったとする。何百年も間を置いて、同地で発生した。同じ条件で2隻が沈んだら、同じ岩礁に流れ着かないかな?潮流が船体から出た文字盤を運んだとは?」という推測を語る。
だけど、「だから何なのか」と言いたくなる。
そんな説明、どうでもいいわ。

トリースは積荷目録を調べ、「国王とハバナ総督の署名がある。1715年のフロリダ沖で、フィリップス王の艦隊が全て沈没している。だが、記録も無く、護衛船も無しに来た理由は?」と疑問を抱く。
グリフィン号を発見した後、「目録ではフランスの煙草船だ。1715年の艦隊が護衛していた。台風でグリフィン号だけが助かり、ハバナへ戻っている。目録には艦隊が全てフロリダ沖で沈没したとある。財宝は全て旗艦に積んであったと。ハバナ捜索は全てを失ったと報告してる」とトリースは語る。
宝石と三重鍵の箱は、グリフィン号に積まれていた。見つけた宝飾品には、E.Fのイニシャルが刻まれている。そこでトリースは様々な情報を整理し、ハバナ総督が嘘をついていたと推測する。
本国に送った報告書では、目録よりも被害が増えている。リストの内、2ページは紛失して届いていない。
ゲイルは「目録ではなく、女性用の買い物リストだ」と確信する。重要人物として、ゲイルはパルマ伯爵令嬢という人物を挙げる。本名はエリザベス・ファーニスで、イニシャルはE.Fだ。

1714年、フィリップス王は最初の妻を亡くしている。その後、彼は伯爵令嬢に恋をした。伯爵令嬢は「世界中の珍しい宝石の山を築く」という条件で、結婚を承諾した。
フィリップス王の命令で集められた宝石を、ハバナ総督は安全面を考慮して旗艦ではなく煙草船に積んだ。しかし艦隊が沈没した時、総督は三重鍵の箱を横取りしようと目論み、嘘をついた。グリフィン号は再び出航したが、バミューダ沖で嵐に遭った。
それがトリースの出した結論だ。
でも、それが分かったからって、だから何なのかと。
沈没船がどんな船で、どういう目的でバミューダ沖へ来て、どういう財宝が積まれていたとしても、どうでもいいわ。

トリースたちは「それをが証明できれば世紀の大発見だ」と興奮しており、第八件で有名になれるってのが強いモチベーションになっているようだ。
それは分かるんだけど、こっちからすると、「どういう物であっても高価な宝飾品であることは確かなんだから、その時点で宝探しとしてワクワクしないかい」っていう感じなんだよな。
謎解きで詳細が分かってからモチベーションが高まるってのが、どうにもピンと来ない。
モチベーションが上がって欲しいポイントに、ズレがあるんだよな。

(観賞日:2014年6月11日)

 

*ポンコツ映画愛護協会