『最‘狂’絶叫計画』:2003、アメリカ

女子高生のベッカとケイトは、部屋でテレビを見ていた。ベッカはケイトに、呪いのビデオの噂について話す。不気味な映像で、それを見た直後に電話が掛かって来て、「お前は7日後に死ぬ」と宣告するというのだ。しかし2人とも本気にしておらず、ジョークを飛ばして笑い合った。ベッカが母と電話で話している間に、ケイトは別の部屋へ行く。落雷で電話が途絶え、ベッカはケイトの元へ行く。するとケイトは死んでおり、部屋のテレビには呪いのビデオの映像が写し出された。
ワシントンから20マイル西のミドルバーグにある農場には、トムと弟のジョージ、トムの一人娘であるスーが暮らしていた。その朝、トムはスーの悲鳴で目を覚ます。外へ飛び出すと、ジョージは犬たちの様子が変であることを告げた。トムとジョージがトウモロコシ畑に入ると、そこにスーがいた。スーはミステリー・サークルを見つけて、悲鳴を上げていたのだった。『モーニング・ニュース』のレポーターであるシンディー・キャンベルは、そのニュースを伝えた。
州警察官のチャップリンはトムの家を訪れ、ミステリー・サークルは近所に住む少年のイタズラだろうと告げる。ジョージがラップに夢中になっているので、トムは説教する。しかしジョージは翌日に開かれるクラブのラップ・バトルに出ることを決めており、トムに反発した。シンディーは甥のコーディーを迎えに学校へ行き、友人である教師のブレンダと会う。コーディーは土の中に瀕死の人間が埋まっている絵を何枚も描いていた。
スーを迎えに来たジョージに、シンディーは一目で好意を抱いた。ジョージはシンディーとブレンダに、ラップ・バトルを見に来るよう持ち掛けた。コーディーはシンディーに、「黒い髪の女の子が見える」と言う。家に戻ってから、彼はい髪で顔が隠れている少女の絵を描いた。シンディーが気味の悪さを感じていると、彼は「時々、彼女と話すんだ。今夜、来るんだって」と告げた。シンディーは親しくしているマルドゥーン牧師にコーディーの世話を任せ、ラップ・バトルが開かれるクラブへ向かった。
クラブに現れたジョージは、司会者のマハリクや友人のCJと挨拶を交わす。白人嫌いの連中が拳銃を携帯して集まっていると聞いたジョージは緊張するが、マハリクは能天気な態度を見せる。ラップ・バトルで大きなヘマをやらかしたジョージは、店を追い出された。シンディーはブレンダに頼まれ、彼女の家へ行く。ブレンダは「呪いのビデオを見た」と明かし、鼻血を出して苦悶する。だが、それはイタズラだった。その後も幾つかイタズラを連発したブレンダは、リビングへ移動した。するとテレビが勝手に付いて、呪いのビデオが写し出された。テレビから飛び出したタビサに襲われたブレンダは助けを求めるが、シンディーはイタズラだと思い込んだ。
次の朝、電話でブレンダの死を知ったジョージは、そのことをスーに伝えた。トムは妻を交通事故で死なせた加害者であるサイアマンの訪問を受けた。罪の意識に苛まれているサイアマンに、トムは「あれは事故だよ」と告げた。ブレンダの通夜に赴いたシンディーは、彼女の部屋で呪いのビデオを発見した。家に持ち帰ってビデオを再生すると、不気味な映像が写し出された。映像が終わった直後、電話が鳴る。シンディーが受話器を取ると、謎の声が「7日後に死ぬ」と宣告した。
シンディーはジョージに電話を掛け、事情を説明して助けを求める。同席していたCJは、叔母であるシャニーカと恋人のオーフィアスなら助けになってくれるだろうと告げた。シンディーはシャニーカに会うため、ジョージにコーディーの世話を任せて外出した。彼女の訪問を受けたシャニーカは、自分をオラクルと呼ぶよう求めた。シャニーカとオーフィアスは、シンディーがダビングした呪いのビデオを確認した。灯台が写し出されると、オーフィアスは「この場所を探し出せ」とシンディーに告げた。そこにビデオやミステリーサークルの謎を解く鍵が隠されているというのだ。
シンディーが帰宅すると、コーディーが呪いのビデオを見ていた。コーディーにも電話が掛かり、7日後の死が宣告された。シンディーはニュース番組のプロンプターを勝手に操作し、アンカーマンのロス・ジギンズに「呪いのビデオは宇宙人の陰謀です」と喋らせた。ハリス大統領や補佐官のジョン・ウィルソン、シークレット・サービスのトンプソンたちは、宇宙人の陰謀について思考を巡らせた。シンディーがネットで場所を突き止めた灯台を訪れると、そこにはアーキテクトと称する男が待ち受けていた…。

監督はデヴィッド・ザッカー、キャラクター創作はショーン・ウェイアンズ&マーロン・ウェイアンズ&バディー・ジョンソン&フィル・ボーマン&ジェイソン・フリードバーグ&アーロン・セルツァー、脚本はクレイグ・メイジン&パット・プロフト、製作はロバート・K・ワイス、共同製作はグレース・ギルロイ、製作協力はケヴィン・マーシー&フィル・ドーンフェルド、製作総指揮はボブ・ワインスタイン&ハーヴェイ・ワインスタインアンドリュー・ローナ&ブラッド・ウェストン、撮影はマーク・アーウィン、編集はマルコム・キャンベル&ジョン・ポル、美術はウィリアム・エリオット、衣装はキャロル・ラムジー、音楽はジェームズ・L・ヴェナブル。
出演はアンナ・ファリス、アンソニー・アンダーソン、レスリー・ニールセン、チャーリー・シーン、レジーナ・ホール、デニース・リチャーズ、エディー・グリフィン、クイーン・ラティファ、カムリン・マンハイム、サイモン・レックス、パメラ・アンダーソン、ジェニー・マッカーシー、ダレル・ハモンド、ケヴィン・ハート、D・L・ヒューリー、ジャ・ルール、ドリュー・ミクスカ、ジェレミー・ピヴェン、ジョージ・カーリン、アジェイ・ナイドゥー、サイモン・コーウェル、ティム・スタック他。


『最終絶叫計画』『最‘新’絶叫計画』に続く“Scary Movie”シリーズの第3作。
シリーズの生みの親であるウェイアンズ兄弟が完全に離脱し、監督と脚本に『裸の銃(ガン)を持つ男』シリーズのデヴィッド・ザッカーとパット・プロフトが招聘されている(プロフトは『ホット・ショット』シリーズの脚本家でもある)。
前2作のキャストの内、シンディー役のアンナ・ファリスと、ブレンダ役のレジーナ・ホールだけが残留している。

マハリクをアンソニー・アンダーソン、ハリスをレスリー・ニールセン、トムをチャーリー・シーン、アニーをデニース・リチャーズ、オーフィアスをエディー・グリフィン、シャニーカをクイーン・ラティファ、チャップリンをカムリン・マンハイム、ジョージをサイモン・レックス、ベッカをパメラ・アンダーソン、ケイトをジェニー・マッカーシー、ケイトをダレル・ハモンド、CJをケヴィン・ハート、ウィルソンをD・L・ヒューリー、トンプソンをジャ・ルール、コーディーをドリュー・ミクスカ、ロスをジェレミー・ピヴェン、アーキテクトをジョージ・カーリンが演じている。
他に、音楽プロデューサーでテレビ番組『Xファクター』のクリエーターでもあるサイモン・コーウェル、ラッパーのファット・ジョー&マスターP&レッドマン、R&Bシンガー&ラッパーのメイシー・グレイ、ウータン・クランのメソッド・マン&レイクウォン&RZA&U-ゴッドが本人役で出演している。
監督と脚本家が代わったことの影響なのか、出演者の顔触れが一気に豪華になっている。
前2作だと、せいぜいジェームズ・ウッズが精一杯って感じだったもんなあ。

それでは、順を追って中身を詳しく見て行こう。
まず冒頭、巨乳女子高生のベッカとケイトがテレビを見ている。明らかに年を取り過ぎているパメラ・アンダーソンとジェニー・マッカーシーが女子高生役ってのが、まず笑いのポイント。
ベッカの「テレビの電磁波でシリコンが縮むって聞いたわ」という言葉で、2人は豊胸手術を受けたオッパイを見つめて顔色を変え、慌ててテレビを消す。
ホラー映画とは全く別の意味での恐怖シーンというわけだ。

ベッカが「もっと怖い話がある。ビデオの話」と言うと、ケイトは「知ってる。車やバスタブでヤッてるプライベート・ビデオのことね」と告げ、ベッカがすぐに「違う、それじゃない」と否定する。
ここは、流出騒ぎがあったパメラと元夫であるトミー・リーのセックス・テープを茶化したネタだ。
豊胸ネタにしろ、流出テープのネタにしろ、そういうのを平気で演じてくれる辺り、パメラ・アンダーソンの器のデカさを感じるねえ。

ベッカが呪いのビデオについて説明すると、ケイトは「それ、ジョシュと見たわ」と笑う。「ジョシュと一緒にいたってことね」とベッカも笑い、キャッキャした感じで枕をぶつける。
いかにも女子高生らしい枕投げの遊びが始まると思わせて、ケイトは椅子を思い切りベッカの背中に叩き付け、ベッカは花瓶でケイトの頭を殴り付け、ケイトはベッカをパソコンで殴打し、互いに笑う。
ここは『ホット・チック』のパロディーになっている。
電話が鳴ったので恐る恐るケイトが取ると、相手は母親。
ケイトが部屋に行ってベッカを見つけると、彼女は死んで恐ろしい形相になっている。だが、ベッカは「どうかした?」と言うだけ。ケイトの首がホロリと床に落ちても、「大丈夫?」と言うだけで済ませてしまう。

トムはスーの金切り声で目を覚まし、蛍光灯に頭をぶつけてしまう。洗面所で顔を洗っていると、また金切り声がする。でも廊下に顔を出すと声は消え、戻ると再び聞こえる。それを繰り返したトムは、コケてしまう。
ジョージから「犬の様子が変だ」と言われたトムが視線を向けると、『ベン・ハー』の二輪戦車レースみたいに別の犬を台車に乗せて引いている犬もいるし、トラクターを運転している犬もいるし、水煙草を吸っている犬もいる。
スーの悲鳴を聞いたトムがトウモロコシ畑を走ると、体のあちこちにトウモロコシが激突する。
ミステリー・サークルを発見したジョージが「どういうメッセージなんだろう」と漏らすとカメラが引き、矢印と「ATTACK HERE」の文字が描かれていることが分かる。つまり「そういうメッセージてすよ」というネタだ。

シンディーはプロデューサーのカーソンから、ストリップ・クラブの取材を頼まれる。
ミステリー・サークルを単なる悪ふざけだと考える彼に「何か危険が迫っている気がするんです」とシンディーが言った途端、伸びていたマイクに頭をぶつけて倒れる。
チャップリンは車に乗り込む時にツバの広すぎる帽子が邪魔になるが、「大丈夫?無理しないで」とトムに言う。「お前が言うな」というネタだ。
トムと言い争いになったジョージは出発直前のバスから身を乗り出して文句を言うが、ドアが閉まって首を挟まれる。

コーディーはシンディーに「黒い髪の女の子が見える」と言った後、「生理が始まるまで3、2、1」とカウントダウンで予言したり、「左側にウンコ」と予言じゃない見たままの事実を指摘したりする。
車を発進させたシンディーは「これからは傍に居られるようにする」とコーデイーに話し掛けるが、助手席を見ると誰もいない。乗せ忘れたことに気付いた彼女は慌てて車をバックさせるが、コーディーを思い切り弾き飛ばしてしまう。
ラップ・バトルが始まると、テレビ番組『アメリカン・アイドル』のように審査員を担当したサイモン・コーウェルはボロクソに酷評し、マハリクたちから銃弾を浴びせられる。
ファット・ジョーとのバトルで観客の喝采を浴びたジョージだが、調子に乗って白いフードを頭に被ると、それが長すぎてKKKのコスチュームみたいになってしまい、『お坊ちゃまはラッパー志望』のように店から追い出される。

ブレンダはシンディーに「呪いのビデオを見た」と言い、ケチャップの鼻血を付けたり、口から泡を吐いたり、作り物の手を燃やしたりというイタズラをシンディーに仕掛けて笑う。実際に呪いのビデオが写し出されてタビサが出て来ると、ブレンダは『マトリックス』の如くマーシャルアーツで戦う。
ブレンダの死を知らされたジョージは、言いにくそうな様子でスーに近付くが、デカい声で「ブレンダ先生が死んだ!悶え苦しんだ末の惨めな死だ!」と叫び、さらに自分がスーの飼い犬をひき殺したことも語り、「スーの大事な人は、まだ次々に死んでいく!」と調子に乗って叫ぶ。
サイアマンはトムに交通事故のことを詫びるが、「あの夜、居眠り運転をしなかったら。あの夜、強い酒をガブ飲みしなかったら。あの夜、娼婦を殺さなかったら」と、別の夜のことを喋ってしまう。

事故の当日、現場を訪れたトムは、チャップリンから状況説明を受ける。「アニーの体がトラックと木に挟まれて腰から真っ二つ。トラックが押さえているから何とか持ち堪えている」と聞き、トムは持っていたドーナツとソーセージを使って「まだ妻のアソコに突っ込めるか」と尋ねる。
これはチャーリー・シーンのセックス好きを茶化したネタだ。
アニーから「私が死んでも再婚しないで」と頼まれたトムは約束するよ」と言うが、「セックスも禁止よ」という言葉は聞こえないフリをする。ちなみに撮影当時、まだチャーリー・シーンとデニース・リチャーズは夫婦だった。
回想から戻ると、サイアマンから「済まない、ジャンキー」と名前を間違えられたトムは「ジャンキーじゃない、もう薬はやってない」と告げる。かつてチャーリー・シーンは、ドラッグ絡みで騒ぎを起こしたこともあった。

通夜のシーンでは、「私の愛しい人」とブレンダの母が『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』のゴラムみたいなことを言い、「安らかな顔をしている」という言葉でシンディーが棺を見ると、蓋が開いていてブレンダが恐ろしい表情のまま死んでいる。
ブレンダの父から「娘の撮った写真が届いた」と写真を渡されたシンディーが見ると全て真っ白なので驚愕するが、「そっちは裏よ」とブレンダの母に指摘される。
顔が異常に歪んだ状態で写っているラルフという男を見つけたシンディーが、「あそこにいるわ」と言われて視線を向けると、ホントに顔が歪んでいる。
ジョージとマハリクはブレンダが死んでいないと決め付け、蘇生措置を行おうとする。慌てて止めに入る人々を殴り付け、電気ショックを与えようとしてブレンダの体をバラバラにしてしまう。

シンディーが呪いのビデオを見ると、鏡を見ながら髪をといていたタビサという女は長すぎる脇毛にも櫛を入れる。シンディーは電話を受けるが、相手の声がこもっていて何を言っているのか良く聞き取れない。ようやく鮮明になって「7日後に死ぬ」と言われたシンディーは、「来週の月曜に死ぬの?」と告げると、「土日を飛ばしてるぞ」と指摘される。
コーディーの世話を任されたジョージは、彼の顔面に誤ってバスケットボールをぶつけてしまい、起き上がろうとした彼に膝蹴りを入れてしまい、体を持ち上げるとシーリングファンに上半身が挟まって窓の外へ飛ばされてしまう。
『マトリックス リローデッド』のオラクルとモーフィアスみたいなシャニーカとオーフィアスは、呪いのビデオを見る。写っている虫に気付いたシンディーが手を伸ばすと、それを捕まえることが出来る。
テレビ画面に留まった虫をシャニーカがハエ叩きで叩くと、写っていたタビサが痛がる。腹を立てたタビサが叩き返したので、カッとなったシャニーカは画面から引きずり出して殴り掛かり、髪の毛を引き千切ってノックアウトする。

トムがタビサの部屋へ行くと、ヴェールを頭から被って後ろを向いている彼女が「眠れないの。たくましい腕の中で眠らせてくれる?」と大人びたことを言う。ここは『アザーズ』のパロディーで、タビサではないと気付いたトムがヴェールを取ると、そこにいたのはマイケル・ジャクソン(に扮した別人)。
踊りながら戦うマイケルを窓から突き落とすと、トムの手元には取れたマイケルの鼻が残される。
灯台を訪れたシンディーに、アーキテクトは「ずっと君を見ていた」と告げる。周囲に配置されている無数のモニターには、シンディーの着替えや入浴を盗撮した映像が写し出される。
アーキテクトはタビサという娘を養子を貰ったこと、異常に暴力的だったので妻が井戸に突き落としたこと、タビサが恨みをビデオに念写したこと、アーキテクトが間違えてビデオ屋に持って行ったことを話す。
テレビでは世界各地で目撃されたという宇宙人の映像が流されるが、それは「脱糞する牛の後ろを通り過ぎる宇宙人」や「交尾をする犬の後ろを通過する宇宙人」や「ゲロを吐く男たちの近くにいる宇宙人」だ。

ハリスは国民を動揺させないようウィルソンに促され、壁に掛けられているハリソン・フォードの肖像画を見ながら「彼ならどう対処しただろうな」と言うが、これはハリソン・フォードが『エアフォース・ワン』で大統領を演じたことを使ったネタ。
マザー・テレサ賞の表彰式に出席したハリスは、障害のせいで喉に装置を当てて声を発している男性を「地球人に成り済ました宇宙人」と思い込み、顔面を殴り付ける。
他にも、障害のせいで器具を付けている男や歯の矯正器具を付けている少女を宇宙人と決め付けて攻撃する。
ハリスが攻撃する中には、テレビ伝道師のタミー・フェイ(に扮した役者)もいる。

テレビ局が呪いのビデオをオールナイトで流し始める中、トムやジョージはドアを釘で打ち付けて封鎖するが、シンディーが普通に開けて入って来る。
シンディーは「僕、死ぬんだね」と不安を吐露するコーディーに彼が産まれた時のことを話し始めるが、笑顔で「ママから血がドバドバと流れていた。いつか撮ったビデオを見せてあげるわ」「へその緒を切る時、最初は間違えてチンチンを真っ二つにしたのよ。前日にドラッグをやってたから」「ママが『この子、欲しい?あげるわ』と言い、「彼女が死んで私が親代わりになった。私の飼ってた猫が死んで、可愛がる相手が欲しかったの」などと語る。
シンディーやトムたちは物置部屋に閉じ篭もるが、ドアの向こうに何かが来る。ナイフをドアの下にある隙間に差し込み、鏡代わりにして向こうを確認すると、宇宙人2名がいる。宇宙人もナイフをドアの隙間に差し込み、シンディーのスカートの中を覗いて笑う。
コーディーが背後から誰かに捕まり、トムから「フルスイングしろ」と言われたジョージは、バットでコーディーを何度も思い切り殴り付ける。トム、マハリク、ジョージの3人はトウモロコシ畑に潜む宇宙人に近付こうとするが、実は背後に宇宙人がいて、こっそり忍び寄る。でも後ろからハリスの車が来て、宇宙人をひいてしまう。

円盤が飛来すると、CJが仲間のマスターP、メイシー・グレイ、レッドマン、ウータン・クランを連れて来るが、彼らは喧嘩を始めてしまい、撃ち合って全滅する。
宇宙人はトムたちに、呪いのビデオを衛星受信してしまい、タビサを滅ぼすために地球へ来たことを説明する。だが、なぜかノンビリしてしまい、トムたちは宇宙人にゴルフを教えたり音楽を聴かせたりする。
物置小屋の地下にある井戸を発見したシンディーは、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスみたいにチェーンソーを持ったタビサから襲われる。
後ろにあるドアをハリスが知らずに開けたため、突き飛ばされたタビサは井戸に転落する。

シリーズ1作目は『スクリーム』と『スクリーム2』がベースで、そこに『ラストサマー』や『13日の金曜日』など様々な映画のネタが盛り込まれていた。
2作目は『ホーンティング』がベースで、『エクソシスト』や『チャーリーズ・エンジェル』などが盛り込まれた。
この3作目は、『サイン』と『ザ・リング』がベースになっている。
一応、ベースは恐怖映画だけど、それ以外の要素も多い。

パロディー以外のネタも多く散りばめられているってのは、監督や脚本家が交代しても変わらない。ただし、どういうネタを多用するかってのは、かなり違いが生じている。
ウェイアンズ兄弟は同性愛者や黒人、障害者や老人、子供といったマイノリティーや社会的弱者を茶化したり暴力の対象にしたりするようなネタが多かった。
しかし今回は、そういう差別的なネタは減っている。
前2作は下ネタも多かった。今回も下ネタは色々と盛り込まれているが、前2作に比べると、そこも質と量が共に減退している。

差別的なネタも下ネタも減ったのなら、それはコメディーとしてマイナスしかないんじゃないかと思うかもしれないが、そうとも限らない。
メインであるパロディーの部分を厚くしたり、他のタイプの小ネタを色々と用意したりすれば、充分にリカバリーは可能だし、もっと面白くすることも出来る。
で、この映画はどうかと問われたら、「前2作に比べると、トータルでの質は上がっているが、弾けっぷりは物足りない」という印象だ。

『最終絶叫計画』ならアヴァン・タイトル、『最‘新’絶叫計画』では障害者ネタと、それぞれ「トータルではつまんないけど、面白い部分はある」という印象だった。
本作品は、まとまりという意味では前2作よりも上だけど、「このネタは面白かったなあ」と感じる箇所だけで言うと、『最‘新’絶叫計画』の障害者ネタよりは落ちるかな。
ただし、『最‘新’絶叫計画』の障害者ネタは、その大半が日本版では自主規制でカットされちゃってるんだけど。

(観賞日:2014年3月26日)


第26回スティンカーズ最悪映画賞(2003年)

ノミネート:【最悪な総収益1億ドル以上の作品の脚本】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会