『新・明日に向かって撃て!』:1979、アメリカ
ワイオミング州では2度と犯罪行為はしないという条件で、1年ぶりに出所したアウトローのブッチ・キャシディー。一軒のカジノに立ち寄ると、ちょうどサンダンス・キッドが他の客から金を脅し取ろうとしていた。カジノの連中との銃撃戦の中、サンダンスはブッチの銃を奪って逃亡する。
保安官やカジノの連中と共に、ブッチはサンダンスを追い掛ける。サンダンスが険しい崖の上に隠れたため、保安官達は追跡を諦めた。たった1人で残ったブッチは、サンダンスに呼び掛ける。ブッチは一緒に組もうと誘うのだが、サンダンスに断られてしまう。
ブッチはユタ州にいる昔の仲間ハンクス達の元に戻った。しかし、そこに保安官が駆け付けてハンクス達を逮捕してしまう。ハンクスはブッチが自分を売ったと思い込む。1人になったブッチの元に、サンダンスが姿を現した。一緒に組む気になったらしい。
コンビを組んだブッチとサンダンスは強盗稼業に精を出すが、脱獄したハンクスが2人を追ってくる。ハンクスに撃たれて負傷したサンダンスは、傷が癒えた後で彼と対決し、勝利する。やがてブッチとサンダンスは、造幣局の列車を襲う計画を実行に移すことにした…。監督はリチャード・レスター、キャラクター創作はウィリアム・ゴールドマン、脚本はアラン・バーンズ、製作はガブリエル・カツカ&スティーヴン・バック、製作協力はジャック・B・バーンステイン、撮影はラズロ・コヴァックス、編集はジョージ・トリロゴフ、編集監修はアントニー・ギブス、美術はブライアン・イートウェル、衣装はウィリアム・ジース、音楽はパトリック・ウィリアムズ。
主演はウィリアム・カット&トム・ベレンジャー、共演はジェフ・コーリー、ジョン・シューク、マイケル・C・グウィン、ピーター・ウェラー、ブライアン・デネヒー、クリス・ロイド、ジル・エイケンベリー、ジョエル・フルーレン、レジーナ・バフ、ピーター・ブロッコ、ヴィンセント・スキャベッリ、ヒュー・ギリン他。
『明日に向かって撃て!』は、ジョージ・ロイ・ヒルが監督を務め、ポール・ニューマンがブッチ・キャシディ、ロバート・レッドフォードがサンダンス・キッドを演じた作品だ。
今作品はタイトルに“続”と付いているが、あの作品の続編というわけではない。
この作品は時代をさかのぼり、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが若き日の物語を綴っている。2人の出会いから、初めての列車強盗を行うまでを描いている。
ブッチ・キャシディー役はトム・ベレンジャー、サンダンス・キッド役はウィリアム・カット。ブッチもサンダンスも、どこかマヌケなキャラクター。
基本的にはねブッチがツッコミでサンダンスが天然ボケといった感じ。
だが、結局はどっちもスカした笑いを取りに行っている。
ブッチと家族のメロドラマや、ハンクスとのシリアスな対決も、一応は存在する。
しかし、それらは添え物である。例えばハンクスから逃げる途中、ブッチが雪山でジフテリアになって倒れるシーン。
シリアスになっても良さそうなものだ。
だが、サンダンスが血清を飲ませようとするなど、やはりマヌケだ。
サンダンスがブッチに撃たれるシーンでも、やっぱりユーモアを忘れない。とにかく、陽気でユーモラスであることを主眼に置いた作品だ。
軽妙で、どこかノホホンとした雰囲気のあるウエスタン・ムーヴィーだ。
派手な撃ち合いや息詰まる死闘などではなく、ブッチ・キャシディー&サンダンス・キッドという、お気楽コンビの珍道中を楽しむ作品と言っていいだろう。
で、それでいいのか、ホントに?
1979年スティンカーズ最悪映画賞<エクスパンション・プロジェクト後>
ノミネート:【最悪の続編】部門