『最後の猿の惑星』:1973、アメリカ
未来の地球からやって来た2匹の猿コーネリアスとジーナを怖れた人間は、2匹を殺害。しかし2匹の息子シーザーは生きており、人間の奴隷にされていた猿達の解放に立ち上がった。猿の反乱に怒った人間達は核戦争を引き起こし、地球は崩壊してしまった。
2003年、生き残った猿と人間は共存できる社会を作ろうとしていた。シーザーをリーダーとして共同生活をしている猿と人間だが、アルドを中心とするゴリラ族は人間達に対する反感を募らせており、シーザーへの不満もくすぶっている。
両親のことを何も知らないシーザーに、人間のマクドナルドは廃墟となった街の元基地にコーネリアスとジーナについての資料が置いてあることを告げる。シーザーとマクドナルドは物知り猿ヴァージルを連れ、廃墟の街へ向かった。
無人だと思われていた廃墟の街だが、地下に人間達が集落を築いていた。シーザー達が侵略者だと考えた知事は、彼らを殺そうとする。何とか逃げ出したシーザー達。しかし、知事は猿達を征服するため、シーザー達の集落を襲撃しようと計画する。
それを知ったアルド達は武器を入手し、マクドナルド達を含めて人間を皆殺しにしてしまい、さらにシーザーも殺す密談をする。シーザーの息子コーネリアスは話を盗み聞きしていたが、アルドに発見されて瀕死の重傷を負わされる。
コーネリアスがシーザーの看病に付きっきりになっている間に、アルドはマクドナルド達を囲いに閉じ込めてしまう。同じ頃、必死の看護の甲斐も無く、コーネリアスは死んでしまう。シーザーが悲しみに暮れる暇も無く、知事に指揮された廃墟の人間達が襲ってきた…。監督はJ・リー・トンプソン、原作はポール・デーン、脚本はジョン・ウィリアム・コリントン&ジョイス・フーパー・コリントン、製作はアーサー・P・ジェイコブス、製作協力はフランク・キャプラJr.、撮影はリチャード・H・クライン、編集はアラン・L・ジャグズ、美術はデイル・ヘネシー、メイクアップはジョン・チェンバース、音楽はレナード・ローゼンマン。
出演はロディー・マクドウォール、クロード・エイキンズ、ナタリー・トランディー、セヴァーン・ダーデン、リュー・アイレス、ポール・ウィリアムス、ジョン・ヒューストン、オースチン・ストーカー、ノア・キーン、リチャード・イーストハム、フランス・ニューエン、ポール・スティーヴンス、ヘザー・ロウ、ボビー・ポーター、マイケル・スターンズ、キャル・ウィルソン他。
『猿の惑星』シリーズ第5作にして完結編。
最初からシリーズを見続けていないと、何が何やらサッパリ分からないだろう。
主演はロディー・マクドウォール。
でも、猿の格好だから、素顔は全く映らないんだよね。
そんな主演って、果たして嬉しいのだろうか。たった3人でやってきた連中を侵略者だと思い込む知事。
しかも、最初は「生け捕りにしろ」と言ってたのに、すぐに「殺せ、殺せ」に早変わり。
で、知事の考えに反対する一派もいたはずなのだが、いつの間にか消えてしまう。
どこへ行ったのやら。序盤、青空教室のシーンで、「猿は猿を殺さない」という言葉がしつこく強調される。
これが伏線になっている。
アルドがコーネリアスを殺したことが分かり、カルト集団みたいになった猿達が、「猿は猿を殺さない」と呪文の如く唱え続けてアルドを追い詰める。で、息子を殺されたシーザーが、アルドを死に追いやってしまう。
おいおい、リーダー自らがルールを破ってるぞ。
それで「死は死をもってしか償えないのか」などと、偉そうな台詞を吐く。
上手くまとめたつもりらしい。
いやいや、まとまってないぞ。結局、「人間同士も殺しあうけど、猿も人間と同じ歴史を歩む」ってのが物語のポイントなんだろう。でも、「猿と人間が共存できる社会は、きっと作れるさ」だってよ。
いやあ、無理だと思うよ、そんなの。
それにしてもシーザー、リーダーなのに猫背で歩くのはやめなされ。
まるで冴えない猿に見えるよ。
あっ、そうか、猿なのか。そうそう、ちなみに、キャストの中にジョン・ランディスという名前があるが、これは後に『アニマル・ハウス』や『ブルース・ブラザーズ』を撮るジョン・ランディスである。