『K−9 友情に輝く星』:1989、アメリカ

マイケル・ドゥーリーはサンディエゴ警察麻薬課の刑事。勝手な行動ばかりしているトラブルメーカーで、パートナーを持つことも拒否している。彼は麻薬の帝王と呼ばれる大物ライマンを追い掛けているが、そのために命を狙われたりもする。
ライマンが海運会社の倉庫に麻薬を隠しているという情報を得たドゥーリーは、捜査のために麻薬犬が必要と考え、麻薬犬訓練所“K−9”に向かった。ところが許可を得ない無断での行動だったため、彼が使うことを許されたのは荒くれ者でワガママなジャーマン・シェパードだけ。
ジェリー・リーという名を持つその麻薬犬を連れて倉庫へ向かった。ところがジェリー・リーが発見したのはマリファナがたった1本だけ。ドゥーリーは捜査を続け、麻薬商人ギリアムとライマンとの関係をつかむ。ジェリーとのコンビも次第にサマになっていく。
ドゥーリーはライマンが大きな取り引きをすることを知るが、彼の行動を忌まわしく思っていたライマンはドゥーリーの恋人トレーシーを誘拐した。ライマンのパーティーに乗り込んで大暴れしたドゥーリーだが、駆け付けた警察によって逮捕されてしまう…。

監督はロッド・ダニエル、脚本はスティーヴン・シーゲル&スコット・マイヤーズ、製作はローレンス・ゴードン&チャールズ・ゴードン、製作総指揮はドナ・スミス、撮影はディーン・セムラー、編集はロイス・フリーマン=フォックス、美術はジョージ・コステロ、衣装はアイリーン・ケネディー、音楽はマイルズ・グッドマン。
主演はジェームズ・ベルーシ、共演はメル・ハリス、ケヴィン・タイ、ジェームズ・ハンディー、エド・オニール、コッター・スミス他。


評価する部分が見つからないアクション・コメディー。
笑いを生み出そうとしている場面は全てヌルくて笑えないし、アクションシーンに迫力があるわけでもない。台詞回しも普通だし、ドラマ展開も平凡でありきたりだ。

はみ出し刑事と荒くれ犬という似た者同士のコンビだが、キャラクターの描き方が中途半端。個々のキャラも面白味に欠けるし、コンビとしての面白さも全く生かし切れていない。
犬がコミカルな動きをするわけでもないし、ドゥーリーと犬とのやり取りも凡庸だ。

同じような映画にトム・ハンクスが主演した『ターナー&フーチ』という映画があるが、あちらの方が質は上だ。人間と犬のコンビを映画で楽しみたいなら、この作品よりも『ターナー&フーチ』を観賞したほうが良いだろう。

 

*ポンコツ映画愛護協会