『激流』:1994、アメリカ

ゲイルは息子のロークと飼い犬マギーを連れて故郷にやって来た。若い頃に川下りのガイドをしていたゲイルはロークと共に川下りの準備をしている時、ウェイドという若者と出会う。彼は友人テリー、フランクと共に川を下るらしい。
そこへ、仕事で行けないと言っていた夫トムがやって来る。しかし、仕事一途のトムに失望しているゲイルとの仲はギクシャクしてしまい、ロークとトムも打ち解けない。家族の仲がしっくりいかない中で、ゲイルはトムとの離婚さえ考えていた。
翌日、3人で川下りをしていると途中の岩場でウェイド達に出会う。唯一川下り経験のあったフランクに逃げられて困っているという彼らをゲイル達はボートに乗せ、ブライダル・クリークまで送ることにする。だが、次第に妙な態度を取り始めるウェイド達に、トムは不信感を覚えて…。

監督はカーティス・ハンソン、脚本はデニス・オニール、製作はデヴィッド・フォスター&ローレンス・ターマン、製作総指揮は イロナ・ハーツバーグ&レイ・ハートウィック、撮影はロバート・エルスウィット、編集はジョー・ハッシング&デヴィッド・ブレナー、 美術はビル・ケニー、衣装はマーリーン・スチュワート、音楽はジェリー・ゴールドスミス。
出演はメリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・マゼロ、ジョン・C・レイリー、 ベンジャミン・ブラット、エリザベス・ホフマン、ウィリアム・ラッキング、グレン・モーシャワー、ヴィクター・H・ギャロウェイ、ダイアン・デラノ、ポール・カンテロン、


犯人の逃亡に巻き込まれるというサスペンスとしての部分、父親の活躍で家族の絆を取り戻すというヒューマンドラマの部分、危険な川下りにチャレンジするアドベンチャーの部分が混在する作品。
それぞれが上手く組み合わされば、物凄く面白い作品になったことだろう。

だが、前述の二つに関してはキッチリと描けていない。
家族に恐怖を与える役回りのはずのウェイド達は、途中から川に翻弄されて弱々しくなり、自分たちが激流に恐怖を感じてしまう。
父親トムの頑張りも、ただ無意味に山道を走っているだけに感じられ、やや空回りの印象が強い。

それでも、アドベンチャーの部分は良く出来ていると思う。
ということで、結局は川の迫力に全てが負けているってことだ。
川の持っているズバ抜けたスケール感に、映画のスケール感が付いていけなかったということでしようかね。

 

*ポンコツ映画愛護協会