『アマゾネス』:1973、イタリア&フランス&スペイン

3千年ほど前、アマゾネスという女だけの王国があった。ペンテシレイア女王の任期が終わり、次の4年間を統治する人間を選抜する大会が開催された。軍司令官のアンティオペは切断した男の生首を掴み、馬に乗って後から現れた。最初の競技でトップの成績を出したのはオレイセアだったが、すぐにアンティオペが抜いた。次々に候補者が脱落する中、最後まで残ったのはアンティオペとオレイセアだった。格闘の結果、アンティオペが勝利して新女王に決定した。オレイセアは怒りを表し、納得できない態度を見せた。
アンティオペは質素な服に身を包んで仲間の前に登場し、「全てが変わる時が来た。アマゾンの掟が守られていた時代に戻るのです。密かに男と寝ている女は、掟に従って処罰されねばならない。男との接触は年に一度、子種を貰う時。その時が迫っている。この悲しい試練に備え、男の魅力に免疫が付くよう鍛えねば」と語る。さらに彼女は、「これからは軍人の特権は存在せぬ。収穫の時は、農民だけでなく軍人も参加する」と述べた。オレイセアと仲間たちは激しく反発するが、ペンテシレイアは女王に従うよう諭した。
アンティオペは仲間たちを集め、今年の交配相手がギリシャ軍の兵士たちに決まったことを発表した。彼女は脱走者の3名を連行し、男と寝るために抜け出したことを指摘する。3人が容疑を否定して釈明すると、アンティオペは衛生隊で軍務に服させることを告げた。一方、ギリシャ軍の指揮官は交配に立候補した面々を引き連れ、アマゾネス王国の女たちと会う場所へ向かった。その様子を見たテセウス王は興味を抱き、何をするのか尋ねる。指揮官は彼に、アマゾネスから報酬に銅版を受け取って子種を与えるのだと説明した。
テセウスは一行に加わり、交配に参加することにした。彼は将軍からアマゾネスの女たちが青い山で銅を採掘していると聞き、偵察を送ることに決めた。将軍は銅の取り引きに国会の一部が反対していることを話し、武力でアマゾネスを制圧すべきだと主張した。テセウスは「私は平和を念願しているし、好奇心の強い男だ」と言い、その考えを却下した。
テセウス王は身分を隠し、大尉としてアンティオペたちと面会した。アンティオペはギリシャ軍と交渉し、自分たちが男を選ぶことを承認させた。アンティオペが交配を2夜から3夜に増やしたいと言うと、テセウスは「そんなにお好きなので」と軽く笑う。アンティオペは全く表情を変えず、冷静に「確立を増やしたいだけよ」と述べた。立派な体格をしたギリシャ兵たちが次々に選ばれ、用意されたテントに入っていく。オレイセアと仲間たちはアンティオペを罠に陥れようと企み、媚薬を用意した。しかし侍女のロウリスは媚薬の入った水をアンティオペに渡さず、自分で飲んでしまった。
アンティオペはテントへ来たテセウスに「貴方は美しい。私はどうです?」と言われ、「銅一枚の値打ちよ」とアンティオペが告げる。テセウスが「男はみんな銅一枚なんですね。楽しめないな」と残念そうに言うと、アンティオペは「楽しむのが目的じゃないわ」と冷淡に話す。しかしテセウスがキスをして体に触れると、彼女は「何だか妙な気持ちだわ」と口にした。テセウスは彼女に、「ギリシャの詩人が言っています。セックスを楽しみ、戦争をやめようと」と述べた。
次の日、両軍の間で乗馬競技が開かれ、最初の種目でアマゾネスが圧勝した。テセウスは自分を出場させるよう将軍に要求し、アテネで「ヤマアラシ」と呼ばている競技をアマゾネスに披露する。彼は5人ずつ3列に兵隊を並べ、そこを馬で飛び越えた。するとアンティオペは1列増やすよう指示し、馬に乗って挑戦する。彼女は隊列を飛び越えるが、落馬して足に怪我を負った。テセウスは彼女が自分に勝とうとした理由が理解できず、首をかしげた。
その夜、テセウスはアンティオペのテントへ行き、塗り薬を差し出した。アンティオペは「落馬ではなく、馬が転んだのです」と言い張る。その日の交配を、アンティオペはメラニペに代わってもらった。「男のいない人生を物足りないと思いますか。セックスの楽しみ方にしても、女だけでは不満でしょう」というテセウスの問い掛けに、彼女は「女でなくて、どうして分かるの?」と返す。彼女はギリシャの男に虐待されて逃げて来た奴隷女もいることを明かし、「貴方たちは、妻を子供を産む道具のように考え、ろくに人間扱いもせず見下している」と糾弾した。
テセウスが「だが、女同士のセックスは不自然ですよ」と主張すると、アンティオペは「ギリシャの男は少年を愛してるわ」と指摘する。彼女が「貴方たちには楽しみで、私たちは子孫を作るのが目的よ」と話すと、テセウスは「いつも不快で苦痛な義務なのですか」と訊く。「いつもではないわ」というアンティオペの答えに、彼は「良かった。これを差し上げたい」とネックレスを贈った。彼がキスして情交に至ろうとすると、アンティオペは喉元にナイフを突き付けて追い払った。
アンティオペはギリシャ軍が眠っている間に、3夜を捨てて出発することにした。テセウスから「青い山を掘れば、銅が出るはずです」と言われていたため、彼女は軍勢を率いて山へ向かった。テセウスは斥候の情報で青い山にスキュチア軍がいたことを知り、部隊を率いてアマゾネスを追う。アマゾネスはスキュチア軍に襲われ、反撃するが犠牲が出る。そこへギリシャ軍が駆け付けると、スキュチア軍は逃亡した。アンティオペはテセウスに礼も言わず、「救援など呼んでいません。1時間以内に国を出なさい」と告げる。テセウスが青い山へ行くよう勧めたことから、彼女はスキュチア軍と戦わせる策略だったと誤解していた。
オレイセアや仲間のルセーラたちは、スキュチア軍を討伐するべきだと主張した。収穫を優先すべきだと考えるアンティオペだが、女神アルテミスに神託を乞うことを決定した。捧げる生贄の動物を仕留めるため、アマゾネスは狩りに出掛けた。オレイセアはアンティオペの背後に忍び寄り、矢を放って暗殺しようと目論んだ。しかし、どこからかギリシャ軍の矢が飛んで来て、オレイセアを妨害した。神託の儀式が始まると、オレイセアは踊りの最中にアンティオペが可愛がっていたマルペサの体を撫で回す。見せ付けるような態度に憤慨したアンティオペは踊りを中止させて「お告げがあった」と嘘をつき、スキュチア軍の討伐を宣言した。
アンティオペは討伐軍を率いるオレイセアを見送る際、メラニペに「彼女には良く玩具を奪われたわ。今は命を狙うつもりよ」と告げる。司祭から「子を持つ女が言い争ってはいけません。子を失うことになりますよ」と諭された彼女は、「男の子なら捨てるのよ」と口にした。夜、テセウスが寝室へ忍び込んで来たので、アンティオペは驚く。「借りを払うのです。3晩分貰って、1晩しか働いていない」と言うテセウスに、アンティオペは「誰か来たら殺されるわよ」と告げる。テセウスは「大丈夫ですよ」と明かりを消し、アンティオペを抱こうとする。しかし警備兵が男の侵入に気付いたため、アンティオペはテセウスを逃がして何も無かったフリをした。
クレタのメライナと名乗る女がアンティオペの元を訪れ、男の横暴を逃れて同盟を結びたいと申し入れた。アンティオペは歓迎し、平等の権利を約束する。彼女はメライナに様々な場所を案内し、男を必要としないアマゾネスの生き方を説明した。アンティオペの元を去ったメライナは、森で野営しているテセウスの所へ戻った。メライナの正体はテセウスの妻のフェードラで、アマゾネス国を探るためにスパイとして潜り込んだのだ…。

監督はテレンス・ヤング、原案はロバート・グレイヴス&リチャード・オーブリー、オリジナル脚本はリチャード・オーブリー、脚本はディノ・マイウリ&マッシモ・デ・リタ&セルジュ・デ・ラ・ロッシュ、製作はニーノ・クリスマン、製作協力はエミール・エベイ、撮影はアルド・トンティー、編集監修はロジャー・ドワイア、美術はマリオ・ガルブリア、衣装はジョルジオ・デシデリ、音楽はリズ・オルトラーニ。
出演はアレナ・ジョンストン、サヴィーヌ・サン、ルチアナ・パルッツィー、アンジェロ・インファンティー、ファウスト・トッツィー、ロザンナ・ヤンニ、マリサ・ロンゴ、ヘルガ・リーネ、ゴデラ・メイヤー、レイナ・ポトク、ルーシー・ティラー、アルマット・ベルグ、レベッカ・ポトック、クロディーヌ・アルバカーキ、アンナ・ペトッキ、ヴェロニク・フロレット、ナタリー・プルヴィエ、ヴァージニア・ローズ、ウルリク・ペッシュ、アンヘル・デル・ポゾ、フランコ・ボレリ、ベニート・ステファネッリ他。


『レッド・サン』『バラキ』のテレンス・ヤングが監督を務めた作品。
オリジナル脚本は『荒野のライフル』のリチャード・オーブリーが手掛け、脚色に『ガンマン大連合』『非情の標的』のディノ・マイウリ&マッシモ・デ・リタが携わっている。
もはや日本ではジャンル化していると言ってもいい「アマゾネス映画」の元祖であり、この映画のヒットを受けて邦題に「アマゾネス」と付く作品が次々に公開されたりビデオ発売されたりした。
ただし本作品も含め、原題に「アマゾネス」と付いている映画は1本も無い。そもそも「アマゾネス」というのは間違った和製英語(?)であり、そんな外国語は存在しないからだ。
アマゾネスを演じたのは、オーディションで選ばれた無名の女優ばかりだ。そんなアマゾネス・ガールズの脇を、『ゴッドファーザー』や『バラキ』に出演していたアンジェロ・インファンティー(テセウス)、『007/サンダーボール作戦』や『ガンマー第3号/宇宙大作戦』に出演していたルチアナ・パルッツィー(フェードラ)、『キング・オブ・アフリカ』『ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行』のヘルガ・リーネ(女教皇)、『空挺部隊』『つむじ風のキッド』のファウスト・トッツィー(将軍)といった「それなりに名のある役者」の面々が固めている。

新女王を決める大会の競技は、最初が槍投げで、次が障害物競走。3つ目が障害競馬で、次が弓矢による射的。
次々に候補者が脱落していく様子が描かれるが、まあノンビリしたモノだ。緊張感は全く無いし、競技の高揚感や盛り上がりも無い。
もちろん真剣にやっている設定なのだが、なんせ全員の動きがトーシロでモッサリしているので、生温いお遊びにしか見えない。
たぶん競馬のシーンはスタント・ダブルを起用しているだろうから、ちゃんとしている。でも槍投げのフォームなんかは、まるで腰が入っていない。

最終対決はオイル・レスリングで、2人ともオッパイをさらして絡み合う。キワ物や見世物としての面白味は少しぐらいあるかもしれないが、ヌルくてユルい。
あと、「そんな方法で女王を決めちゃうのかよ」と言いたくなるぞ。
知恵とか、リーダーシップとか、素行とか、そういう様々な要素は無視して、単純に運動能力だけで決めちゃうって、それで良く今まで問題が起きなかったな。
そんな方法で決めているせいで、優勝してもアンティオペは単なる荒っぽい女にしか見えないぞ。

新女王に就任したアンティオペは、仲間たちに向かって「67年前、私たちの母が新たな国を作った。私たちはアマゾンの意味を忘れ、怠惰で無気力になってしまった。男の国と変わらなくなった。4年間、戦争が無くて良かった」と語り、弛んだ気持ちを入れ替えて厳しい掟を守っていた時代に戻るべきだと訴える。
そういうスピーチからすると、ただの運動バカではないってことになる。
だけど、唐突なだけにしか感じない。
それに、「今までのアマゾン国」が全く描かれていないので、「無気力だった」とか「軍人が弛んでいた」とか言われてもピンと来ないしね。

大会に優勝したアンティオペが自室で準備を整えていると、近衛隊長のシナラがやって来る。彼女は現職を辞退し、「どの女王も信頼する者を任命します」と言う。アンティオペが「私はお前を信じている」と言い、改めて近衛隊長に任命する。
掟では宣誓が必要だが、その手順を彼女はカットする。シナラは「宣誓させないのは異例です」と告げるが、アンティオペは全く気にしない。
このやり取り、何の意味も無い。
もっと言っちゃうと、シナラが近衛隊長であろうとなかろうと、どうでもいい。

アンティオペは男とのセックスを「悲しい試練」と呼び、「男の魅力に免疫が付くよう鍛えねば」と告げる。そして実際、鍛える様子が描かれている。
どうやるのかというと、「男は体も心も汚れている」「男の手は、すぐ悪いことをする」「男の顔は品が無い」など、男を扱き下ろす言葉を口にして、それを女たちに唱えさせるという訓練だ。
それって鍛えることになってんのか。実際に男と会ってセックスしたら、何の役にも立たないような気がするぞ。
でも、そういうのを喜劇じゃなくて、マジに描いている。

アンティオペのスピーチ内容に激しい反抗心を抱いたオレイセアと仲間たちは、彼女を退位させようと考えて話し合う。だったら、すぐに何かしらの行動を取る展開へ移るのかと言うと、そうではない。
そもそも、その話し合いで具体的な計画なんて何も出ていない。
そんで侍従長が「女王が重大な発表をするらしいの」と会話の流れを無視して言い出すので、どんな発表なのかと思ったら「交配の季節が来たことよ」と口にする。
いやいや、それはアンティオペのスピーチで言ってた内容でしょ。
そこからカットが切り替わってアンティオペが発表するシーンになるけど、そんな無駄な前フリなんて全く要らんよ。

アンティオペはギリシャ軍と交配することを発表した後、脱走者の処罰について語る。
だけど、そこは別々で処理した方がいいよ。そうじゃないと、どっちの要素も弱くなっちゃうでしょ。
それと、「脱走者は処罰する」と言っていたはずなのに、ちっとも処罰できてないぞ。
「衛生隊で軍務に服させる」って、なんだよ、それは。何がどういう風に罰として成立しているのか、サッパリ分からん。
っていうか、その場で明確に分かるような罰を与えるべきだろ。

オレイセアは媚薬入りの水を用意してアンティオペを罠に賭けようと目論むが、それをロウリスが飲んでしまう。それによってロウリスが欲情してしまい、メラニペと事務作業をしているギリシャ軍の指揮官に目を留める。しかしメラニペがロウリスを叱責し、指揮官の手を掴んでテントに入る。
だから「間違ってロウリスが欲情する」という展開は、そこで切れてしまう。
単に「オレイセアの策略が失敗した」というだけで済ませず、別の女が媚薬で欲情する展開に繋げたのなら、そこは何かしらのオチに至るべきじゃないかと。
「欲情したけど、何も出来ずに男を見ただけ」ってのは、投げっ放し状態になってるでしょ。

交配のシーンでは、セックスを嫌がる女たちもいる。抵抗して隣のテントに倒れ込んでしまうと、「今度は女同志よ」と言い出し、仲良しの女とのレズ行為を始める。なぜかギリシャの男も「分かった、構わないよ」と軽い少子で承諾し、テントを出て行く。
いやいや、交配のための時間なのに、レズ行為を許してどうすんのかと。
これも喜劇としての描写ではなく、一応は真面目に描いている。
でも当然っちゃあ当然だが、ものすごく生温くてグダグダした雰囲気が流れる結果に繋がっている。

乗馬競技のシーンでは、ギリシャ軍の敗北を見たテセウスが自分も参加させるよう求める。だから用意されている次の競技に参加するのかと思いきや、勝手に自分たちの競技を披露する。
それは粗筋に書いた通りの内容なのだが、それはあくまでも「設定上の内容」だ。
実際のところ、テセウスもアンティオペも隊列を飛び越えてはいない。隊列の向こう側をジャンプしているだけだし、飛び越えたように見せるにしても高さが全く足りていない。
そういう雑な形でも普通にOKテイクにする辺りが、この映画のユルさを象徴している。

アンティオペはスキュチア軍の討伐を決定する際、お告げが出たという嘘をつく。だが、それが露呈して糾弾されるような展開は無い。
また、討伐軍に自分は参加しないし、その戦闘が描かれることも無い。そして討伐軍を送るという手順を消化すると、それとは全く関係の無いエピソードに移る。
だから当然のことながら、しばらくはオレイセアとの対立関係も脇に追いやられる。
そもそも焦点の定まらない映画ではあるが、グダグダっぷりがさらに増していく。

テセウスが寝室へ忍び込んで来た時のアンティオペは、もうすっかり彼を歓迎する態度になっている。
誰かが来ることを警戒しているが、追い払わずにセックスしようとする。
そりゃあ最初のセックスから「妙な気持ち」とは言っていたけど、テセウスがキスしようとした時はナイフを突き付けて追い払っていたし、スキュチア軍の一件で騙されたと誤解して激昂していたはずなのに、どういう心境の変化なのかと。
テセウスを受け入れてセックスしようとするなら、少なくともスキュチア軍の一件の誤解が解ける手順は必要でしょ。

テセウスは寝室から去る時、「鹿のいた松林で待っている」とアンティオペに告げる。しかしアンティオペが松林へ行く手順は無いまま、別のエピソードに移ってしまう。フェードラがテセウスの元へ戻ったタイミングで、アンティオペは森へ行って2人の関係を知るが、どうやって野営地の場所を知ったのかは不明。
激しく嫉妬したアンティオペは「ギリシャ人を皆殺しにする」と息巻くが、そのくせテセウスは殺さず股間を蹴り上げるだけで済ませている。その直後に陣痛が起きてアンティオペは出産するが、男児だったので連れて行かれると「連れて行かないで」と弱々しく懇願する。
話が進むにつれ、どんどん女王としての威厳や強さが薄まり、弱さや情けなさを露呈するようになっていく。
それがキャラの魅力に繋がればいいが、ただチンケになっていくだけ。

討伐から戻ったオレイセアはアンティオペの暗殺を企み、夜の寝室へ乗り込む。
待ち受けていたアンティオペは、なぜか裸での戦いを要求する。それに対して、なぜかオレイセアは快諾する。そして2人は揉み合うのだが、なぜか途中で欲情してセックスを始める。
とにかくエロいシーンを盛り込みたいってことだったのかもしれないが、メチャクチャである。もはやソフト・ポルノの世界だ。
っていうかソフト・ポルノとして捉えても、デタラメであることに変わりは無い。

テセウスは自分の妻をスパイとして送り込んで探らせておきながら、何食わぬ顔でアンティオペに「貴方を愛している」と言う。
彼が抹殺されたはずの息子を助けて育てていることを明かすと、アンティオペは直前に仲間と決めたギリシャ兵皆殺し作戦などすっかり忘れて彼に転んでしまう。
彼女がテセウスの馬に乗せられてギリシャ軍の元へ行くと、オレイセアは戦いを宣言して仲間と出発する。
そんなことが起きているとは知らず、アンティオペはテセウスの馬車で楽しくやっている。

戦いによってオレイセアを含む多くのアマゾネスが殺されるが、アンティオペは何も出来ずに見ているだけ。
すっかり無力な姿を露呈した彼女は、最終的にはテセウスに向かって「貴方の秘書にしてほしい」と言い出す。
「秘書なら給料がある」「女の地位を変えたい」「男女平等よ。女に選挙権を与える」とか一応は言っているけど、「女は男に敵わない」という着地になっている。
それがテーマだとしても、そうじゃないとしても、どっちにしろヘロヘロの映画である。

(観賞日:2017年9月27日)

 

*ポンコツ映画愛護協会