『クロコダイル・ダンディー2』:1988、オーストラリア&アメリカ

ミック・“クロコダイル”・ダンディーは、オーストラリアからニューヨークにやって来た男。売れっ子リポーターの恋人スー・チャールトンと同棲している。ミックがニューヨークに来たのは、スーが取材でオーストラリアを訪れたのがきっかけだった。
スーの別れた夫ボブ・ターナーは報道カメラマンで、南米コロンビアの麻薬王ルイス・リコを追っていた。ボブはリコの殺人現場を撮影するが、気付かれて命を狙われることに。ボブは撮影したフィルムをスーに送るが、その直後に殺されてしまう。
リコはスーを誘拐し、ミックにフィルムを持ってくるよう要求。尾行してきた麻薬捜査官から事情を聞き出したミックは、友人リロイや彼の仲間に協力してもらい、リコの屋敷からスーを救出。安全確保のためにミックはスーをオーストラリアへ連れていくが、リコの一味は2人を追ってくる…。

監督はジョン・コーネル、脚本はブレット・ホーガン&ポール・ホーガン、製作はジェーン・スコット、製作総指揮はポール・ホーガン、撮影はラッセル・ボイド、編集はデヴィッド・スティーヴン、美術はローレンス・イーストウッド、衣装はノーマ・モリシュー、音楽はピーター・ベスト。
主演はポール・ホーガン、共演はリンダ・コズラウスキー、ジョン・メイロン、ヘクター・アーバリー、ファン・フェルナンデス、チャールズ・ダットン、ケネス・ウェルシュ、デニス・ボーツィカリス、アーニー・ディンゴ、スーザン・エスマン、スティーヴン・アルヴァナイツ、ロン・ヤマモト、ダグ・ヤスダ他。


大ヒット映画の第2作目。
前作ではオーストラリアからニューヨークにやって来たミックの巻き起こす珍騒動が描かれたが、今回は悪党との戦いが描かれる。
前半の舞台がニューヨークで、後半はオーストラリアとなっている。

前作と同じく、笑いのポイントは「オーストラリアの田舎男が都会の色に染まらずマイペースで行動する」という一点のみなので、かなり苦しい部分も多い。
例えばビルから飛び降りようとするサラリーマンとミックが遭遇する場面など、強引に挿入したと思える場面もチラホラと。

ミックは友人リロイに彼の仲間を紹介してもらい、スー救出の手伝いを頼む。
だが、その必要性が全く感じられない。屋敷に侵入するのはミック独りだけだし、リロイや彼の仲間はほとんど何もしないからだ。
最初からミックだけ、又はミックとリロイの2人で救出に向かった方が良かった。

リコ達はスーやミックの命を狙ってオーストラリアまで追ってくる。
だが、その理由が不明。
その時点ではフィルムは警察の手に渡っているので、スー達を狙う意味が無い。
警察から追われているのだから、目立つ行動は避けるべきなのでは。
ミック達の護衛に1人の警官も付かないのも奇妙。

爆竹を海に投げ込んで魚を素手で捕まえたり、蛇を一瞬で捻り殺したり、そういったワイルドな行動が面白く見えるのは、舞台が都会だからこそ。
そんなわけで、オーストラリアに舞台を移す後半に入ると、最初から低調だった物語は、ますますトーンダウンしてしまう。続編の法則を忠実に守った続編映画であった。

 

*ポンコツ映画愛護協会