『スピーシーズ 種の起源』:1995、アメリカ

1974年、NASAのSETIグループは宇宙に向けてメッセージを送信した。そして1993年、フィッチ率いる科学者グループは宇宙からの返信をキャッチした。その内容は、メタンガスの触媒技術と、DNAによる人間改造に関するデータだった。
彼らはデータを元に作り出したDNAを、人間の卵子に注入する実験を行った。卵子は異常なスピードで女性の胎児となり、少女へと成長した。しかしフィッチ達はシルと命名したその少女に潜む危険性を感じ取り、実験の中止を決定した。
フィッチ達は毒ガスを使ってシルを殺そうとするが、シルは研究所から逃げ出してしまう。フィッチはシルを探し出すためのチームを編成。メンバーは政府の殺し屋プレス、分子生物学者のローラ、異文化行動学に詳しいアーデン、霊能力者のダン。
逃亡の途中、成人女性への変身を遂げたシル。彼女は子供を作るために男を捜し求めていた。シルの種族が繁殖すれば人類は滅亡してしまう。必死の捜索の末、車で逃亡するシルを追い詰めたプレス達。シルの車は崖から転落して爆発を起こし、シルも死んだものと思われたが…。

監督はロジャー・ドナルドソン、脚本はデニス・フェルドマン、製作はフランク・マンクーゾJr.&デニス・フェルドマン、製作総指揮はデヴィッド・ストレイト、撮影はアンジェイ・バートコウィアク、編集はコンラッド・バフ、美術はジョン・ムトー、衣裳はジョー・I・トンプキンス、音楽はクリストファー・ヤング。
出演はベン・キングズレー、マイケル・マドセン、フォレスト・ウィテカー、ナターシャ・ヘンストリッジ、ミシェル・ウィリアムズ、マージ・ヘルゲンバーガー、アルフレッド・モリーナ他。


MGMが作り出した、どこかB級テイストを感じさせる作品。
このB級大作のために、SFX界の豪華スタッフが集まった。特殊効果スーパーバイザーはリチャード・エドランド、クリーチャー創作はスティーブ・ジョンソン、そしてシルのデザインはH・R・ギーガー。

この映画の売りはSFXとSEX。
というわけで、成人したシルを演じるモデル出身の美女ナターシャ・ヘンストリッジがお色気をムンムンと発揮。
異星人映画とか、侵略物だとか、そんなのはどうだっていいのよ。SFXとSEX、それだけ。
でも、どちらも期待しすぎるのはダメ。

フィッチやプレス達がDNA実験を行うシーンが面白い(別の意味で)。
壊れたカメラを修理するためにプレスとローラがラボに入るが、モタモタしてる内に実験で産まれた生物が異常なスピードで成長する。プレスたちに危険が迫るが、フィッチはラボのドアを開けようとしない。
で、その理由が「何かあった場合は全てを焼き払うという規則がある」だって。意味不明。プレスとローラを助けて、いったい何の問題があるんだろうか。実際、2人はラボから逃げ出したけど、何の問題も起きてないし。
フィッチが2人を殺そうとする意味が全く分からんぞ。

おかしな行動が多い“フィッチとバカな仲間達”が、シンプルなストーリー展開の中で「いかにもB級っぽい」行動を取る。
最後は「いかにも続編が作られる」というような終わり方。
そして予想通り、2作目が作られた。
なるほど。


第18回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪の女優】部門[ナターシャ・ヘンストリッジ]

 

*ポンコツ映画愛護協会