『ウォール・ストリート』:2010、アメリカ

インサイダー取引で収監されていたゴードン・ゲッコは刑期を終え、連邦刑務所を出所した。同日に出所した他の囚人たちには家族の迎えが来ていたが、ゴードンには誰の迎えも無かった。それから7年後の2008年。証券会社「KZI社」で働くジェイコブ・ムーアは、恋人のウィニーと同棲している。ウィニーは非営利ニュースサイトを運営するジャーナリストで、新しいサイトを立ち上げるためワシントンヘ1週間の出張に行く予定が入っている。朝のニュース番組に著書を出版したゴードンが出演するのを見た彼女は、苛立った様子でリモコンを投げ付けた。
ジェイコブは出社する途中、新世代のクリーン・エネルギーを研究するマスターズ博士から電話を受ける。マスターズは素晴らしい成果が出たことを報告し、あと1億ドルあれば予定を半年は縮められると話す。ジェイコブは石油価格が落ちなければ投資できると告げ、心配せずに仕事を続けるよう促した。彼が会議に出席すると、トレーダーの1人が赤道ギニア沖での海底油田開発事業に出資する話を持ち出す。チャーチル・シュワルツ(CS)社は出資しており、KZI社も続くべきだというのだ。ジェイコブは「リスクが高いので静観すべきだ」と反対し、これからは新世代エネルギーだと主張した。
ジェイコブはCEOのルー・ゼイベルから、ロンドンでの仕事に関連して高額小切手を渡される。ルーは最近の金融業界の動きに付いていけず、「情熱を失った。年は取りたくないもんだ」と漏らした。ルーから「その小切手で彼女に何か買ってやれ。景気を活気付けろ」とジェイコブは、ブルガリで指輪を購入した。彼は別の金融会社で働く親友のロビーと合流し、クラブへ繰り出した。オルガという美女が色目を使って来たが、ジェイコブは誘惑に乗らなかった。
ジェイコブはロビーにプロポーズを考えていることを打ち明け、「彼女は両親を見て結婚恐怖症になってる」と言う。ロビーが「彼女の親父さんはテレビに出て、住宅ローンの崩壊は嵐の前兆だと言ってた」と告げると、ジェイコブは「負け犬のやっかみだ」と笑い飛ばす。ロビーがルーについて「サブプライムローンで多額の借金を抱えた」という噂を教えると、ジェイコブは全面的に否定した。彼は小切手の残り百万をロビーに預けてKZI社に投資するよう指示し、「引退できるほどの金を作ってみせる」と自信を見せた。
しかしKZI社の株価は急激に暴落し、ジェイコブはロビーから「誰かが会社を潰そうとしてる」と告げられる。持ち株の売却を求められたジェイコブは、「絶対に手放すな」と口にする。彼はルーと会い、「噂の出所を突き止めます」と言う。ルーは「君には無理だ。この業界で生きるつもりらしいが、いつか地獄に落ちる。その前に、あの金を役立てろ。ゲッコーの娘と結婚して家庭を作れ。エネルギー会社の夢を持ち続けろ。それ以外はゴミだ」と語り、「大勢の従業員はゴミですか」という問い掛けには答えなかった。
ルーは連邦準備制度理事会に出席し、会社の救済を求めた。古参の銀行家であるジュリー・スタインハルトたちが難色を示す中、ハリーは救済に全社が参加すべきだと提案する。しかしCS社のブレトン・ジェームズは「倫理観の欠如だ」とルーを厳しく糾弾し、救済に反対した。ルーは「8年前のことを根に持っているのか」と憤慨するが、ブレトンは軽く受け流す。財務長官も含めた少数の話し合いが行われ、ブレトンは「財務省が損失を補填するなら」という条件を提示した。ブレトンが1株2ドルという安値での救済を提案すると、ルーは激昂する。しかし他に道の無いルーは4ドルで交渉し、ブレトンは3ドルで了承した。
ルーは地下鉄に飛び込んで自害し、KZI社は実質的に破産した。ジェイコブは心配して駆け付けたウィニーにプロポーズし、OKを貰った。彼はロビーに誘われ、母校で行われるゴードンの講演を聴きに行く。ゴードンが語る内容に感銘を受けたジェイコブは、講演後に声を掛けた。「貴方の娘さんと結婚します」と彼が言うと、ゴードンは「娘とは疎遠だ。知ってるだろ。兄の薬物死は父のせい、世の災厄は私のせいだと思ってる」と語った。
ジェイコブはルーの復讐を目論んでいると見抜いたゴードンに、娘との関係修復に手を貸すと持ち掛けた。するとゴードンはルーに止めを刺したのがブレトンだと教え、2000年のインターネット・バブルについて調べるよう助言した。ジェイコブは同僚のオードリーに調べてもらい、ブレトンとルーの因縁を知った。CS社がバブルの過剰投資で傾いた時、13の銀行が支援しようとしたがルーだけは拒否した。CS社は9つの銀行に支援してもらい、無事に経営を立て直したのだった。
ジェイコブはマスターズからの電話で、「人員の削減を要求された。銀行には融資を断られた」と言われる。ジェイコブは対処することを約束し、電話を切った。彼はロビーからの電話で、ローカスト・ファンドというケイマン諸島の会社が空売りで大儲けしたことを知った。ジェイコブは同僚たちと協力し、CS社が出資する赤道ギニアのハイドラ・オフショア社が国有化されるという噂を広めた。この噂が原因で、CS社の株価は一気に8%も下落した。
ジェイコブはウィニーを連れて、母であるシルヴィアの元を訪ねた。かつて美容師だったシルヴィアは、現在は不動産取引の仕事をしている。シルヴィアは「開発業者がうるさいから、少し貸してくれる?」と言い、物件を購入したことを明かす。ジェイコブが「好景気が続くとでも思ってるの?」と告げると、彼女は「リスクは覚悟の上よ」と口にする。幾ら必要なのかと尋ねるジェイコブに、シルヴィアは20万ドルだと答える。ジェイコブは呆れるが、金を振り込むことを約束した。
ジェイコブはオードリーから、ブレトンが会いたがっていると知らされる。夜になってジェイコブが屋敷を訪れると、ブレトンは「ウチで働かないか」と持ち掛ける。ブレトンはCS社の株価を急落させたジェイコブの手腕を評価し、「ウチの会社は様々な分野を手掛けているが、手薄なのは新世代エネルギーだ」と告げた。ジェイコブは即答を避けてゴードンと会い、ブレトンから誘われたことを話す。ゴードンはブレトンが以前は自分の客で情報を交換していたこと、20万の損失を被って関係が悪化したことを語った。
ジェイコブはゴードンと話し、バド・フォックスがインサイダー取引を暴いたことに触れた。するとゴードンは、「その後でブレトンが密告した。証拠は無いがね」と口にする。ブレトンがローカスト・ファンドと取引していることについてジェイコブが話すと、ゴードンは怪しいと告げる。ジェイコブはブレトンの誘いを受ける考えを明かし、「僕が支援している会社に資金を吐き出させたい」と言う。するとゴードンは、ブレトンとローカスト・ファンドを洗う代わりに娘との仲を取り持つよう取引を持ち掛けた。手始めに会食をジェイコブが提案すると、ゴードンは「残されたのは娘だけだ。私を2人の父親にしてくれ」と述べた。
ジェイコブはウィニーを連れて、ゴードンの待つレストランへ赴く。ゴードンはウィニーに喋っている最中、ジャーナリストのグレイドン・カーターを見つけて声を掛けた。グレイドンが誰か分からない様子だったので、ゴードンは自己紹介した。その様子を見たウィニーは、不快感を示して店を出た。後を追ったジェイコブが「彼は傷付き、人生を取り戻そうとしているんだ」と告げると、ウィニーは「パパを知らないのよ」と述べた。
CS社で働き始めたジェイコブは、高額の出資が見込めるワンという中国人との話し合いに同席することになった。トレーダーのキャロルはババコ・ソーラーという太陽エネルギー会社を勧めようとするが、ジェイコブは反対する。ブレトンはキャロルの案に賛同し、プレゼンを任せた。しかしワンも同席した取締役の娘も、まるで興味を示さない。ブレトンは別の資料を用意すると約束し、会合を切り上げようとする。ジェイコブはマスターズが研究中の新世代エネルギーについて説明し、ワン父娘の興味を引いた。さらに彼は、用意しておいた土産も渡した。ブレトンはトイレでジェイコブに声を掛け、その行動を評価した。
ジェイコブはゴードンから、ブレトンがCS社とは別口の取引にローカスト・ファンドを使っていることを知らされる。その情報と引き換えに、彼はチャリティー・ディナーのパーティーでウィニーと会えるよう手配を頼んだ。ジェイコブはウィニーを伴ってパーティーに出席し、ブレトン夫妻に紹介する。テーブルにゴードンが来ると、すぐにウィニーは席を外した。ゴードンとブレトンは互いに嫌味を浴びせ、静かな中で攻撃的な態度を取った。
ゴードンが去った後、ジェイコブはブレトンから「中国人の連中が食い付く。あと一押しだ」と告げられる。ゴードンは会場の外にいたウィニーを見つけ、「最後の面会で約束してくれただろ。出所したら一緒にスイス旅行へ行くって」と告げる。ウィニーが「あれは兄のルーディーが死ぬ前よ。服役して、次から次へと真実が報じられた」と責めるように言うと、彼は「もう9年も前だぞ。まだそんなことを。私には地獄の日々だった」と口にした。
ウィニーが「私たちには?ルーディーはああなって、ママは錯乱状態に」と泣いて抗議すると、ゴードンは「ルーディーはリハビリ施設に入れた。高利貸しから何万ドルも借りて、セラピストも雇った」と主張する。「パパが刑務所にいなければ違っていた」というウィニーの言葉に、彼は「君には分からないだろう。酷い父親だった自分を、どれほど責めたか。ルーディーは薬の犠牲者だ。私を責めないでくれ。君も自分を責めるな」と語る。「今の私にはお前だけだ。私を許してくれ」とゴードンが泣きながら頼むと、ウィニーは彼を受け入れて抱き合った。その様子を目撃したジェイコブは、嬉しそうに笑みを浮かべた…。

監督はオリヴァー・ストーン、キャラクター創作はスタンリー・ワイザー&オリヴァー・ストーン、脚本はアラン・ローブ&スティーヴン・シフ、製作はエドワード・R・プレスマン&エリック・コペロフ、製作総指揮はセリア・コスタス&アレックス・ヤング&アレッサンドロ・キャモン、撮影はロドリゴ・プリエト、美術はクリスティ・ズィー、編集はデヴィッド・ブレナー&ジュリー・モンロー、衣装はエレン・マイロニック、音楽はクレイグ・アームストロング、主題歌はデヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ、音楽製作総指揮はバド・カー。
出演はマイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、フランク・ランジェラ、スーザン・サランドン、ジョシュ・ブローリン、キャリー・マリガン、イーライ・ウォラック、オースティン・ペンドルトン、シルヴィア・マイルズ、ジョン・ベドフォード・ロイド、ヴァネッサ・フェルリト、ジョン・バッファロー・メイラー、ジェイソン・クラーク、ナタリー・モラレス、スニル・ヒラニ、トーマス・M・ジョイス、ジェームズ・チェイノス、グレイドン・カーター、ウォーレン・バフェット、ジョージ・スティーヴン・ブルメンソール、ルー・ナン、シン・チャン、エリック・パーセル、マイケル・ジェネット、ノエル・ブラック、ジュリアン・ミシェル他。


1987年の映画『ウォール街』の23年ぶりとなる続編。
前作に引き続き、『ワールド・トレード・センター』『ブッシュ』のオリヴァー・ストーンが監督を務めている。
脚本は『悲しみが乾くまで』『ラスベガスをぶっつぶせ』のアラン・ローブと『ロリータ』『トゥルー・クライム』のスティーヴン・シフ。
前作からの続投キャストは、ゴードン役のマイケル・ダグラスと、アンクレジットで1シーンだけ登場するバド役のチャーリー・シーン。
ジェイコブをシャイア・ラブーフ、ルーをフランク・ランジェラ、シルヴィアをスーザン・サランドン、ブレトンをジョシュ・ブローリン、ウィニーをキャリー・マリガン、ジュリーをイーライ・ウォラックが演じている。アンクレジットだが、テレビ司会者のジョーン・リヴァーズが本人役で出演している。

間違った噂でKZI社の株価が暴落すると、ルーは救済を求める。ブレトンが反対すると、ルーは「お前が噂を流したんだろう」と激昂し、「8年前のことを根に持っているのか」と声を荒らげる。ルーが自殺して会社が破産すると、ジェイコブはブレトンへの強い復讐心を抱く。
しかし、そもそも8年前にブレトンの会社が窮地に陥った時、ルーは救済を拒否したのだ。それなのに自分が困ったら助けを求めるって、それは虫の良すぎる話でしょ。救済を拒否されて激怒しても、自業自得でしかないでしょ。
もちろんブレトンが救済を拒否したのは8年前の出来事を根に持っていたからだけど、恨みを抱くのは理解できる。間違った噂を流して株価を急落させるのは卑怯な方法だけど、そんなのは金融の世界だったら珍しくもないだろう。それに「始まりはルーの非情な判断」ってことを考えると、「ブレトンは冷徹で卑劣な悪玉」とも言い切れない。
ここは本作品にとって、ものすごく大きな痛手だ。本来であれば、ブレトンは徹底して「巨悪」として描かれなきゃマズいのだ。

ゴードンがジェイコブの要請を受けて協力を承諾したら、「ブレトンを倒す」という目的のために動くべきだ。そして、それは「毒を以て毒を制す」という対決の構図になるべきだ。
ところがブレトンの毒が弱すぎるため、そんな構図は成立しない。
っていうか、そもそも「ブレトンを倒す」という目的意識が、うっすらとしか見えて来ないのだ。
ルーが死んだ直後は見えているが、ジェイコブと仲間たちが策略を練って株価を急落させたら、そこで実質的には終了しているような印象なのだ。

その後でジェイコブはブレトンに誘われて彼の会社に入るが、その目的は「ブレトンへの復讐」ではなくて、「マスターズの会社に資金を出資させる」ってことにある。
一応は「資金を吐き出させる」「儲けさせてから潰す」とか言っているけど、口先だけにしか聞こえない。
実際、ゴードンからローカスト・ファンドに関する情報を貰っても、そこから何かしらの行動に移るような展開は無い。
まだ情報が弱いので動こうにも動けないという事情はあるのかもしれないが、とにかく「ブレトンを潰す」という意識は見えて来ない。

ゴードンにしても、過去にブレトンとの間で因縁があった設定は用意されているし、パーティーでは互いに攻撃的な言葉を浴びせ合うが、「何としてでも潰してやる」という怒りや憎しみは見えない。また、表面的にはジェイコブに協力して情報提供するという形を取りつつ、それを利用してウォール街で復活してやろうという野望も見えない。
今回のゴードンは、「娘との関係を修復したい」ということしか考えていない。
この映画は『ウォール街』の続編なのに、なぜか「激しく火花を散らし、ドロドロした人間関係の渦巻くマネー・ゲーム」ではなくて、「家族愛のドラマ」を軸に据えている。なので極端に言ってしまえば、金融関係の話なんて無くても成立してしまうのだ。
もしも本作品が『ウォール街』の続編じゃなかったら、「金融業界の問題は背景に過ぎず、その中で家族愛を描くドラマ」でも別に良かったかもしれない。だけど『ウォール街』の続編として作られている以上、それじゃあ駄目だと思うのよ。

終盤に入ると金融市場の崩壊が始まり、アメリカの金融界全体が危機に陥るという展開が訪れる。
そうなると、もはやジェイコブの個人的な目的なんて、どうでも良くなってしまう。
いや「どうでもいい」ってのは言い過ぎかもしれないけど、「今はそれどころじゃないだろ」と言いたくなる。
なのでブレトンがワンの投資をマスターズの会社ではなくババコに回すと決断しても、それは自身の銀行を守るためなら仕方が無いだろうと感じるのだ。ジェイコブは激しく非難するけど、まるで共感できないのだ。

その後で、ゴードンがブレトンについて「サブプライムの空売りで市場を操作している。
住宅ローン市場の崩壊を予知し、不良信用保険の全面支援を政府からもぎ取った。悪の帝王だよ」と評するんだけど、「悪の帝王」と言われるほど醜悪なイメージが全く伝わって来ない。
おまけに、ゴードンは「復活する」という自分の目的に向かって行動するのだが、それと「ブレトンを潰す」という目的は全く融合しないため、終盤に入ると話がバラバラになってしまうのだ。

ジェイコブはゴードンから「ウィニーが25歳で相続できる1億ドルの信託預金がスイスの銀行口座にある」と聞かされ、それをマスターズの会社に回そうと考える。彼は「私のお金じゃない。汚れたお金よ」と言うウィニーを説得し、預金の引き出しを承知させる。だが、それはゴードンの仕掛けた罠で、まんまと1億ドルを持ち逃げされる。
そこに来て、ようやくゴードンが「本領発揮」「面目躍如」といった感じの行動を見せてくれる。ゴードン・ゲッコーは、そういう「金のためなら平気で娘も裏切る奴」じゃなきゃね。
ところが、ゴードンはジェイコブからウィニーが妊娠していることを示すエコー写真を見せられると、金を返して娘&孫に会うことを選ぶ。
いやいや、「金より家族」「金より愛」というヌルい着地を用意するなんて、どういうつもりなのか。ゴードンは徹底して、金の亡者であるべきでしょ。
「金儲けこそ全て」じゃなきゃ、ゴードン・ゲッコーの名が廃るぞ。彼は徹底して卑劣な守銭奴にしておいて、一度は騙されたジェイコブが反撃するというクライマックスでも用意してくれよ。

ウィニーはゴードンのことでウォール街を嫌悪しているはずなのに、そこで働くジェイコブと交際して結婚まで決める。高い指輪について「返して来て」と言い、「貴方がパパと同じだったら結婚しないわよ」と言うぐらい、銭ケバに対する強烈な拒絶反応を見せている。
だが、彼女はゴードンが1億ドルを返して関係修復を求めると、あっさり許してしまう。
それって、端的に言えば「ゴードンが金を出すことでジェイコブ&ウィニーとの関係を修復する」ってことになってしまうわけで。
しかもゴードンって既に資産を11億ドルまで増やしているから、その中の1億ドルを渡すぐらい、どうってことないのよね。

終盤に入って「ゴードンがジェイコブ&ウィニーから信託預金を騙し取る」という展開を用意することによって、「ブレトンへの復讐」という目的は完全に忘れ去られてしまう。そんなことより、「ジェイコブがゴードンから1億ドルを取り戻す」とか「ゴードンとウィニーの関係を修復させる」という目的の方が圧倒的に大きくなってしまうからだ。
とは言え、ブレトンを放置したままで終わらせるわけにもいかないので、一応は復讐劇を着地させる。
その方法は「ウィニーのサイトに彼の悪事を暴露する記事を掲載する」というモノだ。それを受けてマスコミが大きく報じ、ブレトンは金融界の大物たちに見捨てられて逮捕される。
でも、サイトに記事を掲載するだけで簡単に復讐を達成できるなら、最初からそうしておけよと言いたくなる。そんな取って付けたような解決方法では、まるで話が盛り上がらないし、何のカタルシスも無い。
結局、この映画で最も面白いのって、チャリティー・ディナーに出席していたバド・フォックスがゴードンと話すシーンなのよね。

(観賞日:2017年10月18日)

 

*ポンコツ映画愛護協会