『コップランド』:1997、アメリカ
ニューヨーク市警の警官が多く暮らす小さな町、ギャリソン。コップランドと呼ばれている町で、フレディ・ヘフリンは保安官をしている。彼は少女を救った際に片耳が不自由になり、そのせいでニューヨーク市警の警官に採用されなかったという過去がある。
ギャリソンでは警官の不正が日常茶飯事となっているが、フレディは彼らの犯罪を取り締まろうとはしない。多くの警官が存在することが町の治安維持に繋がっているため、フレディは見て見ぬフリを続けているのだ。
ある日、ギャリソンのボス的存在である警官レイの甥で、やはり警官のマレーが誤って黒人少年を射殺してしまう。レイと仲間達は事件を揉み消そうとするが、内務調査官モーが疑惑を抱く。フレディはレイ達の揉み消し工作を黙認するのだが…。監督&脚本はジェームズ・マンゴールド、製作はケイリー・ウッズ&キャシー・コンラッド&エズラ・スウェードロウ、共同製作はケリー・オレント、製作協力はクリストファー・グッド&ケヴィン・キング&リチャード・ミラー、製作総指揮はメリル・ポスター&ボブ・ウェインスタイン&ハーヴェイ・ウェインスタイン、撮影はエリック・エドワーズ、編集はクレイグ・マッケイ、美術はレスター・コーエン、衣装はエレン・ラッター、音楽はハワード・ショア。
主演はシルベスター・スタローン、共演はハーヴェイ・カイテル、ロバート・デ・ニーロ、レイ・リオッタ、ピーター・バーグ、ジャニーン・ガラファロ、ロバート・パトリック、マイケル・ラパポート、アナベラ・シオラ、ノア・エメリッヒ、キャシー・モリアーティ、ジョン・スペンサー、フランク・ヴィンセント、マリク・ヨバ、アーサー・J・ナスカレラ他。
豪華俳優陣の共演が話題となった刑事ドラマ。主人公フレディをシルベスター・スタローン、レイをハーヴェイ・カイテル、モーをロバート・デ・ニーロ、フレディの友人フィッグスをレイ・リオッタが演じている。
新境地の開拓を目指したスタローンは、ギャランティのことを度外視して出演を希望したらしい。デ・ニーロとの共演ということで張り切ったのか、見た目からして小太りになるという役作りをしている。
だが、オツムの中身まで変えることはムリだったようだ。警察の腐敗を描く硬派な作品だと思うが、どうにも緊迫感が無い。スタローンは最後の最後までただのダメ人間で、そのくせラストでいきなり半端なランボーのように銃をぶっ放す。おまけにコップランドの住民に嫌われて終わり。
なんじゃそりゃ。カタルシス溢れるドラマを狙った作品だと思ったのだが、それは全く無かった。デ・ニーロも影が薄いし、彼の演じるモーというキャラクターが特に必要だとも思えない。豪華な出演者に、作品が負けている感じさえする。
あえて肯定的な意見を述べるとすれば、「スタローン主演作の割には、それなりに良く出来ている」と言うことは可能だろう。
ただし、それが誉めていることになるのかどうかは分からない。たぶん、誉め言葉にはなっていない。