『キャスパー』:1995、アメリカ

メイン州にあるオンボロ屋敷“ホイップスタッフ”の主人が無くなった。一人娘のキャリガン・クリッテンデンは強欲な女で巨額の遺産を狙っていたが、遺書によって彼女に残されたのは屋敷だけ。だがそこに宝が隠されていると知った彼女は手下のディップスと共に屋敷へ乗り込んで来る。
実は屋敷にはゴースト達が棲み付いていた。キャスパーは心優しい12歳のゴーストだが、伯父のファッツォ、ストレッチ、スティンキー達は邪悪な心の持ち主。伯父ゴースト達はキャリガンを驚かせ、追い払う。キャリガンは悪霊払いに神父や博士を差し向けるが、全て失敗。
ある日、テレビを見ていたキャスパー。そこには世界で唯一のゴースト専門精神治療医を名乗るジェームス・ハーヴェイ博士が写っていた。彼の12歳になる一人娘キャットに一目惚れしたキャスパーはキャリガンを利用し、ハーヴェイ博士が屋敷に来るように仕向ける。
屋敷にやって来たハーヴェイ博士とキャット。伯父ゴースト達は嫌がらせに励み、キャスパーはキャットと仲良くなろうとする。死んだ父親が発明品を残していたことを思い出したキャスパーは、キャットを発明品の隠された場所へ案内する。だがその様子をキャリガンとディップスが伺っており…。

監督はブラッド・シルバーリング、脚本はシェリー・ストナー&ディーナ・オリヴァー、製作はコリン・ウィルソン、共同製作はジェフ・フランクリン&スティーヴ・ウォーターマン、製作協力はポール・ディーソン、製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ&ジェラルド・R・モーレン&ジェフリー・A・モンゴメリー、製作はコリン・ウイルソン、撮影はディーン・カンディ、編集はマイケル・カーン、美術はレスリー・ディレイ、衣装はロザンナ・ノートン、特殊効果監修はマイケル・ランティエリ、デジタル・キャラクター監修はデニス・ミューレン、音楽はジェームズ・ホーナー。
出演はビル・プルマン、クリスティーナ・リッチ、キャシー・モリアーティ、エリック・アイドル、ベン・ステイン、ドン・ノヴェロ、フレッド・ロジャース、テリー・マーフィー、チョーンシー・レオパルディ、スペンサー・ヴルーマン、アーネスティン・マーサー、ロドニー・デンジャーフィールド、ジェシカ・ウェッソン、ウェズリー・トンプソン他。


マンガから生まれ、アメリカでは大人気のキャラクターとなったお化けのキャスパーが活躍する映画。ハーヴェイ博士をビル・プルマン、キャットをクリスティーナ・リッチ、キャリガンをキャシー・モリアーティ、ディップスをエリック・アイドルが演じている。

CG映像、特殊効果を楽しむだけに存在する作品だと断言してもいい。ひたすらCG技術だけに注目して見るべし。あとダン・エイクロイド、クリント・イーストウッド、メル・ギブソンがカメオ出演しているので、それを楽しむという手もある。

ただし、ストーリーはグダグダである。大人の鑑賞に耐えないどころか、子供向け映画としてもイケてない。「子供向け映画だから、この程度でも構わないだろう」という気持ちが製作サイドにあったとは思わないが、結果的にはそうなっている。

最も残念なのは、伯父ゴースト達が完全に添え物的な扱いとなっていることだ。キャラクターで引っ張る映画なのは確かだし、そのキャラクターとしては伯父ゴースト達が最も面白いはずだ。しかし、ほとんど生かされていない。
まあ、キャスパーさえ可愛ければ、それでイイという映画なのだろう。


第18回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪の作品】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会