『結婚の条件』:1988、アメリカ

ジェイクとクリスティは互いに一目惚れし、結婚式の日を迎えた。ところが、ジェイクは友人デイヴィスに結婚への不安を打ち明けていた。結婚に対する迷いは、神父の言葉を聞いてますます強くなった。それでも、ジェイクはクリスティと結婚した。
結婚生活を始めたジェイクは、理想と現実の違いを感じることになった。大学生だったジェイクは中退しようとするが、クリスティは反対する。クリスティの両親は何かと文句を付けてくるし、クリスティはジェイクの両親が来訪することを歓迎しない。
作家志望のジェイクは広告文を書く仕事に就き、クリスティはリサーチ・アナリストになった。ニューヨークに行ったディヴィスがモデルの恋人と共に帰郷し、ジェイクは家に泊めることにした。しかし、クリスティは激怒し、ジェイクに罵声を浴びせる。
結婚から4年が経過した頃、2人の両親は子供のことを口にするようになった。子供を作る気が無かったジェイクだが、クリスティから3ヶ月前にピルの服用を止めていることを知らされる。やがてクリスティは妊娠し、出産の日を迎えた…。

監督&脚本&製作はジョン・ヒューズ、製作協力はビル・ブラウン、製作総指揮はロナルド・コルビー、撮影はドン・ピーターマン、編集はアラン・ヘイム、美術はジョン・W・コーソ、衣装はエイプリル・フェリー、音楽はスチュアート・コープランド。
出演はケヴィン・ベーコン、エリザベス・マクガヴァン、アレック・ボールドウィン、ウィリアム・ウィンダム、ポール・グリーソン、ホランド・テイラー、キャスリン・デイモン、ジョン・アシュトン、ジェームズ・レイ、デニス・デューガン、エディ・マックラーグ、ラリー・ハンキン、ナンシー・レネハン、イザベル・ガルシア・ローカ他。


ジョン・ヒューズが監督&脚本&製作を務めた結婚コメディー。
観賞する前には、ジョン・ヒューズ作品にケヴィン・ベーコンは合わないのではないかと思ったが、彼がミスキャストだとかいう以前に、作品が完全にショボクレ状態だった。

ジェイクとクリスティの2人のキャラクターが描写不足で、どういう人物なのかが見えてこない。特にクリスティなどは夫の両親を歓迎せず、友人を宿泊させると激怒するのだから、自分勝手な女にしか見えない。
だから、どこに魅力があるのか分からない。

シーンとシーンの繋ぎ方が悪くて、シーンが切り替わる時点で流れが一端途切れてしまう。ジェイクとクリスティの言い争いから和解までの間を省略しており、そこでの2人の気持ちが掴めない。
その部分だけでなく、2人の心情が伝わってくる場面はほとんど無い。

空想シーンを何度か挿入することで笑いを生み出そうとしているのだが、完全に空回り。その笑いの演出には統一性が無く、唐突なだけに終わっている場面も目立つ。
どこまでが空想で、どこまでが現実なのかが不鮮明な場面もある。

エピソードの積み重ねの中で、何を表現しようとしているのかが非常に分かりづらい。次のシーンに向けて、前もって描いておくべきことを手抜きしたりもしている。
で、その場になって急にポンと提示するから、流れもヘッタクレもありゃしない。

エンドロールに、子供の名前を提案するという役回りで次々に登場する面々が豪華だ。カースティ・アレイ、ダン・エイクロイド、マシュー・ブロデリック、ジョン・キャンディ、ベリンダ・カーライル、スチュワート・コープランド、テッド・ダンソン、ウディ・ハレルソン、マジック・ジョンソン、マイケル・キートン、ペニー・マーシャル、ビル・マーレイ、オリヴィア・ニュートン=ジョン、ロイ・オービソン、アリー・シーディなどなど。

とにかく散漫なストーリー展開で、何をどのように描写するのかということをイマイチ絞り切れていないという印象だ。
だから中身はどうでもいいのだが、前述のようにエンドロールが豪華。
そこが今作品の唯一のセールスポイントだ。

 

*ポンコツ映画愛護協会