『アビエイター』:2004、アメリカ
幼い頃、ハワード・ヒューズは母から伝染病にならないために隔離する必要性を説明された。1927年、ハリウッド。ハワードは映画の監督を務めるだけでなく、空中での撮影まで自分がやると言い出した。部下は危険性も考慮して反対し、シーンを削るべきだと進言する。だが、ハワードは「クライマックスに欠かせないシーンだ」と却下した。ハワードはヒューズ・ツール会を任せられる財務統括のプロを探しており、ノア・ディートリッヒを面接した。彼は「両親は死んだ。今は僕の会社だ。会社の金をどう使おうと僕の勝手だ。それを忘れるな」と言い、ノアの採用を決めた。
映画『地獄の天使』の撮影1年目、ハワードは何機ものプロペラ機を飛ばした。彼はクラブ「ココナッツ・グローブ」へ行き、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーのルイス・B・メイヤーに声を掛ける。彼はルイスに、カメラが2台足りないので協力してほしいと頼む。既に24台のカメラを使っていると聞いたルイスは笑い出し、「せっかく石油の掘削機で稼いだ金だ。銀行に預けろ。そんな映画は上映されない。それがハリウッドだ」と忠告した。
広報担当のジョニー・メイヤーは今のカメラだけで対処すべきだと告げるが、ハワードは「本編をどうするかは僕が決める」と譲らない。売り子のテルマが来ると、ハワードは目を奪われた。彼は「君を喜ばせるには何をすればいい?」と口説き、ホテルの部屋番号を教えた。ハワードはジョニーに、「ユニバーサルとワーナーに電話してカメラを借りろ。断られたら盗め」と指示した。多額の予算と大勢の人員を注ぎ込んで撮影した飛行機の飛行シーンを確認したハワードは、全く迫力が無いことに愕然とする。航空エンジニアのグレン・オデカークと相談した彼は上翼を外して飛行機の馬力を出すことを思い付き、さらに予算を投入した。
ハワードは気象学者のフィッツに来てもらい、背景に大きな積乱雲が欲しいのだと説明する。どこに出るか予測は出来ないと言われた彼は、大学の給料の2倍を支払うので早く雲を見つけるよう要請した。ハワードは8ヶ月に渡って各地を巡るが、望むような雲は一向に発見できなかった。会社があるテキサス州への会計報告が必要だとノアに言われた彼は、「カリフォルニアに新しい部門を作ろう」と告げた。オークランドに雲が出たことをフィッツが知らせると、すぐにハワードは現地へ向かった。
ようやく撮影は終了し、ハワードはハリウッドで記念のパーティーを開いた。彼は『地獄の天使』をトーキーにしようと決意し、ノアに追加予算を用意するよう命じた。あまりにも使った額が増えすぎて帳簿の操作が限界に達したため、ノアはハワードに映画製作からの撤退を進言する。しかしハワードは拒否し、会社と全資産を抵当に入れるよう指示した。ついに映画は完成し、ハワードは主演女優のジーン・ハーロウと共にプレミア上映の会場へ赴いた。会場には大勢の観客とマスコミが押し寄せ、ハワードは多くのフラッシュを浴びた。彼は映画を見た観客の反応を受け、退屈な場面を削る再編集を指示した。しかし映画は好評で、彼は万雷の拍手を浴びた。
ハワードはジョージ・キューカー監督の撮影現場へ飛行機で赴き、女優のキャサリン・ヘプバーンをゴルフに誘った。キャサリンは彼の耳が悪いことに気付き、補聴器を買うよう勧めた。彼女はゴルフ対決に勝ち、「私を口説くの、口説かないの?ご自由に」と余裕の笑みを浮かべた。ハワードはグレンたちに空気抵抗がゼロになる新しい飛行機の開発を命じていたが、なかなか満足できる物は完成しなかった。彼はTWAのジャック・フライから、新型機が必要だと告げられる。ハワードは彼に、高度を上げて揺れを少なくすれば乗客数は一気に増加すると語る。TWAの財政が苦しいと知ったハワードは、買収することにした。
ハワードはキャサリンとココナッツ・グローブへ出掛け、広報担当のジョニー・メイヤーと俳優のエロール・フリンに遭遇した。エロールの言動に不快感を覚えたハワードは、愛想笑いで取り繕った。彼はキャサリンを店から連れ出し、飛行機に乗せて夜景を見せた。ハワードは自宅にキャサリンを招き、肉体関係を持った。ハワードはグレンたちの完成させた新型飛行機に満足し、1935年9月13日に自らの操縦でテスト飛行を実施した。飛行機は飛行速度の世界記録を塗り替えるが、途中で燃料が切れて墜落の危機に見舞われる。ハワードは何とか不時着させ、キャサリンの元へ戻った。
ハワードは飛行機を使って4日間で世界を回り、こちらも世界記録を更新した。パンナムの社長を務めるホアン・トリップはハワードが飛行中に部下へ指示してTWAを買収したと知り、彼について調べるよう部下に命じた。キャサリンを伴ってパーティーに参加したハワードは、女優のエヴァ・ガードナーと出会った。キャサリンはハワードを連れて、両親が暮らす邸宅へ赴いた。すると彼女の元夫のラドローが、カメラを回していた。驚くハワードに、キャサリンは「両親のお気に入りで、いつも入り浸ってるの」と何食わぬ顔で話す。キャサリンや両親たちの会話に部外者意識を感じたハワードは、苛立って会食の場を中座した。
ハワードは陸軍航空隊の幹部と接触し、ヨーロッパに軍隊を運ぶ大型飛行機「ハーキュリーズ」の開発を決めた。彼はジェーン・ラッセルが肌を多く露出する新作映画『ならず者』を製作するが、アメリカ映画協会の検閲官を務めるジョゼフ・ブリーンから承認を拒否された。ハワードはブリーンが許可した映画の方が遥かに露出度が高いと主張して証拠を突き付け、公開に漕ぎ付けた。ハワードは毎晩、豪華なパーティーに異なる女性たちをエスコートして出席した。彼はハーキュリーズに金を出させるため、陸軍航空隊の幹部をパーティーに招待した。キャサリンは多くの女優たちと浮名を流すハワードに憤慨し、開き直る彼に非難の言葉を浴びせた。
グレンからハーキュリーズに必要なアルミニウムが手に入らないと知らされ、どうしても駄目なら軽くて頑丈な木材を見つけろと命じた。ハワードは自ら設計した新型偵察機をロックヒード・エアクラト社のロバート・グロスたちに披露し、逆にノンストップで大陸横断できる新型旅客機「コンステレーション」の模型を見せられる。取引条件を提示されたハワードは、自腹を切って製造ラインに回すことを決めた。キャサリンは他に好きな男が出来たとハワードに言い、別れを告げた。ハワードは激しく罵り、キャサリンを追い払った。
ハワードは新人女優のフェイス・ドマーグを面接し、個人的な契約を交わした。会食の場にホアンが来て挨拶すると、ハワードは敵対心を剥き出しにして自社の戦略を明かした。彼はジャックに商務長官との会談をセッティングするよう命じ、「アイルランドとフランスに路線を開く。バンナムだけに大きな顔はさせない」と言う。「ヨーロッパはパンナムの天下だ。メキシコに集中を」とロバートは進言するが、ハワードは「トリップのクソ野郎に太平洋路線を独占させてたまるか」と告げた。
ハワードはゴシップ記者のローランド・スウィートを呼び出し、彼が撮影したキャサリンとスペンサー・トレイシーの写真を全て買い取ると持ち掛けた。「売り物じゃない」とローランドが断ると、ハワードは共産党の大会に出たという彼の弱みを指摘する。TWAの株を要求されたハワードは、1万株で手を打った。ホアンはオーウェン・ブリュースター上院議員からハワードの動きを知らされ、コミュニティー・エアライン法案を上院に提案すると告げた。国防調査委員会に出席してほしいと彼が依頼すると、ブリュースターは議長になって権限を発揮すると告げた。
ハワードはエヴァに高価な宝石を贈るが、彼女は全く興味を示さなかった。彼が結婚を申し込むと、エヴァは「私は結婚してるし、貴方を愛してない」と冷たく告げた。ハワードがエヴァを車に乗せてレストランへ行くと、フェイスが現れた。彼女は自分の車をハワードの車に何度も激突させ、「もう私を愛してないのね」と泣いた。ハワードがなだめていると、マスコミが押し寄せて写真を撮った。ハワードはフアンがパンナムの国営化を目論んでいると知り、ブリュースターの弱みを掴むようジャックに命じた。
ハーキュリーズの開発でハワードは何度も修正を指示し、どんどん神経質になっていく。清掃の老人が視線を向けただけでも彼はスパイではないかと疑い、クビにするよう命じた。1946年7月7日、ハワードは自らの操縦で新型機のテスト飛行を実施する。しかし予定の時間が来て戻ろうとした時、エンジンに異常が発生して飛行機は制御不能に陥った。飛行機は住宅街に墜落して炎上し、ハワードは重傷を負った。一命を取り留めたハワードだが、グレンから空軍がハーキュリーズの契約をキャンセルしたと知らされる。戦争が終了し、もう巨大な輸送機が不要になったからだ。それでもハワードは、ハーキュリーズを完成させるよう指示した。さらにハワードはノアから、墜落事故が起きたこと、事故調査が終わるまでTWAの全機に飛行停止命令が下ったことを聞かされる…。監督はマーティン・スコセッシ、脚本はジョン・ローガン、製作はマイケル・マン&サンディー・クライマン&グレアム・キング&チャールス・エヴァンスJr.、製作総指揮はレオナルド・ディカプリオ&クリス・ブリガム&リック・ヨーン&ハーヴェイ・ワインスタイン&ボブ・ワインスタイン&リック・シュワルツ&コリン・コッター、共同製作はジョセフ・レイディー、撮影はロバート・リチャードソン、美術はダンテ・フェレッティー、編集はセルマ・スクーンメイカー、衣装はサンディー・パウエル、視覚効果監修はロブ・レガート、音楽はハワード・ショア、音楽監修はランドール・ポスター。
主演はレオナルド・ディカプリオ、共演はケイト・ブランシェット、ケイト・ベッキンセール、ジュード・ロウ、グウェン・ステファニー、ジョン・C・ライリー、アレック・ボールドウィン、アラン・アルダ、イアン・ホルム、ダニー・ヒューストン、アダム・スコット、マット・ロス、ケリ・ガーナー、フランシス・コンロイ、ブレント・スピナー、スタンリー・デサンティス、エドワード・ハーマン、ウィレム・デフォー、ケネス・ウォルシュ、J・C・マッケンジー、ジェイコブ・ダヴィッチ、エイミー・スローン、サム・ヘニングス、ジョー・クレスト、ルーファス・ウェインライト他。
大物実業家で映画プロデューサーでもあったハワード・ヒューズの半生を描く伝記映画。
アカデミー賞の助演女優賞&撮影賞&編集賞&美術賞&衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞の作品賞&主演男優賞&作曲賞など数々の映画賞を受賞している。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』に続いて、マーティン・スコセッシ監督と主演のレオナルド・ディカプリオがタッグを組んでいる。
脚本は『エニイ・ギブン・サンデー』『グラディエーター』のジョン・ローガン。
ハワードをレオナルド・ディカプリオ、キャサリンをケイト・ブランシェット、エヴァをケイト・ベッキンセール、エロールをジュード・ロウ、ジーンをグウェン・ステファニー、ノアをジョン・C・ライリー、ホアンをアレック・ボールドウィン、ブリュースターをアラン・アルダ、フィッツをイアン・ホルム、フライをダニー・ヒューストンが演じている。そこまでの経緯を大胆にスッ飛ばして、いきなりハワードが『地獄の天使』を撮影しているシーンを描いている。それまでの流れを後から挟むわけではなく、最後まで『地獄の天使』以前のシーンに戻ることは無い。
なので、ハワードが飛行機に取り憑かれるようになった理由は全く分からないままだ。
冒頭に幼少期のシーンを用意しているんだから、きっかけとなる出来事を描いてもいいはずだ。
しかし実際には、母が感染病を心配して隔離すると説明する様子を描いている。しかも、その冒頭シーンが以降の展開に繋がっているようには、まるで思えないんだよね。わざわざ冒頭で「幼少期に隔離された」ってことを描くのは、何のためなのかサッパリ分からない。
しかも隔離されている様子が描かれるわけではなく、これから隔離されるってのを台詞で説明するだけだし。
そこを冒頭に配置したのなら、途中で何度か幼少期の回想を挟んで、その頃の出来事が現在のハワードに大きな影響を与えているってのを示しても良かったんじゃないか。
どうやら、その経験を成長後の強迫性障害と関連付けようとしているみたいだけど、そこは無理があるよ。この映画は、「ハワード・ヒューズがどんな人物なのかを詳しく知っている」ということが求められる。
何しろ、彼が何者なのかという説明は、ほとんど用意されていないのだ。
ズブの素人だったハワード・ヒューズが会社の金を投じて『地獄の天使』を撮るのは、ルイス・B・メイヤーが笑い飛ばすように、無謀で愚かしい行動だ。結果的には大ヒットしたが、かなりリスクの高いギャンブルだった。
で、それがいかに無謀でリスキーな行動なのかも、そこに至る経緯や周辺の状況説明が無いから伝わりにくいんだよね。あらかじめハワード・ヒューズや『地獄の天使』に関する情報を知った上で脳内補完しないと、「ただ淡々と進められる話に付いて行くだけ」という感じになってしまう。
そもそも、ホントは『地獄の天使』の撮影シーンから始める構成自体、いかがなものかと思うんだよね。
そこまでの経緯があった上で「大物実業家が初めての映画撮影に挑む」という展開に入らないと、そのシーンの持つ意味が伝わらないでしょ。
そこも脳内補完に全てを頼る形になっているんだよね。あと、どれだけスケールが大きくて予算が莫大な映画なのかってのを台詞で説明しているけど、これも比較対象が無いから分かりにくいんだよね。
どんどん予算が追加されているのは分かるけど、いかに尋常ではない人員や予算なのか、普通では考えられない理由で撮影期間が長くなっているのか、そういうことも表面的な部分しか伝わらない。
ホントなら、『地獄の天使』を巡る話だけで1本の映画を作ってもいいぐらいなのよ。
でも、この作品だと、あくまでも「序盤で片付けられる1つのエピソード」に過ぎないのよね。ハワードは自分の望む映画を完成させることに固執し、そのためには予算も撮影期間も全く気にしない。会社と全ての資産を抵当に入れてでも、映画の完成を目指す。
しかし、そこまで彼が『地獄の天使』に固執する理由は、まるで分からない。
彼を突き動かす源は何なのか。
この映画って、表面的な部分を時系列順に追っていくばかりで、その背後に目を向ける意識が乏しいんだよね。
人間ドラマを描いているように見えて、それも実は表面的なのよね。『地獄の天使』の試写会シーンからカットが切り替わると、ハワードがキャサリンをゴルフに誘うシーンになる。この時点でハワードは『暗黒街の顔役』を手掛け、ジンジャー・ロジャースを口説いた噂が出るなどプレイボーイとして知られていることがキャサリンの台詞によって明らかになる。
つまり『地獄の天使』の試写会からは、かなりの時間が経過しているわけだ。
もちろん時間が経過していることは分かるけど、「映画人としても順調にキャリアを重ねている」とか、「映画界でプレイボーイぶりを発揮している」ってのをキャサリンの短い台詞だけでサラッと片付けるのは、上手いやり方とは言えない。
そのシーンに切り替える前に、そういうことをアピールする新聞記事か何かを挿入するとか、何か方法があったんじゃないかと。キャサリン・ヘプバーンがどれぐらい有名な女優なのかってのも、観客の脳内補完に全て頼っている。
さすがに、この映画を見るのに彼女を知らないという人は少ないだろうと思う。
だから、そこは許容範囲だけど、「なぜハワードがわざわざ撮影現場まで出向いてキャサリンを口説くのか」という辺りが全く分からないのは、やはり描写が不足しているんじゃないかと。
例えば「ハワードがキャサリンの記事を見て、撮影現場へ赴いて」という手順を挟むだけでも、かなり印象は違ってくるんじゃないかと。どうやら「ハワードにとってキャサリンは特別な女性だった」という風に描きたいようだけど、「2人が出会って親密になっていき」というドラマの弱さがネックになって、イマイチ伝わらないのよね。
飛行機のスピード記録を樹立した彼がキャサリンの元へ戻って「僕の頭にあったのは君のことだけだ」と言うシーンがあるけど、「嘘つけ」とツッコミを入れたくなってしまう。
ハワードの頭にあるのは飛行機のことだけで、女は二の次、三の次にしか思えないのよ。
キャサリンと付き合うようになったからって、そこの順列が大きく変化したとは思えないのよね。粗筋ではほとんど触れなかったが、劇中ではハワードが異常な潔癖症になったり、過剰な猜疑心を見せるようになったりする様子が何度も描かれている。
これはハワードの強迫性障害を表現しているシーンなのだが、何が原因でそうなったのかは全く分からないようになっている。
実際は、複数の墜落事故で脳を損傷したり、麻薬中毒になったりしたことが原因らしい。
でも映画だと、そういうことから神経質になって云々ってのは見えないんだよね。だから、単に仕事のストレスか何かが原因であるかのようにも思える。ただ、原因が良く分からないってのも問題なのだが、それよりも厄介なのは「ハワードの強迫性障害を強調することで何をどう描こうとしているのかが、良く分からない」ってことだ。
ハワードという人物をどのように捉えているのか、その切り口から描きたいのか、どこに焦点を当てようとしているのか、それが見えて来ない。
もちろん人間ってのは、単純明快ではなく複雑で多様性を持つ生き物だろう。
だけど、それをそのまんま見せられても映画としては散漫になっちゃうわけで。幾ら実在の人物を描くにしても、ある程度は単純化の作業が必要なんじゃないかと。
「全ての面を万遍なく見せる」ってのは、1本の映画で消化できる作業ではないだろう。
この映画は169分もあるので、長編映画としては随分と多くの尺を使っている。だが、それでも充分にハワード・ヒューズという男を描き出せているとは言えない。
しかも、「無駄に長い」と感じてしまうし。
もっとピントを絞り込んで、それに合わせて尺も削った方が良かったんじゃないかと。見終わった時、「それで?」という言葉が真っ先に浮かんだ。
ハワード・ヒューズという人物の半生について見せられた時、具体的な感想が何も思い浮かばなかったのだ。
「偉大な人物だなあ」と感心するとか、「苦労したんだなあ」と同情するとか、そんなことは全く無い。「波乱万丈の生涯だなあ」と圧倒されるとか、「狂気に取り憑かれた人だなあ」と唖然としたり、そういうことも全く無い。
魅力の乏しいチンケな男の話が淡々と進んでいくのを、心に何の波風も立たないまま最後まで見るだけの時間だった。
終盤の公聴会のシーン辺りでハワードをカッコ良く見せているけど、「急に印象アップの方向へ舵を切ったのね」という不自然さしか感じないしね。(観賞日:2020年9月21日)
第27回スティンカーズ最悪映画賞(2004年)
ノミネート:【最悪の言葉づかい(男性)】部門[レオナルド・ディカプリオ]