『スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!』:1984、アメリカ
流刑の犯罪者カーンとの戦いでミスター・スポックを失ったエンタープライズ号。スポックの棺は、ジェネシス計画で生まれた惑星ジェネシスに安置されることになった。ジェームズ・T・カーク提督とクルー達は、スペース・ドックへと向かった。
スペース・ドックへ到着したエンタープライズ号だが、閉鎖したはずのCデッキでエネルギー反応が発見される。カークが向かうと、そこには正気を失ったドクター・マッコイの姿があった。一方、カークの息子デヴィッド・マーカス達が乗った科学船グリッソム号は調査のためジェネシスにやって来ていた。
訪れてきたスポックの父サレクと話したカークは、スポックが自らの精神をマッコイに譲渡していたことを知る。バルカン星にスポックの遺体を持っていけば、スポックは助かるかもしれない。カークはクルー達と共に、規則を破ってエンタープライズ号をジェネシスに向けて出発させる。
ジェネシスに降り立ったデヴィッドとサービク大尉は、スポックの棺が空になっているのを発見。さらにバルカン人の少年を発見する。デヴィッドはジェネシス効果によってスポックの細胞が甦ったのだと推測。つまり、その少年はスポックなのだ。
クリンゴン人のクルーグ司令官達は、グリソム号を破壊し、デヴィッド達を人質に取る。ジェネシスに到着したカーク達は、人質と引き換えにジェネシス計画の情報を要求。カークが答えに苦しんでいると、クルーグは人質の一人を殺してしまう。犠牲者として選ばれたのはデヴィッドだった…。監督はレナード・ニモイ、創作&製作顧問はジーン・ロッデンベリー、脚本&製作はハーヴ・ベネット、製作総指揮はゲイリー・ナーディノ、製作協力はラルフ・ウインター、撮影はチャールズ・コレル、編集はロバート・F・シュグルー、美術はジョン・E・チルバーグ3世、衣装はロバート・フレッチャー、特殊効果監督はボブ・ドーソン、特殊視覚効果はILM、視覚効果監督はケネス・ラルストン、音楽はジェームズ・ホーナー。
出演はウィリアム・シャトナー、デフォレスト・ケリー、ジェームズ・ドゥーハン、ジョージ・タケイ、ウォルター・ケーニッグ、ニシェル・ニコルズ、クリストファー・ロイド、ロビン・カーティス、マーク・レナード、メリット・パトリック、デーム・ジュディス・アンダーソン、レナード・ニモイ他。
スポック役のレナード・ニモイが初めて監督に挑戦したシリーズ第3作。前作では、生命の無い物質から新しい生命体を作り出すジェネシス計画で惑星ジェネシスを生み出し、ジェネシス装置を奪おうとするカーンによって危機に陥ったエンタープライズ号を、スポックが自らを犠牲にして救った。
今回は、「死んだはずのスポックだが、実は魂が生きていた」という反則技がある。
週刊少年ジャンプ連載のマンガみたいだ。
それだけではなく、さらに「やっぱりジェネシス計画は失敗でした」ということになったりと、前作の流れを全て殺していくような形になっている。カークの息子デヴィッドは、あっさり殺されちゃう。
しかも殺されたのは、カークにも責任があったりする。
クルーグは、大切な捕虜を簡単に殺しすぎ。
そのクルーグ達はクリンゴン人の中でも“はぐれ者”だし、なんか巨悪というよりはチンピラのグループみたいだ。総勢が約12名だってさ。少ないでしょ。エンタープライズ号は今回、ほとんど活躍することが無い。
まるで爆発するために登場したようなもの。
新しくエクセルシオル号という宇宙船が登場するが、こちらも活躍することは無い。
製作費の問題なのか、かなり地味な作りになっていたりする。スペース・オペラのスケール感は無い。
何しろカークとクルーグによる1対1の肉弾戦が見せ場だったりするし。
で、崖から落ちそうになったクルーグを助けようとしたカークだが、次の瞬間には「地獄に落ちろ!」と叫んで蹴り落としてしまう。
助けたいのか殺したいのか、どっちなんだよ。