『ゴーストバスターズ2』:1989、アメリカ

ピーター・ヴェンクマン、レイモンド・スタンツ、イーゴン・スペングラー、ウィンストン・ゼッドモアによる幽霊退治屋“ゴーストバスターズ”が破壊の神ゴーザを倒してから、5年が経過した。ゴーストバスターズは高層マンションを破壊したことで、ニューヨーク州、軍、市に訴えられ、倒産していた。彼らは人々から、ペテン師扱いされていた。
レイモンドはオカルト書店を営みながら、ウィンストンと共にパーティーの盛り上げ屋をしていた。イーゴンは研究所を開き、人間の感情を調査していた。ピーターは超能力番組の司会者を努めていた。ピーターと別れたデイナ・バレットは、他の男と結婚してオスカーという息子を生んだが、その男とは既に離婚していた。
ある日、デイナが町を歩いていると、オスカーを乗せたベビーカーが勝手に走り出すという怪奇現象が起きた。デイナはイーゴンとレイモンドに相談を持ち掛けるが、ピーターにも知られてしまう。ピーター達は、道路の調査を開始した。彼らは道路の下に異常を感知して無断で掘り起こすが、警察に発見されて逮捕されてしまう。
裁判に掛けられたピーター達は、5年前に知り合ったルイスに弁護を任せた。だが、判事のウェクスラーは、バスターズに有罪判決を言い渡す。その時、レイモンドが下水道で採取したスライムが動きを示し、裁判所内でゴーストが暴れ出す。ウェクスラーはバスターズの営業停止処分を取り消し、無罪を言い渡した。
ピーター、レイモンド、イーゴン、ウィンストンは、裁判所で暴れるゴーストを退治した。彼らは秘書のジャニーンも呼び戻し、ゴーストバスターズの営業を再開した。やがてレイモンドとイーゴンは、下水道のスライムが人間の憎悪を吸って成長することを突き止める。
デイナは、大学の美術修復部のヤノシュ・パーハ教授の下で、絵画修復の手伝いをしていた。ヤノシュは、虐殺者として知られるヴィーゴ王子の絵を展覧会に出品しようとしていた。だが、ヴィーゴは絵の中から復活しようと企んでいた。
ピーター達は、ヴィーゴとスライムの関係に疑惑を抱き、調査を開始した。レイモンドとイーゴンは、ヴィーゴの絵を撮影した写真を解析し、スライムの階段を発見する。やがてヴィーゴはヤノシュを洗脳し、オスカーを誘拐させた。ヴィーゴは復活するため、オスカーの体を利用する気なのだ。ヴィーゴを倒すため、ゴーストバスターズが出動する…。

監督&製作はアイヴァン・ライトマン、脚本はハロルド・ライミス&ダン・エイクロイド、製作協力はシェルドン・カーン&ゴードン・ウェブ、製作総指揮はバーニー・ブリルスタイン&ジョー・メジャック&マイケル・C・グロス、撮影はマイケル・チャップマン、編集はシェルドン・カーン&ドン・キャンバーン、美術はボー・ウェルチ、衣装はグロリア・グレシャム、視覚効果監修はデニス・ミューレン、音楽はランディ・エデルマン。
出演はビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、シガーニー・ウィーヴァー、ハロルド・ライミス、リック・モラニス、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツ、ピーター・マクニコル、ハリス・ユーリン、デヴィッド・マーグリース、カート・フラー、ジャネット・マーゴリン、ウィルヘルム・フォン・ホンブルグ、ウィル・デュッセンドルフ、ハンク・デュッセンドルフ、マイケル・P・モラン他。


1984年の大ヒット作『ゴーストバスターズ』の続編。
ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、シガーニー・ウィーヴァー、ハロルド・ライミス、リック・モラニス、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツ、デヴィッド・マーグリースといった面々が、前作に引き続いて出演している。
他に、ヤノシュをピーター・マクニコル、ウェクスラーをハリス・ユーリンが演じている。さらに歌手のボビー・ブラウンが市長のドアマン役で、チーチ・マリンが埠頭の管理人役で、フィリップ・ベイカー・ホールが警視総監役で顔を見せている。

前作は大ヒットを記録したが、ギャグの質や量によって面白くなっていたというわけではない。「ゴースト退治をコメディー・タッチでやる」というアイデア一発勝負みたいな内容が、上手くハマったという感じだった。ハッキリ言って、コメディーとしては笑いは薄かった。
1度目はアイデアだけで上手く乗り切れても、既に観客がそれに慣れてしまった2度目は、そうはいかない。何かプラスアルファが必要となる。
ところが、この作品は、1度目と同じことを繰り返しただけだった。
何のプラスアルファも無いのである。

内容は、前作とほとんど同じである。
バスターズを結成し、最初のゴースト退治を描写した後は、ダイジェストで彼らの活動を見せる。復活を企む強いゴーストが、冴えない男を利用する。バスターズは刑務所に収容されるが、町がパニックになったため釈放される。最後は有名な巨大キャラクターが動く。
まるで同じなのである。

そりゃ前作は大ヒットしたわけだから、そのパターンを使うのは間違いだとは言わない。しかし、いくらなんでも、なぞりすぎだ。完全に1作目の焼き直しになっている。自由の女神像では、マシュマロマンよりインパクトは落ちているしね。
「ニューヨーク市民の愛が悪を駆逐する」という、妙にハートウォーミングな匂いのする展開にも、眉をひそめたくなる。もっと荒唐無稽な形にしてちょうだいな。なんで「人間賛歌にしてニューヨーク賛歌」みたいな、キレイなノリになっちゃってるのさ。

これって、ひょっとすると同窓会のような気分で作ったんじゃないだろうか。
「とりあえず同じメンバーで集まって、ワイワイやろうや」みたいなノリで。
でも、他人の同窓会って、同窓生じゃない人間にとっては楽しくも何ともないのよね。
爆裂するバカ・パワーがあったら、それで乗り切れたような気もするが、どうやらパワー不足のようで。

 

*ポンコツ映画愛護協会