『ストリートファイター』:1994、アメリカ

東南アジアの国シャドルーでは独裁者バイソン将軍の軍と連合軍との戦闘が続いていた。バイソンは救援部隊のボランティア63名を人質にして地下要塞に閉じ込め、72時間以内に身代金200億ドルを支払うように要求する。
連合軍の司令官ウィリアム・ガイル大佐は闇の武器商人ビクター・サガットの闘技場に乗り込んで彼らの一味を逮捕。その場に居合わせた武闘家ケンとリュウを仲間に引き入れ、スパイとしてバイソンに接近する任務を任せることにする。
計画通り護送車からサガットと共に逃げ出したケンとリュウは、バイソンの武器見本市に出席することに。一方、バイソンに恨みを持つテレビリポーターのチュンリーも仲間のエドモンド本田やバルログと共に潜入していたが、バイソンに捕まってしまう。
ケンとリュウの発信器からバイソンの地下要塞の場所を知ったガイル。そこへ連合軍事務次官が現れ、身代金を払うことになったので作戦は中止だと告げる。だがそれに従う者は誰一人おらず、ガイルは部下のキャミィ達を引き連れて出撃するのだった…。

監督&脚本はスティーヴン・E・デ・スーザ、製作はエドワード・R・プレスマン&辻本憲三、製作総指揮はティム・ジンネマン&会田純&サーシャ・ハラリ、撮影はウィリアム・A・フレイカー、編集はアンソニー・レッドマン&ロバート・F・シャグリュー&エド・アブロムズ&ドン・アーロン、衣装はデボラ・ラ・ゴース・クレイマー、音楽はグレーム・レベル。
主演はジャン=クロード・ヴァン・ダム、共演はラウル・ジュリア、ミンナ・ウェン、カイリー・ミノーグ、ウェス・ステュディー、サイモン・カロウ、沢田謙也、ダミアン・チャパ、バイロン・マン、ジェイ・タヴァーレ、ピーター・ネイヴィー・トゥイアソソポ、グランド・L・ブッシュ他。


カプコンの大人気ゲームシリーズを実写で映画化。「ゲームが原作の映画は失敗する」という定説に従い、カプコンが製作費をドブに捨てた作品。
ゲームとは大幅に設定を変更したためにゲームファンからは批判され、出来上がりの悪さで格闘映画好きの人間からもそっぽを向かれてしまった。

まずガイルが主役という時点で違うのだが、そこは許容範囲。しかしキャミィはセクシー度ゼロだし、手足が伸びる怪人ダルシムは単なる科学者に変更されてるし、ジャングルの野生児ブランカは改造人間になってる。ケンとリュウはマヌケで邪魔な存在にしか見えないし。

そんな感じでゲームと全く違うから、そりゃゲームファンからは総スカンを食らうわな。それでも映画として面白ければいいのだけれど、これが非常に出来映えが悪いんだ。各キャラクターを生かし切れず、かといってヴァン・ダムの活躍が光っているわけでもない。

肝心のアクションシーンがつまらないってのは致命的。SFXを使って凄いものを見せるのかと思ったら、ごく普通のアクション。しかも編集とカメラワークが悪いのか、緊迫感が薄い。チュンリー役のミンナ・ウェンが目立っていたのと、ザンギエフが妙に似ていたのが評価出来るくらいかな。

ちなみに、この映画の俳優をそのまま画像に撮り込んだ『ストリートファイター・リアルバトルオンフィルム』というゲームが発売されたが、こちらも映画と同じく見事にコケた。そりゃそうだろ。

 

*ポンコツ映画愛護協会