『コピーキャット』:1995、アメリカ

犯罪心理分析学者のヘレン・ハドソン博士は講演先のトイレでダリルという殺人鬼に襲われて以来、屋外恐怖症になってしまった。それ以来、彼女はずっと自宅に閉じこもりっきりの生活を送っていた。外部とは電話とパソコンによって連絡を取っている。
ある日、彼女は女性ばかりを狙った連続殺人のニュースを知り、警察に匿名で連絡を入れる。女性刑事M・J・モナハンは連絡を入れて来たのがヘレンということに気付き、同僚のルーベンと共に彼女の家を訪れる。モナハンから捜査への協力を要請され、ヘレンは引き受けることにした。
事件を調べ始めたヘレンは、犯人が実在の殺人犯の手口を模倣していることに気付く。さらに彼女は犯人が自分の書いた論文に登場する順番に、殺人犯の手口を模倣していることに気付き、次の手口を予想する。しかし、犯人はダリルの手口を模倣してヘレンを狙ってくる…。

監督はジョン・アミエル、脚本はアン・ビダーマン&デヴィッド・マドセン、製作はアーノン・ミルチャン&マーク・ターロフ、共同製作はジョセフ・M・カラッチオロJr.、製作総指揮はジョン・フィードラー&マイケル・ネイサンソン、撮影はラズロ・コヴァックス、編集はジム・クラーク&アラン・ハイム、美術はジム・クレイ、衣装はクローディア・ブラウン、音楽はクリストファー・ヤング。
主演はシガニー・ウィーヴァー、共演はホリー・ハンター、ハリー・コニックJr.、ダーモット・マルロニー、ウィル・パットン、ウィリアム・マクナマラ、J・E・フリーマン、ジョン・ロスマン、シャノン・オハーリー、ボブ・グリーン、トニー・ヘイニー、ダニー・コヴァックス、トーマス・ラウンズ、スコット・デヴェニー、デヴィット・マイケル・シルヴァーマン、ダイアン・アモス、リチャード・コンティ、ニック・スコッギン、バート・キニョン他。


猫の額くらいの面白さのサイコ・スリラー。
ヘレンをシガニー・ウィーヴァー、モナハンをホリー・ハンター、ダリルをハリー・コニックJr.、ルーベンをダーモット・マルロニーが演じている。
ジャズ・シンガーのハリー・コニックJr.が殺人鬼の役ということで期待した。
が、ほとんど見せ場は無い。

模倣殺人鬼の話だが、この作品自体が『羊たちの沈黙』の模倣かと思った。
そこにヒッチコックの『めまい』のテイストを取り込んでみた感じ。
でも前述2作品のレベルには達していない。
サスペンスなのに怖くないというのが全て。
コピー殺人の場面もほとんど描かれないから、何にも怖くないし。

とにかく警察のバカさばっかりが目立つ。
序盤の悪意に満ちたヘレンに対する対応でゲンナリ。
警護もロクに出来ないし、ルーベンは事件と関係無い場面で少年に射殺されるし。
それが何かの伏線かと思ったら、何にも無かった。
だったら、そんな場面を描く意味が無いっつーの。

無駄な部分も多い。
しばしばパソコンが登場するが、効果的に使われることはない。
ダリルも序盤の活躍以外は何も無く、クレイジーな印象も最初だけ。
モナハンというキャラの存在理由も薄い。
犯人とヘレンを繋ぐ仲介役&ヘレンを守る役ということなのだろう。
だが、役が生きていない。

というわけで、ここで謝罪を1つ。
冒頭に「猫の額くらいの面白さのサイコ・スリラー」と書いたのは誤りだった。
猫の額は、もう少し大きいと思う。

 

*ポンコツ映画愛護協会